今度のちはら会例会で対戦予定の「バルジ大作戦」(CMJ) ですが、お相手のDasreichさんから入電。「しばらくやっていないので、スパーリングを」とうれしいお誘いが・・・。やっと、事情も落ち着いたところだったので、二つ返事で承諾しました。というわけで、自宅オフ会で初夏のアルデンヌ対戦です。
陣営は、「やっぱりドイツ軍が落ち着くので」とDasreichさんがドイツ軍を、mitsuが連合軍を担当しました。今回、いろいろな関連記事やブログの対戦記事を読み直して見て、あるセットアップを仕掛けます。基本は、大平氏が唱えた「ベストセットアップ」なんですが、ちはら会常連のエンジョウさんが考案した後方重視とCMJ誌に載った南部の突破防止を組み合わせた、ちはら会ヴァージョンです。
具体的には・・・
1.最南端の第4師団の1個歩兵連隊と第9機甲師団の1個CCを、サンビットに配置。これにより、第5装甲軍が中央で突破されても、サンビットには最低でも2個連隊が籠もれる。
2.クレルヴォ前面の第28歩兵師団の1個連隊を、#2530ではなく#2430に配置。こちらから突破を狙う場合(史実策)は、#2231と#2430の両方の歩兵を排除しなければならず、バストーニュへの進撃が遅れる。
3.第9機甲師団の2個CCを、バストーニュに配置。第2ターンの増援の第10機甲師団とともに、バストーニュ前面に半円形戦線を構築し、第3ターンの空挺増援まで時間を稼ぐ。
1.最南端の第4師団の1個歩兵連隊と第9機甲師団の1個CCを、サンビットに配置。これにより、第5装甲軍が中央で突破されても、サンビットには最低でも2個連隊が籠もれる。
2.クレルヴォ前面の第28歩兵師団の1個連隊を、#2530ではなく#2430に配置。こちらから突破を狙う場合(史実策)は、#2231と#2430の両方の歩兵を排除しなければならず、バストーニュへの進撃が遅れる。
3.第9機甲師団の2個CCを、バストーニュに配置。第2ターンの増援の第10機甲師団とともに、バストーニュ前面に半円形戦線を構築し、第3ターンの空挺増援まで時間を稼ぐ。
配置1により、北部の戦線に1個連隊を多く回せる計算になり、装甲7個師団を中央に集中する鹿内ギャンビットにも対抗しやすくなります(実際、後の対戦で、このありがたさを痛感することに!これをしなければ、サンビットは一撃で落ちていました)。
また、配置2により、ドイツ軍が南方に3個装甲師団を投入しても、かなりの確率で突破を防げることになります。
そして、3の配置で、バストーニュの防御を固めた後は、機甲連隊5個の機動予備(打撃)グループを組めるハズでした(こちらは思わぬ、「迷子」連発で、ご破算になることに!)
これに対し、ドイツ軍は第5装甲軍の機動部隊を全て中央に集中する、いわゆる鹿内ギャンビットを取ります。
第1ターン、必勝の気迫に溢れるドイツ軍の攻撃drが冴え、初期の消耗上等のEXも含めると、全ての攻撃が成功します。中央の第5装甲軍では、焦点の4:1と5:1攻撃がいずれも成功し、中央部に間隙ができます(D2によるオプション後退とD2R!)。第二次移動・攻撃で装甲師団がこれを押し広げ、鮮やかな中央突破に成功します。
北部では、定石の騎兵連隊攻撃が成功。シェーネアイフェル高地を装甲師団が突進します。また、その側面で森林に立て籠もる第99歩兵師団への2:1攻撃も成功(D1R!)し、こちらも高地突破の準備が整います。
また、兵力の少ない南部でも、要衝ディーキルヒを3:1攻撃し、EX2でここを奪取します。(これにより、後退を当て込んでいた第4歩兵師団の1個連隊が包囲されることが確実に)。


のべ5ユニット(11ステップ)の除去で、連合軍はギリギリの戦線構築しかできず。サンビットにも2個連隊が籠もるのみ。

第2ターン、史実では降下できなかったハイト連隊が降下に成功!しかも、その場所は#1305の幹線道路上。これにより、SWから登場する空挺師団が迂回を余儀なくされ、北部に回すべき、増援の遅延が決定します。

これを見た第5装甲軍は、サンビット攻略ではなく、前進を選択します。3個の装甲師団を先頭に中央経由でバストーニュ方面に展開。スコルツィーニのコマンド部隊も、後方から飛び出し、次ターンの戦略移動の布石を打ちます。中央には、連合軍の有効な戦線構築を妨害するため、1個連隊とFG/FB旅団を派遣し、前衛がトロワポンでアンブレーヴ河を渡河します。

北部では、薄くなった戦線に第6SS装甲軍が圧力をかけましたが、地形妨害もあってA1などの結果で、ドイツ軍の損害が出始めます。
連合軍は、北部では、増援を注ぎ込んで、突出した装甲連隊を撃滅するとともに、地形効果を最大限に利用したスタック防御を展開します。

