歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

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2013年05月

今月のソロプレイは、新規ジャンルの仮想戦アイテムから、「ESCORT FLEET」(AD) です。「RED SUN BLACK CROSS」(AD) の拡張モジュールで、通商破壊/護衛戦を描きます。
 
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実は、5月の記念例会で対戦予定の「RUN SILENT,RUN DEEP」に触発され、作戦級のASW戦をプレイしたくなったわけで。本来ならヒストリカルのASW戦があればよかったのですが、日本で発表された作戦級が仮想戦しかないんです!!
 
拡張モジュールといいながら、単体でもプレイできます。が、80年代後半の「悪癖」か、取り込めるものは、可能な限り精密化したシステムのおかげで、優に10を越えるフェイズがあります。そのうち、11フェイズは、6ラウンドまで繰り返す手間のかけようで、1ターンあたりの総フェイズ数は、最大で68!まさに「滅び行く恐竜」のよう。
 
必死にレジメを作ったおかげで、なんとか手順を飛ばさずにできそうになったので、シナリオ1「First Trial」に挑戦しました。
 
システム理解のための練習シナリオだけあって、補給のルールは使わず、登場艦艇はドイツ軍がわずか6隻(3隻がUボートで、3隻が仮装巡洋艦!)。帝国海軍に至っては、護衛駆逐艦2隻と対潜巡洋艦1隻のみ。残りは輸送船と対潜哨戒機です。
 
まず、セットアップですが、イメージのように、ルール制限の中で4つの船団を組みます。奇しくも、ボンベイ行きが2船団とカルカッタ行きが2船団になります。主力船団には、護衛駆逐艦を1隻ずつ、配置し、遠距離を行くボンベイ船団をメダンに、中距離のカルカッタ船団をシンガポールに配置します。
 
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一方のドイツ軍は、メダン周辺にUボートによる哨戒網を展開します。そして、ニコバル諸島周辺に、3隻の仮装巡洋艦を配置します。
 
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第1ラウンド、まず、日本軍はおとりの1個輸送船(船団)を北上させます。哨戒状態だったUボートがこれを発見しますが、当然、おとりということで、スルー。代わりに、仮装巡洋艦を1隻に迎撃させますが、こちらはdrに恵まれず、発見できず。
 
本命の一つである第1船団は押っ取り刀でシンガポールを出港し、メダン南方まで辿り着きます。これに、哨戒状態をかなぐり捨てたUボートが接近し、捜索に成功します。が、対潜航空機の傘のため、攻撃は失敗します。
 
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第2ラウンド、カルカッタから南下した対潜巡洋艦の鹿島が接近したため、全船団が出港し、それぞれ、目的地を目指します。
 
本命の第1船団を、先ほど接触に成功したUボートが追尾し、さらに2隻の仮装巡洋艦を呼び寄せます。が、2隻とも接触に失敗し、Uボートが単独攻撃を試みますが・・・基地を飛び立った対潜哨戒機の七式大艇と大洋が、Uボートを発見!対潜攻撃が成功し、Uボートに1ヒットを与え、撃退します。
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もう一つの第2船団では、やはりUボートが接近を試みますが、drが悪く、対潜捜索も潜水艦攻撃もともに不発に終わります。
 
唯一、まともな捕捉に成功した仮装巡洋艦ゼーアドラーは、3回の一方的な砲撃で、輸送船に1ヒットを与えるのがやっと。ここまでは、帝国海軍に分があるようです。
 
第3ラウンド、二手に分かれて逃げる船団、それを猛追するドイツ海軍に勝機が訪れます。カルカッタに向けて航行する2船団に対し、3隻の仮装巡洋艦が肉薄します。接触できたのは、わずかにコルモラン1隻でしたが、偽装を解いた同艦が遠距離から砲撃開始!これが見事、護衛駆逐艦を捉え、一撃で撃沈!さらに、輸送船に1ステップを与えます。
 
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護衛中の鹿島は躍起なって捜索しますが、+2修整の有利な状況にかかわらず、接触に失敗します。
 
また、ボンベイに向かう第1船団を追尾したUボートが、対潜哨戒が薄くなった隙をつき(大洋1ユニットのみ)、こちらも輸送船に1ステップを与えます。まさに、神出鬼没のドイツ軍!
 
