今月のソロプレイ第2弾は、前回のオフ会でバルジ熱に火が付いた「Battle for the Ardennes」(サンセット)からCellesシナリオです。題名の通り、バルジの戦いの転換点となった、戦線中央での遭遇戦を描きます。

ターン数はわずかに7ターン。アメリカ軍には最強の機動部隊の第2機甲師団があり、敵がミューズ河に近づくと、2個歩兵師団と2個の機甲旅団(12戦力!)のイギリス軍も投入されます。
対するドイツ軍は、消耗したとはいえ、第2・第116・装甲教導・第2SSの4個の装甲師団に、総統護衛旅団(14戦力!)という機動兵力が与えられます。
ただし、第2ターン以降は、いずれかの師団または旅団が、1/2の確率で燃料切れ(補給切れ)になります。連合軍の2個空軍も投入され、道路上にいる部隊は1/3の確率で、混乱(ZOCがある以外は孤立)という厳しい制限が課せられます。また、航空妨害を表現してか、マップ上で行軍隊形になることはできません。
ドイツ軍の目標としては、ミューズ河の渡河と行きたいところですが、一時的に渡河できても、大量のイギリス軍の増援に呑み込まれ、維持は不可能でしょう。よって、ミューズ河及びイギリス軍には近づかず、アメリカ軍のみを相手にして勝利をもぎ取りたいところです。
となれば、街の占領によるVP狙いとなります。開始時に占領しているLa Rocheに加え、第1ターンに攻略が確実なRochefortを合わせて、2VP 。南方のManhayも、SSと装甲旅団を投入すれば、ほぼ攻略できるでしょうから、勝利のためには、最低であと1箇所を狙うことになります。
史実通りでいけば、中央のCineyは第1ターンに占領できるものの、第2機甲師団の反撃を考えると、維持できるとは思えません。と、必然的に至近にあるMarcheとHottenのいずれか、または両方を狙う作戦が現実的でしょう。
第1ターン、この方針に沿って、ドイツ軍は機動及び攻撃を行います。Rochefortには、増援の装甲教導師団と第2装甲師団の1個連隊を投入して、5:1の包囲攻撃をかけます。結果は[-/2]で、これを奪取。戦闘後前進で部隊をばらして、空襲に備えます。

残りの第2装甲師団は、作戦通り、MarcheとHottenの間接包囲に向かいます。
一方、東のManhay方面では、次の攻撃を優位にできるよう、歩兵と第116装甲師団の1個連隊が、歩兵陣地を攻撃して、[1/1]で敵をManhayに後退させます。
アメリカ軍は、Huyにいた歩兵連隊を行軍隊形でCellsに投入するとともに、#0108の戦車大隊を#0505に送り、唯一、守備隊のいないミューズ河の橋梁を爆破します。

南部から中央は、第75歩兵師団と第3機甲師団のCCRで薄いながらも戦線を張ります。主力の第2機甲師団と偵察連隊は、Ciney-Havelangeに展開し、反撃に備えます。

第2ターン、計画通り、Marcheを包囲したドイツ軍は攻撃をかけます。結果は[1/1]で、歩兵連隊が損耗し、陥落目前です。

また、Mahnayに4:1攻撃をかけ、これを占領。Das Reich師団が外郭陣地を蹂躙して、工兵連隊を除去します。
対する連合軍は、早くも反撃に移ります。Marcheを包囲している装甲連隊を逆包囲し、空軍を投入して、1ヒットを与えます。中央戦線では突出した歩兵連隊を、CCRと歩兵連隊で包囲攻撃し、これを壊滅させます。

第3ターン、ドイツ軍は、包囲環を破られる前にとMarcheに第2次攻撃を敢行し、見事にこれを占領します。これでVPは4点となり、戦術的勝利の条件を整えます。

と、大戦果は、東で上がりました。Manhay占領の勢いをかって、後退中の歩兵中隊をDR師団と第116装甲師団の1個連隊が捕捉。11:1の最高比率の攻撃は、見事にE!森林地帯を巧みに突破したSS装甲師団が、Werbomontを占領してしまいます。

5VPを献上した連合軍は、第75歩兵師団の一部とCCRを投入して、かろうじて戦線を張ります。
同時にMarche近郊で必死の反撃に出ます。平地にいた装甲連隊に対し、第2機甲師団と空軍を投入し、6:1。これが[-/3]となって、戦線に大穴が空きます。ここからCCが突進し、Rochefortを奪還したばかりか、Marcheのドイツ軍を逆包囲してしまいます。実に激しい機動戦です。


第4ターン、ついに第2SS装甲師団が燃料切れを起こし、鋭鋒が鈍りますが、包囲したCC(消耗)を7:1で攻撃し、これを除去します。
一方、連合軍もRochefortまではよかったものの、部隊を分散し、前線を広げすぎたおかげで、包囲網内の敵の掃討に2ターンを要します。

第5ターン、北への突破が厳しいと判断したドイツ軍は、矛先を西に向けます。中央部に展開していた3-3歩兵(消耗)に対し、総統護衛旅団まで注ぎ込んで10:1攻撃を敢行します。結果は[-/3]となり、戦闘後前進でこの方面唯一の完全充足の機甲旅団を包囲して、中央に大きな突破口を空けます。

連合軍も4-6機甲旅団を行軍隊形で投入し、かろうじて穴を埋めますが、後手後手に回る展開に・・・。
第6ターン、2度目の大突破が中央で起こります。Durbuy前面の4-6機甲旅団(行軍隊形)に対し、第116装甲師団の基幹部隊が正面攻撃を行います。連合軍も防御支援に空軍を投入し必死に抵抗しましたが、7:1攻撃の結果は、なんとE!

戦闘後前進で爆破されていない橋梁を通って、装甲部隊がアンブレーブ川を渡り、ミューズ河まで道が開けます。
連合軍には、これに対抗できる通常部隊はなく、やむなく砲兵(!)をOuffetの守備に回す羽目に。
最終の第7ターン、燃料切れはなし!ドイツ軍は包囲したCCRに包囲攻撃をかける一方、Ouffetに対し、4:1の攻撃をかけます。空軍の投入により、3:1にシフトダウンしましたが、結果は「-/1」で、見事に占領。

さらに、一か八かのHottenへの1:1攻撃で、まさかの[1]が出て、これを占領してしまいます。これでドイツ軍のVPは、5点となり、勝負はほぼ確定します。
連合軍はあきらめられず、Marcheを強襲し、ここも奪還しますが、ターンオーヴァー。4VPで、ドイツ軍の限定的勝利となりました。

ターン数は短いですが、両軍とも十分とは言えない機甲部隊を使って、激しい機動及び戦闘となります。おそらく、一度も同じ展開にはならないでしょう。そういった意味では、手軽な遭遇戦を求める作戦級プレイヤーにも、お勧めできるかも・・・。