今月のソロプレイ第二弾は、再び、「Panzer Leader」(AH)から、シナリオ15「エルゼンボルン尾根」です。アメリカ軍の予想外の抵抗により、すっかり進撃スケジュールが遅れた第6SS装甲軍が、最後の突破をかけて、エルゼンボルン尾根を強襲するシナリオです。
 
ドイツ軍には、最強のケーニッヒ・ティーガー3個小隊をはじめ、ティーガー・パンテルなど、13ユニットのAFVが登場します。砲兵こそ、迫撃砲のみですが、歩兵戦力も30個小隊と十二分です。
 
対する連合軍は、21ユニットの歩兵に、強力な砲兵(80火力)がいますが、AFVはわずかに5ユニットのみ。全てを守ることは到底、不可能です。
 
連合軍の最大の味方は、地形です。ドイツ軍は全ての街を占領した上で、10ユニット以上の戦闘部隊を東端から突破させなければなりませんが、地図盤Cには深い森と丘陵、河川が入り組み、進撃路は限定されます。よって、街には最低限の守備隊を置くのみとし、主力は中央の丘陵から森林に配置します。南部は、WILN北の森林に装甲車のバリケードを引き、背後に歩兵のスタックを積んで、突破に備えます。あとは、駆逐戦車の射撃と105mm砲の間接射撃があたることを祈るのみ。
 
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後攻に配置のドイツ軍は、これを見て、部隊を大きく3つに分けます。ケーニッヒを含むティーガー部隊を中央に侵攻させ、力押しで突破を狙います。南部のWILNは、森の2箇所の隘路と南側の迂回路からパンテル部隊を侵攻させ、街の確保とあわよくば突破を狙います。最後の第276国民擲弾兵師団は、配置の都合で北からST.ATHANを抑えます。迫撃砲部隊はやや火力は弱いものの、D盤中央の森において、援護砲撃を行います。
 
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第1ターン、最前線で観測を行っている装甲車に対し、対空砲とヴィルベルウィンドが攻撃を集中し、4:1でこれを撃破します。エルゼンボルン尾根攻防戦の始まりです。
 
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当初の予定通り、ティーガー部隊が中央に進出し、快足のパンテル1個小隊がST.ATHANに接触し、偵察を行います。その北部では、第276国民擲弾兵師団が徒歩でジリジリと迫ります。また、南部ではパンテルを先頭に、森林地帯に分け入ります。
 
これに対し、連合軍も想定通りの1ヘクス単位の遅滞戦術で応えます。
 
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第2ターン、敵を観測できないドイツ軍は、装甲の厚いAFVを先頭に、敵ににじり寄ります。唯一、捕捉できたZ5への直接射撃は、drに恵まれず、散開に留まります。
 
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ここで連合軍の迫撃砲が、炸裂します。目標は、D盤上で視認されていた2個対空砲でしたが、こちらもdrが冴えずに、ともに散開に。
 
やむなく、遅滞戦術を続け、中央隘路の丘陵地帯に撤収します。ST.ATHAN市街地で唯一、行った攻撃(近接突撃)は効果なし。
 
第3ターン、前線に部隊が集結したことで、ドイツ軍の直接射撃と突撃が猛威を振るいます。まず、Z5に立てこもる歩兵を、4:1で撃滅。さらに、AA4のスタックへの3:1突撃、TとUを封鎖していた歩兵への2:1突撃が、全て成功して、一気に6ユニットを除去します。この成功で、早くもST.ATHANが陥落します。
 
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これに対し、連合軍は森林の奥に潜んでいた駆逐戦車とM4が火を噴き、虎と王虎の各1ユニットを撃破します。
 
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第4ターン、2ユニットの仇とばかりに、火力戦に移ったドイツ軍の直接射撃は、すさまじい威力を発揮します。ティーガーとパンテルの正確無比な射撃が、連合軍の3個AFVを撃破。さらに、ティーガーの88mmで散開した歩兵に、短機関銃小隊と国民擲弾兵が突撃をかけ、これを撃破します。
 
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南部では、最南端を迂回したⅣ号戦車が、WILNに取り付きます。
 
