今回の参加でもっとも楽しみにしていたのが、「ミッドウェイ・キャンペーン」(CMJ)珊瑚海ヴァリアントです。非常にシンプルで理にかなった空母戦アイテムですが、ダブルブラインドということで、相手を捜すのが難しく・・・しかも、本戦ではなく、ヴァリアントなので、余計にそうでした。今回、こまいふさんが手を挙げていただいたおかげで、ついに対戦にこぎ着けました。
 
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陣営は、こまいふさんの希望で太平洋艦隊(こまいふ)を、mitsuが帝国海軍を担当します。
 
事前のソロ演習で判明したのは、以下の点です。
・日本軍は短距離(艦載機/水上機)の索敵だが、空母数分だけ(3隻)、航空索敵ができる。アメリカ軍は、空母自体の索敵は(艦載機による追加索敵を除けば)ないが、ポートモレスビーの長距離索敵(航続距離6ヘクス)が可能である。
・両軍とも潜水艦によるピケット警戒線が展開できる(3ユニット)。ただし、セットアップでは、隣接できない(ラインに間隙ができる)。
・空母戦力(艦載機数)は、ほぼ互角。日本軍は軽空母を入れて3隻で、アメリカ軍はネオショーを空母に申告できるので、3隻ずつとなる。
 
そこで、考えられる作戦は以下の通りです。
・アメリカ軍は、陸上索敵の傘の元に、モレスビー近郊に待機する。接近する日本軍を陸上機で攻撃し、敵を明確にすると共に、あわよくば(迎撃も対空砲火もできない)B17の高々度爆撃で敵空母に損害を与える。その後、TFの全力を持って、航空攻撃を加える。
・日本軍は、奇襲を受けないように、水上機索敵と航空索敵を主体に索敵網を張る(この時、TFの位置がばれないよう、あえて航続距離を短くする欺瞞も行う)。敵空母がいたら、全力攻撃を行うが、そうでなければモレスビー基地に空襲をかけて、上陸を支援する。
 
今回は、この想定に沿って、綿密に展開をします。日本軍TFはもっとも南の位置に配置して、まずは南方への進出を狙います。これがうまくいけば、しばらくは敵の陸上索敵網から隠蔽できます。敵潜水艦のピケットラインにかかる可能性はありますが、そうなったら、一旦、北上して姿をくらまし、モレスビーを直撃する作戦です。
 
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序盤、幸いなことにピケットラインを通過した日本軍TFは、一路、南下し、広い珊瑚海に溶け込みます。敵の航空索敵の縁をかすめる機動により、未発見のまま、モレスビーに接近していきます。
 
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一方、輸送船団は敵の北方索敵により、第2ターンには発見され、B17の爆撃を受けます。確率は20%程でしたが、drもよく輸送船1ユニット(と陸戦隊)が損害を受けます。
 
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頃合いを見て、日本軍は艦載機による航空索敵を開始し、東方への水も漏らさぬ偵察を行いますが、敵影はなし。これにより、敵はモレスビー近郊で空襲をかけてくるはずと、目算を立てます。
 
第9ターン、西方へ向かう日本軍TFが、敵の陸上索敵に発見されます。が、運良く、B17が前ターンに出撃していたため、空襲を受けず。対して、まさかのために、南東に放っていた日本軍の艦爆が、ついに敵のTFを発見!が、航続距離外のため、このまま、モレスビーに突進する限り、捕捉される心配はなし。
 
第10ターン、ならば、先制で敵基地を叩くべく、全攻撃機でモレスビー空襲を行います。その後に、敵空母と決戦だと、勝手に決めつけていたのですが・・・ここで、こまいふ司令が、まったく予想外の宣言を。「全艦載機で(日本軍TF)を攻撃します!」
 
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えっ!そんなばかな!航続距離内には敵TFはいないはず?!一体、どこから??
 
