歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

Yahoo!ブログ終了に伴い、引っ越しました。

2014年08月

最後に、小一時間のところで、ずっとプレイしたかった「モンティが渡れ!と言っている橋があまりに遠すぎるんだが」(通称.アルンヘム!)(Bonsai Games)を対戦しました。基本的に両軍とも、配置や増援がブラインドのため、ソロには向かなかったんです。yagiさんに声をかけたところ、「それなら、適任がいるから!」とはねはねさんを紹介してもらいました。
 
!!はねはねさんといえば、このゲームのテストプレイヤーじゃないですか!なんてラッキー!
 
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初めてだとドイツ軍は難しいとの助言を入れ、mitsuが連合軍を受け持ちます。まず、セットアップですが、ドイツ軍は全ての町にユニットを配置し、残りはグラーヴェからナイメーヘン周辺に配置します。これを見た連合軍は、後方重視の配置と推測します(ほぼ合っていました)。
 
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そこで、空挺部隊で「花道」(道路の両端エリアを占領または中立化)を造り、道路移動で一気に攻めるプランをとります。ただし、序盤を過ぎると、ドイツ軍の増援で「花道」が造れなくなるので、そのための予備として、第二次空挺及び空輸部隊を、増援の第三弾に仕込みます。これが迅速に降下してくれれば、ナイメーヘンの早期占領も夢ではない!
 
初期の展開は、ほぼこの構想に沿って進みます。イギリス軍近衛機甲師団と歩兵師団の混成戦闘団2個が交互に道路を突進し、第5ターンには早くもグラーヴェを占領します。
 
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が、ドイツ軍の増援展開も早く、ナイメーヘンにたどり着けそうもありません。ならばと、第三弾の増援-第二次空挺及び空輸部隊を投入しますが、ああ、この部隊が悪天候で3ターンに渡って足止め。この間に、ドイツ軍はアルンヘムからナイメーヘン地区に部隊を集結し、万全の態勢を引きます。
 
やむを得ず、連合軍は地上部隊を再編成して、1エリアずつ、前進をしますが、敵装甲部隊の抵抗にあって、激しい消耗で打撃力を失います。さらに、ドイツ軍がエリアⅧで反撃に出て、後方を遮断します。
 
こうなると、地上部隊と空挺部隊の連結はほぼ絶望的に。でも、まだ、手はある!
 
アルンヘム地区にはほとんどドイツ軍の展開がないと見て取った連合軍は、オーステルビーク飛行場に残りの全空挺増援を投入。再編成で打撃部隊(フロスト大隊)を組織すると、これをアルンヘムに投入します。激しい市街戦で1個部隊が除去されますが、不屈のフロスト大隊が敵を駆逐し、これを占領してしまいます。
 
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さらに、周辺を平定しながら、南下(!)したフロスト大隊は、わずかな奇跡を信じて、ナイメーヘンに突入します。防御射撃さえ凌げれば、勝機あるはずでしたが・・・さすがにSSの打撃力は強力で、フロスト中佐の指揮を凌ぎ、これを殲滅。ドイツ軍の勝利となりました。
 
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が、これが決まっていれば、1点差で連合軍の勝利というところまで粘れたので、十分に満足です。
 
全20ターンですが、基本的に1スタックしか動かせないので、展開は非常にスピーディ。しかも、ドイツ軍のセットアップがランダムだったり、連合軍も第二次降下が不確定だったりと、バリエーションはべらぼうに広いです。ぜひ、ちはら会でもプレイしたいものです。

久しぶりに、松戸の千葉会に参戦してきました。老舗のオープン例会は相も変わらずの賑わいで、スターリングラード市街戦「Turning Point:Stalingrad」(AH)からシモニッチの「フランス1940」(GMT)、「太平洋戦史」(CMJ) など、古典から新作まで数々の対戦が組まれていました。もう10年以上、続いているだけあって、安心感があるんですよね~。
 
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自分がプレイしたのは、予約していたシモニッチのアフリカ戦役「The Legend Begins」(CMJ)です。千葉会やミドルアースで活躍し、ガッチガチのハードボイルド系を愛する金吾さんがお相手です。これまで、幾度も姿をお見かけしていて、「関ヶ原」(サンセット)や「Ukraine'43」(CMJ)、はては「North Africa」(翔企画)など、ダイハードなプレイをしているのが羨ましくって・・・。金吾さんのブログにコメントを寄せたところから、やりとりが広がり、「The Legend Begins」(CMJ)を対戦していただくことになりました。
 
シナリオは最も盛り上がるS4「クルセーダー」。「初めは枢軸軍の方が楽しめるでしょう」との助言に従い、mitsuが枢軸軍を、金吾さんが連合軍を担当します。
 
第1ターンは、シナリオルールにより、第4フェイズで連合軍第1チットからスタートします。「久しぶりで、よく覚えていないな~」と金吾さんは、偵察部隊同士の鞘当ての後、主力部隊を持って、DAK主力に攻撃をかけます。第7機甲師団と第1機甲旅団に2個歩兵師団を併せた大量の兵力です。が、DAKも全力を投入していたため、基本戦闘比は1.5:1に。これに、強力無比な88mm砲の装甲効果4が加わり、戦闘比は1:2にまで下落。マグニチュード4の激戦の結果、A6/D2で攻撃側が撃退となります。
 
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第5フェイズのドイツ軍第3チットは、ドイツ軍が逆襲に出ますが、敵が予備の機械化部隊を後方に展開していたため、前衛を蹴散らしたところで終わります。
 
ここで、ドイツ軍第2チットが来ていれば、混乱した敵(防御力1/2)にかなりの打撃を与えられるはずでしたが、引いたチットは連合軍第2チット。連合軍はあやうく危機を逃れ、さらに後退。続く第7フェイズに、なんと、陣地を構築して防御態勢を固めます。
 
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第2ターン、先制したのはドイツ軍第1チット。敵の陣地帯を突破すべく、南方2箇所で、DAKとマカロニを投入して、正面攻撃をかけます。5:1はともかく、1.5:1攻撃も成功し、敵にD7の打撃を与え、陣地線の粉砕に成功します。
 
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と、ここで、再び、連合軍。このめまぐるしさが、砂漠戦の特徴でしょう。混乱した部隊を一旦下げて、回復を待ちます。と、次のフェイズも、連合軍第1チット!
 
