歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

Yahoo!ブログ終了に伴い、引っ越しました。

2012年10月

この日、kawaさんと対戦を決めていたのが、懐かしの旧未来戦「NATO」(VG)でした。冷戦まっただ中の83年に発表された、いわゆる第三次世界大戦アイテムで、基本は移動-戦闘とシンプルながら、移動形態は、鐵道輸送から空中機動、強襲上陸など、8種類があります。これに現代戦特有の強烈な航空攻撃あり、すさまじい打撃力の化学戦あり、挙げ句は禁断の核攻撃ありと、なっています。
 
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シナリオは、両軍が攻勢をとれる(はず)の「戦術的奇襲」。計画性が重要なNATO軍をmitsuが、勢いのWP軍をkawaさんが担当しました。
 
第1ターンは、戦争直前と言うことで、WP軍は国境に近づきます。が、なぜか、鐵道輸送を使わなかったので、国境沿いの展開は遅れ気味。NATO軍は、この配置を精査し、第2ターンの国境警備隊の遅滞を計算して、攻撃を受けにくいように、ユニットを機動させます(可能な限り、1ヘクスからしか攻撃を受けないよう)。また、事前配備地点には、空挺部隊を航空フェリーで送り込み、敵の空挺降下に備えます。
 
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第2ターン、WP軍が圧倒的な戦力で国境線を越えます。が、中央部では、遅滞戦術の騎兵中隊などによって、多くの部隊が接敵できず。唯一、組織的な攻撃が可能な北部でしたが、Hamburgに迫る平地のWP軍に対し、NATO軍が猛爆を行い、3ステップの損害と支援制圧に成功します。Hamburgの第6装甲擲弾兵師団は1ステップを受けながらも、後退に成功します。
 
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NATO軍は、BremenからKasselまではウェーゼル川を強化しながら、中央部から南部では、作戦的後退と予備部隊の投入で前線を固め、攻撃に備えます。
 
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第3ターン、エルベ川を渡河して、Bremen防衛線に迫るソ連軍に対し、NATO軍がまたも猛爆を行って、戦車兵力に打撃を与えます。幸いにも支援制圧に成功し、損害を出しながらも、戦線を維持することに成功します。
 
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また、ソ連軍の海兵及び空中機動によるデンマーク侵攻に対しては、空輸・空挺・海輸で対抗し、数少ない都市を死守します。
 
第4ターン、中央で激しい戦闘が続く中、攻勢支援マーカーを受け取ったNATO軍は、中央部で反撃に出ます。アメリカ軍4個師団相当による攻撃で、WP軍の1個師団半の機械化部隊を全滅させ、Kasselの安全を確保します。
 
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第5ターン、ここに至り、WP軍はついに化学兵器の使用を宣言!最後の突破を目論み、北部で猛攻を加え、ついにウェーゼル川の渡河に成功します。
 
が、これを想定し背後に増援を集結していたNATO軍は、反撃を拡大し、中央部で東ドイツ国内に逆侵攻します。
 
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第6-7ターン、WP軍はせっかく渡河したウェーゼル川から撤退し、必死の抵抗を行います。が、勢力を盛り返したNATO軍の航空攻撃と攻勢支援の組み合わせは強烈で、中央部に7ヘクスに及ぶ突破口が開きます。もはや、Leipzigまで遮るものは、なし・・・。
 
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と、ここで、軍事的崩壊の危機に直面した、クレムリンは重大決断をします。戦術核の先制攻撃!
 
実質的なゲームはここまででした。エスカレーションこそ、免れましたが、自国領内にも関わらず、核を使用するという狂気のWP軍によって、事態は最悪に・・・。これ以上は、記載しませんが、やっぱり人が手にしてはいけない技術だと、強く実感しました。
 
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核がなくても、西側に侵攻した時点で、東側の経済的な破綻は免れないでしょうから、(WWⅢが起こらないという)史実は正しかったと、思います。そういった意味では、「教育的な」アイテムでした。
 
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やや肌寒い秋雨の中、いつもの菊間コミュニティセンターで、第93回ちはら会を開催しました。忙しい秋と言うことで、3名の参加でしたが、充実したプレイと与太話を楽しんできました。
 
