人混みをかき分けながら、ブースを一回りしたところで、yagiさんから声がかかりまして。「CMJ新作のテストプレイをしてよ~ん」。え~げーむSHOPさんのブースをお借りして、来年のCMJ 掲載予定の「菅渡戦役」を対戦しました。

デザイナーは、砂漠のキタキツネさん。ちはら会茨城会で評判の「ノルマンディの切り札」(CMJ)や箱庭南方戦線「ルントシュテットの戦い」(CMJ)など、カードドリブン系のミニゲームが好評です。

今回は前近代的な軍隊の作戦級とあって、ナポレオンの芸術的な機動防御を描いた「国内戦役1814」(CMJ)に近いシステムを用いています。これに最近、よく使用しているデッキ構築型を取り入れています。

第一戦はインストを受け、mitsuが曹操軍を担当します。

序盤、袁紹軍にはVP上、攻勢が義務づけられており、動きの速い顔良が北部で河川を渡河します。これに対し、曹操率いる主力がすぐに反応し、迎撃。鎧袖一触で、顔良を討ち取ります。

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中盤、出撃準備を整えた袁紹が渡河して、中央部に進出します。曹操も迎撃を試みしたが、両陣営とも損耗し、消耗戦を嫌って曹操が退却します。戦術力の差が±2あるとは言え、袁紹の戦力は最高の10で、正面決戦ではいつか物量の並みに呑み込まれます。

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いったん、後方に下がった曹操ですが、首都からの増援を統合し、反撃に。大将同士の猛烈な激戦を制し、曹操軍が勝利を収め、袁紹本隊はやむなく対岸に撤収します。

曹操軍も消耗していましたが、同数ならこちらが上と、側面防御をしていた文醜に襲いかかり、これも討ち取ってしまいます。

結果、袁紹軍のVPが激減。意地で淳于瓊が南方から渡河を成功させますが、時すでに遅し。曹操の支配を崩すことができず、魏の勝利となりました。

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どちらかというと曹操軍が有利なアイテムなようで、インスト接待をしていただいたので、第二戦は陣営を入れ替えて、mitsuが袁紹軍を、yagiさんが曹操軍を担当します。

序盤、曹操本隊が河川中央に出てきたため、(袁紹本隊以外の)強行渡河は危険と判断。上流に袁紹に次ぐ兵力をもつ淳于瓊を派遣し、下流に顔良を派遣し、敵の分散を試みます。

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が、曹操本隊はあえて動かず。ならばと、袁紹本隊が中央で渡河を実施します。

兵力的には圧倒的な袁紹本隊ですが、いかんせん動きが遅いため、顔良と淳于瓊にも河川を渡河させます。これに対し、曹操本隊は顔良隊に機動防御を実施。強行軍で渡河したばかりの顔良を捕捉し、これを討ち取ってしまいます。

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ならばと、文醜隊が袁紹本隊を乗り越えて中央部を侵食しますが、舞い戻った曹操本隊がこちらも討ち取り。

全く占領地が増えず、モラル的に追い込まれた袁紹は川沿いに南下し、河内河南エリアを占拠します。が、南部にいた于禁が、最後の手番で逆渡河を実行し、この支配を切り崩してしまいます。結果、士気が零になった袁紹軍の敗北となりました。

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なんとか手はないかと、第三戦も同じ陣営で対戦します。

焦って前進しても曹操本隊の餌食になるばかりと思った袁紹軍は、未占領による士気の低下にはあえて目をつぶり、袁紹・淳于瓊の高戦力部隊の慎重な前進と「田豊カード」の入手を優先します。第1ターンに先駆隊として淳于瓊が渡河し、第2ターンに袁紹本隊が続きます。

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この状況を作ったところで、北部及び南部で軽機動部隊による浸食を始めます。これに対し、曹操本隊はまず北部の淳于瓊を迎撃し、これを撃退します。本来であれば、ここで北部の再占領を行うところですが、同時に顔良隊と文醜隊が突出したため、急ぎ、南下し、顔良隊を襲います。が、袁紹本隊が介入し、消耗戦に。と、その隙に文醜隊が敵領土深くに浸透し、後方を荒らし回ります。

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曹操本隊が河川付近で、袁紹本隊相手に死闘を繰り広げている間に、この後方攪乱により領地が減り、曹操軍の士気が下がり始めます。曹操軍は曹洪隊を派遣し、文醜隊を掣肘しようとしますが、するりと抜けた文醜が汝南エリアの支配を切り崩し、さらに士気が低下。第6ターンに、曹操軍の士気が崩壊し、袁紹軍の勝利となりました。

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いやー、面白かった!ひたすら物量で押す袁紹軍に対し、高能力の本隊による機動防御の曹操軍という対比が見事。迎撃の成否や戦闘によるブレも適度に有り、今の最善手が何か、いい意味で悩み多い多いアイテムです。それでいて、1戦あたり、1時間程度のプレイしやすさ。かつて10番勝負を楽しんだ好ゲーム「国内戦役1814」(CMJ)に、近い印象を持ちました。バランス的には曹操軍にやや有利のようですが、袁紹軍を持って史実を覆す戦役にしてみたいものです。