今が勝負所と見た連合軍は、移動攻撃で側面にいたイタリア軍を排除すると、第1及び第22機甲旅団と2個歩兵師団、その他の兵力を結集し、またもDAK主力に包囲攻撃をかけます。これが決まっていれば、イニシアチブが敵に移ったところでしたが・・・。
 
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ああ、結果は、またも攻撃側撃退。マグニチュード4の激戦により、第1ターンを上回るA8 /D3の大損害を受けます。連合軍の40%程度に当たる兵力が半壊したのを見届けたドイツ軍は、続くドイツ軍第1チットに、イタリア軍も投入してDAKで攻撃をかけます。目標は、もう一つの機甲部隊-第7機甲師団。
 
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先の攻撃失敗で戦線が乱れた隙をつき、枢軸軍の機械化部隊が弱ZOCを浸透し、のべ4個師団+小部隊による包囲攻撃をかけます。3:1攻撃の結果は、A7/D14(!)で「前進」。これにより、退却を余儀なくされた第7機甲師団と第2南アフリカ師団が、追加8ステップ(!)を受けて、文字通り、全滅となりました。
 
連合軍は、まだ、防御戦闘なら可能でしたが、攻勢によって、勝利条件地点を確保することは、ほぼ不可能となり、枢軸軍の勝利で、終了となりました。
 
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「思い出したぞ。もう1回、行こう!」と金吾さんのリクエストで、第2戦に突入。陣営は同様で、新たに空軍の上級ルールを導入します。
 
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第1ターンの第4フェイズ(連合軍第1チット)、拙速な攻めで痛手を被った緒戦をなぞらず、連合軍は慎重に戦線を引きながら、前進をしてきます。これを見たドイツ軍は、国境線付近の兵力を均等化し、敵の出方を見守ります。このターンは、珍しく一切、戦闘がなく、終了します。
 
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第2ターン、先手を取ったイギリス軍は、偵察スクリーンを移動攻撃で蹂躙すると、快速の偵察部隊が背後に進入し、ドイツ軍司令部を除去する活躍を見せます。
 
これに対し、すぐさま、DAK主力が反応し、トブルク包囲陣にとって返して、敵の偵察部隊を殲滅。返す刀で、突出していたイギリス第7機甲師団を包囲攻撃します。マグニチュード4の2:1攻撃の結果は、A8/D8の前進。退却を余儀なくされたイギリス軍は、重包囲の影響で、追加8ステップを失う惨状に(のべ16ステップ)。
 
ならば、今度は海岸沿いでと、こちらに展開した第22機甲旅団と第1機甲師団、複数の歩兵師団が、ハルファ峠を強襲します。砲兵付きの要塞でしたが、マカロニ連隊には荷が重く、21:攻撃で一撃で陥落。さらに、連続チットを引いたイギリス軍は、次のフェイズにはソルームを奪取し、VP地点のバルディアに接近します。
 
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と、ここで、ドイツ軍の第1チット!敵の力点が海岸沿いにあることを見切った枢軸軍は、トリエステ師団を封鎖に残すと、大胆にも賭-砂漠の迂回による、敵後方の蹂躙と主力の包囲に出ます。強力な装甲師団を最南端に投入し、相次ぐ蹂躙で、南端を崩壊させます。ここから快速部隊が浸透し、敵の軍司令部を破壊、のべ4ステップの補給を奪います。
 
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シディバラニの飛行場を手に入れた枢軸軍は、続く戦闘で航空優勢を持って、海岸沿いの第1南アフリカ師団を撃破。さらに、南部でも1個スタックを撃滅し、敵主力を完全に包囲します。
 
ここにいたり、もはや攻勢は不可能と判断した連合軍が投了し、枢軸軍の連勝となりました。
 
いやー、ハードだったけど、面白かった!金吾さん曰く、この頃のシモニッチ作品はいずれを担当してもきつさがあり、ギリギリの苦悩を楽しめるそうで、まさに今回の対戦もそうでした。
 
1戦目では、包囲された連合軍の1個機甲師団+1個歩兵師団が、DAKの猛烈な包囲攻撃を受け、一撃で22ステップ(!)の損害を出して全滅!(枢軸軍も8ステップを喰らい、両軍合わせて30ステップの損失!!)2戦目なども、絵面では枢軸軍の圧勝ですが、海岸道路にいる第15装甲師団は、戦車が全滅し、わずか2ステップという、ヘロヘロの状態だったりします。そりゃ、どっちをやってもきついですって。
 
シモニッチらしい細かいルール(というより細かい運用)もあり、決して一見さん向けではありませんが、使いこなせたときの充実感はまた格別だったりします。それでいて、バランスは崩れていないのですから、相当のデベロップメントをしたことが伺えます。
 
ある意味、究極のアフリカ戦役ですので、ご希望の方は、ぜひ、ちはら会へどうぞ。

残暑が一転、涼しい日が続いていますが、9月に入るとまた、暑いかも?!今度の例会まで、続いてくれると、過ごしやすいんですが・・・9月のちはら会の予定が決まりましたので、お知らせします。
 
[日時] 9月7日(日) 10:00-20:00
[会場] 菊間コミュニティセンター 2F ボランティアルーム 駐車場あり
八幡宿駅東口から「菊間団地」行きのバスに乗車、7箇所目のバス停「菊間第3」下車
[住所]
千葉県市原市菊間1870番地4
http://www.kikuma-cwc.jp/
[輸送]
10時前に京成ちはら台駅からの移送を行います。移送希望者は、前日までに掲示板「千葉会一門掲示板」への書き込みをお願いします(リンク参照)。希望者がいた場合は、京成ちはら台駅で9:55にピックアップします(京成千葉駅発9:34)。前日までに書き込みがなければ、直接、会場入りします。
[参加費]
無料
[持ち物]
ゲームとゆとりと常識
 
9月と言えば、マーケットガーデン作戦。ノルマンディ上陸作戦に続き、今年は、70周年になるんですね~。イメージは、最近プレイした「モンティが渡れ!と言っている橋があまりに遠すぎるんだが」(通称.アルンヘム!)(Bonsai Games)。
 
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適度な計画性と運が必要なアイテムで、論理的な計画立案と柔軟な用兵が楽しめる好ゲームです。持ち込み予定なので、時間の合間でもプレイしたいものです。

