夕方近くになって、軍神さんにお声かけをいただき、「300」(中黒デザイン)をプレイすることになりました。その名の通り、映画「300」で描かれたペルシア帝国とギリシアのポリス国家群との戦いです。


エリア式カードドリブンの戦略級ミニゲームですが、史実通り、生産量も兵力もペルシア軍が圧倒的で、ギリシアポリス国家の2-3倍を誇ります。ふつーに考えればペルシアの圧勝でしょうが、優秀なギリシア軍が様々な揺さぶりをかけ、本土防衛を試みます。
シークエンスは、生産-カードプレイ-補給とシンプルです。ターン始めに生産があって、ここで兵力とカードを購入します。カードプレイではイベントとして使用するか、1アクションのいずれかを選択します。
1アクションで、1エリアの部隊を移動できます。自軍がすでにいるエリアは通過できますが、空白や敵がいるエリアに入ると停止し、戦闘になります。
戦闘はペロポンネソス半島の地形を考慮して、ギリシア軍にかなり有利です。兵力がいくつあっても、ともに振れるdr数は3個まで。より多くの目を出した側が勝利しますが、敵地での不案内を考慮して、ペルシア軍は4以上は全て「4」と見なします。そう、ギリシア軍が5-6を出し続ければ、絶対に負けません。
それでも、正面決戦ならば、いつかはペルシア軍の量が圧倒するでしょう。これを制限するのが補給判定です。本拠地にいるペルシア軍に制限はありませんが、ギリシアに入った途端、各エリアに着き1戦力しか養うことができなくなります。結果、史実のようにテルモピュライで足止めできれば、ペルシア軍は補給不足で壊滅するか、根拠地への撤退を余儀なくされます。
さらに、陸路での押し合へし合いだけでなく、どこにも強襲上陸できる海軍があり、敵の後方を狙って、隙を突くゲリラ戦が行えます。両軍は敵の本拠を一気に付く上陸作戦ができ、また、進撃を遮断する背後上陸やVP確保のため島嶼攻撃も行えます。
両軍とも非常に多くのオプションがあって、いい意味で悩みの多いアイテムです。
まず、第一戦は、大群ながら扱いの難しいペルシア軍を軍神さんが、内線戦略のギリシア連合軍をmitsuが担当します。
第1ターン、ペルシア軍は全てを兵力生産につぎ込んで、アクションはなし。ならば、この隙にVPを得んと、ギリシア軍はペロポネソス半島を北上します。

第2ターン、いよいよ、ペルシア軍が攻勢にと思いきや、ここで「王の急死」。ターンがなくなったため、ギリシア軍は悠々と兵力の増強ができます。
ちぐはぐ感はあったものの、第3ターン、ペルシアの大群がペロポンネソス半島に雪崩れ込みます。騎兵を先頭に怒濤の進撃をしますが、史実通り、テルモピュライでギリシア軍が迎撃します。ここで、mitsuが5-6を10回近く連発し(!)、第一次遠征を退けます。

第4ターン、気を取り直して再編なったペルシアの大群が、再び遠征に。今度は、ペルシア軍も奮闘し、一旦はポリス近くに迫りますが、あと一歩足りず。補給切れを恐れて、やむなく本拠地に撤退します。ギリシア軍は送り狼のように、半島を奪還し、VPは振りきりに。
そして、最後の第5ターン、残った山札は4枚。4枚目が「王の急死」ならまだ可能性はありましたが・・・2枚目にこれが出て、ゲームエンド。望外にも緒戦でギリシア軍の勝利となりました。

第2戦は、陣営を入れ替えて、ペルシア軍(mitsu)対ギリシア連合軍(軍神)です。
先の展開から、ペルシア軍(mitsu)はいかに「王の急死」(無条件ターン終了)を防ぐかを前提に作戦を立てます。16枚のカードがあるので、最大の6枚を引くと「王の急死」の確率は35%です。これが5枚ならば、30%強ですみます。敵が引いてくれれば大手を振ってフル活動できるので、それが確認できるまでは5枚引きを原則にします。うまくすれば、「王の急死」が1回程度で済むかも。
第1ターン、ペルシア軍は前回の展開に習って、全てを兵力生産につぎ込みます。少し違っていたのは、海軍をフルに建造したことです。これを見たギリシア軍はナクソスに上陸し、VPで優位に立ちます。

第2ターン以降、エーゲ海を舞台に激しい島嶼争奪戦が展開されます。ペルシア軍が海軍を集中してナクソスを奪還すれば、ギリシア軍は別の島嶼をとるなど、めまぐるしく支配とVPが入れ替わります。途中、1回「王の急死」が入り、実質2ターンの駆け引きの結果、ギリシア軍がややVP有利で最終ターンに。
第5ターン、ここでも「王の急死」の可能性がありましたが、そこは例の5枚引きでクリア。ペルシア軍が重い腰を上げ、ペロポネソス半島に雪崩れ込みます。強襲上陸も成功し、ティバイまで進撃しましたが、大消耗戦となり、実質的な攻勢能力を失います。
と、ここで敵がパスを選択したため、こちらもパスをして終了。結果、最終ターンに4VPを取り戻し、危ないところで引き分けになりました。

考えることが非常に多く、かつ、イベントの振れもあって、大いに楽しめました。ここ近年の中黒氏デザインらしく、「キレッキレ」の作品です。古代戦でかつギリシア国家というマイナーテーマですが、これを機に興味を持つ人が増えたらいいですね~。
最後は、おふざけで・・・軍神持ち込みのカード立てを握って、「リアルバトル」をする筆者。ずっしりと重いアクリル製で、これで殴られたら、結構痛い?!「これじゃ、馬鹿じゃねーか」と笑いながら、お付き合いただいた軍神どの、ありがとうございました(笑い)。
