電撃戦によって、一撃でスターリン体制を崩壊させるはずが、3年目に突入した独ソ戦。ソ連邦の尋常ならざる人的資源と広大な領土によって、猛烈な消耗戦に巻き込まれたドイツ軍は、未だ優勢な作戦的能力を駆使して、度重なるソ連軍の攻勢を撃破します。どうにか維持した主導権を持って、最後の戦略的な攻勢-ツィタデレ作戦を発動しましたが・・・。

[1943年]22アイテム

ヴェリキエ・ルキ攻防戦(CMJ)
 ソ連軍の二度目の冬季反攻を描いた、作戦級です。「ターニング・ザ・テーブル」で開発されたC3Iチットシステムを使用しています。厳冬のヴェリキエ・ルキ戦を詳細なシステムで表現します。プレイ時間は6時間以上の本格派です。

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WHITE DEATH(CMJ)
 「ヴェリキエ・ルキ攻防戦」とほぼ同じスケールと戦場ですが、こちらはタイム・スライス・システムと呼ばれるものを使っています。上記が戦闘面の多様性に特化していたのに対し、こちらは活動を細分化し、行動面の同時進行処理となっています。戦闘システムも基礎戦闘力に倍数をかけていくファイヤーパワーであり、タフなプレイを要求されます。

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Panzerkrieg(AH)
 ウクライナからドン河回廊の全域を舞台に、独ソ戦の南方軍集団の戦いを、8本のシナリオで描く作戦級です。ドイツ軍の司令部が、指揮官の名称入りで登場しますが、マンシュタインなど優秀な指揮官になると、装甲師団並み(!)の戦闘力が加算されます。最近、6Aからも再版されています。

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激闘!マンシュタイン軍集団(GJ)●
 全てはここから始まった!選択チットドリブンを使用し、きわめて自由なシステムで、スターリングラード以後の激烈な南方軍集団の死闘を描きます。ドイツ軍としては、早期後退で戦線を縮小し、史実のように装甲予備による「後手からの一撃」を見舞いたいところです。が、コーカサスに進行したB軍集団の撤収までロストフをさせねばならず、ソ連のスチームローラーに飲み込まれる恐怖と戦いつつ、ギリギリの勝負が続きます。デザイナーのふーらー中村氏は、日本人として二人目のチャールズ・ロバート賞を受賞しました。

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ハリコフ大戦車戦(翔企画)●
  移動-戦闘の間に敵のリアクションが入るのが特徴。マストアタックと相まって、敵軍ターンに前線を綻ばせ、自軍ターンに突入して戦果拡大が、基本作戦となります。が、師団単位でマップ規模も大きいため、移動の裁量が少なく、平地での押したり引いたりといった、(正しいけど)あまりぱっとしない展開に。

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ハリコフ1941-43(SA)△
 かつてSSシリーズから発売されていた「ハリコフ大戦車戦」の発展的第二版。シナリオが増えて、第一次から第4次までプレイできるようになったのが、特徴です。ソロ専用の第一次ハリコフ攻防戦で、ギリギリ届きそうで届かないあたりが、ドイツ軍的にGood。

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ドイツ戦車軍団(CMJ)ハリコフ●
  移動-戦闘というこれ以上ない単純なシステムながら、戦闘で後退した防御側が1ターン行動不能になるという仕組みによって、予備の必然性を表現した傑作作戦級。80年代にエポックから発売後、CMJ誌で様々に形を変えて、援用されてきました。中でもこのハリコフは、重点形成の自由度と平地での機動戦が史実にマッチし、数限りない作戦研究とリプレイが行われてきました。もはやこれ以上の作戦はない、と思われていた昨年、茨城会のaoさんが北部歩兵師団の転用を考えつき、またもバランスが動くことに。まさに、今でも現役のタフな「老兵」です。

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ドイツ南方軍集団(サンセット)△
 「星作戦」をはじめ、「キエフ」「ロストフ」「コルスン」のクワドリ作戦級。基本システムが一世を風靡したPGGなんですが、もっとも売りの「星作戦」でもハーフマップに多くのユニットが登場する本作だと、あのPGGのドライヴ感がないのが残念。これまで、「星作戦」と「キエフ」が対戦済みなので、どこかで成仏させたいものです。

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PANZER KEIL(ツクダ)
 アドテクノス亡き後に、ツクダから出版を続けた元スタッフが制作したハリコフ戦およびクルスク戦。基本システムは、強行軍または戦闘を行うと機械化部隊が半減する「走れ!パットン」(アドテクノス)を援用しています。両軍とも時には消耗覚悟で、前進または強襲をしなければならないことがあり、いい意味で判断に迷います。クルスク戦については、史実よりも西方でソ連軍を包囲撃滅する鹿内氏の作戦研究が、シミュレーター誌に掲載されました。

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ツィタデレ作戦-クルスクの決断(CMJ)○
 6Aの山崎氏デザインのクルスク戦の作戦級。南北からのクルスク攻略は不可能と割り切って、南北それぞれのマップが用意されています。ターンの連続性を表現するため、戦闘-移動と通常とは違うシークエンスを使ったり、戦車戦と通常戦闘を分けて機甲戦の特徴を出したりと、新機軸を打ち出しましたが、理論的にはわかるのですが、プレイの感触がつかみにくかった覚えがあります。以外とドイツ軍が強力で、南部ではプロホロフカを突破したことも。

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ツィタデレ:クルスクの決戦(SA)
 上記の改良版で、シークエンスと戦闘様式は、ほぼ同様です。時期を見て、再戦してみたいものです。