例会も後半になったところで、mitsu持ち込みの中から、「ハリコフ攻防戦」(CMJ)をMatさんと二面打ちしました。なんでもMatさんは初プレイということなので、軽くインストの上、ソ連軍を担当します。mitsuがドイツ軍です。
 
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序盤、ソ連軍は全体的に兵力を均等化しながら、西進してきます。数が少ないドイツ軍は、全面的に撤退しつつ、南から二重戦線を引き、敵の浸透を防ぎます。
 
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中盤に、十分な増援が到着したところで、ハリコフ方面とドネツ側渡河点付近で、ドイツ軍が反撃に移ります。
 
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第6-7ターン、ジリジリと戦線を押し上げるとともに、同じく二重線線を引くソ連軍に、1:1が立てば総花的な攻撃を実施。後退で薄くなった戦線に、高比率攻撃をかけ、DEを獲得していきます。
 
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ソ連軍も、一部で反撃を行うものの、戦線維持に忙殺され、戦果なし。
 
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第8ターン、市街地に籠もるソ連軍戦車スタックを、SS装甲師団2個を含む4個が強襲し、これを解放します。
 
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と、ここでゲーム終了。ソ連軍22点にドイツ軍30点で、ドイツ軍の勝利となりました。まさしく、これが「普通」のプレイなんですよね~。これを打ち破るために、ソ連軍の鉄道線ラッシュ作戦が生まれたわけで、戦後に盤上を使いながらMatさんにも説明しました。次回からがしんどいな~(笑い)。
 
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この日にもっとも楽しみにしていたのが、「日本機動部隊」(CMJ)シナリオ9「ソロモン・キャンペーン」です。両軍とも工夫しながら投入ポイントで艦隊を編成し、最多で3海戦を闘う、最大のシナリオ(キャンペーン)です。これまで何度か、対戦をしてきたエンジョウさんと、フィナーレに相応しい決戦となります。担当は、エンジョウさんが希望で日本軍を、mitsuが連合軍を担当します。
 
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第1回戦の投入した航空艦隊は、以下のとおり(対戦後に確認)。
帝国海軍:空母翔鶴、瑞鶴、龍驤
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ワスプ、サラトガ
 
序盤、両軍は積極的に敵を求めて、接近をします。後からわかったことですが、夜が明けた時点で、すでに両空母艦隊はお互いを攻撃できる位置にいました。夜明けとともに、索敵機が飛び立ち、「敵機動部隊発見」を伝えます。
 
第4ターン、航続距離の関係で先手を取ったのは、日本軍でした。翔鶴、瑞鶴のレンジに入っていたワスプが、両空母からの攻撃を受けます。戦闘機と攻撃機が半数ずつの計8ユニットの戦爆連合です。これに対し、アメリカ軍が投入した迎撃機は、ワイルドキャットの9ユニット(全戦闘機隊)!零戦が分離をして、極力、攻撃機を守りますが、のべで6ステップを失います(アメリカ軍の損害は5ステップ)。
 
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続く、対空砲火でも、戦艦ワシントンを初めとする猛烈な射撃により、一気に5ステップの損害を受けます。あわせて11ステップ(!)という「七面鳥撃ち」を喰らった日本軍は、攻撃drも優れず、全く損害を与えられません。
 
翌第5ターン、今度はお返しとばかりに、アメリカ軍の2空母から攻撃隊が飛び立ちます。目標は敵空母のスタック!そう、日本軍はCAPの効率を高めるために、空母を集中運用していました。ただし、迎撃機は、龍驤から上空直掩に派遣された4ステップのみ。これを見た連合軍は、攻撃隊を二手に分けて、空襲を実施します。その結果は・・・2空母とも、中破!
 
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対する日本軍も、一矢報いんと、ワスプに対し、第二次攻撃隊を繰り出します。今度は、直衛機が出払っていたため、対空砲火をかいくぐった攻撃隊が、雷爆同時攻撃で見事にワスプを撃沈します。
 
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第6ターン、アメリカ軍は残った二空母の攻撃隊を差し向け、中破していた瑞鶴を撃沈します。この時点で、日本軍は事実上の航空攻撃力を失います。
 
あとは、残敵掃討になるはずで、事実、空母を失った直衛艦隊を空襲し、金剛級2隻を中破します。
 
が、夜間に入ると、戦意を失っていない日本軍は少しでも損害差を埋めようと、戦艦隊による水上特攻を敢行します。これを想定していなかったアメリカ軍は、思わぬ水上戦闘に巻き込まれます。個艦性能では敵より優秀な戦艦ワシントンがいましたが、金剛級の集中砲火を浴びて撃沈。反撃で霧島を大破にし、残りを1隻を中破にするものの、かわりに軽巡及び駆逐艦を7.5隻、失います。
 
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しかし、ここまでが敵の限界でした。夜明けとともに、追撃に移ったアメリカ空母が攻撃をしかけ、一方的に金剛級2隻を中破にします。これにより、次回の海戦には、同級4隻は使用不能になります。
 
二日目半ばには、日本軍が北端から離脱し、戦闘は終息しました。
 
第1回戦の損害は、以下のようになりました。
[日本軍]
 撃沈…瑞鶴
 大破…霧島
 中破…翔鶴、金剛、比叡、榛名
[アメリカ軍]
 撃沈…ワスプ、ホーネット、軽巡×3、駆逐艦×4.5
 
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撃沈された数自体は、圧倒的にアメリカ軍が多かったのですが、日本軍は正規空母2隻と金剛級4隻の撃沈破で、次回以降に使用できなくなります。
 
続いて、第2戦の準備に入ります。アメリカ軍には、増援でホーネットが登場。これで、空母3隻+ヘンダーソン基地で、優位に立てるはずでしたが・・・。
 
「じゃ、イベントチェックね」とエンジョウさんが振ったdrは「6」。敵大型艦2隻撃沈!主力の空母サラトガはもちろん、唯一残った戦艦ノースカロライナが、イ号潜水艦の餌食に!そんな馬鹿な!!
 
