久しぶりに、松戸の千葉会に参戦してきました。老舗のオープン例会は相も変わらずの賑わいで、スターリングラード市街戦「Turning Point:Stalingrad」(AH)からシモニッチの「フランス1940」(GMT)、「太平洋戦史」(CMJ) など、古典から新作まで数々の対戦が組まれていました。もう10年以上、続いているだけあって、安心感があるんですよね~。
自分がプレイしたのは、予約していたシモニッチのアフリカ戦役「The Legend Begins」(CMJ)です。千葉会やミドルアースで活躍し、ガッチガチのハードボイルド系を愛する金吾さんがお相手です。これまで、幾度も姿をお見かけしていて、「関ヶ原」(サンセット)や「Ukraine'43」(CMJ)、はては「North Africa」(翔企画)など、ダイハードなプレイをしているのが羨ましくって・・・。金吾さんのブログにコメントを寄せたところから、やりとりが広がり、「The Legend Begins」(CMJ)を対戦していただくことになりました。
シナリオは最も盛り上がるS4「クルセーダー」。「初めは枢軸軍の方が楽しめるでしょう」との助言に従い、mitsuが枢軸軍を、金吾さんが連合軍を担当します。
第1ターンは、シナリオルールにより、第4フェイズで連合軍第1チットからスタートします。「久しぶりで、よく覚えていないな~」と金吾さんは、偵察部隊同士の鞘当ての後、主力部隊を持って、DAK主力に攻撃をかけます。第7機甲師団と第1機甲旅団に2個歩兵師団を併せた大量の兵力です。が、DAKも全力を投入していたため、基本戦闘比は1.5:1に。これに、強力無比な88mm砲の装甲効果4が加わり、戦闘比は1:2にまで下落。マグニチュード4の激戦の結果、A6/D2で攻撃側が撃退となります。
第5フェイズのドイツ軍第3チットは、ドイツ軍が逆襲に出ますが、敵が予備の機械化部隊を後方に展開していたため、前衛を蹴散らしたところで終わります。
ここで、ドイツ軍第2チットが来ていれば、混乱した敵(防御力1/2)にかなりの打撃を与えられるはずでしたが、引いたチットは連合軍第2チット。連合軍はあやうく危機を逃れ、さらに後退。続く第7フェイズに、なんと、陣地を構築して防御態勢を固めます。
第2ターン、先制したのはドイツ軍第1チット。敵の陣地帯を突破すべく、南方2箇所で、DAKとマカロニを投入して、正面攻撃をかけます。5:1はともかく、1.5:1攻撃も成功し、敵にD7の打撃を与え、陣地線の粉砕に成功します。
と、ここで、再び、連合軍。このめまぐるしさが、砂漠戦の特徴でしょう。混乱した部隊を一旦下げて、回復を待ちます。と、次のフェイズも、連合軍第1チット!
今が勝負所と見た連合軍は、移動攻撃で側面にいたイタリア軍を排除すると、第1及び第22機甲旅団と2個歩兵師団、その他の兵力を結集し、またもDAK主力に包囲攻撃をかけます。これが決まっていれば、イニシアチブが敵に移ったところでしたが・・・。
ああ、結果は、またも攻撃側撃退。マグニチュード4の激戦により、第1ターンを上回るA8 /D3の大損害を受けます。連合軍の40%程度に当たる兵力が半壊したのを見届けたドイツ軍は、続くドイツ軍第1チットに、イタリア軍も投入してDAKで攻撃をかけます。目標は、もう一つの機甲部隊-第7機甲師団。
先の攻撃失敗で戦線が乱れた隙をつき、枢軸軍の機械化部隊が弱ZOCを浸透し、のべ4個師団+小部隊による包囲攻撃をかけます。3:1攻撃の結果は、A7/D14(!)で「前進」。これにより、退却を余儀なくされた第7機甲師団と第2南アフリカ師団が、追加8ステップ(!)を受けて、文字通り、全滅となりました。
連合軍は、まだ、防御戦闘なら可能でしたが、攻勢によって、勝利条件地点を確保することは、ほぼ不可能となり、枢軸軍の勝利で、終了となりました。
「思い出したぞ。もう1回、行こう!」と金吾さんのリクエストで、第2戦に突入。陣営は同様で、新たに空軍の上級ルールを導入します。
第1ターンの第4フェイズ(連合軍第1チット)、拙速な攻めで痛手を被った緒戦をなぞらず、連合軍は慎重に戦線を引きながら、前進をしてきます。これを見たドイツ軍は、国境線付近の兵力を均等化し、敵の出方を見守ります。このターンは、珍しく一切、戦闘がなく、終了します。
第2ターン、先手を取ったイギリス軍は、偵察スクリーンを移動攻撃で蹂躙すると、快速の偵察部隊が背後に進入し、ドイツ軍司令部を除去する活躍を見せます。
これに対し、すぐさま、DAK主力が反応し、トブルク包囲陣にとって返して、敵の偵察部隊を殲滅。返す刀で、突出していたイギリス第7機甲師団を包囲攻撃します。マグニチュード4の2:1攻撃の結果は、A8/D8の前進。退却を余儀なくされたイギリス軍は、重包囲の影響で、追加8ステップを失う惨状に(のべ16ステップ)。
ならば、今度は海岸沿いでと、こちらに展開した第22機甲旅団と第1機甲師団、複数の歩兵師団が、ハルファ峠を強襲します。砲兵付きの要塞でしたが、マカロニ連隊には荷が重く、21:攻撃で一撃で陥落。さらに、連続チットを引いたイギリス軍は、次のフェイズにはソルームを奪取し、VP地点のバルディアに接近します。
と、ここで、ドイツ軍の第1チット!敵の力点が海岸沿いにあることを見切った枢軸軍は、トリエステ師団を封鎖に残すと、大胆にも賭-砂漠の迂回による、敵後方の蹂躙と主力の包囲に出ます。強力な装甲師団を最南端に投入し、相次ぐ蹂躙で、南端を崩壊させます。ここから快速部隊が浸透し、敵の軍司令部を破壊、のべ4ステップの補給を奪います。
シディバラニの飛行場を手に入れた枢軸軍は、続く戦闘で航空優勢を持って、海岸沿いの第1南アフリカ師団を撃破。さらに、南部でも1個スタックを撃滅し、敵主力を完全に包囲します。
ここにいたり、もはや攻勢は不可能と判断した連合軍が投了し、枢軸軍の連勝となりました。
いやー、ハードだったけど、面白かった!金吾さん曰く、この頃のシモニッチ作品はいずれを担当してもきつさがあり、ギリギリの苦悩を楽しめるそうで、まさに今回の対戦もそうでした。
1戦目では、包囲された連合軍の1個機甲師団+1個歩兵師団が、DAKの猛烈な包囲攻撃を受け、一撃で22ステップ(!)の損害を出して全滅!(枢軸軍も8ステップを喰らい、両軍合わせて30ステップの損失!!)2戦目なども、絵面では枢軸軍の圧勝ですが、海岸道路にいる第15装甲師団は、戦車が全滅し、わずか2ステップという、ヘロヘロの状態だったりします。そりゃ、どっちをやってもきついですって。
シモニッチらしい細かいルール(というより細かい運用)もあり、決して一見さん向けではありませんが、使いこなせたときの充実感はまた格別だったりします。それでいて、バランスは崩れていないのですから、相当のデベロップメントをしたことが伺えます。
ある意味、究極のアフリカ戦役ですので、ご希望の方は、ぜひ、ちはら会へどうぞ。