今月のソロプレイは、ほぼ一年間、プレイし続けた古代中国史から、「項羽と劉邦」(GJ)です。その名の通り、秦帝国崩壊後の楚漢戦を描いたアイテムです。システムは、エリア式カードドリブンであり、傑作「信長包囲戦」(GJ)や「本能寺への道」(GJ)と同システムを使用しています。
 
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後背地漢中を持つ漢軍が、西南部を押さえた楚軍と、中原で激突します。総じて、漢軍は(韓信が登場するまでは)戦術値は低いものの、蕭何や後背地の存在により、戦略値に優れ、多くのカードを使用できます。対する楚軍は、カード枚数こそ、5枚強と少なめですが、項羽の破壊的な戦術能力で優位に立ちます。
 
これ以外にも、黥布や彭越、張耳などの独立諸侯がおり、補充や友好度判定で、中立か楚漢いずれかにつきます。前半は、中立または楚軍陣営ですが、後半になるとカード差が物を言い、漢陣営に寝返ることが多いです(史実通り)。
 
同様に、不確定要素となっているのが人材登用で、漢軍の優秀な人材-韓信や張良がいつ来るのかで、大きく展開が変わります。
 
楚軍としては、前半の優位を生かして、電撃的に北方の補給地点を占領し、7箇所確保でサドンデスを狙うことが、目標です。一方の漢軍は、韓信や張良が揃うまでは、防御を前提に、外交を展開します。その後、韓信に兵力を率いさせて、北方あるいは中原で攻勢に出ることになります。
 
第1ターン、このターンのみ、漢軍が任意で人材が登用できるので、標準策である蕭何を任官します。これにより、カード枚数は、4:4の五分になります。
 
まず、先手は楚軍で、主力の項羽が臨淄の田榮を攻めます。攻城兵器を使用しましたが、項羽の攻撃力は圧倒的で、増強された田榮(5戦力)を瞬殺します。が、1戦力を反撃で失ったので、鍾離味を合流させます。
 
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一方の漢軍は、主力で章邯を撃滅し、咸陽を占領します。さらに、「名士の仕官」を使って、最高の作戦値を持つ張良をスカウトします。「諸侯への援助」を使って、彭越の戦力を増強します。
 
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第2ターン、カード枚数は漢軍6:楚軍5。張良の作戦値を生かした漢軍は、先手を取って、洛陽を占領します。次いで漢中から増援を送り、この支配を強化します。
 
楚軍は外交で黥布を味方に付けます。これを嫌った漢軍は、「新王の出現」で苑を封鎖します。
 
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ならばと、楚軍の主力が動き、項羽が鉅野の彭越を攻めます。が、drに恵まれず、わずかに2ヒットのみ。やむなく、外交に切り替えて、彭越を口説きますが、漢軍もカードを注ぎ込んで対抗したため、がっぷり四つの外交合戦に。最後は、「贈り物」を使った楚軍が彭越を味方にしたものの、この隙に漢軍が黥布を中立に戻してしまいます。
 
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第3ターン、カード枚数は漢軍7:楚軍5。しかも、人材は韓信!流れが一気に漢軍へ。
 
またも先手を取った漢軍は、彭越を中立化してしまいます。このまま、外交合戦をしても枚数で負けることが確実な楚軍は、やむなく軍事に作戦を切り替え、范増の増援を加え、項羽で鉅野を占拠します。
 
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敵主力が行動済みとなったため、漢軍はカードを惜しげもなく注ぎ込んで、張耳を味方に付けます。さらに、後方からの増援を洛陽に集結させます。頃合いよしとみた漢軍は、国士無双の韓信を出撃させ、電撃的に鉅鹿を占領します。
 
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第4ターン、カード枚数はさらに広がって、漢軍9:楚軍5。人材登用の陳平は、楚軍に来たため、作戦値はイーブンとなりましたが・・・。
 
まず、韓信が先手を打って、薊を占領。漢軍はあと1つ補給地点をとれば、サドンデス勝利となります。楚軍は、これを警戒して、臨淄に鍾離味の4スタックを派遣します。
 
その後は、中立の黥布をめぐって、激しい外交工作が行われ、贈り物を使って、漢軍が自陣営に引き込みます。寿春に隣接する黥布のフルスタックを放っておけず、ついに項羽が動きます。榮陽に侵攻した楚軍主力は夜襲を決行!なんと一撃で黥布軍を全滅させます。項羽、恐るべし!
 
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が、漢軍はこの時を待っていました。敵主力が中原にいなくなったところで、「国士無双」を発動!再び、未行動に戻った韓信が、電撃的に臨淄に侵攻します。確率的にはやや苦しいところでしたが、drが爆発し、鍾離味を撃滅!臨淄を占領して、漢軍がサドンデス勝利となりました。
 
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あっけない勝利に、一応、ゲームを続けてみたものの、カード差が11:4となり、どうにもできず。第5ターンに、鍾離味が「共に謀るに足らず」で脱落。
 
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第6ターンに南下する韓信と項羽が沛で激闘を繰り広げている間に、樊噲が寿春に突入。
 
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第7ターン、伏兵で項羽を撃退した韓信は、「天下三分の計」で独立するものの、外交工作で漢陣営に戻り、彭を占領。最後は、項羽軍は会稽に押し込まれ、ゲームセットでした。
 
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「信長包囲戦」(GJ)と比べると、人材登用や友好度チェックなど、ランダム性が強く、どちらにでも傾く可能性があります。一度、たりとも同じ展開はないわけで、その時、その時の判断が、さらにめまぐるしくなっていると言えるでしょう。
 
よい点としては、前作以上に展開が早いため、ダメでもすぐにもう一戦、とできることでしょう。中国大陸らしいおおらかなCDSとして、ぜひ、対戦もしたいものです。求む、対戦者!