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ドライブ・オン・クルスク(CMJ)
 史実にらわれずに、重点形成の自由度を持った最新のクルスク作戦級。どこを突破点にするのか(あるいはプロホロフカにするのか)、プレイヤーの技量が問われます。同テーマで未プレイの作戦級は、史実に忠実な「ツィタデレ:クルスクの決戦」(SA)か、超ヘビー級の「クルスク大戦車戦」(SPI/SA)しかないため、先にプレイをしたい一品です。

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クルスク大戦車戦(SPI/SA)
 旧SPIでクルスク戦の決定版として登場したエリック・ゴールドバーグ氏の作品。システムは、移動-戦闘-機械化移動とよくあるものですが、部隊には体形変更があり、移動・戦闘に影響します。また、戦闘ルールも強襲モードによる2回の戦闘や砲兵・対戦車砲による防御射撃など、非常に詳細になっています。あまりに時間がかかりすぎるので、日本語版では簡易版ルールとミニシナリオが、添付されています。

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プロホロフカ戦車戦(T誌)○
 隔月間Tactics誌に掲載された、ファイヤーパワー方式のミニ作戦級です。史上最大の戦車戦ながら、先のハードアイテムしかなかったクルスク戦を、自作キットとはいえ、プレイできることが、うれしかったです。展開はドイツ軍による力押しが主で、往々にしてクルスクまで突破できたりしますが、激しい戦闘であれよあれよと戦力を消耗していく様が、妙に心を打ちました。今でも、時折、無性にプレイしたくなったりします。

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Bloodbath at KURSK(CMJ)○
  CMJ誌で初のクルスク戦アイテムで、チットドリブンで、南部のドイツ軍の攻勢を描きます。デザイナーは、機甲戦を描いたら定評のあるジョン・ディシュ氏。ゲームバランスは規模しく、ほぼ、ドイツ軍の勝利はありませんが、ソ連軍の凄まじいまでの砲撃の嵐と猛烈な数の戦車の反撃、精鋭ドイツ軍の正確な射撃が楽しめます。

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リング・オブ・ファイア(CMJ)
 クルスク戦の後の祭りたる、第四次ハリコフ戦を描いた作戦級。デザイナーのジョン・ディシュ氏が機甲戦のために開発したシステムが秀逸で、通常戦闘の前に戦車戦が発生します。数は少ないけれどもきわめて優秀なドイツ装甲部隊が、快速で突っ込んでくるソ連軍戦車の先鋒を叩きに叩き、必死の機動防御を繰り広げます。未だ、初期展開しかソロをしたことがないので、ぜひ、対戦したいものです。

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THE TIGERS ARE BURNING(CMJ)
  タイロン・ボンバ氏制作のクルスク以後のウクライナ戦役です。扱う範囲と期間は、傑作「ウクライナ'43」(CMJ)とほぼ同様ですが、クォーターサイズのため、プレイしやすくなっています。これも同氏の特徴でドイツ軍が強力なため、バランス的にはソ連軍必敗とか?!

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ウクライナ'43(CMJ)
 20世紀が生んだ最高の作戦級アイテムとまでいわれた、傑作アイテム。デザイナーは、「HANNIBAL」(Valley Games)等で有名なマーク・シモニッチで、既存のシステムを丹念に組み合わせ、十分なデヴェロップをして開発しており、完成度の高さもまさに「最高」です。惜しむらくは・・・総じて、それなりの時間とテクニックを必要とすることで、多忙極まる社会人晩年ゲーマーには、荷が重かったりします。

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マンシュタイン最後の戦い(GJ)
  「激マン」システムの後継作で、クルスク戦後のハリコフ攻防戦とドニエプル川での防衛を描きます。例によって、ギリギリの兵力しかないドイツ軍が、史実同様の綱渡りを強いられる展開が秀逸。南方軍集団のミニキャンペーンとして、ちょっと時間がかかるのが、難点か。

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サボロジェ:1943(SA)○
  初期のSA誌に掲載された、ドニエプル川のサボロジェダムを巡る作戦戦闘級です。なけなしの戦力で必死に防衛線を張るドイツ軍に、物量のソ連軍が襲いかかります。陣地帯を突破されると、じりじりと後退せざるを得ないドイツ軍と、強力ながら時間がないソ連軍との対比が表現された、ミニゲームです。ブルムベアがユニット化されていて、ファンにはたまらないシチュエーションです。

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Kanev(T誌)○
  これまた、ドニエプル川の渡河を巡る作戦戦術級です。偶然、渡河可能な浅瀬を見つけたソ連軍が、ドイツ軍の隙を突き、強行渡河し、ブクリン橋頭堡を築き上げます。ドイツ軍も必死に部隊をかき集め、半島の封鎖を行います。ソ連軍はこれを打ち破らんと、精鋭空挺部隊を投入するも、降下場所のミスとドイツ軍の迅速な機動反撃に遭って、失敗。わざわざ、ソ連軍の失敗した作品を、「共産主義デザイナー」が発表したと、違った意味で話題になったりしました。

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激闘!キエフ奪回戦(GJ)
  初期のGJ誌に掲載された支援チット・システムの作戦級。今なら、CDSでしょうが、移動や戦闘で有利な特別ルールのチットをランダムで各師団に「装着」します。キエフ周辺のフルマップにもかかわらず、師団規模ということで、各ユニットの重要性が増しており、タイトなドニエプル川攻防戦が楽しめます。

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Across the Dnepr(CMJ)
 現在まで最新のドニエプル川攻防戦アイテムです。上記とほぼ同じ戦場規模と期間ですが、マップはわずかにクォーターサイズのため、駆け引きを楽しめるミニゲームです。

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