プレイされたアイテムと戦績は、以下の通り。
バルジ大作戦(エポック) ●ドイツ軍(イージーサン)対連合軍(mitsu)○
NATO(VG) ●WP軍(kawa)対NATO軍(mitsu)○
 
事前に予約をしていた「NATO」(VG)をkawaさんと、「バルジ大作戦」(エポック)をイージーサンと二面打ちしました。
 
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「バルジ大作戦」(エポック)では、CMJ誌に掲載された、いわゆる鹿内ギャンビットが機能し、早期にサンビットが陥落。装甲師団による強襲で、シェーネアイフェルが抜け、2個歩兵連隊が包囲されるなど、「これまでで一番、進んだ」(by イージーサン)という展開になります。
 
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が、戦闘自体が少なかったので、連合軍の損害も抑えられ、イギリス軍の到着まで南北の防衛に成功。ちょうど、帰り時間になったところで、第5ターンに終了となりました。
 
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展開自体は安泰だったはずですが、やはり優れた戦略を取られると、圧迫感があります。あの状態で消耗戦を挑まれたら、どうなっていたか?次回も楽しみです。

小雨交じりの日曜日に、Tommyさん主催の四街道分会が開かれました。このところ、自分が業務多忙となり、ちはら会の運営がおぼつかなくなるかもと、相談したところ、Tommyさんが名乗りを上げてくれまして。今後、ちはら会が開催できない時には、四街道分会で補完していただけることになりました。
 
イメージは、例会の様子。Tommyさんとkawaさんがプレイしていたのは、今はなきSPIのセントラルフロント・シリーズから「第5軍団」。
 
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行動ポイントを消費して、移動・戦闘をしていくもので、いろいろと時間がかかりまして。全4ターンのシナリでしたが、一日で終わらなかったようです。
 
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Tommyさんとkawaさんがサシの予定でしたが、急遽、茨城会の代表strさんが参戦してくれることに。ならばと、ご指名の「文禄朝鮮の役」(GJ)を引っさげて、mitsuも会場へ。

「文禄朝鮮の役」(GJ)は、いわゆる「信長最大の危機」シリーズの一作で、発売当時にかなりプレイした覚えがあります。strさんがちはら会に参加いただいた時に対戦したのですが、この時は、朝鮮軍のゲリラ戦法に翻弄されて、惨敗しています。
 
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今回は、リベンジを兼ねて、同じ陣営で対戦しました。前半、日本軍はdrに恵まれず、進軍は遅れ気味に。と、この様子を見ていた、朝鮮軍は、中盤に差し掛かりあたりで、早くも義兵蜂起で、京幾道と慶尚道で補給線を切断します。
 
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が、これは、少し早かったようで・・・。満を持して後方に待機していた黒田・毛利の打撃スタック(島津+立花!)が回復した行軍drを使って、次々と敵を撃破。朝鮮軍はまともに攻撃を受けて、ほぼ全滅に。
 
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妨害がなくなった日本軍は、北上を再開し、中盤には加藤清正が鏡城を陥落させ、二王子を生け捕りに。さすがに平壌は堅かったので、各地区を制圧しながら、主力を黄州に置きます。
 
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後半、明軍が大量増援を得て、反撃を試みます。27ユニットの及ぶ物量が、黒田隊を襲いますが、ここで必殺技の伏兵!4ラウンドに及ぶ猛烈な攻撃で、明軍は28ステップの大損害を出し、敗走します。日本軍の損害は、わずかに1ステップのみ!
 
