今月のソロプレイ第6弾は、「戦艦の戦い」(CMJ)S4「マタパン岬の死闘」です。史実で取り逃したヴィットリオ・ヴェネットを、イギリス戦艦隊が捕捉したというもので、夜間シナリオになります。

視界は極めて悪く、3-8ヘクス。イギリス軍のみがレーダーを持っています。しかもヴィットリオ・ヴェネットは、スタート時に2Sの損害を受けており、敵に砲撃されるか、敵を発見するまで、2移動力で直進しかできません。

今回、イギリス軍が取った作戦は、敵艦隊の右舷を迂回し、前方に出たところで丁字戦法をとって肉薄、その後は接近戦で敵戦艦を撃破するというものです。視界不良を考えると十分に可能性があった作戦ですが・・・。

序盤、方針に沿って、イギリス艦隊は距離を取って、敵の右舷を迂回します。視界判定で「6」さえ出なければ、敵に捕捉されることはなかったのですが・・・。

第4ターン、まさかの「6」がここで出て、イタリア軍に警報が鳴り響きます。もはや、隠密接近は無理となったイギリス軍は、レーダーを頼りに長距離砲撃を開始します。この攻撃でヴィットリオ・ヴェネットに1Wを、側面にいたDD3に2W1Sの損害を与えます。ここでイタリア軍は主力隊を逃がすべく、軽巡及び駆逐艦が敵に向かって反転します。

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第5ターン、主力を叩きたかったイギリス軍ですが、視界は急速に悪化し、わずか5ヘクスに。やむなく、接近する軽艦艇に対し、猛砲撃を浴びせます。イタリア軽巡が機関に損害を受け2Sとなり、あわよくば魚雷発射をと狙った駆逐艦は沈没寸前の3W2Sの大損害を受けます。が、時間を稼いだイタリア軍は、運良くヴィットリオ・ヴェネットの機関修理に成功。敵と直交する進路に巡洋艦隊を、敵と同方向に直進する進路にヴィットリオ・ヴェネットを向かわせ、分離離脱を狙います。

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第6ターン、このターンも視界は6ヘクスと低調。敵の鼻先をかすめるイタリア重巡洋艦隊と追撃するイギリス艦隊の間に、猛烈な砲撃戦が展開されます。近距離での撃ち合いにより、イギリス軍の護衛艦(軽巡及び駆逐艦)に8ヒットの損害が出ますが、イタリア軍の被害は、はるかにそれを上回ります。遠距離で砲撃できなかったヴィットリオ・ヴェネットを除く全ての艦艇が何らかの損害を受け、うち、重巡1隻と駆逐艦隊2隊が轟沈します。

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第7ターン、イギリス軍は、ギリギリ間に合うかどうかの距離で、ヴィットリオ・ヴェネットを追いかけますが、このターンも視界は3ヘクスと最悪。ともに星弾を使って、イギリス軍とイタリア巡洋艦隊間での戦闘になります。その結果、イギリス駆逐艦隊が沈没するものの、戦艦の砲撃等でイタリア巡洋艦にさらに6ヒットが加わります。

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第8ターン、もはやヴィットリオ・ヴェネットの捕捉は不可能と考えたイギリス軍は、追撃を敵の巡洋艦隊に振り替えます。精度は低いものの、星弾の射撃でイタリア軽巡が沈没します。

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第9ターンも視界の悪さ(3ヘクス!)から、追いかけるイギリス軍軽艦艇とイタリア軍重巡との撃ち合いになります。さすがに、イギリス軍に損害が多く出ますが、沈没までには至りません。

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第10ターン以降、天候が回復したことにより、イギリス軍は、再び、戦艦による星弾射撃が可能になります。戦艦の主砲攻撃により、まず、重巡トレントが海没。続いて、トリエステへの砲撃で、第12ターンにこちらも轟沈。

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この時点で、イギリス軍の射程内にいる敵は全て壊滅し、残った敵は優速を生かして離脱したため、ゲーム終了となりました。

かなり有利に戦闘を進めたイギリス軍ですが、ヴィットリオ・ヴェネットに逃げられたため、終わってみれば通常のVP勝負になります。その結果・・・

[イタリア軍の損害]140.5点
 戦艦1隻小破
 重巡3隻撃沈・1隻大破・1隻中破
 駆逐艦2隻撃沈・1隻大破
 軽巡1隻撃沈

[イギリス軍の損害]39.3点
 重巡3隻撃沈・1隻大破・1隻中破
 駆逐艦1隻撃沈・2隻大破
 軽巡1隻大破・1隻中破
で、得点上はイギリス軍の圧勝となりました。

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今回は、側面から迂回策を取ったため、結果的にヴィットリオ・ヴェネットの機関修理を助ける形になり、その高速性で離脱を許しました。これを防ぐには、背後からの追走になりますが、イギリス艦隊を全速力で突進させ、接近戦に持ち込む手もあったかも知れません。が、これも乱戦故に敵の雷撃を許したり、数では優る敵重巡の火力を増大させたりする可能性もあります。ヴィットリオ・ヴェネットの機関修理次第ですが、これを撃沈するにはそれなりの運も必要でしょうね。

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