この日、kawaさんと対戦を決めていたのが、懐かしの旧未来戦「NATO」(VG)でした。冷戦まっただ中の83年に発表された、いわゆる第三次世界大戦アイテムで、基本は移動-戦闘とシンプルながら、移動形態は、鐵道輸送から空中機動、強襲上陸など、8種類があります。これに現代戦特有の強烈な航空攻撃あり、すさまじい打撃力の化学戦あり、挙げ句は禁断の核攻撃ありと、なっています。

シナリオは、両軍が攻勢をとれる(はず)の「戦術的奇襲」。計画性が重要なNATO軍をmitsuが、勢いのWP軍をkawaさんが担当しました。
第1ターンは、戦争直前と言うことで、WP軍は国境に近づきます。が、なぜか、鐵道輸送を使わなかったので、国境沿いの展開は遅れ気味。NATO軍は、この配置を精査し、第2ターンの国境警備隊の遅滞を計算して、攻撃を受けにくいように、ユニットを機動させます(可能な限り、1ヘクスからしか攻撃を受けないよう)。また、事前配備地点には、空挺部隊を航空フェリーで送り込み、敵の空挺降下に備えます。

第2ターン、WP軍が圧倒的な戦力で国境線を越えます。が、中央部では、遅滞戦術の騎兵中隊などによって、多くの部隊が接敵できず。唯一、組織的な攻撃が可能な北部でしたが、Hamburgに迫る平地のWP軍に対し、NATO軍が猛爆を行い、3ステップの損害と支援制圧に成功します。Hamburgの第6装甲擲弾兵師団は1ステップを受けながらも、後退に成功します。

NATO軍は、BremenからKasselまではウェーゼル川を強化しながら、中央部から南部では、作戦的後退と予備部隊の投入で前線を固め、攻撃に備えます。

第3ターン、エルベ川を渡河して、Bremen防衛線に迫るソ連軍に対し、NATO軍がまたも猛爆を行って、戦車兵力に打撃を与えます。幸いにも支援制圧に成功し、損害を出しながらも、戦線を維持することに成功します。

また、ソ連軍の海兵及び空中機動によるデンマーク侵攻に対しては、空輸・空挺・海輸で対抗し、数少ない都市を死守します。
第4ターン、中央で激しい戦闘が続く中、攻勢支援マーカーを受け取ったNATO軍は、中央部で反撃に出ます。アメリカ軍4個師団相当による攻撃で、WP軍の1個師団半の機械化部隊を全滅させ、Kasselの安全を確保します。

第5ターン、ここに至り、WP軍はついに化学兵器の使用を宣言!最後の突破を目論み、北部で猛攻を加え、ついにウェーゼル川の渡河に成功します。
が、これを想定し背後に増援を集結していたNATO軍は、反撃を拡大し、中央部で東ドイツ国内に逆侵攻します。

第6-7ターン、WP軍はせっかく渡河したウェーゼル川から撤退し、必死の抵抗を行います。が、勢力を盛り返したNATO軍の航空攻撃と攻勢支援の組み合わせは強烈で、中央部に7ヘクスに及ぶ突破口が開きます。もはや、Leipzigまで遮るものは、なし・・・。


と、ここで、軍事的崩壊の危機に直面した、クレムリンは重大決断をします。戦術核の先制攻撃!
実質的なゲームはここまででした。エスカレーションこそ、免れましたが、自国領内にも関わらず、核を使用するという狂気のWP軍によって、事態は最悪に・・・。これ以上は、記載しませんが、やっぱり人が手にしてはいけない技術だと、強く実感しました。

核がなくても、西側に侵攻した時点で、東側の経済的な破綻は免れないでしょうから、(WWⅢが起こらないという)史実は正しかったと、思います。そういった意味では、「教育的な」アイテムでした。
