久々に、今月のソロプレイをいきます!第一弾は、古代戦の戦役級「SPARTACUS」(CMJ) のヴァリアント「ピュロスの勝利」です。奴隷戦争をエキサイティングに表現した「SPARTACUS」のシステムを援用し、ポエニ戦争前のピュロスの介入を描きます。

オリエント軍隊の特徴となっているファランクスや戦象、重装騎兵などのルールが追加され、ピュロス軍の質対ローマ軍の数が激突します。
第1ターン、ピュロス軍はローマとの戦闘に入る前に、少しでも有利な状況を作ろうと、外交ステップに腹心のキネアスを派遣して、カルタゴとの交渉に当たります。結果はカルタゴの中立。キネアス派遣(dr-1)がなければ、ローマ側で参戦していたところだったので、よしとします。
続いてローマ軍ターンですが、史実のヘラクレアの惨敗を避けるべく、ラエウィヌス率いる前衛部隊をカンパニアに撤収させます。エトルリアにいたコルンカニウスを合流させ、最大限の守りを固めます。

ローマが守りに徹するのを確認したピュロス軍は、ミロンに主力を率いさせ、アプリアに進行させます。と、ここで、ピュロスは大胆にもシラクサへ渡海!ローマとの決戦を先に延ばす長期戦略ですが、電撃的にシシリアを制圧し、可能な限りローマ軍に補充を与えない作戦です。

序盤、両軍とも、しばらくは戦闘準備に費やします。ローマ軍はカンパニアに立てこもる一方で、コルンカニウスに率いる同盟軍をアドリア海沿いに進軍させ、占領地を広げます。
ピュロス軍は、増援を含むファランクスをルカニアに集結。その間にピュロスはシラクサで攻城兵器を製造します。
第4ターン、攻城兵器が完成したピュロスは、メッシナ経由でアグリゲンティウムへ。早速、パロルノスを攻めますが、城壁を破れず、失敗。

第5ターン、両軍にとって初めての補充・動員となります。ローマはイタリアで12ポイントを獲得し、1個軍団と数を生かすために大量の同盟軍を動員します。対するピュロス軍は、シシリアの領土も加えて、ローマを凌ぐ13ポイントとなり、6個の同盟軍歩兵と1個投石兵を雇い入れます。
ローマは、決戦に向けて、なおも領地を拡張します。
対するピュロスは、はじめの失敗で城攻めのコツを掴んだのか、第5ターンにパロルノスを攻略。第6ターンには、続けざまにエリュクスを陥落させます。勢いに乗るピュロスは、第7ターンにリリバウムも陥れ、シシリア全土を掌握してしまいます。まさに電光石火!

シシリアに領地を失ったカルタゴは意気消沈し、マゴ率いるカルタゴ艦隊を撤収して、中立に戻ってしまいます。これほどまでに素早い攻略を考えていなかったローマは、カルタゴの同盟軍を投入するまもなく、単独でピュロス軍と闘う羽目になります。
第8ターンの冬の地中海の悪天候を避けたピュロスは、春になるやいなや、イタリア本土に舞い戻ります。正面からの激突を恐れたローマ軍は、ラティウムに後退し、元老院が緊急徴募した2個軍団を加え、敵を待ち受けます。
運命の第10ターン、刻は至れり。満を持して集結した両軍は、ローマ市街を指呼の間とするラティウムの平地で激突します。

ローマ軍が完全充足の9個軍団に、足止め用のトリーアティ4個、同盟軍12個!対するピュロス軍は、精強のファランクス6個に、親衛隊、戦象隊2個、重装騎兵2個、12個!22個のユニットが長い戦列を組む、決戦の火ぶたが切られます。

まず、両軍の投石・弓兵が雨嵐の射撃を見舞い、ローマ軍に2ヒットを与えます。すかさず、両軍の戦列が白兵戦に移り、すさまじい損害が発生します。その数、19ヒット!

と、ここで、ピュロスが後方に待機していた戦象隊を、中央のレギオに向かって放ちます。初めて見る異形の動物にローマ軍は崩れかけますが、勇敢にも立ち向かった一兵士の活躍で象がパニックを起こし、後退してしまいます(まさかのdr6!)。が、この隙を突いて、ファランクスがレギオを押しまくり、第5ラウンドまでにローマ軍の2名の指揮官が命を落とします。
激しい戦闘はなおも続き、ある箇所ではローマ軍がピュロス軍の同盟軍を突破し、側面に回り込んだかと思えば、別の箇所ではファランクスがトリーアティを殲滅して、戦線に穴を空けるなど、大混戦になります。

勝負を決めたのは・・・ファランクスの堅牢さでした。正面と側面から群がるローマ軍に一歩も引かず、攻撃と反撃を繰り返し、次々とレギオを消耗させていきます。夕陽が落ちる頃には、戦列を維持しているのはわずか4個軍団のみに。

やむなく、ローマ軍は撤退を開始しますが、追撃で更なる被害を出します。ローマ市に辿り着けたのは、消耗し尽くしたトリーアティを含め、実質2個軍団程度に・・・。

ピュロス軍も、ファランクスと重装騎兵各1個を失いますが、8個軍団に3人の指揮官、全ての騎兵と10個同盟軍を失ったローマ軍の大敗となりました。
残すはローマ市街地のみ。まもなく冬がやってくるピュロス軍は、史実通り、一時撤退するかどうか、迷います。が、勝負は(敵の補充が来る前の)今しかない!
冬をものともせず、攻城戦に移ります。すると、この気迫が伝わったのか、奇跡的な暖冬となって、消耗はなし!
シシリアで大活躍した攻城兵器を先頭に、歴戦のファランクスが次々と城壁を乗り越えていきます。もはや後がないローマ軍は、全ての指揮官が戦死(!)するほどの激しい抵抗を繰り広げ、2個ファランクスを市街戦で殲滅します。

が、押し寄せるピュロス軍の物量の前に、次々とレギオが消滅。最後に残った3個トリーアティがユピテル神殿を枕に討ち死にし、ローマが陥落!大王アレクサンダーの血を引くピュロスの勝利で、幕を下ろしました。

ただでさえ、マイナーな古代戦の上に、ヴァリアントということで、ほとんど陽を浴びない「ピュロスの勝利」です。十分なデヴェロップができなかったのか、リプレイにもあったとおり、ファランクスの堅牢さが強すぎるようで、drによっては勝負にならないこともあります。ファランクスと重装騎兵の損害無効を1-2(損耗時は1)にすると、バランスがとれそうです。

ローマ軍団対ファランクスという珍しい決戦が見られる貴重なアイテムですので、ご希望の方がいれば、マイナー戦線ちはら会らしく(笑い)、お相手をしたいと思います。でも、きっと、いないでしょうね~(笑い)。