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このままでは、押し切られると判断した朝鮮軍は、一か八かでわずか8個ユニットで攻撃に出ましたが、これも鎧袖一触で壊滅。
 
ここで、島津隊を引き連れた小西隊が前線に到着し、黒田隊とともに逆襲に出ます。島津・立花を先鋒にした猛攻により、明・朝鮮連合軍は敗退。安州へ逃れます。
 
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最後は、小西が使者を送り、講和を締結。日本軍の勝利で幕を下ろしました。大きなミスはなかったと思いますが、2倍以上の圧力を受けた黄州会戦で、イニシアチブを取られていたら、どうなっていたか・・・。かなりラッキーな戦闘結果でした。
 
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その後、遅れて来場したエンジョウさんと、恒例のバルジ大作戦(CMJ)に。
 
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序盤、エンジョウさんのdrが冴えにさえ、Aoptを含む猛攻で、連合軍のユニットが次々と昇天していきます。空挺降下もばっちり決まり、後退ができなくなったユニットが、捕まる悪循環で、4ターンまでに、なんと21ユニット(45ステップ )が壊滅!
 
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何とかイニシアチブを取り返したい連合軍は、戦線を思い切って縮小し、機動予備グループを使って、先鋒の装甲師団に3:1の包囲攻撃をかけますが、二度にわたって、Cont。逆に、ドイツ軍の攻勢を呼び込み、第5ターンにスパが陥落します。
 
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それでも、イギリス軍の大量増援で、なんとか北部に踏みとどまりますが、中央部にドイツ軍の装甲部隊が流れ込み、NWから大量突破。これにより、反撃のための増援を削り取られた連合軍は、失点を回復できず、76点の完敗となりました。
 
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エンジョウさんには前回の千葉会で、鹿内ギャンビット(装甲7個師団の中央集中策)を伝えたのですが、見事にその変形ヴァージョンで突破され、敗北となりました。エンジョウさんに負けたのは、はじめてかと。恐るべし、鹿内ギャンビット!
 
脳みそを絞りきった二対戦で、へろへろですが、実に楽しかったです。お二人とも、ありがとうございました。

3連休の後半に、松戸の千葉会へ行ってきました。業務に追われていましたが、奇跡的な間隙を縫って、数年ぶりとなる2日参加です。
 
初日は、HANNIBALとバルジを持って、会場へ。さすが、老舗の例会だけあって、ASLから作戦級、カードドリブンまで、幅広くプレイされていました。
 
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自分は、初対戦のaoさんと、「バルジ大作戦」(CMJ)に。連合軍を受け持ちましたが、序盤、すさまじい勢いで消耗となり(第1ターンに9ステップロス)、2枚スタックがやっと。
 
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それでも、ドイツ軍がコマンド部隊を使用しなかったことと、機甲グループによる機動反撃が成功したため、第7ターン終了時で、連合軍の勝利が確定しました。
 
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終了後に、「あの機甲(グループ)は?」との問いがあり、7個装甲師団を集中する鹿内ギャンビットとその対抗策があることを、お伝えしました。aoさんは出戻り組ということで、非常にていねいな駒捌きをされており、このプランを実行できるようになると、かなり強敵になりそうな(うれしい)予感です。
 
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午後からは、DOMINIONで軽くヤーボ君にもまれた後、本命の「HANNBAL」(Vally Games)を喜多川さんとプレイ。
 
序盤、シラクサの叛乱やサルディニアの叛乱、伝令使の捕獲など、カルタゴ有利のカード展開となり、ローマ軍としてはかなり苦しみました。が、アフリカヌスが来るまでは、とマルケルスを盾にして、なんとかPCバランスを保ちます。
 
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後半になると、カード運も戻ってきて、ハンニバルに真っ向勝負を挑めるようになります。ガリア・キサルピアに突入してきたハンニバルに対し、スキピオが迎撃を行い、これを撃破。アルプス越えで逃げる前に、1戦力に落ちたハンニバルを再び捕捉し、勝負あり。
 
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それにしても、わずか2ヶ月で、喜多川さんの上達ぶりは目を見張るものがありました。近いうちに、狩られてしまうかも?!と、こちらも、うれしい予感です。
 
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翌日は、会長のyagiさんにお願いして、再び、「HANNBAL」(Vally Games)の対戦に。今度は、積極策が楽しいカルタゴ軍です。序盤は、カード運がめぐらず、ハンニバルをイタリア南部に送り込むのがやっとで、ローマ軍の反撃でヒスパニアにも戦線を拡大されます。
 