劣勢の連合軍は、強力な砲兵の間接射撃に賭けますが、ケーニッヒ・ティーガーへの砲撃は厚い装甲に阻まれて、効果なし(1:1+1drm)。敵歩兵を狙った迫撃砲攻撃は、視認部隊が混乱したため、スカッターを起こし、寄りによって、誘導していた味方を誤射!これが壊滅していまいます。
 
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わずかに残った2個AFVで、ティーガー小隊へ乾坤一擲の4:1攻撃を行いましたが、こちらは散開止まり。
 
第5ターン、流れは完全にドイツ軍に。直接射撃で最後のAFVを除去すると、後方からケーニッヒ・ティーガーなどが突進し、盤端まで3ヘクスに迫ります。
 
南部でも、パンテルとⅣ号戦車がわずかな守備隊を直接射撃で吹き飛ばし、WILNの制圧に成功します。
 
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連合軍は、早くも最終防衛線に立てこもり、徹底抗戦の構えを見せます。頼りなかった砲兵も、やっと歩兵スタックに命中し、1個を除去、もう1個を散開状態にします。
 
第6ターン、迫撃砲の間接射撃と先頭に立つティーガー隊の直接射撃で、U9に前進します。残りはあと2ヘクス。これ以外は、敵への接触を行い、次ターンの攻撃準備を整えます。
 
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第7ターン、再び、敵を捕捉したドイツ軍の直接射撃が火を噴きます。射撃位置に付いたパンテルが、観測によって照準した歩兵に75mm榴弾の嵐を見舞い、2ユニットを除去。
 
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さらに、森林にスタックしている装甲輸送車群を撃破します。ここに、最高の射撃能力を持つ短機関銃小隊が前進します。
 
と、ついに連合軍砲兵が、的確な目標を捕らえます。U8の歩戦合同スタック!ちょうど装甲と非装甲の防御力が拮抗していたため、80火力をもろに喰らうことになり、ティーガーを除く、3ユニットが撃破か、散開状態になります。
 
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南部でも歩兵のスタックが、最前線の短機関銃小隊に近接突撃の逆襲をかけ、これを散開に。
 
連合軍の必死の抵抗が効を奏し、第8ターンのドイツ軍の攻撃に狂いが生じます。南部のM8の歩兵スタックに対する攻撃は成功(2個撃破)したものの、肝心の北部での3つの射撃は散開がやっと。
 
そこへ、二匹目のドジョウを狙う連合軍の間接射撃が、またもU8を直撃し、今度はティーガーを含む、全てのユニットが散開状態になります。
 
後、もう1ターンだけ、凌げば、ドイツ軍の猛攻は止められるか?!
 
が、確率の女神は、非情でした。第9ターン、先ほどのスカに気合いを入れたドイツ軍の直接射撃は、これまでの不発を取り戻し、ほぼ全弾が命中!北部の全ての歩兵を除去してしまいます。対戦車砲しか残らない状態では、もはや、この突破口を防ぐことは不可能です。
 
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さらに、頼みの綱だった砲兵が、重迫撃砲の洗礼を受けて、散開となり、砲撃力が半減してしまいます。南ではかろうじて封鎖を維持しているものの、北はすでに打つ手はなし。
 
最終の第10ターン、唯一、残っていた対戦車砲スタックの臨機射撃を封じるべく、森林を浸透した短機関銃スタックが、先制射撃を行い、これを完全に沈黙させます(散開)。さらに、南でも1箇所に穴が開き、盤端に向けて浸透が可能になります。
 
この瞬間に、勝負は付きました。阻むものがいなくなった北部の森林回廊を、AFVと歩兵を積んだ輸送車が突進し、13ユニットが突破し、勝利を確定しました。
 
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唯一の反攻は、射撃可能だった1個105mm砲が、隣接ヘクスを疾走するパンテルに臨機射撃(直接射撃!)を実施。これを散開状態にしたことでした。
 
連合軍としては、ほぼ想定通りの遅滞行動と乾坤一擲の反撃を行いました。が、drに恵まれず、敵を打ちこぼしたことで、猛烈な反撃(直接射撃)を招き、力押しを許してしまいました。drがもう少し恵まれていればと思いますが、それでももう一粘りができるように、完全に市街地を放棄する手などもあるかも知れません。後は、間接射撃のあたり具合かしら・・・。