第2回戦の投入した航空艦隊は、以下のとおりです。
帝国海軍:空母隼鷹、飛鷹、龍驤、瑞鳳
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ホーネット
 
アメリカ軍の航空優勢が(索敵数を除き)一転して劣勢になったため、連合軍はある賭に出ます。重巡10隻の水上打撃部隊!これを一日目の夜間に解き放ち、ピケットの駆逐艦隊とともに、接近して来るであろう輸送船団を狙います。
 
もし、日本軍が戦艦隊を投入したら、効果は少ないばかりか、大損害を受ける可能性があります。が、敵はこちらに戦艦がいないことを知っており、かつ、空母をフルに投入するとすれば、投入ポイントが足りないはず、と計算した上での勝負です。
 
航空戦力の温存と打撃部隊による急襲を狙う連合軍は、初日はダミーを放って敵の動きを牽制しつつ、距離を取りながら、ガ島近辺まで接近します。
 
結果、陽動の駆逐艦隊が日本軍の空襲を受け全滅しますが(1.5ユニット)、ほぼ想定通りの展開で夜を迎えます。いよいよ、連合軍による夜襲の実施です。
 
後方から押っ取り刀で向かってくる艦隊が、輸送艦隊に違いないと、ガ島付近から水上戦力の3艦隊が北上します。
 
と、途中で、接触したのが、なんと隼鷹艦隊でした。が、重巡2隻に守られていた敵を駆逐艦では撃破できず、一方的に殲滅されます。しかし、まだ、近くに重巡10隻の主力艦隊がいます。しかも敵には、戦艦らしき艦影は無し!
 
油断していた隼鷹艦隊を、アメリカ軍重巡艦隊が捕捉したのは、第12ターンでした。10隻による猛烈なレーダー射撃を受けた日本軍は、隼鷹の中破を始め、大損害を出します。続く、第13ターンには退路を遮断した上で、これを包囲攻撃し、重巡4隻を含む同艦隊は、全滅します。
 
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怒り心頭の日本軍は、夜明けとともに空母4隻からの攻撃を繰り出し、にっくきアメリカ軍重巡を3隻を血祭りに上げます。
 
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が、損害上等で突出した重巡と圧倒的に有利になった航空索敵(5:3)により、敵空母の位置が判明!第16ターン、すかさず、飛び立ったエンタープライズとホーネット隊の全力攻撃で、主力となっていた飛鷹を撃沈することに成功します。
 
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またも、この時点で、日本軍は事実上の航空攻撃力を失います。空母戦力で圧倒され、かつ、重巡による輸送船団の捕捉が確実になったことで、勝機は失われたと判断し、日本軍はガダルカナル戦役の終了を宣言しました。
 
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第2回戦の損害は、以下のとおり。
[日本軍]
 撃沈…飛鷹、隼鷹、重巡×3、輸送船×1
 大破…重巡×1
[アメリカ軍]
 撃沈…重巡×4、駆逐艦×5
 大破…重巡×1
 
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結果、1、2回戦の勝利得点は、以下のようになりました。
[第1回戦]
 日本軍…26.5点
 アメリカ軍…37点
[第2回戦]
 日本軍…18.5点
 アメリカ軍…33点
[合計]
 日本軍…45点
 アメリカ軍…70点
よって、アメリカ軍の勝利。
 
いやー、非常に苦しかったけど、面白かった!投入ポイントによる制限と次回以降の海戦を見通した編成は、考えることが多く、それ自体が楽しいものでした。さらに、敵の兵力と意図を予測した作戦立案も、いい意味で悩ましく、お互いに「まさか!」「そんな!」と驚きの展開となりました。アメリカ軍にしてみれば、集中した航空機運用と日本軍のお株を奪う夜襲がうまく填り、ガ島をめぐる戦いを制することができました。
 
あまりプレイされた話を聞きませんが、最多で3海戦の可能性があり、「明日の戦いのために、今、どうするか?」と言う意味では、本来の醍醐味が味わえるシナリオでした。
 
残念ながら、JWC版ではこのシナリオは掲載されていませんでしたが、「激突南太平洋」(TCS)で復活したようです。ご興味のある人は、そちらをどうぞ。
 
なお、今回の対戦で、「日本機動部隊」(CMJ)の12個の全シナリオ・ヴァリアント制覇となりました。去年の6月に第1シナリオからスタートし、ダミーシステムにかかわらず、1年ちょっとで対戦し切ったことは、「戦友」のみなさんのおかげですね~。

昼過ぎにMatさんが到着した処で、奇数の時に重宝する「本能寺への道」をプレイしました。第1戦は、羽柴(Mat)・明智(mitsu)・柴田(エンジョウ)を担当します。
 
序盤、羽柴(Mat)・明智(mitsu)が関西・中国で領土を広げ、京への突入態勢を整えます。一方の柴田は、南下してくる上杉を警戒し、ひたすら兵力を増加させます。
 
第3ターン、電撃的に進行してきた上杉を、柴田(エンジョウ)が返り討ちに合わせ、北に領地を広げます。が、これで柴田の兵力は2/3に減少し、回復するまで突入は厳しくなります。
 
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第4ターン、残りの羽柴(Mat)・明智(mitsu)のマッチレースとなるかと思われましたが、お互いに「後手からの一撃」を狙って、なかなか、突入しません。そこで、明智(mitsu)が上様をそそのかす「讒言」を放ちます。これが成功し、上様の怒りを買います。「うぬ、よこしまな魂胆か、猿!」
 
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一切、陳情ができなくなった羽柴(Mat)は、もはやこれまでと謀反を起こします(なんか妙にリアルだな~と、3人で笑い)。が、てっきり、京に行くかと思いきや、なぜか、北摂津を攻略。「そりゃ、先手は損ですから」(笑い)もし、このまま、終わっていたら、「上様の勝利」(全員敗北)になるところでしたが、次ターンに続き、一安心。
 
第5ターン、上様の護衛を引き離したところで、史実通り、「時は今」と明智(mitsu)が京へ進行します。十分に勝機はあったのですが、「光秀、おまえもか?!」といったかどうか、信長本陣が奮闘。被害はわずかに1ヒットでうち洩らしてしまいます。
 
次の手番は、北陸の熊こと、柴田(エンジョウ)。「これなら、行ける!」漁夫の利をえて、京へ突入し、上様を討ち取ってしまいます。
 
さらに、ここにきて羽柴(Mat)が乱入し、柴田を攻撃!もはや、古都京都は、三つ巴の容赦なき戦いに。官衛兵補佐する羽柴勢は、柴田(エンジョウ)をあと2ユニットまで打ち減らしますが、奪還できず。このまま、終わらせたかった柴田(エンジョウ)ですが、継続drは、無情にも「5」!最終ターンに突入します。
 
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第6ターン、先手を取った柴田(エンジョウ)は、支配の利点を生かし、存分に兵力を回復します。あとは、このまま、逃げ切れるか?
 
