今月のソロプレイは、ウォーゲーム日本史の最新作「ユキムラズ・ラスト・バトル」(WGJ)です。デザインは、異人デザイナーのドナルド・ブース。

徳川方は通常の移動-戦闘-回復ですが、大阪方は、戦意と同じ行動チットを受け取り、移動または戦闘のいずれかを選択する非対応シークエンスです。

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戦意は、両軍とも3でスタートし、一定数の部隊が壊滅すると最大で-3の低下となります。敵の名のある武将を討ち取ると、各ターンに最大で1上昇します。これ以外に、東軍は茶臼山を占拠すると1上昇し(西軍は1低下)、西軍は秀頼が出陣すると1上昇します。

勝利条件は、盤外にいる家康の首を取ること。これが達成できないときは、敵の戦意を0にするか、最終ターンに敵よりも戦意が高ければ勝ちです(同点の場合は、西軍の勝利)。

システム上の特徴は、強ZOCで、一度、接敵したユニットは戦闘以外での離脱が不可です。また、スタック制限が常時適用されるため、1ユニットしかおけない東軍は、密集隊形にしてしまうと、退却できずに除去されることがしばしば。

戦闘結果表は、戦闘力差ですが、EXに特徴があります。+3までは1ユニットずつ除去ですが、+4を越えると相手の数にかかわらず、2ユニット(ステップ)が除去されてしまいます。また、東軍の豊富な人員を表現してDEがD2(2へクスの後退)扱いになるため、西軍は敵を囲まない限り、(EX以外で)敵を除去することはできません。よって、東軍はなるべく高戦力差の攻撃を、西軍は+3までの戦闘と戦闘後前進による包囲を、心がけることになります。

なお、西軍のほとんどを占める牢人衆はアントライドになっていて(平均戦力2.05)、戦ってみるまで、実戦力が不明です。

以上のことから、西軍には大きく二つの戦略があります。
①敵の前線を蹂躙しながら突破口を開き、奈良街道(家康の本陣)に真田隊を突破させる。
②前線を縮小し兵力濃度を上げて、こまめに打撃を与えながら、戦意優勢による勝利を目指す。

東軍は、逆に西軍の突破を防ぎながら、有名武将の討ち取りと茶臼山の奪取で、戦意優勢を狙うことになります(西軍の増援へクスを狙う手は、距離がありすぎて、よほど相手がミスをしない限り、困難です)。

今回、西軍の基本は、奈良街道への突破を目指し、それが難しくなったら、戦意優勢による勝利に切り替えることにします。

第1ターン、西軍は当然のごとく、移動を選択し、東軍の前線部隊に隣接します。東軍は密集による後退不可(除去)を嫌って、まず、岡山口先鋒(前田隊)が活性化し、散開。当時に、まだ、十分な厚みのない西軍左翼を集中攻撃し、数ユニットの除去に成功します。

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やっと来た第3ラウンド、西軍は迷わず攻撃を実施します。第一目標は、戦意向上のキーとなる本多忠朝。まず、側面のユニットを後退させ、忠朝の包囲を狙いますが、+3攻撃にも関わらず、失敗。忠朝を取り逃がしたと思いきや、+4攻撃でBBが出て、除去に成功します。同時に、真田信吉隊を攻撃し、包囲で1ユニットを除去します。

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東軍は、すかさず、天王寺口先鋒を活性化させ、戦線を整理するとともに、混乱した部隊の回復を行います。まだ、最終ラウンドでは、最大戦力を誇る天王寺口予備隊(伊達隊中心)を投入し、西側から中央部の戦線に厚みを持たせます。

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第2ターン、西軍の戦意向上により、チット枚数は西軍4:東軍3に。突破のチャンスとみた西軍は、前線の兵力が少ないにもかかわらず、攻撃を選択。巧みな攻撃により、戦線中央の東寄りに大きな突破口が開きます。真田隊主力が突入準備に入りますが・・・。