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が、後半に俄然、カードが戻ってきたのを皮切りに、ハンニバルがヴァロに、マルケルスを次々に撃破、殲滅して、ローマ軍を本土に釘付けにします。このチャンスにハシュドルバルがヒスパニアを回復し、マゴがサルディニアを攻略し、支配エリアは最大で11:7まで拡大します。
 
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このままいけば、カルタゴの勝利は揺るぎないところだったのですが・・・追い込まれたローマ軍は乾坤一擲の逆襲に出ます。カルタゴ市、強襲!!スキピオとマルケルスを投入した総攻撃に、カルタゴは風前の灯火に。ここで、マゴが救援に駆けつけられれば、ほぼイーブンの戦闘が行えたのですが、ああ、drに恵まれず、海上輸送は「帰還」。結局、スキピオが攻城戦に勝利し、ローマがサドンデス勝ちを収めました。
 
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九分九厘、勝ちを確信していただけに、あっけない幕切れでしたが、こんなこともあるから、HANNIBALは面白い!!
 
その後、yagiさんと「日露大戦」を入れ替えで、2戦しました。一戦目は、マカロフと旅順艦隊に苦しめられて、敵の動員が完了。猛烈な逆襲に、敗北かと思われましたが、出撃した旅順艦隊が機雷で壊滅し、ロシア軍がまさかの士気崩壊。なんだか、棚ぼたの日本軍の勝利でした。
 
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2戦目は、マカロフと旅順艦隊が2回ずつ、出撃するという、すさまじい海上輸送破壊が効を奏し、日本軍はアップアップ。動員なったロシア軍が平押しして、敵に出血を強いて、日本軍のモラルが崩壊。こちらは、王道の勝ち筋でした。
 
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HANNIBALでまさかの逆転負けはありましたが、脳みそを振り絞るような心地よい頭脳戦を満喫できた、2日間でした。対戦していただいた、みなさま、ありがとうございました。
 
さらに、うれしかっったのは、初日の宴会と二日目の昼食で、軍神の鹿内さんらと、夢のような愉快な話をさせていただきまして。覚えているのは・・・
 
ゲームは、プレイして評価する/10個に1つは名作あり/正しいけど、面白くないんです/ああ、1個だけのVP・・・/エキスは薄めて呑まなくちゃあ(笑い)/OperationならぬOpen Typhoon?!/東の最終兵器はyagiさん?!/AHの完成度は高かった/PGGのソ連軍はかなりの練度が必要/タイトルがなぁ・・・/「なんとなく」ミッドウェイ?!/アザンクールもできちゃうかも?!
 
関係者以外、なんのことか、全くわからないでしょうが(笑い)、いやー、本当に楽しかった!また、近いうちに、お会いできますことを・・・。

今月のソロプレイ第二弾は、「ドイツ装甲師団長」(アドテクノス)から、Tactics誌に掲載された追加シナリオ9「クロスカウンター」です。バルジの緒戦に、ドイツ軍の精鋭第12SS 装甲師団とアメリカ軍のビッグレッドワン(第1歩兵師団)が、ビュトゲンバッハで攻防戦を行ったものです。
 
勝利条件は、VP方式で、アメリカ軍の守るビュトゲンバッハ(中央の街)を全て占領すると16点で、ドイツ軍の圧勝となります。さもなくば、西端からの突破で1ユニットに付き、1VPを獲得できます。
 
兵力劣勢なアメリカ軍は、ビュトゲンバッハの防衛が主任務になります。第2/3ターンに増援が来ますが、攻撃に向くのはM4/75中隊の3ユニット程度なので、防御をしながら、突出した敵を戦車と砲兵で叩くことが、基本になります。
 
よって、セットアップも、主防衛線をビュトゲンバッハに置き、突破/迂回をされないように、両翼まで二重戦線を引きます。なお、遅滞防御用に、1個中隊を#2832に配置します。
 
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第1ターン、ドイツ軍が東端から進入してきます。足止めの1個中隊を包囲殲滅し、主力が中央と右翼に前進します。助攻の左翼には、兵力は少ないものの、強力なパンターを投入し、両翼への圧力をかけます。
 
