この日に「不謹慎」にも最も盛り上がったのは、BIBIさん持ち込みの「ニュークリア・ウォー」(Blade )とヴァリアントの「エスカレーション」でした。このゲームは、プロパガンダ戦や核攻撃によって敵国を滅ぼし、自国だけが生き残れば勝ち、という、かなり「あぶない」アイテムでして。う~む、今だと、どこかの国の大統領が言い出しそうな・・・。

第一戦は、練習と言うことで、BIBIさんとエンジョウさんがお試しプレイに。ルール確認が主だったようですが、両国とも攻撃力が過多になり、「とも滅亡」で終了。誰も勝者がいないなんて、と思いきや、実はこれが「珍しい展開でない」ことが、明らかになります。

例会の後半に、BIBI・エンジョウ・mitsu・TRIGUN・Tommyの5人で本戦に入ります。
ゲームはまず、シークレット(機密情報)というイベントを解決します。世界で起こった様々な出来事を表しており、コンサートイベントで200万人が他国から押し寄せたり(アーティストというより、もはや宗教レベル?!)、竜巻で1000万人が死んだり(人類滅亡の天災か!)、神隠しで2500万人(!)がいなくなったり、と世紀末らしい派手なイベントばかり。

それが終わると、順に敵国への攻撃を開始します。平和時に有効なのが、プロパガンダ戦で、いわゆるデマを流して敵国民を減らしたり、自国へ移民(難民?!)させたりします。人口を増やすことができるチャンスになるので、各国とも宣伝合戦に鎬を削り、徐々に緊張が高まっていきます。
このプロパガンダカードには限りがあるため、ゲームが進むと、各国は自然と核戦争の準備に移ります。核戦争は、基本的に核爆弾とプラットホーム(ロケットまたは航空機)の組み合わせを作り、任意の1国を攻撃します。
もっとも効果が限定的なポラリスでも200万人(!)、最大の100メガトン級に至っては2500万人(日本の総人口の1/4!)が被害を受けるという、危険きわまりない戦争に。ちなみに、一度、戦争が始まると、プロパガンダ戦はできなくなります(そりゃ、そうだ)。
第1戦は、ほとんどが初プレイだったので、第1ターンこそ、プロパガンダ戦でしたが、第2ターンにいきなり、BIBIさんが攻撃を開始します。ポラリスの10メガトン級の爆弾がmitsu領土に降り注ぎますが、ここで奇跡のシェルターが稼働し、セーフ。ならばと、今度はTRIGUN国に向けて戦略爆撃機B70が出撃し、600万人が被害を受けます。

ここで、mitsuがシークレットで『大地震』を引きます。適応先をTRIGUN国にしたところ・・・なんとこれで滅亡。
1国が滅亡すると、持っている全カードを組み合わせて、任意の国に攻撃をかける「報復」が起こります。想像できるとおり、これが余りに強烈で、TRIGUN国は先に攻撃をしたBIBI国とmitsu国に報復し、結果、BIBI国も滅亡に。
開始からわずか10分で3国の「7100万人が消滅」・・・なんてこった!ここで生き残った国々には、一時的に平和ムードが流れましたが・・・。
先に記載したとおり、有り余る核兵器カードのため、「やられる前にやれ」という心理が働き、10分も持たず。第5ターンに、禁忌の第二次核戦争が勃発します。
まず、Tommy国が度々、攻撃を受けていたエンジョウ国に過剰反撃し、これを滅亡。滅びに瀕したエンジョウ国は、持てる大量の核爆弾を、Tommy国はもちろん、第三国のmitsu国に発射。確かにイベントは他国に向けましたが、自分はまだ、1回も核攻撃なんて、していないのに!そんな抗議も大量破壊兵器の前にはむなしく、全世界が滅亡するという「シュール」な展開で終了に。う~ん、まさに「相互確証破壊」を地で行く展開です。

「こりゃ、酷い」とみなが口々に感想を述べる中、TRIGUNさんがぽつり。「これは(核戦争の実態という意味で)名作かもしれない・・・」ん?迷作の間違いでは?!(笑い)

第二戦も同じプレイヤーで対戦します。あれだけ、「酷い」第一戦に懲りたのか、みな、冷戦(プロパガンダ戦)が繰り返され、第3ターンまで、核攻撃が起きず。
が、プロパガンダが枯渇してくると、それぞれが「やむを得ずに」核戦争の準備に。ここでTommy国は他国を一切、攻撃しない「平和国家」宣言。全ての核兵器を「実験」のみにし、ミサイルも発射実験に止めましたが・・・。

ゲーム所有者のBIBIさんが4枚ものシークレットを使用すると、一気に核戦争に突入。1国が滅ぶと、次々と報復が起こり、平和国家Tommy国まで巻き込んで、全世界戦争に。結果は、第一戦と同じく、全世界が滅亡。なんて、学ばない人たち(学べないシステム?)。
と、世界滅亡のカタルシスにみなが浸っていると、TRIGUNさんがニヤリとささやきかけます。「でも、mitsuさん・・・一人だけ生き延びたいと思いませんか?」ええっ、完全に「自国第一主義」に毒されているゾ!!(笑い)
第3戦は、ヴァリアントの「ニュークリア・ウォー エスカレーション」をプレイします。第一作に比べ、「言論統制法への反発で国外移住」とか「原発事故で2500万人が流出」とか、妙にイベントが凝っており。また、攻撃方法も「巡航ミサイル」と「MXミサイル」「軍事攻撃衛星」など、スターウォーズ計画を彷彿とさせるものまで、多彩になっています。特に「宇宙プラットホーム」は強力で、好きなだけの核爆弾を装備し、発射。成功すれば、迎撃のできない(!)投下攻撃が可能になります。

この「宇宙プラットホーム」をmitsu国が手に入れまして。早計で250メガトン(!)の核爆弾を搭載し、発射に成功します。さらに、BIBIさんも3発の核を搭載した「宇宙プラットホーム」の打ち上げに成功。これで二人には、攻撃がかけにくくなったはずだったんですが・・・。
「ゲームは勝ってなんぼ」のエンジョウ国がmitsu国に攻撃をかけ、人口を減らします。mitsu国は反撃で「宇宙プラットホーム」から100メガトンを降下させますが、誤って自国に落下!(よりによってここでピンゾロ!)自爆で弱ったところで、再度、エンジョウ国の攻撃により、滅亡。
となれば「死なば、もろとも」と、理性の制御を失った「宇宙プラットホーム」から各国へ爆弾が降り注ぎます。結果、滅亡から報復の死の連鎖が始まり、平和国家Tommy国も含めて、三度目の人類滅亡。ここまで3戦して、全て「人類滅亡」とは!
あくまでゲームで済んでいますが、実際にはこれと大差ない大量の核兵器が、世界中に溢れているわけでして。「自分だけが生き残れればいい」という自国第一主義は、結局、世界を滅ぼすことになると、そういった意味で「教育的アイテム」でしょうね~。
最後に、さんざん、核兵器を撃ち合ったTRIGUNさんが一言。
「自分だけ守ろうとするのはいかんという、ABM(弾道弾迎撃ミサイル制限条約)の意味がやっとわかりました」
ん?!そこよりも勧めるのは、START(戦略兵器削減条約)の気がするんですが・・・?!(笑い)