この日、海軍提督kawaさんと約束していたのが、「日本機動部隊2」(CMJ)マリアナ沖海戦決戦シナリオです。名作「日本機動部隊」(エポック/CMJ)の続編を名乗って発売された1944年の西太平洋キャンペーンで、マリアナ沖及びその後の海戦を描いています。
 
続編といいながら、それ以前とは比べようのない大規模空母戦を描くため、随所に変更が加えられています。ユニット規模がほぼ2倍となり、艦載数が減少しています(エンタープライズ8ユニットから4ユニットに)。戦術ターンスケールも発進から収容までが1ターンに収まるようになって、2.5倍ほどに伸びています。
 
それ以上に変わったのが、索敵システムとシークエンスで、移動の後、規定数の航空索敵が自動的に行え、そのターンのうちに攻撃ができることに。
 
戦闘では、各艦艇に個艦対空力と広域対空力が設定され、輪形陣の効果が強調されています。アメリカ軍が最高の38対空火力で攻撃を行うと、drによっては8ステップ(!)もの損害が出ることに。あな、恐ろしや、VT信管!ちなみに全てのdr判定は、10面体に変更されており、前作以上に振り幅が大きくなっています。
 
今回、プレイしたのは、ヒストリカルのマリアナ沖海戦決戦シナリオであるS1「鬼戦闘機F6F」です。史実では、航続距離の長さを生かして日本軍のアウトレンジ攻撃が成功するものの、レーダー網に誘導されたF6FのCAPと正確無比なVT信管の対空射撃によって、日本軍の攻撃隊が壊滅的な打撃を受けています。この戦訓は、図らずもリプレイで証明されることになりまして・・・。
 
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両軍の戦闘序列は以下の通り。
日本軍:空母5隻、軽空母4隻、戦艦5隻、巡洋艦13隻、駆逐戦隊6隊、航空機35ユニット
アメリカ軍:空母7隻、軽空母8隻、戦艦7隻、巡洋艦20隻、駆逐戦隊17隊、航空機51ユニット
 
序盤は規定通りのセットアップを行い、ともに敵を求めて接近します。
 
第3ターン、先手を打ったのは日本軍でした。航続距離7という能力を生かして、アメリカ軍の水上艦隊(実は重巡1隻)に攻撃をかけます。その数は、全35ユニット!おお、史実並みの大編隊です。
 
航続距離が足りず、航空攻撃ができないアメリカ軍が取った手は・・・全戦闘機隊の投入!その数、F6Fの22ユニット!
 
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日本軍の護衛機も必死の空中戦を繰り広げますが、主力の零戦でさえ、+2コラムを余儀なくされ、F6Fの1ステップの損害に対し、日本軍の戦闘機隊は19ステップロスという破滅的な損害を受けます(2/3が撃滅)。
 
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さらに、護衛スクリーンを潜り抜けたF6Fの大群が攻撃隊に襲いかかり、15ステップロスという甚大な損害を出します(約40%の損耗)。
 
怒り心頭の攻撃隊は、雷爆撃で重巡1隻を撃沈するものの、のべで34ステップという全艦載機の1/2を、たったの1攻撃で失います。そのキルレシオは11:1という、七面鳥撃ちとなりました。
 
翌第4ターン、航空機隊を収容した日本軍の空母群は、次の攻撃準備のために、一旦、西に退避します。代わりに、敵船団の撃滅に一縷の望みをかけて、大和以下4隻の戦艦及び7隻の巡洋艦からなる水上打撃部隊が、東に突進します。
 
これを索敵で捕捉したアメリカ軍は、お返しとばかりに、全攻撃機による雷爆撃を敢行します。損害を押さえるために、まず、輪形陣外部の艦艇を潰し、その後に大和を囲む外側から一隻ずつ、攻撃を実施します。猛烈な対空砲火を受けながらも、魚雷と爆弾を命中させ、武蔵を含む戦艦3隻を中破、巡洋艦4隻を撃沈・中大破、駆逐艦隊の1/2を撃破します。大和こそ、無傷で残ったものの、頼みの綱の戦艦隊も戦力を40%近く失います。
 
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後は、アメリカ軍の新鋭戦艦隊が止めを刺すはずでしたが、なんと、ここで攻撃隊の損害が10ステップを上回ってしまい・・・アメリカ軍の敗北!そんなばかな!たった一度、護衛のいない敵に対し、損害を押さえながら攻撃したにも関わらず、敗北?!
 
勝ったはずの日本軍も、負けたとは全く思えないアメリカ軍も、ともに「??」の対戦でした。「う~ん、こりゃ、勝利条件がおかしいのでは?」いくら、アメリカの若者の命が「尊い」からと言っても、戦艦隊と敵航空兵力の半壊に足るとは思えず。次回からは、アメリカ軍の航空損害は、カウントしない方向になりそうです。
 
ともあれ、貴重な太平洋戦争後期の空母戦を描いた作品ですので、ぜひ、残りのシナリオもプレイしたいものです。次は、烈風で一泡吹かすぞ!?