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アメリカ軍は、当初の計画通り、両翼で塹壕を構築し、偵察中隊をリアクション状態に置き、敵の攻撃を待ち受けます。
 
第2ターン、ドイツ軍が第1戦闘で、ビュトゲンバッハに正面攻撃をかけます。まず、制圧射撃で後方の偵察中隊を排除(DE)。
 
その上で、#2716の歩兵/対戦車砲スタックに、20戦力で攻撃をかけます。ここを抜かれると、序盤で勝負が決まりかねないため、アメリカ軍は支援火器も含めた全砲兵を動員し、阻止砲撃を行います。結果、戦闘比は1:2になり、ARでドイツ軍を撃退します。
 
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正面攻撃は阻まれたものの、敵が砲兵を使い切ったことを確認したドイツ軍は、ここで両翼の塹壕に襲いかかります。戦車を先頭に押し立てた猛攻により、3:1と4:1攻撃でいずれもDE!
 
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さらに、リアクションで突破防止に駆けつけた偵察中隊を、ウェスペの制圧射撃で敗走させ、右翼に突破口を開きます。
 
ここから、歩兵と戦車が浸透し、市街地に突入して、敵を包囲し、右翼のスタックを孤立化させます。
 
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アメリカ軍も、支援砲撃で右翼の部隊を救出させることに成功しますが、主力が拘束されているため、増援を使ってなけなしの防衛線を引くに留まります。
 
一気に勝負をつけるかと思った第3ターンに、番狂わせが起こります。包囲した市街地の部隊に、4:1攻撃をかけますが、これがまさかのC!攻撃に参加したドイツ軍の8個中隊が混乱に陥ります。
 
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また、完全に勝てると思った偵察中隊への包囲攻撃に、アメリカ軍が阻止砲撃を行ったため、こちらも1:2となり、Cに。
 
主力が混乱したドイツ軍は、やむなく、残った部隊で防御線を引くことに・・・。
 
ここで、アメリカ軍はM4を先頭に反撃に移ります。市街地中央で防御をしている装甲擲弾兵中隊を、12火力の制圧砲撃で殲滅します(3:1でDE!)。さらに、右翼で平地に陣取る装甲擲弾兵を、M4が倍火力で敗走させます。
空いた穴から、アメリカ軍が市街地への逆突入を行い、第2戦闘で包囲した敵を殲滅。
 
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第3ターンの増援を注ぎ込んで、戦線を安定させ、市街地の大半を取り戻します。
 
第4ターン、ドイツ軍がカウンターを狙いに行きます。まず、機動を阻害している#2916の歩兵/支援火器スタックを、30戦力の包囲攻撃で全滅させます。
 
そして、第2戦闘フェイズで、左翼のM4及び工兵中隊に対し、装甲と砲兵を集中し、5:1でこれを撃滅します。突破口、開く!
 
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この穴から、戦車と歩兵が突入し、敵の主力のいる市街地を丸ごと包囲。さらに、後方に突進した2個中隊(Ⅳ号と五号駆逐戦車)が、敵司令部を捕捉・包囲してしまいます。アメリカ軍主力は、市街地に拘束され、師団司令部は風前の灯火・・・。
 
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絶体絶命のアメリカ軍は、一か八かの賭に出ます。第12SS装甲師団司令部への奇襲!これが成功すれば、ドイツ軍は全て混乱状態に陥り、状況は逆転します。
 
司令部への道を塞ぐ1個対戦車砲中隊に対し、アメリカ軍の歩兵と対戦車砲、そして砲兵による3:1攻撃が襲いかかります。結果は、見事、DE!
 
