ちょっと家庭事情があって、ブログ更新が滞っていましたが、本日からぼちぼち、再開します。
今月のソロプレイは、「バルジ大作戦」再版で気運の高まるWWⅡ西部戦線アイテムから、「激突!バルジ突破作戦」(GJ)です。師団規模ながら戦術色豊かな展開を見せる、作戦戦術・チットシステム(出本システム)で、発表当初からプレイの機会を狙っていました。が、気がつけば、もう、5年半が経っていまして・・・。ちょうどアルデンヌ攻勢から70年ということもあり、バルジ戦の気運に乗って、ソロをしてみました。

基本は、自軍の移動・戦闘と敵側の対応移動・戦闘というシンプルさです。これにより、両軍とも自軍ターンと敵軍ターンに、一度ずつ、移動・戦闘が可能です。
これに鮮やかな彩りを付けるのが、いわゆる支援チットです。浸透移動や地形効果を無視できる移動系と戦闘結果を大きく左右する戦闘系の二種類があります。これを各ユニットに秘密裏に張り付けて(配属して)、使用するときに宣言をします。
ほとんどの戦闘系は、戦車ユニットでシフト効果やAT能力を持ちます。中でも、ドイツ軍のパイパー連隊はオーバーランを含む連続移動ができたり、トロイの木馬旅団はZOCを無視できたりと、攻勢時に大きな役割を発揮します。対する連合軍で、効果が大きいのが砲兵支援で、drを自由に決定できる(!)優れモノです(数もドイツ軍の倍)。このゲームのCRTでは、最大比率(5:1)では1/2の確率で攻撃側に損害が出るので、戦闘には勝ったけれども、ドイツ軍が大損耗して攻勢能力を失う、といった場面が多々、出てきます。
これ以上の強力なのが、支援チットに混ざっているイベントで、引いた途端に効力を発揮します。ドイツ軍には、補給切れの1ユニットを除去できる「恐怖の奔流」や増援を遅らせる「ノルトヴェント作戦」、補給状態を改善できる「集積所」などがあります。連合軍には、敵の1ユニットから支援チットを全て奪い取る「空軍支援」と砲兵支援のドイツ軍損害を+1する(!)「VT信管」、増援を早める「パットン増援」などがあります。
総じて、ドイツ軍は戦闘比を上下する戦車系支援チットが多く、連合軍は防御戦闘を有利に運ぶ戦闘系チットが多くなっていています。
支援系チットはブラインド配置のため、本来はソロには向きませんが、最も合理的な取り付けをすることにして、演習をしてみました。
第1ターンは、特別ルールにより、ドイツ軍の移動・戦闘(と連合軍の対応移動・戦闘)になります。まずは、史実通り、LAH師団にパイパー連隊を装備し、砲兵支援を持って、騎兵連隊を除去します。空いた突破口から、LAH師団はマルメディへ。それ以外の歩兵が第99歩兵師団と第106歩兵師団を包囲します。第99歩兵師団を包囲攻撃したのですが・・・ここには「要塞」と「砲兵支援」の最強の組み合わせが!結果、2:1でA1となり、3個の戦車チットを失います(損害の補填)。

一方、南では工兵の架橋で河川を渡河した第2装甲師団が、Lehrや第26擲弾兵師団とともに、第28歩兵師団を包囲攻撃しましたが・・・これも5:1にかかわらず、A1D1に。1個師団が混乱状態になり、その他も多数の戦車チットを損害の補填で失います。考え得る最悪の展開になってしまいました。

明けて第2ターン、連合軍は補給ポイントが減少することを覚悟で、増援R1を呼び寄せます。少ない支援付きの第78歩兵師団と第9機甲師団で、北部方面の進撃路を封鎖し、トロワポンに増援を送り、半円形の防御線を引きます。1個機甲師団は予備として、リエージュに待機させ、支援チットを装備します。
一方、南部ではバストーニュ周辺に増援で阻止線を張り、中央部の要衝ホーファライズには、チット装備の第4歩兵師団を移動させます。

ドイツ軍は反撃フェイズに、損耗した第28歩兵師団をD1で除去し、前進の足がかりを作ります。が、痛烈な損害を受けた第99歩兵師団には損害上等の3:1攻撃を行いましたが、NEとなり、未だ、パイパー以外の前進はありません。
この危機を救ったのが、ドイツ軍イベント「恐怖の奔流」でした。重包囲と二度にわたる攻撃で孤立していた第99歩兵師団が降伏勧告に従い、投降!北部戦線に勢いが戻ります。

12補給ポイントという十分な支援を受けたドイツ軍は、各地で前進と攻撃を実施します。攻勢の最前線を行くパイパー連隊は、機械化移動でトロワポンへ接敵すると、パンター効果と砲兵支援によって、チットを持たない歩兵師団を一撃で葬り去り、ここを占拠します。
また、北部に空いた突破口から歩兵が回り込み、第2歩兵師団と第78歩兵師団の退路を遮断してしまいます。
前ターンに包囲下にしていた#2710の第106歩兵師団には、要塞効果を相殺するゴリアテを付け、5:1でこれを撃滅。
さらに、南部ではハーフトラックを装備した第2装甲師団が森林に突入し、他の2個師団とともにノーヴィルの第82空挺師団を撃破します。