「まだ、可能性は零ではない!」と明智(mitsu)が執拗に継続戦闘を実施。ここに来てdrが味方し、後2ユニットまで打ち減らしますが、またも最後の攻勢は失敗。と、図らずも漁夫の利を得た羽柴(Mat)が、見事に柴田を討ち取り、勝利となりました。
 
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第2戦は、柴田(Mat)・羽柴(mitsu)・明智(エンジョウ)を担当します。まず、アドヴァンテージがある柴田(Mat)を押さえ込もうと、2人が「足軽の脱走」をしかけた後に、上杉勢を突入させます。が、ここで、柴田が奮闘し、上杉謙信を返り討ちにします。
 
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やや、戦力は落ちたものの、3者がほぼ互角の状態で、運命の第4ターンに。
 
先に動いたのは、羽柴(mitsu)。護衛を減らすと、中国から大返しで、畿内に突入!ああ、ここでまたもdrに恵まれず、信長一人をうち洩らします。
 
「こりゃ、おいしい」と当然、柴田(Mat)が突入し、問答無用で下克上に成功します。その後の増強ぶりを見て、明智(エンジョウ)はこのターンの介入を避け、次ターンにかけますが・・・「では」とおもむろに柴田(Mat)が振ったdrは「2」!前回とは逆に電撃的な侵攻で、連勝となりました。
 
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3人ともプレイ経験が豊富なため、勝つための思考がぶつかり合いまして。mitsuのdrが偏ったため、2戦ともMatさんに勝利を掬われましたが、丁々発止の駆け引きが楽しい対戦でした。やっぱり、このゲームは、傑作ですね~。

緒戦は、暖機代わりに「信長包囲戦」(GJ)をプレイしました。陣営は、エンジョウさんが希望により織田側で、mitsuが反織田側です。ところが、あまりの熱戦ぶりにとうに暖機を通り越しまして・・・(笑い)。 
 
序盤、信長側は、浅井討伐をスタートに、畿内の反対勢力を討ち果たしていきます。
 
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反信長側としては、この間に武田・上杉の2大国を参戦させて、文字通りの「包囲戦」を仕掛けたかったのですが、参戦drはぴくりとも動かず。やむなく、カードで動きを作りますが、回りよく来ていた「贈り物」で中盤まで封印されます。
 
ならば、カード差を埋めようと、本願寺と毛利を使って、ゲリラ戦を展開しますが、秀吉の調略と柴田・明智の突撃能力により、次々と平定されていきます。第5ターンまでに敵主力により、紀伊石山・阿波・播磨を取られ、カード差は9枚:4枚と絶望的に。
 
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やっと参戦した上杉も、越前に侵攻したところで、第7ターンに織田主力に捕捉され、あえなく戦死。
 
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勢いに乗る織田側は、徳川とともに最後の宿敵武田に参戦したまではよかったのですが、ここから反織田側が不屈の反撃を開始します。主役はなんと朝倉!
 
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敵主力が甲斐に向かう隙をつき、南信濃経由で美濃にゲリラ的に侵攻。反撃で敗退すると、今度は本願寺と朝倉で越前を奪還。またも、反撃により、朝倉は敗退しますが、貴重な手番を消費させます。
 
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業を煮やした織田側は、武田を殲滅すると、北陸に兵を向け、徳川・織田の連合軍で、越後以外を平定し、勝利はほぼ確実でしたが・・・。
 
反織田側はまだ諦めていなかった!そう、最終第10ターンに、「小大名の調略」が来ていたのです。目標は、補給3箇所を占拠している徳川。敵の手番を浪費させ、最後に中立化させられれば、ギリギリで敵の勝利を阻止できるはず!
 
意図を悟られないように、ありとあらゆる手を使い、織田側を揺さぶりましたが・・・ああ、後1枚まで迫ったものの、万事休す。一度は、中立になった徳川が、外交により再び、織田陣営に加わり、勝利となりました。
 
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巡り合わせがかみ合わず、勝利を逃しましたが、あと一歩まで行けたので、満足です。ただ、「徳川中立」勝ちだと、織田側は絶対、負けた気がしなかったでしょうね~(笑い)。

お盆休み最後の日曜日に、第115回ちはら会が開催されました。今回は、日程がうまく合わず、常連さんたちが軒並み、「後方勤務」に。初の流会かと心配していましたが、エンジョウさんから参加表明があり、ほっと一安心。
 
午前中からサシで対戦をしていたら、久しぶりにMatさんが「援軍来たる!」。暑い中、駅から30分弱、徒歩行進で辿り着いていただき、助かりました。
 
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今回、プレイされたアイテムと戦績は、以下の通りです。
 
信長包囲戦(GJ) ○織田側(エンジョウ)対反織田側(mitsu)●
本能寺への道(GJ)2戦
  ○羽柴(Mat)・明智(mitsu)・柴田(エンジョウ)
  ○柴田(Mat)・羽柴(mitsu)・明智(エンジョウ)
日本機動部隊(CMJ)シナリオ9 ソロモン・キャンペーン  
 ○連合軍(mitsu)対日本軍(エンジョウ)●
   第1戦 連合軍37点:日本軍26.5点
   第2戦 連合軍33点:日本軍18.5点
    合計    連合軍70点:日本軍45点
ハリコフ攻防戦(CMJ)
 ○ドイツ軍(mitsu)対ソ連軍(Mat)●
 
少ない人数ながら、プレイ内容は非常に充実していまして・・・。個人的には、最終ターンまでもつれ込んだ「信長包囲戦」(GJ)と全シナリオを制覇した「日本機動部隊」(CMJ)で、十分にお腹いっぱいでした。
 
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今月のソロプレイ第二弾は、続いて第一次世界大戦ジャンルから「モンスの戦い」(CMJ)です。開戦直後の西部戦線で、シュリーフェン計画に従ってベルギーを西進するドイツ軍と、フランス軍と共同すべくモンス周辺に陣取ったイギリス軍との遭遇戦です。2日間の局地戦を描いたもので、このジャンルでは珍しい作戦戦術級です。
 