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逆方向に開いた突破口から、市街地にいたM4が飛び出し、強行軍で森林を迂回します。この機動が成功すれば、司令部の壊滅はほぼ確実でしたが・・・ああ、ここでコマンドチェックに失敗!これで、敵の師団司令部を包囲する手立てはなくなりました。
 
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第5ターン、ドイツ軍の前衛部隊が、第1歩兵師団の司令部を蹂躙。アメリカ軍は全て混乱状態に陥り、万事休す。
 
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西端から3個機動ユニットが突破を果たしたことで、市街地に残った部隊を掃討せずとも、「ドイツ軍の圧勝」が確定しました。
 
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ユニット数も少なく、ターンも短めのミニシナリオですが、その分、考えることが多く、濃厚なソロでした。バランスはドイツ軍が有利ですが、アメリカ軍が熟練すれば(かつ、drの恵があれば)十分に戦えます。
 
ドイツ軍のdrがよかったとはいえ、今回は、反撃時にアメリカ軍の砲兵を使ってしまったのが、敗因かもしれません。防御用に取っておかないといけないのは分かっているんですが、つい、投入してしまうんですよね~。そういった意味でも、ルールはシンプルですが、「運用」は極めて繊細で計画性が必要な中堅アイテムです。
 
最後に、勝利した後の第12SS装甲師団の顛末記が記載されているので、どうぞ。
ドイツ軍圧勝 → 第12SS装甲師団はその後、「リエージュで包囲され、降伏」
 
・・・結局、ドイツ軍の勝利はなかった、という見解ですね。まあ、ミューズ河にたどり着けただけ、よかったのかも?

今月のソロプレイ第一弾は、作戦戦術級の「ドイツ装甲師団長」(AD)です。しかも、最強のメジャーテーマである「西部戦線1944」アイテム。ああ、広げまいとしていた戦線を、またも拡散する結果に・・・(笑い)。補給(時間)がないときに限って、気持ちだけは前進したくなるんですよね(苦笑い)。
 
「ドイツ装甲師団長」(AD) は、スケール的には珍しい作戦戦術級のアイテムです。基本は、戦闘-移動を2回繰り返すだけのシンプルなものながら、砲兵による支援砲撃、兵科の組み合わせによる戦闘力の増減、各国軍のバイアスがかかったコマンド・コントロールなど、見た目以上に運用が「ハード」なアイテムです。
 
また、アドテクノスの特徴だった「変わったシナリオ」も多くあります。
シナリオ6「ワルキューレ」 
 ヒトラー暗殺計画が成功し、SSを率いて権力を握ったゲーリングと、国防軍を率いるロンメルが、ベルリンで戦う(!)とびきりの架空戦。
シナリオ7「スプリング・カム・ハズ」
 終戦間際のチェコスロバキアを部隊に、ジューコフのソ連軍とパットンのアメリカ軍が「第三次世界大戦」を始める夢の(?)架空戦。
シナリオ8「キャンペーン'44」
  一人の装甲師団長として、44年(!)の東部戦線を戦い抜くもの。8つのシナリオを行うが、ドイツ軍が消耗する装甲師団で戦う一方で、ソ連軍は毎回、強力な新編成(!)で圧倒します。ああ、いつか、やってみたい!
 
 今回のシナリオ5「リターン・マッチ」も、実際には戦わなかったイギリス第7機甲師団(+第50歩兵師団)とドイツ第21装甲師団が戦闘を行う半仮想戦ですが、上記に比べると可愛いものです(笑い)。
 
 事前のソロ演習で見えて来た展開は、以下の通りです。
・序盤は、イギリス軍が数の勢いで、ドイツ軍の前衛部隊を圧倒し、マップ中央に進出。
・あわやというタイミングで、ドイツ軍の増援が到着し、柔軟な指揮と強力な装甲部隊で反撃開始。
・中央付近で、消耗戦となりつつも、両軍とも隙を見て、敵マップ端への突破を狙う。
 
では、早速、ソロAARです。まず、ドイツ軍の初期配置ですが、北部の森林地帯から中央の都市部の道路上に、4個ほどの足止め部隊を置き、イギリス軍に遅滞戦術を行います。次に、マップ中央南の河川に主たる防衛陣地を引きます。兵力がやや不足気味ですが、危ない地点には二重戦線やリアクション部隊を配置し、増援到着までここで踏みとどまりたいものです。「戦いの神」たる砲兵は、当然、この主要陣地を守る後方に配置します。
 
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第1ターン、無人の野を行く第7機甲師団は、強行軍を行い、北部森林地帯の1ユニットを後退させます。第二次移動で強行軍をした戦車の一部が、森林地帯を抜けることに成功します。道路上が渋滞しているため、第50歩兵師団は迂回して、東側の平原を進行するようにします。
 