南部でもコマンド狩りをしながら、ハイト連隊の妨害で遅れた分を取り戻そうと、部隊を前進させましたが・・・ここでスコルツィーニ部隊が、尋常ではない活躍を見せます。増援の第10機甲師団を2回、惑わせ、バストーニュに向かった第101空挺師団を丸々、迷子にさせる奇跡!(7回振って、排除できたのは1個部隊のみ)。Dasreichさん曰く「どんだけネイティブなしゃべりをしたんだ」(笑い)。

が、連合軍は笑うどころではなく、部隊配備が大きく狂い、機甲5個連隊でバストーニュ前面に半円形戦線(バストーニュ・ドーム)を構築するのが、やっとです。
第3ターン、スコルツィーニに運気があると踏んだドイツ軍は、バストーニュ・ドームを正面から攻撃するとともに、コマンド部隊を縦横に走らせ、バストーニュ後方へ前進ルートを広げます。正面は持ちこたえたものの、バストーニュの背後に回った装甲1個師団が増援ルートを遮断。これで、空挺師団の市街地投入はご破算に!

連合軍は、貴重な機甲兵力でバストーニュに立て籠もり、空挺師団はやむなく、ヌシャトー前面に防衛線を引きます。機動予備の打撃グループ(鹿内ブランへの対抗策)が結成できなくなったため、敵の動きを牽制することがほぼ不可能になり、あとはひたすら戦線を整備し、増援が来るまで耐えるしかなくなります。

北部では、第6SS装甲軍が攻撃を続けますが、交通の要衝サンビットが生き残っているため、満足な機動が制限されます。結果、地形効果が有効で、4:1以上を作ってもA-optionなど、攻撃が停滞します。こちらは、史実通りになりつつあります。
第4ターン、南部での優勢を確保したドイツ軍は、ここで鮮やかな攻勢正面の転換を図ります。戦略移動!スコルツィーニをフルに活用し、中央部のマルシュまでを確保していたドイツ軍は、第5装甲軍をミューズ河に向けます。また、迂回が遅れていた第6SS装甲軍も、トロワポン経由で一部を西進させ、増援の装甲部隊と共同で、アンブレーヴ河戦線に攻撃をかけます。正面の3:1攻撃はEX1で膠着となるものの、翼端の1個連隊を包囲殲滅し、北部の最終防衛線を突破します。


もはや、まともな戦線は引けず。援軍もなく、リエージュまでの戦線構築が不可能になった連合軍は、北方は維持したまま、西端を放置!部隊をばらして足止めするという、最終手段に!そう、次ターンにイギリス軍を移動させるための捨て身の戦術です。
運命の第5ターン、このまま、強行突入すべきか?一撃だけ加え、次ターンのため、一旦、戦線を引くか?考えに考え抜いた末、Dasreich司令が出した答えは、北部戦線の強襲でした。ここで1箇所でも抜ければ、北部を崩壊させられる!ドイツ軍は、比率は低いけれども、成功すれば極めて成果の大きな賭に出ます。その結果は・・・Cont(膠着)とA1 。

一方、第5装甲軍主力が転進してきた中央部では、第82空挺師団の2個連隊が守るディナンを包囲強襲します。1/6の確率で全滅の可能性がありましたが、こちらもCont(膠着)。連合軍は紙一重のところで、踏みとどまることに成功しました。

ミューズ河への突進により、イギリス軍の移動制限は即刻解除され、ただちに反撃に出ます。狙いは、同じくドイツ軍翼端のアンブレーブ河流域。包囲されない移動力ギリギリのところで戦線を張っていた装甲擲弾兵の2個連隊を、歩戦共同で撃退すると、そのまま、機甲旅団が追撃し、4個機械化部隊を包囲。ともに3:1の確率でしたが、果敢に二次攻撃をかけ、撃滅!これにより、北部戦線は確実に息を吹き返しました。

一方、ディナンを攻撃中の敵については、直接攻撃するには兵力は不十分です。そこで、4個連隊を使って、これを間接包囲します。敵のディナン攻撃はまだ可能ですが、後退ができないので、かなりのリスクになるはずです。

しかし、強心臓のDasreichさんは全く動ぜず。「まだ、行ける!ディナンさえ取れれば、包囲部隊を逆に殲滅できる。」第6ターン、ドイツ軍は乾坤一擲の3:1攻撃をかけます。1/6の確率で、即時撃破ができる状況でしたが・・・ああ、無情にもdrはA1R!この瞬間、第5装甲軍の2個装甲師団が壊滅し、勝負あり。

なんという、逆転劇でしょう! わずか、2ターン前には戦線を引くこともままならなかった連合軍が、執拗な、しかし、紙一重の防御で凌ぎきり、反攻に。イギリス軍の果敢な反撃により、イニシアチブを取り返し、最後の反撃も封じて、勝利を収めました。しんどかった!でも、最高に楽しかった!

数限りなくバルジを対戦してきましたが、記憶にないくらい、強烈な対戦でした。Dasreichさん、濃密な、充実した時間をありがとうございました。持つべきものは、まさに「強くてゲーム愛に満ちた」戦友です。来週の本戦を、心から楽しみにしています。