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といっても、機械化部隊や戦術空軍などはないため、ルールは至って簡単。ドイツ軍は、移動-戦闘を繰り返し、戦闘では砲撃戦と白兵戦があるくらい。イギリス軍は、そのエリート性を表現するため、任意で2行動(移動または戦闘)を選ぶことができます。よって、展開としては、正攻法でにじり寄り、砲撃戦の結果を見て、白兵戦を仕掛けるドイツ軍と、先に戦闘を選んで砲撃で痛打を与えた後、戦線の補強なり、撤退行動をとるイギリス軍と、両軍の違いが、実にスマートに表現されています。
 
勝利条件も絶妙で、一日目はドイツ軍が北部にある運河の全ての橋を確保すれば、勝利。二日目は、イギリス軍の損耗か、バヴェの確保、あるいは撤退の阻止により、2VPを獲得すれば、ドイツ軍が勝利します。初日の橋の確保自体はかなり困難ですが、いくぞと見せかけて、牽制をすることで、イギリス軍に消耗戦を仕掛け、かつ、北に誘引することで、二日目の撤退に圧力をかけます。ただ、イギリス軍には運河という地形効果があり、大量の砲兵がいるために、むやみに攻撃をし続けると、ドイツ軍が大量出血で攻勢を維持できなくなります。
 
事前のお試しプレイでは、緒戦は、ドイツ軍が出血多量で夜を待たずに投了。2回目は、効率的なドイツ軍の攻撃に消耗戦に巻き込まれ、イギリス軍が崩壊して投了。砲撃を待つべきか、それとも、突撃すべきか?粘るべきか、あるいは、撤退すべきか?両軍とも、的確な状況判断と絶妙な用兵バランスを要求されます。
 
第1ターン、敵に接敵ができないドイツ軍は、敵砲兵の射程外を行軍移動で展開します。第9軍団はモンス近郊へ、第3軍団は運河沿いに西へ。唯一の例外は、第18師団の砲兵で、優先的に登場させて、モンス外郭陣地の敵歩兵を砲撃。1ヒットを与えます。
 
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イギリス軍は敵の動きに合わせて、運河沿いの防衛線を引くとともに、モンスに兵力を集結。7射程(!)を持つ長距離砲と市内に陣取った砲兵の共同砲撃で、敵の前衛に1ヒットを与えます。
 
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第2ターン、ドイツ軍は、モンス外郭と運河北方の足止め部隊に対し攻撃を加え、これをともに撃破します。が、モンス市内のスタックへの8火力砲撃は、損害なし。
 
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ほぼ計画通りに防衛線を引いたイギリス軍は、後方に陣取った砲兵で広域にわたる砲撃を実施しますが、(期待値は2.6にも関わらず)わずかに1ヒットのみ。
 
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第3-4ターン、両軍は運河を挟んだ砲撃戦に。それぞれ、最も効率的な砲撃を計算し、撃ち合います。激しい砲弾の応酬で、各ターンに2-3ステップずつの損害が出ますが、致命的な消耗には至らず。
 
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第5ターンには、増援で登場した第4軍団も加わり、コンデ周辺で砲撃戦を仕掛けますが、こちらはほぼ効果なし。
 
唯一、ドイツ軍が積極的に白兵戦を仕掛けたのがモンス近郊で、前半から巧みな浸透移動で戦線を押し広げます。薄く広がった敵に対し、準備砲撃の後、河川越しながら白兵戦を実施。6ターンまでに、#42XX列までイギリス軍を押し込めます。が、ドイツ軍自体も、反対砲撃と防御射撃により、第9軍団のほとんどの歩兵連隊がステップロスしており、そのまま、夜の帳を迎えます。
 
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事態が動いたのは、夜明け前の第8ターンでした。前ターンまで友軍が展開していた最西部の地区を、フランス軍が放棄してしまいます(選択ルール)。結果、無人の野となった西部を第4軍団の一部が浸透し、#1610の騎兵スタックを攻撃。防御射撃を物ともせず、白兵戦に持ち込んだ第8師団の2個連隊がこれを撃滅し、ついに渡河に成功します。
 
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敵の後方浸透の危機に、イギリス軍は西から随時、斜傾陣のごとく、撤退を開始します。
 
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第9ターン、運河を渡河した第4軍団は、歩兵と砲兵を先頭に押し立てて、追撃を開始します。砲撃の後、果敢に白兵戦を仕掛け、騎兵2個大隊と歩兵2個大隊を撃破してしまいます。
 
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敵に接近されたイギリス軍は、予定通り、砲兵による阻止砲撃の後に、南部への後退を行います。が、drに恵まれず、戦果はなし。
 
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第10ターン、時間がなくなってきたドイツ軍は、部隊を遮二無二、前進させると、的確な砲撃を実施します。これがのべで4ヒットの大当たりに。さらに白兵戦に持ち込み、2ユニットを撃破します。
 
中途半端な後退は傷を広げるだけと判断したイギリス軍は、敵の行軍移動を阻止するため、一部の足止め部隊を展開。移動-移動の手番を選び、敵に接敵されないギリギリの後方へ部隊を退却させます。
 
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第11-12ターン、足止め部隊により、効果的な前進が阻止されたドイツ軍は、これを除去。さらに、砲兵を先頭に立てる積極的な行軍で、一部の敵を砲撃で除去しますが、両軍の主力はほぼそのままで、バヴェ-レス・クエノイの最終防衛線に辿り着きます。
 
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第13ターン、接敵ができないドイツ軍は、それでも砲撃により、3ヒットを与え、最終ターンの攻撃に備えます。
 
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一方のイギリス軍も激しい反撃砲撃で、敵の前衛と突出した砲兵に4ヒットを与え、士気を上げます。
 
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 この時点で、イギリス軍の撤退成功はほぼ確実になり、また、バヴェの防衛も手堅い状況です。しかしながら、イギリス軍の損害は34ユニットで、後6ユニットを撃破できれば、ドイツ軍が2VPを手に入れます。まさに、最終決戦に・・・。
 
運命の第14ターン、ドイツ軍は最後の攻勢に出ます。第9軍団で唯一、完全戦力を維持する歩兵連隊を、最大限の砲兵支援(8火力)のもとで、バヴェに突進させます。また、レス・クエノイには、長駆、北端から南端まで駆け抜けた第4軍団主力が、同じく最大限の砲兵支援(8火力)のもとで、攻撃をかけます。同時に戦線中央部にも、消耗しきった第3軍団が最後の気力を振り絞り、攻撃を実施します。
 