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ここで、東軍は岡山口二番隊(藤堂・井伊隊)を投入し、突破口を閉塞するとともに、果敢な反撃で真田隊1ユニットを除去します。

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西軍はやむなく移動を選択し、前衛を含む全体の戦線を強化します。対して、東軍はここで岡山口先鋒(前田隊)を活性化し、長大な西軍の東側面に猛攻を加えます。アントライドの戦力が低かったことと戦闘drが冴えまくったことで、有名武将2名を含む、6ユニットの除去に成功し、大穴を開けます。

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ここで慎重策なら移動による戦線補強でしたが・・・チット数で1枚勝ることを計算し、西軍は攻撃に打って出ます。主力は先鋒の真田隊!間接包囲と密集による後退不可により、数ユニットが壊滅します。が、まだ、突破口は開けないため、スタックのまま、戦闘後前進をして、突撃体制を維持します。

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慌てた東軍は主力となる天王寺口予備隊を持って、中央部と西側で攻勢に出ますが、味方の壁に邪魔をされ、せっかくの大兵力を生かすことができず。

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最後に西軍が移動を選択し、戦線東側に開いた大穴を封鎖します。

続く、第3ターン、両軍とも部隊の消耗が響き、チット枚数は西軍3:東軍2に。東軍の動きが落ちてる今がチャンスと、西軍は攻撃を選択し、中央部に持てる兵力をぶつけます。幸村本隊を含む真田隊の強力な攻撃により、錐をもむように前衛を潰走させます。

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これに対し、東軍は東側から藤堂・井伊隊を、西側から伊達および浅野隊を投入し、西軍を締め上げますが、スタックした真田隊は頑強に抵抗し、これに耐えます。

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と、第5ラウンドに逆襲に転じ、中央部に再び突破口を開きます。

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勝負の第4ターン、真田隊は側面東軍を、第1ラウンドの戦闘で一蹴。すかさず、絡みついてきた伊達・浅野隊を、連続戦闘で押し戻し、ついに突破口を確保。

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穴をふさぐための天王寺口三番隊が追いつく前に、軍馬に鞭を入れた真田隊3ユニットが駆け抜け、奈良街道への突破に成功しました。

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討ち取り数値は、幸村を含めて4!これで決まりかとdrをしましたが、ああ、ダイスは5!真田隊1ユニットが壊滅し、勝負は次ターン以降に。

第5ターン、多大な損害が祟って、チット枚数は西軍2:東軍2の同数に。先攻の西軍は、戦意向上のため、退路がなくなっている有名武将に目をつけ、果敢に攻撃を行います。この結果、戦国の生き残り藤堂高虎と本多忠朝が討ち死に!西軍の次ターンの戦意を1上昇させることに成功します。

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勝利のためには、逆に西軍の戦意を挫くしかない東軍は、西から伊達隊が、東から前田隊が猛攻を加え、戦線に揺さぶりをかけます。が、西軍が、必死の移動で穴をふさぎ、突破や大包囲を許しません。

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第6ターン、ついに崩れた北東部から前田隊が突進するも、西軍の増援口(サドンデス地点)には届かず。西からも伊達隊が猛攻を加え、中央部に穴を開けますが、チット数で勝る西軍がギリギリで戦線を維持し、時間切れに。

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奈良街道に突破した真田隊は9割近い確率の家康討ち取りに失敗したものの、最終的に西軍が戦意で上回り(3:2)、大阪方の勝利となりました。

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タイミングによりますが、大兵力を効率よくぶつければよい関東側に対し、かなりトリッキーに攻撃と移動を行わねばならない大阪方は、史実通り、厳し目です。相手が初戦なら、経験者が大阪方を担当した方がいいかも。

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が、冷静な判断とdrの幸運に恵まれれば、今回のような展開もあり得ます(あの好条件で、家康を討ち取れなかったのは、ちはら会らしいけど、笑い)。だいぶ、システムになれたので、いつでもインストできますよ~。