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対するドイツ軍は、ひたすら塹壕掘りとリアクションの準備に明け暮れます。
 
第2ターン、足止め部隊を高比率で排除しながら、イギリス軍が前進を続けます。が、効果的な遅滞戦術により、東部では荒地地帯で足が止まります。西部では強行軍を使っても、2ユニットのみが、主防衛線に接触するに留まります。
 
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ドイツ軍は、接触を受けなかった部隊が、塹壕を陣地に変更し、リアクション態勢を取って、敵の攻撃を待ち受けます。
 
ドイツ軍にとっては、増援が来るまでの正念場である第3ターンに、突入します。接触部隊が少ない連合軍は、それでも豊富な砲兵火力を投入して、敵の主防衛線に攻撃をかけます。
 
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川沿いの陣地を抜かれることは敗北に等しいドイツ軍も、なけなしの砲兵を投入して、阻止行動を行います。巧みなリアクションとタイミングのあった防御砲撃により、3:1以上の比率を立てさせず、1箇所のC(膠着)を除いては、全ての攻撃を撃退します。
 
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押すしかない連合軍は、ZOCを失った敵の脇をすり抜け、6個中隊の戦車が河川の渡河に成功します。
 
また、東部では、足止めの偵察中隊を包囲殲滅後、突進した戦車が最終ラインに到達します。
 
実質的に、最も連合軍の突破の可能性が高い、第4ターンに入ります。イギリス軍は、渡河済みの部隊に、河川越しの部隊、さらに砲兵をフル稼働して、敵の主防衛線の突破を目論みます。前ターンの膠着中に包囲していた偵察及び自動車化歩兵中隊に、15火力の制圧砲撃をたたき込んで、これを殲滅します。ドイツ軍は、あと、2箇所が崩壊すれば、この防衛線が機能しなくなる事態に追い込まれます。
 
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が、ここで、精鋭ドイツ軍が奇跡的を起こします。焦点となる#3429の突撃砲中隊に、連合軍のクロムウェルとスチュアートの混成部隊が強襲で2:1攻撃をかけましたが・・・その結果はAR! 強烈な待ち伏せで、イギリス軍戦車は算を乱して敗走し、スタックオーバーで混乱した1ユニットを失う羽目に。
 
これに勇気を得たドイツ軍は、中央部で渡河攻撃を行った歩戦合同の5個中隊に対し、装甲偵察中隊のリアクションとネーベルヴェルファーの阻止砲撃を行い(1:2)、敵を殲滅します。これで、増援到着まで主防衛線を守り抜くことに成功しました。
 
が、東部では、事態は急転します。最東端で陣地に籠もる自動車化歩兵に対し、クロムウェルとスチュアートの合同部隊が1:1攻撃を行い、見事にDRを勝ち取ります。開いた穴から、6個中隊が浸透し、後退した自動車化歩兵を包囲殲滅します。
 
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このまま、突破かと思いましたが、可能なユニットを全て突破させても、混乱しない可能性は期待値ちょうどだったので、やむを得ず、断念(ハウスルールで混乱状態で突破したユニットは勝利条件に含めないことにしています)。最北端の市街地と周辺の森林に薄い防衛線を引いて、次ターン以降の可能性にかけます。
 
やっと迎えたドイツ軍ターン、土俵際ギリギリまで追い詰められた国防軍に、待望の増援が到着します。第21装甲師団の主力!北部で突出した連合軍に対し、西及び南から反撃を開始します。これで、最南端の市街地を奪還したドイツ軍は、強行軍によりわずかな落伍を出しながらも、敵の前衛部隊を逆包囲することに成功します。
 
さらに中央部から西部には、装甲擲弾兵を中心にした大量のユニットが到着し、戦線を安定させます。
 
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第5ターン、完全に主客転倒した連合軍は、一転して塹壕構築をはじめ、防御態勢に移行します。唯一の攻撃は、包囲下の88ミリ対空砲中隊への制圧射撃でしたが、drも付いてこず、失敗に終わります。
 