第4ラウンド、北方に向かう2船団には仮装巡洋艦が、南方に向かう2船団にはUボートが追いすがります。
 
北方では、またもや、鹿島が接触に失敗!(鹿島はいずこにおるやと、護衛戦隊本部から叱責の電文が飛ぶ有様)間隙をすり抜けたコルモランとゼーアドラーが輸送船を砲撃し、さらに1ステップを与えます。
 
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南方では、先の失敗に懲りた海軍機が第2船団を集中防御し、今度はUボートに近寄る隙を与えません(対潜能力は船団と合わせて13)。
 
第5ラウンド、あとわずかでカルカッタに到着する2船団に、執念の仮装巡洋艦が襲いかかります。1隻は鹿島が阻止したものの、2隻が第1船団に的を絞り、集中砲撃!結果、4ステップまで磨り減っていた輸送船は全滅します。かろうじて、損傷した1隻が入港できた(5ポイント)ことと、鹿島が損傷しながらもコルモランを仕留めたことが、慰めか・・・。
 
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第6ラウンド、インド亜大陸南端を迂回した第2船団に対し、やっと接触に成功したUボート2隻(内1隻は損傷状態)が攻撃をかけましたが、厚い対潜警戒に阻まれ、戦果なし。ボンベイまで7ヘクスまで迫っていた船団が入港し、25ポイントを揚陸し、終了となりました。なお、おとりの役目を果たした第4船団(1隻)は迂回が祟って、ボンベイまで届かず、カルカットに緊急入港して、難を逃れました。
 
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結果、輸送に成功した補給ポイントは30に留まり、ドイツ軍の勝利となりました。
 
AARの結果を見る限りでは、「まともなASW戦」になります。が、いかんせん、詳細しなかった手順が煩雑で、数回プレイしないと「正しいゲーム」にたどり着けないかも。
 
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個人的には潜水艦熱が上がっているので脳内補完できましたが、「RED SUN BLACK CROSS」(AD) のスケールで、Uボートとか、仮装巡洋艦とか、対潜哨戒機とか出てきても、地味な印象にならざるをえないでしょうね。仮装巡洋艦が護衛駆逐艦を沈めたあたりなどは、Royal Navy(CMJ)のシナリオ1(偉く地味な設定!)を思い出していました。
 
今のところ、「手間がかかる割りには地味」ですが、せめてシナリオ4くらいまではプレイしたいものです。求む、地味な潜水艦仲間?!

第一戦は、自分の希望していたHANNIBAL(Vally Games)。松谷さんは、まともにプレイするのは10年ぶりくらいだったそうですが、気持ちよく引き受けてくれました。陣営は松谷さんが希望でカルタゴ軍を、mitsuがローマ軍を担当します。
 
第1ターン、カルタゴ軍はPC合戦の後、ハンニバルがアルプスを越え、キサルピアに進入。迎撃に出たスキピオと、史実通りの緒戦となります。戦象が威力を発揮し、第2ラウンドで早くもスキピオを撃破。が、早めの後退が実って、損害は3CUに留まります。
 
戦闘には負けたものの、最後のカードでローマ軍が「ディプロマシー」を放ってIdubedaを押さえ、支配エリアは10:8に。
 
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第2ターン、なおも勢いに乗るハンニバルは、多少のハンディをものともせず、変わって執政官になったフラミニウスを押しまくります。ここでも戦象が物を言い、2連戦でフラミニウスを完膚無きまでに撃退。一方、ヒスパニアではハシュドルバルがIdubedaを奪還し、支配エリアは9:9のイーブンに。
 
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第3ターン、もう一戦、負けると、一気に崩れる可能性のあったローマ軍でしたが、ここでローマの剣マルケルスが登場!ハンニバルの突進を正面から受け止め、のべ9ラウンドに及ぶ激戦に。最後の最後で勝利をもぎ取ったのが、ローマ軍でした。わずか1戦力まで消耗したハンニバルは、追撃を振り切り、アルプスを越えて撤退します。
 
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キアルピアに進入したローマ軍は「伝令の捕獲」も使って、カード数差を広げ、ここを制圧し、支配エリアは再び、10:8に。
 
第4ターン、本拠に戻ったハンニバルは、せっせと軍の再建を進めます。一方、敵の主力が北方にいると判断したカルタゴ軍は「アドリア海の海賊」を使って、3CUを率いるマゴを南部に上陸させます。これに対し、すかさず、ネロが南下し、マゴを撃滅。
 
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返す刀でキャンペーンで海を渡ったネロが、特殊能力(6移動力)を生かして、Baeticaを電撃的に占領します。支配エリアは、一気に11:7に。
 
第5ターン、バルカ家の本拠ヒスパニアの危機に、アルプス目前だったハンニバルがやむなく引き返します。ローマは増援を送り込んで、正面から闘う予定だったのですが・・・こういう時に限って、キャンペーンが来ない!このままでは狩られるだけと判断したヴァロは、5戦力相当を置き去りにし、ローマに撤退します。
 
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残ったローマ軍をオーヴァーランで一掃したハンニバルは、港のPCをひっくり返し、三度目の北上を始めました。が、ただでは転ばぬローマ軍は、再び、「ディプロマシー」を放ってIdubedaを押さえ、支配エリアは11:7のままに。
 
第6ターン、アフリカヌスの登場で兵力的に優位に立ったローマ軍に揺さぶりをかけるべく、ハンニバルが再び、アルプス越えを決行。キサルピアでこれを待ち構えていたファビスウスが迎撃に成功し、戦闘に入ります。BCは15:15のイーブン。が、戦術の天才ハンニバルは強かった!7ラウンドに及ぶ駆け引きの後で、右翼からの突破に成功し、これを撃退し、再び、キサルピアに地歩を得ます。
 
