今月のソロプレイは、終戦70周年を迎える帝国陸軍ジャンルから「樺太1945」(SA)です。マイナーな日本軍ものの中でもとびきりマイナーな南樺太の戦いを描いた作戦・戦術級です。終戦を間際に控えた時期に、物量で襲いかかってくるソ連軍を相手に、邦人脱出の時間を稼ぐため必死の抵抗を広げる日本軍、という設定がGood。ゲームシステムとしては、砲撃-移動-防御砲撃-戦闘と比較的簡単な部類に入ります。

ソ連軍の方針としては、主攻勢は中央の道路沿いで、狭いながらも平地が続くので、砲兵と精鋭部隊を集中して、強引に前進を図ることになります。ソ連軍の砲兵はきわめて強力ですが、接敵した日本軍のみを攻撃できるという制限があります。戦術的なテクニックとして、多少の損害は覚悟で日本軍に詰め寄り、(場合によっては塹壕を掘り!)接触状態を維持して、砲撃を誘導することが必要です。

また、助攻としては湿地帯の迂回があります。史実ではこれが思いの外、うまくいき、古屯への奇襲となりました。が、ゲームでは日本軍が足止め部隊を回すのは確実なため、望み薄です。よって、知志代方面の部隊で湿地を牽制しつつ、必要に応じて主戦場に部隊を廻すことも有効です。

日本軍は、とにかく地形効果を利用して、ソ連軍の攻撃を耐え、古屯を守り切れば、勝利です。上記の方針に従って、両軍を配置し、ソロ演習を開始します。

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第1ターン、ソ連軍は国境間近の半田陣地と八の字監視哨に攻撃をかけます。半田陣地では側面部隊と守備隊それぞれにヒットを与え、後方に後退させます。数人しかいない八の字監視哨は3個山岳連隊により、除去されます。

日本軍は当初の計画に従って、主力は師走川のラインに部隊を展開し、第1大隊の基幹部隊を湿地へ迂回させます。

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第2ターン、勢いに乗るソ連軍は、足止めの2個小隊を撃破し、亜界川に到達します。残った日の丸と知志代監視哨も一撃で屠り、次ターンに予備の重砲を呼ぶことに成功します(全監視哨を除去することが条件)。

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目前に敵主力が迫った日本軍は、必死に塹壕を掘り、敵を待ち受けます。

第3ターン、まだ、砲兵の展開がすまないソ連軍は、戦車と狙撃兵大隊のスタックを、師走川陣地の中央に指向し、攻撃を実施します。平地ながらも小川越し(攻撃力1/2)と塹壕(dr+2)は強力で、ソ連軍に初のヒットが出ますが、次ターンの砲撃条件を考えて、ステップロスで耐えます。

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日本軍は、主抵抗線を固めるとともに、迂回路の湿地にも縦深陣地を築き、迎撃態勢を完了します。

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第4ターン以降、師走川防衛線を巡り、激戦となります。敵に接触したソ連軍は強行を控え、陣地を構築。至近距離で正確な着弾観測を行い、展開を終えたソ連軍砲兵6個大隊が猛烈な砲撃を加えます。

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敵が混乱した(防御力1/2)ところで、全面にわたって攻撃をかけましたが、日本軍が粘りに粘ります。砲撃や戦闘でステップロスした部隊を後方や側面から補充し、一歩も引かず。

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3ターンに及ぶ猛攻の末、兵力集中に切り替えたソ連軍は、第6ターンに3カ所で前進に成功します。陣地構築による観測-重砲射撃-戦車・狙撃兵スタックによる強襲により、じりじりと師走川陣地に浸透します。

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正面こそ浸透されたものの、日本軍の抵抗は猛烈でした。側面の八方山や湿地で頑強に抵抗。特に湿地に陣地を構えた二個中隊は、猛烈な砲撃と二度に及ぶ突撃を、地形を生かして阻止。司令部との連絡が途絶し回復ができなくなってもなお抵抗を続け、第10ターンまでここを死守・玉砕しました。

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ソ連軍が主戦線で攻勢を再開できたのは、第10ターンでした。神無川防衛線に戦車・狙撃兵スタックがとりつき、戦いの神砲兵が猛砲撃を再開します。日本軍も増援を投入して、損害を受けた陣地を確保。

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なりふり構わぬソ連軍は、3個の戦車・狙撃兵スタック(!)を投入し、第12ターンについに神無川陣地の一角に食い込むことに成功しましたが・・・ここで時間切れ。邦人脱出ために、防衛線を維持し続けた日本軍の勝利となりました。

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史実同様に展開できる戦場の範囲が限られているため、ゲームとしては歴史的展開を楽しむ部類になるかと思います。ちょっと地形効果が強力すぎるため、史実にも届きませんが・・・。湿地は戦闘力に変化無し、山地も2倍くらいでちょうどいいかも。

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ともあれ、南樺太の戦闘を描いた唯一の国産アイテムですので、興味のある方は終戦に合わせてプレイしてみてはいかがでしょうか?

なお、このソロプレイでWWⅡ帝国陸軍ジャンルのプレイ率が5割を超えました。そちらもご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/mitsu005jp/11314929.html