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 まず、砲撃により、4ユニットを撃破されたイギリス軍。あと2ユニットで敗北に。が、白兵戦の防御射撃で敵に大きな損害を与えられれば、まだ、可能性はある、はずだったんですが・・・。
 
ここで、ドイツ軍は「Kinder!」を宣言(選択ルール)。急に現れた学童に驚いたイギリス軍は、つい、射撃を控えてしまいます(-1drm)。結果、ほとんどのドイツ軍が無傷で白兵戦に突入し、2ユニットを撃破。さらに戦闘後前進で退路を遮断した上で、歩兵大隊を撃破し、敵の42ユニット相当を壊滅することに成功します。この時点で、ドイツ軍の勝利が確定しました。
 
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いやー、面白かった。簡単至極なルールながら、展開の流動性が高く、幾戦かの演習が必要ですが、しっかりしたデベロップが成されていて、バランスは極めて良好です。結果的に大量損害でイギリス軍が敗北となりましたが、うち、4ユニットは包囲下での損害であり、これを見越して足止めをしていたら、可能性はありました。バヴェの防衛と撤退とも成功しており、どうなっていたか?
 
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 これまで抽象的すぎて評価できなかったロン・ベルですが、このアイテムはしっかりとした佳作です。ちはら会では、いつでも挑戦を受けますよ~。

今年は、ご存じの通り、第一次世界大戦勃発から100周年にあたります。せっかくだからと、ソロプレイをしてみたのが、「第一次世界大戦」(CMJ)です。
 
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CMJ誌72号に掲載された戦略級キャンペーンです。本当は、この号では、バンダイの「第二次世界大戦」のリメイク版がつく予定でしたが、直前になって版権の関係で再版できなかったとか。こりゃ、間に合わせだろうなと思って、実はプレイ意欲が湧かなかったのですが、せっかく100周年だからとやってみたところ・・・こりゃ、面白い!非常にシンプルなルールで、かつ、この戦争らしさを醸し出しつつ、戦略的な自由度が極めて高い秀作です。
 
元のゲームが高梨氏デザインだけあって、戦争資源の概念がシンプルかつスマートに表現されています。敢えて言えば「ドイッチェランド・ウンター・ゲルト」を洗練したシステムですかね。各国は基本的に生産都市の数だけ、動員ポイントをもらえるのですが、これを2つ使えば1個軍を消耗状態で動員でき、もう1ポイントで作戦状態に昇格できます。戦闘実施と補給切れによってユニットは消耗するので、動員が先か補充が先か、決して潤沢とは言えない動員ポイントの使い道に悩むことになります。
 
かつ、戦線は、西部/東部戦線はもちろん、バルカン半島やイタリア戦線などもあり、どの方面にどのくらいの兵力を送るのか、敵の侵攻にどう対応するか、まさに戦略眼が問われるアイテムです。事前に何度か試行をした後で、今回のソロAARとなりました。
 
第1ターン、「八月の砲声」よろしくドイツ軍は西部戦線で主攻勢に出ます。シュリーフェン計画の特別ルールもないので、史実と違い、中央部及び南部を中心に奇襲を行います(このターンは、戦闘で-2drm)。南部と中央部の4:1攻撃が見事に決まり、2個軍を撃破。また、ヴェルダン要塞も一撃で陥落させます。これにより、補給を立たれたフランス軍3個師団が降伏し、このターンだけでなんと6軍が崩壊します。
 
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対照的に粘りを見せたのが、ベルギー軍。2:1攻撃でDDとなるも、見事に死守を成功させ(1/6の確率)、北部への進行を押しとどめます。
 
一方、東部では遅滞戦術を行いながら、しばらくは防御態勢をとります。西部戦線での進行が止まった時点で、こちらに転換する予定です(が、結果は、思わぬ方向に)。
 
あまりの消耗に驚いた連合軍は、西部戦線北部で早くも塹壕を掘りながら、部隊の増員に努めます。東部戦線では、徹底持久を目標に、無駄な攻撃を避け、部隊の補充に専念します。
 
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第2ターン、同盟国軍は、塹壕構築が間に合わない西部戦線南部に兵力を集中し、最南端のユニットを撃破し、隣接する通常状態の軍を包囲します(翌協商国軍ターンに消耗)。さらに目障りなベルギー軍を今度は圧倒し、ブリュセルを攻略します。
 
東部戦線では、ワルシャワ近郊に限って包囲を狙った限定反撃を行いましたが、ロシア軍がDで撤退したため、成果なく、攻勢を中止します。
 
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まだ、反撃の余力を持てない連合軍は、BEFの増援を得てなんとか戦線を構築することに成功します。東部戦線は、全く挑発に乗らず、補充で戦線を厚くすることに取り組みます。
 
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第3ターン、西部戦線で主導権を握り続けている同盟国軍は、ここで禁断の兵器を投入。ガス!同時に南部では巧みな機動(ZOC to ZOCの直接移動)で敵を包囲し、見事にこれを討ち取ります。この結果、戦線に修復不可能な大穴が・・・。
 
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まともな連続戦線が引けない協商国軍は、パリに塹壕を掘り、BEFをフランス南部に展開して(!)かろうじて防御態勢を取ります。
 
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第4ターン、同盟軍はなおも攻撃の手をゆるめず、西方の1ユニットを撃破し、ついにパリに隣接するヘクスに辿り着きます。
 
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協商国軍は、フランス軍でパリ近郊にスタックを作って守りを固めるとともに、もはや、BEFが主力となって戦線を構築します。
 
第5ターン、さすがにパリ強襲は難しいため、同盟国軍は突撃兵の登場を待つことに。代わりに、秘かに南下させていたドイツ軍とオーストラリア=ハンガリー軍を持って、今大戦の発火点となったバルカン半島に侵攻します。ブルガリア軍も参戦し、四方を囲まれたセルビア軍は決死の防衛戦を展開しますが、多勢に無勢でベオグラードが陥落します。
 
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一息ついた協商国軍は、ユニットの動員と補充を行い、前線の戦力を強化します。
 
第6ターン、英仏が主戦線に拘束されているうちにと、同盟国軍はバルカン作戦を継続し、中立国のモンテネグロを制圧します。同時に、西部戦線でも少しでも優位な状況を作るべく、南仏で4:1攻撃をかけますが、BEFが死守に成功し、こちらは失敗。
 
