今月のソロプレイは、新規ジャンルの仮想戦アイテムから、「ESCORT FLEET」(AD) です。「RED SUN BLACK CROSS」(AD) の拡張モジュールで、通商破壊/護衛戦を描きます。

実は、5月の記念例会で対戦予定の「RUN SILENT,RUN DEEP」に触発され、作戦級のASW戦をプレイしたくなったわけで。本来ならヒストリカルのASW戦があればよかったのですが、日本で発表された作戦級が仮想戦しかないんです!!
拡張モジュールといいながら、単体でもプレイできます。が、80年代後半の「悪癖」か、取り込めるものは、可能な限り精密化したシステムのおかげで、優に10を越えるフェイズがあります。そのうち、11フェイズは、6ラウンドまで繰り返す手間のかけようで、1ターンあたりの総フェイズ数は、最大で68!まさに「滅び行く恐竜」のよう。
必死にレジメを作ったおかげで、なんとか手順を飛ばさずにできそうになったので、シナリオ1「First Trial」に挑戦しました。
システム理解のための練習シナリオだけあって、補給のルールは使わず、登場艦艇はドイツ軍がわずか6隻(3隻がUボートで、3隻が仮装巡洋艦!)。帝国海軍に至っては、護衛駆逐艦2隻と対潜巡洋艦1隻のみ。残りは輸送船と対潜哨戒機です。
まず、セットアップですが、イメージのように、ルール制限の中で4つの船団を組みます。奇しくも、ボンベイ行きが2船団とカルカッタ行きが2船団になります。主力船団には、護衛駆逐艦を1隻ずつ、配置し、遠距離を行くボンベイ船団をメダンに、中距離のカルカッタ船団をシンガポールに配置します。

一方のドイツ軍は、メダン周辺にUボートによる哨戒網を展開します。そして、ニコバル諸島周辺に、3隻の仮装巡洋艦を配置します。

第1ラウンド、まず、日本軍はおとりの1個輸送船(船団)を北上させます。哨戒状態だったUボートがこれを発見しますが、当然、おとりということで、スルー。代わりに、仮装巡洋艦を1隻に迎撃させますが、こちらはdrに恵まれず、発見できず。
本命の一つである第1船団は押っ取り刀でシンガポールを出港し、メダン南方まで辿り着きます。これに、哨戒状態をかなぐり捨てたUボートが接近し、捜索に成功します。が、対潜航空機の傘のため、攻撃は失敗します。

第2ラウンド、カルカッタから南下した対潜巡洋艦の鹿島が接近したため、全船団が出港し、それぞれ、目的地を目指します。
本命の第1船団を、先ほど接触に成功したUボートが追尾し、さらに2隻の仮装巡洋艦を呼び寄せます。が、2隻とも接触に失敗し、Uボートが単独攻撃を試みますが・・・基地を飛び立った対潜哨戒機の七式大艇と大洋が、Uボートを発見!対潜攻撃が成功し、Uボートに1ヒットを与え、撃退します。

もう一つの第2船団では、やはりUボートが接近を試みますが、drが悪く、対潜捜索も潜水艦攻撃もともに不発に終わります。
唯一、まともな捕捉に成功した仮装巡洋艦ゼーアドラーは、3回の一方的な砲撃で、輸送船に1ヒットを与えるのがやっと。ここまでは、帝国海軍に分があるようです。
第3ラウンド、二手に分かれて逃げる船団、それを猛追するドイツ海軍に勝機が訪れます。カルカッタに向けて航行する2船団に対し、3隻の仮装巡洋艦が肉薄します。接触できたのは、わずかにコルモラン1隻でしたが、偽装を解いた同艦が遠距離から砲撃開始!これが見事、護衛駆逐艦を捉え、一撃で撃沈!さらに、輸送船に1ステップを与えます。

護衛中の鹿島は躍起なって捜索しますが、+2修整の有利な状況にかかわらず、接触に失敗します。
また、ボンベイに向かう第1船団を追尾したUボートが、対潜哨戒が薄くなった隙をつき(大洋1ユニットのみ)、こちらも輸送船に1ステップを与えます。まさに、神出鬼没のドイツ軍!
第4ラウンド、北方に向かう2船団には仮装巡洋艦が、南方に向かう2船団にはUボートが追いすがります。
北方では、またもや、鹿島が接触に失敗!(鹿島はいずこにおるやと、護衛戦隊本部から叱責の電文が飛ぶ有様)間隙をすり抜けたコルモランとゼーアドラーが輸送船を砲撃し、さらに1ステップを与えます。

南方では、先の失敗に懲りた海軍機が第2船団を集中防御し、今度はUボートに近寄る隙を与えません(対潜能力は船団と合わせて13)。
第5ラウンド、あとわずかでカルカッタに到着する2船団に、執念の仮装巡洋艦が襲いかかります。1隻は鹿島が阻止したものの、2隻が第1船団に的を絞り、集中砲撃!結果、4ステップまで磨り減っていた輸送船は全滅します。かろうじて、損傷した1隻が入港できた(5ポイント)ことと、鹿島が損傷しながらもコルモランを仕留めたことが、慰めか・・・。


第6ラウンド、インド亜大陸南端を迂回した第2船団に対し、やっと接触に成功したUボート2隻(内1隻は損傷状態)が攻撃をかけましたが、厚い対潜警戒に阻まれ、戦果なし。ボンベイまで7ヘクスまで迫っていた船団が入港し、25ポイントを揚陸し、終了となりました。なお、おとりの役目を果たした第4船団(1隻)は迂回が祟って、ボンベイまで届かず、カルカットに緊急入港して、難を逃れました。

結果、輸送に成功した補給ポイントは30に留まり、ドイツ軍の勝利となりました。
AARの結果を見る限りでは、「まともなASW戦」になります。が、いかんせん、詳細しなかった手順が煩雑で、数回プレイしないと「正しいゲーム」にたどり着けないかも。

個人的には潜水艦熱が上がっているので脳内補完できましたが、「RED SUN BLACK CROSS」(AD) のスケールで、Uボートとか、仮装巡洋艦とか、対潜哨戒機とか出てきても、地味な印象にならざるをえないでしょうね。仮装巡洋艦が護衛駆逐艦を沈めたあたりなどは、Royal Navy(CMJ)のシナリオ1(偉く地味な設定!)を思い出していました。
今のところ、「手間がかかる割りには地味」ですが、せめてシナリオ4くらいまではプレイしたいものです。求む、地味な潜水艦仲間?!