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第7ターン、ローマ本国への隘路で兵を建て直したファビウスに、再び、ハンニバルが襲いかかります。BCはまたも15:15のイーブンでしたが、激闘の末、なんと二重包囲に成功!首の皮一枚で全滅は免れたものの、ファビウス隊は7戦力を失って敗走します。
 
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この危機に、ローマ軍はヒスパニアに遠征予定だったアフリカヌスを回して、膠着状態に持ち込みます。
 
第8ターン、代わりに活躍したのが、執政官のマルケルスとネロでした。ヒスパニアに上陸した両軍は、十分な戦力がないハシュドルバルを牽制しながら、支配エリアを広げます。同盟軍の状況がほぼイーブンになったところで、決戦に!BCはほぼ同等でしたが・・・ハンニバルを撃退したことのあるマルケルスが、経験の差でハシュドルバルを撃破!これでヒスパニアのローマ支配は、決定的となりました。
 
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第9ターン、支配エリアは12:6と絶望的でしたが、諦めを知らない宿将ハンニバルは、ローマへの突破をかけて、最後の攻勢に出ます。迎え撃つは、アフリカヌスとファビウス連合軍。BCは15:20と、明らかな劣勢。それでも、戦術の天才は一縷の望みを託しましたが・・・ああ、まさかのイニシアチブがとれず、6ラウンドで敗退。もはや、挽回の術なしと、いうことでローマ軍の勝利となりました。
 
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その後の「ユリウス・カエサル」を含め、お相手いただきました松谷さんに感謝いたします。

せっかくの連休も2日間は休日出勤に取られたため、オフ会もままならなかったのですが、GWのYSGA例会に奇跡的に参加できることになりまして・・・。クラブ対抗戦でFLAT TOPの死闘を繰り広げていた千葉会のyagiさんに相談して、飛び入り参加することにしました。
 
会場に入って、驚いたのは、いつもにも増して、凄まじい人出、そして熱気!広島からの遠征団に加え、ミドルアース組の参戦、千葉会からの殴り込み(?)と、会場を埋め尽くす、人、人、人・・・。マーケットガーデンのビッグゲームが3つも立ち、Wave of Terrorのチーム戦あり、看板を賭けたFLAT TOPのクラブ対抗戦(うそ!)あり、と老舗サークルの動員力を感じました。たぶん、ちはら会の年間参加者くらいいたかも?(笑い)
 
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お相手は、以前、クレタ例会(!)で対戦していただいた「松谷健三」さん。実はこの日はお休みをと考えていたそうですが、飛び入り表明に応えてくださったそうで。どうもありがとうございます。
 
第一戦は、自分の希望していたHANNIBAL(Vally Games)。詳しくは、次の記事で。
 
その後、人生初の積み木ゲームをインストしていただきまして。ずっと以前から気になっていた「ユリウス・カエサル」(コロンビア社)です。カエサル対ポンペイウスの内戦を描いた積み木ドリブンで、ローマ共和国全体を描いた戦略級です。
 
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インストは15分ほどで終わるシンプルさながら、動員には指定在地があったり、エンジンとなるカードには強力なイベントがあったりと、それらしさがよく表れていました。
 
1回目は、カエサル(mitsu)の戦術能力を当てにしすぎて、敗戦。そのまま、主力がにらみ合ううちに、ポンペイウス(松谷)が小アジアとヒスパニアを押さえて、サドンデス勝ち。
 
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2回目は、感覚を掴んだのでいい戦いになりまして。ヒスパニアは両軍の攻勢と反撃が続き、取ったり取られたり。小アジアも先にカエサル軍が抑えたものの、アンティコアからの反撃で、一進一退。
 
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勝負を決めたのは、カエサルのアフリカ遠征でした。マッシリアで造船したカエサル海軍が、ネプチューンで制海権を奪取。そのまま、旧カルタゴ領に渡り、ウティカを攻略。再び、海輸で東進したカエサル主力がアレキサンドリアを攻略し、VP上で優位に。
 
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ポンペイウスも最後の反撃で、ローマに奇襲をかけましたが、drに恵まれず、3ラウンドでやむなく撤退。カエサル軍が薄氷の勝利となりました。
 
初プレイでしたが、実に面白い。カードを使った駆け引きが楽しめる秀作です。あの規模なので、ドライブ感は少ないですが、うまいこと、ローマ内戦を再現しています。システムはまるで違いますが、あの傑作「太平記システム」に通ずるものがあるなと、気がつきました。
 
松谷さん、楽しい対戦をありがとうございました。次は、ぜひ、「マルタ島攻略戦」でお願いします。また、急な参戦にもかかわらず、対戦をコーディネイトしていただいた山内会長に、心より感謝申し上げます。

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