敵が消耗したところを叩けと、今度はBEFが航空機を投入した逆襲を行い、ドイツ軍の2個軍団を撃破します。押されっぱなしだった協商国軍に、凱歌が上がります。
 
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第7ターン、このターンからドイツ軍は突撃兵の投入が可能になります。西部戦線かと思いきや、狙っていたのは、参戦直前のルーマニア!セルビアを席巻したドイツ軍は、前ターンにブルガリアに移動し、このチャンスを狙っていました。敵が動けないことをいいことに、首都ブカレスト攻略に突撃兵を投入。始めて遭遇する浸透戦術に、ルーマニア軍はパニックを起こし、まともな抵抗もできずに降伏。これにより、バルカン半島方面の協商国軍はわずかにギリシアを残すのみに。
 
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一方の協商国軍もこのターンから秘密兵器タンクの生産が可能になります。次ターン以降の反撃に備え、英仏とも戦車を動員するとともに、イギリス軍は航空機も整備します。
 
第8ターン、アメリカ軍が来る前に決定的な戦果を上げたい同盟国軍は、東部戦線では突撃兵を使って、ロシア軍を圧倒します。そして、西部戦線では、突撃兵3個軍を持って、本命のパリ強襲を実施します。なけなしの航空支援まで注ぎ込んだ3:1攻撃は、見事にDD!が、後がないフランス軍も死に物狂いの抵抗を見せ、1個軍が陣地を死守し、パリを救います。
 
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攻勢限界点を迎えたドイツ軍に対し、戦車と航空機を押し立てた英仏軍が南方から反攻を開始します。熟練のイギリス軍の攻撃はドイツ軍を圧倒し、歩兵軍を殲滅。戦闘後前進により風前の灯火となった消耗した2個突撃兵を戦車が蹂躙しましたが、ここでは1個軍が脅威の防御戦闘を展開し、全滅の危機を救います。
 
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第9ターン、兵力的には押され始めたドイツ軍ですが、乾坤一擲の反撃を計画します。南部2箇所で突撃兵を先頭に押し立てて、鋭い攻撃を見舞います。これが成功していれば、2個軍を撃破し、さらに3個軍が包囲されるはずでしたが・・・友軍の危機にフランス軍と消耗しきったはずのイギリス軍が、根性で死守に成功!一歩も引かず。ああ、なんて壮絶な死闘!
 
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なお、一向に革命の起こる気配のない東部戦線では、ドイツ軍とオーストラリア=ハンガリー軍が生産都市のオデッサを強襲しますが、まさかのAで攻撃失敗となります。
 
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ここに来て、アメリカ軍主力も到着した協商国軍は、西部戦線で大反攻に出ます。攻勢に失敗した敵を、ZOC to ZOCの直接移動で包囲した上で、さらに西方から戦車を先頭に4:1攻撃を実施。凄まじい衝撃力をまともに受け、1個軍が壊滅。もう1個軍はかろうじて耐えたものの、戦闘後前進により、突撃兵3個を含む、4個軍が被包囲に!(次ターンに3個軍が補給切れにより消滅)
 
第10ターン、西部戦線南部に大穴が空いた同盟国軍は、各戦線から兵力をかき集め、突撃兵に昇格した軍でかろうじて戦線を引きます。
 
これに対し、英仏米の三カ国軍は、戦車と航空機を合わせた諸兵科連合で正面から圧倒。突撃兵はかろうじて耐えたものの、2個軍を撃破し、遂にベルギー解放を成し遂げます。
 
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が、遅まきながら、東方で一大事が発生します。ロシア革命!東部戦線方面軍が第二次オデッサ攻撃に成功したため、革命値が上昇。都市の民生転用を図り、可能な限りの修整をしていましたが、1/3の確率で革命が勃発。押されたとはいえ、なお、4つの生産都市を持つロシアが脱落してしまいます。これにより、ついに同盟国軍が、VPで協商国軍を上回る事態に。
 
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後がない協商国軍は、第11ターン、西部戦線・イタリア戦線・バルカン方面で反攻に出ます。オーストラリア=ハンガリー軍が守るトレントは、イタリア軍の大量投入で陥落。が、主戦線の西部戦線では、3箇所の高比率攻撃を、突撃兵が耐え続け、戦線を維持します。戦車まで投入したモンテネグロ奪回戦も、オーストラリア=ハンガリー軍が奇跡的に死守に成功します。
 
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迎えた最終第12ターン、もはや逆転は困難ですが、一縷の望みをかけて、協商国軍は最後の攻撃に移ります。一か八か、ミュンヘンへの1:2攻撃は、当然のごとく、失敗し、2個イタリア軍が昇天。かわりに、モンテネグロ戦では、戦車の投入が効き、ついにこれを奪還。
 
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が、西部戦線の主攻では、戦車・航空機の投入にもかかわらず、悪鬼のごとく立ちはだかる突撃兵を粉砕できず、戦果なし。4年3ヶ月の及んだ人類初の世界大戦は、かろうじて同盟国の勝利で幕を下ろしました。
 
同盟国:20VP 
ドイツ、オーストラリア=ハンガリー、ルクセンブルク、ロシア(オデッサ)、セルビア、ブルガリア、ギリシア、ルーマニア、トルコ
協商国:18点
イギリス、フランス、アメリカ、イタリア、ベルギー、モンテネグロ
 
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いやー、両軍の強襲と死守の連発という凄まじい戦役でした。めまぐるしく変わる展開でしたが、西部戦線でドイツ軍の攻勢が成功したため、英仏軍がバルカンやイタリア方面に兵力展開できなかったのが響きました。とはいえ、同盟軍も西部戦線に資源を回したため、ロシア軍に終盤までまともな圧力をかけられず、あやうくロマノフ王朝が存続するところでした。冷静になって考えれば、最終ターンにルクセンブルクを攻略していれば、同点だったわけで、バランスも全くの互角といっていいでしょう。
 
最近はプレイの話を聞きませんが、「Guns of August 」(AH))ほどハードでもないし、「WWⅠ」(SPI)よりはるかに具現的と、もっと評価されてもいい名作です。もし、対戦希望がありましたら、ちはら会へどうぞ。ああ、できれば、100周年のうちに・・・(笑い)。

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