これがなんと、東方からの攻撃でした(次ターンの索敵で判明)。そもそも、アメリカ軍TFは最東端にセットアップしていて、日本軍を迎え撃てないため、通常ならミスになっていました。実際、日本軍TFを追いかける羽目になり、かなり焦っていたこまいふ司令は、敵の水上基地をかすめながら、直進で猛追します。これが、意図せずに日本軍TFの通ったルートを追いかける形になり、奇跡的に索敵網の外縁をたどりながら、夜間に追いつくことになったんです!
 
ああ、まさに完全なる奇襲!一月早い、ミッドウェイの悲劇か!
 
空母に残っていたわずかな戦闘機隊が獅子奮迅の働きで2.5ユニットを撃墜しましたが、大量のドーントレスが急降下爆撃を開始します。これにより、軽空母祥鳳が沈没、瑞鶴が大破となり、生き残りは翔鶴1隻に。また、同時に行われた輸送船への攻撃で、半隻分の兵員が失われます。
 
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反対に、日本軍TFが全力で行ったモレスビー空襲は、全くの空振り・・・(しょげしょげ)。航空戦力ではもはや2倍以上の差が付いて絶望的な展開でしたが、ここで夜の帳が降りて、一息入れられることに。
 
奇襲のショックから立ち直った日本軍は、このままでは終わらせられないと、反撃に出ます。まず、敵の接近を防ぐために、水上艦によるピケットラインを作り、これ見よがしに水上索敵を宣言します。実際は、1ユニットずつの小兵力だったのですが、水上戦に巻き込まれたくない敵は、接近をためらいます。唯一の希望の翔鶴は、夜の闇に紛れて南方へ機動し、姿をくらまします。
 
同時に別働隊を組織していた重巡が、夜明けと共にモレスビーを砲撃!敵の守備隊に損害を与え、航空索敵力を奪います。一方の日本軍は、水上機による索敵で、にっくき敵TFの位置を確かめます。
 
第15ターン、ここまでの一方的な戦果で日本軍は萎縮しているはず、と考えたこまいふ司令が、痛恨のミスを犯します。敵輸送船さえ沈めれば、勝利とばかりに、戦闘機を含む全艦載機を攻撃に差し向けたのです(敵戦闘機の妨害を想定していたため)。これにより、さらに半隻分の陸戦隊が消耗しますが、この時、アメリカ軍TFには護衛戦闘機さえ残っていない状況に・・・。
 
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「頭上に敵機!」まさにこのタイミングで、翔鶴隊の攻撃が開始されます。一転して、アメリカ軍が「完全なる奇襲」を受ける羽目に!猛烈な対空砲火を潜り抜けた翔鶴隊が、敵空母に同時雷爆撃を敢行、レキシントンとヨークタウンをともに大破に陥れます。
 
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この瞬間に、鮮やかなまでに優劣が逆転しました。アメリカ軍は、全航空機と索敵能力を失い、かつ、空母の移動力が半減。日本軍は、翔鶴が無傷で残り、以後は一方的な攻撃を実施します。重巡の艦砲射撃と空襲に支援された一木支隊が上陸に成功し、敵守備隊を全滅させたのは、第17ターンのことでした。
 
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いやー、面白かった!両軍とも、全く意図しない錯誤が発生し、完全なる奇襲と奇跡の逆転が起こる、希に見る展開となりました。これだから、ブラインドは止められないんですよね~。こまいふさん、ありがとうございました。
 
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本戦のミッドウェイ海戦と違い、ユニット数もお手頃。その分、日本軍による「絨毯索敵」もないので、純粋に索敵に専念できる、良質のヴァリアントです。ぜひ、希望があれば、再戦したいものです。
 
<追記>
 
このプレイにより、太平洋戦争空母・水上戦アイテムのプレイ率が4割を突破しました。ジャンル別記事を更新したので、ご覧ください。
 
航空機万能の時代と主役の座を降りた大艦巨砲主義~太平洋戦争空母・水上戦アイテム
http://blogs.yahoo.co.jp/mitsu005jp/archive/2013/06/12