続くドイツ軍ターンに、装甲師団による猛反撃が始まります。包囲下の3個中隊を攻撃し、敵の防御支援砲撃で、C(膠着)となりますが、ZOCを失った敵をすり抜けて、残りの部隊が突進し、ほぼ初期の防衛線を回復します。
 
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さらに、第6ターン、戦線中央の繋ぎ目のクロムウェルに目をつけたドイツ軍は、乾坤一擲の制圧射撃を実施します。2個のウェスペ中隊に、同じく2個のネーベルヴェルファー中隊が、弾薬無制限で猛砲撃を実施。4:1攻撃の結果は、DE!
 
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この間隙から、中央部の助攻部隊が強行軍で突進し、荒地を踏破。第50歩兵師団の警戒陣地を蹂躙し、北部の連合軍の退路を圧迫します。同時に南からの主力部隊が力押しを繰り返し、第50歩兵師団の前哨部隊が丸々、包囲されます。
 
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第7ターン、東部の危機に、イギリス軍は慌てて、西部の後方予備をシフトします。同時に、包囲寸前だった部隊が強行軍で前線を離れ、東端ギリギリを通って、かろうじて脱出に成功します。
 
これに対し、ドイツ軍は追撃の手をゆるめず、逃げ遅れた部隊に猛攻を加え、3個中隊を壊滅させます。さらに混乱部隊のZOCをすり抜け、浸透で荒地地域の半分以上を確保します。
 
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第8ターン、なおも東部での猛攻を受ける連合軍に、ミスが出ます。敵の正面に兵力と砲撃力を集中した結果、中央部との間隙が一箇所だけ、一線防御に。
 
機動力に富むドイツ軍は、ここに戦車中隊を投入し、4:1攻撃でDRにします。ZOCを失った機械化歩兵をすり抜け、3個戦車中隊が強行軍で突破!敵後方の森林地帯の入口に辿り着きます。
 
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第9ターン、もはや、なりふり構っていられない連合軍は、前線から全ての戦車と偵察中隊を引き抜くと、これまた、強行軍でドイツ軍の後を追います。確率的には分が悪かったのですが(混乱する確率は1/2)、奇跡的に1ユニットの混乱のみで、敵の前面にどうにか到着します。
 
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ドイツ軍は、薄くなった前線に主力が連続攻撃を加え、ついに中央の町を制圧。第50歩兵師団を包囲下に置きます。同時に、マップ脇を突進した5個中隊が突破に成功し、後方に進出します。
 
森林地帯のドイツ軍は、さらに西の森林を迂回し、阻止不可能な平地寸前まで辿り着きます。
 
最終の第10ターン、連合軍は一か八かの賭けで、最後の弾薬を消費し、敵の先頭部隊にセクストンによる制圧砲撃を実施しましたが、結果は・・・はずれ。無理を承知で生き残った戦車/偵察による阻止戦線を引き、運を天に委ねます。
 
この最終防衛線に対し、Ⅳ号戦車/Ⅲ号突撃砲の戦闘団が猛攻を加え、これを崩壊させます。そして、第二次移動で強行軍を実施し、3個ユニットが北端からの突破に成功。混乱チェックもきっちりクリアして、勝利条件を満たしました。
 
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勝負とは直接かかわりがなくなった中央部でも、ドイツ軍の猛攻により、第50歩兵師団が文字通り、全滅。最後の機動で、第7機甲師団も包囲されるに及び、実質的なドイツ軍完勝となりました。
 
久々の「ドイツ装甲師団長」でしたので、感覚を取り戻すのに、数回かかりましたが、AARは、最終ターンにもつれ込む逆転劇となり、よかったです。初めに書いたとおり、砲兵やリアクション、CCなどの独特な運用を身につけるまで、少し時間がかかりますが、慣れれば予想以上に堅実なシステムを楽しめます。
 
興味のある方は、ちはら会で一戦、いかがですか?ただし、癖があるので、インストはせず、事前にソロをした方をお待ちしています。そうでないと、たぶん、楽しめないと思いますので・・・。

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