北部と中央部に前進ルートが空き、マネー近郊にはハイトが降下し、増援路を遮断。南部も数的にドイツ軍が優位に立ちます。
第3ターン、このままでは戦線が引けない連合軍は、やむなくチット補強を諦め、増援R2を呼ぶことに。支援チット引きはわずかに3枚だったのですが・・・なんとここにパットンの救援!一気に9個師団が到着します。ゆとりを得た連合軍は、4個師団で突破口を防ぐと、残りは次ターンに備えて、補給源でチットの装備に回します。
さらに、引いてきた空軍支援で、南部の攻勢の中心となっている第2装甲師団を空襲し、ハーフトラックを含む3個の支援チットを除去します。

形勢が一気に不利になったドイツ軍は、電撃的な侵攻にかけて、反撃フェイズに南部から中部への強襲を行いますが、第7機甲師団への3:1攻撃はNEに。包囲した第4歩兵師団への攻撃でも敵を除去するも、A1の損害が出て、完全に勢いが止まります。
このままでは、早くもイニシアチブを失いかねないドイツ軍は、ここで総力を上げて、バストーニュ強襲を行います。LAH師団、DR師団を含む5個装甲師団による包囲攻撃によって、最大比でここを奪取!しかしながら、A1の損害により、2個装甲師団が混乱状態になり、3個の戦車チットが失われます。


第4ターン、早くも防御態勢に入ったドイツ軍に対し、連合軍が15補給ポイントによる怒濤の反撃を開始します。まず、北部から中央部に戦線を引いた擲弾兵師団に対し、VT信管を解禁となった支援砲撃が降り注ぎます。その結果、3:1攻撃4箇所で全てD3(!)として、これを全滅させます。
また、南部では最強のLAH師団を空軍が襲い、これを混乱状態にしてしまいます。

戦線に穴が開いたドイツ軍は、やむなく増援R1を呼び寄せるとともに、兵力を転用して、かろうじて薄い戦線を引きます。

が、十分な反攻準備をしていた連合軍は、対応移動と反撃で中央部に猛攻を加え、サンダース軍曹(dr+3修整)やNUT!(両軍の損害を±2)などにより、戦線を分断します。
第5ターン、中央と北部に開いた穴から部隊が浸透し、サンビットを奪還します。そのまま、周辺の部隊を包囲し、エルゼンボルン近郊で1個師団を撃破します。サンビットを突破した機甲師団に、ドイツ軍が増援部隊を持って反撃を行いましたが、強力無比な砲兵支援でA2(!)を与え、攻撃を阻止。逆に、第9SS装甲師団を壊滅させてしまいます。

南部では、バストーニュをめぐる戦闘が始まります。空襲でバストーニュのDR師団の支援チットを撃破すると、中央からの突破で3個装甲師団を包囲。砲兵支援を付けた2箇所の攻撃で敵を撃滅し、バストーニュ直接攻撃の準備を整えます。
唯一、強靱な抵抗をしたのがヴィールサムの擲弾兵師団で、タイガーⅡに支援されたこの部隊は、5:1ながらD1で踏みとどまります。
続く、ドイツ軍ターン、最後の12補給ポイントを使って、十分な支援を得ると、2箇所で3:1攻撃を実施し、クレルヴォとサンビットを一時的に奪還します。

が、連合軍のスチームローラーは止まらず、孤立したバストーニュを包囲攻撃し、これを占領。さらに、殊勲のヴィールサムも5:1の猛攻で、損害を出しながらも奪取(A1D2)。
第6ターン、もはや、戦線を引くこともままならないドイツ軍に対し、連合軍の15補給ポイントの大攻勢がのしかかります。3枚の空軍支援で敵の支援チットを封殺すると、ジークフリート線からサンビット、クレルヴォ、バストーニュ近郊で6箇所の攻撃を実施。その全てで攻撃に成功し、敵を全滅させます。

まともな機動部隊が消滅したドイツ軍にできることは、再編成で登場した部隊とわずかな支援チットでドイツ国内の都市を固めることくらいでした。これに対しても、連合軍は対応移動・反撃で猛攻を加え、4箇所で3:1攻撃を実施。ドイツ軍も死に物狂いの反攻でNEやA損害を与え、1箇所では「俺のケツを舐めろ!」(両軍の損害を±2)で敵を撃退しましたが、すでに時遅し。

このターン終了時点で、ドイツ軍の占領都市が9個に減少し、ゲーム終了としました(勝利条件は、補給の繋がる20都市以上)。

今回のドイツ軍の敗因としては、序盤のdrが悪すぎたことでしょう。それでも、通常の展開ならば、まだ、戦いようはあったのですが、わずか3ターンで「パットンの救援!」が来て、連合軍の戦線が安定。さらに、第4ターンの「VT信管解禁」により、破滅的な砲撃を受け続けたことで、戦線があっという間に崩壊しました。史実でも、連合軍の勝利の要因は砲兵支援だったわけですが、この組み合わせになると、あまりにも一方的になってしまいました。

チット引き(特にイベント)により、展開が大きく左右されるので、バランスは微妙です。が、勝敗はともかく、その中で最善を尽くして、バルジらしさを味わうには、もってこいのアイテムかと。チットの精通や森林の守り方など、少し癖があるので、あまりインスト向けではありませんが、興味がありましたら、ちはら会へどうぞ。