今月のソロプレイ第4弾は、「幻の八八艦隊」(アドテクノス)です。その名の通り、未完成に終わった弩級及び超弩級戦艦同士の戦いを描いた仮想戦アイテムです。史実の黄海海戦をデザインしたら、やたらとブラッディになってしまい、ならば時代(背景)を変えてしまえ(!)と、リデザインになったとか?!「システムが時代に合わなければ、時代をシステムに合わせる」(ルールブックより)なんて、違った意味で「すごい時代」だったんですね~。
システムは非常にシンプルで、移動-砲撃-雷撃を繰り返すだけ。当時は「Iron Bottm Sound」(HJ)や「IJN」(HJ)、「戦艦大和」(ツクダ)、などプロットが主流だったのですが、全くプロットをしない戦術級ということで、話題になりました。ルールが軽快な分、多くの艦艇を操れるため、最大80隻(!)近くの巨獣たちがガチンコでぶつかり合い、接触後の数ターンで恐ろしいまでの被害が出る、なんとも豪勢なアイテムです。
今回は、第一次世界大戦を背景にした、シナリオ6「第2次リッサ沖海戦」です。これまた、アドテクノスお得意の「起こりえた戦い」ですが、兵力的には史実を踏襲しています。

海戦の主役はオーストリア・ハンガリー海軍とイタリア軍(!)という、非常に珍しい状況設定です。イタリア海軍は地中海を主戦場としているので、高速性と砲撃力に優れる一方、甲板防御力は低めです。

対するオーストリア・ハンガリー海軍は、8隻と同数ながら、旧式艦が多く、苦戦は免れません。これを補足するのが、本邦初登場(かつ、おそらく最後の)トルコ海軍(!)でして。隻数は3隻で、基本命中率が4(16%)と低めですが、唯一、ドイツ軍同等の命中率を誇るYavuzが参戦します。そう、トルコの宣戦布告を促すために、乗員ごとトルコ海軍に編入になった元ドイツ海軍Gebenです。


中盤にはイタリア海軍の第2艦隊と精強ドイツ艦隊が増援として登場し、最終盤には砲撃力だけは抜群のフランス海軍地中海艦隊(!)が参戦します。
第1ターン、イタリア軍を挟み込む形で、オーストリア・ハンガリー海軍とトルコ海軍が前進をします。舷側防御力に優れたイタリア軍も、甲板への命中を減らすために突進し、距離を詰めます。最大射程で両軍とも一斉に砲門を開きますが、元の命中率の低さ(28%)が祟り、命中弾は1発ずつに。トルコ海軍Yavuzが放った一撃が命中するものの、戦果なし。一方で、38cm砲搭載のCaraccilo級の砲弾がTegetthofを捉え、これを損傷させます。

第2ターン、オーストリア・ハンガリー海軍の丁字戦法に真っ向から突っ込んだイタリア海軍が、2発の命中弾を出しますが、今度は戦果なし。対して、オーストリア・ハンガリー海軍唯一の36cm砲搭載艦のMonarchが、先頭のCaracciloを補足し、至近距離での猛砲撃でこれを撃沈してしまいます。

第3ターン、怒り心頭のイタリア海軍は転進中の後続戦艦でもって、トルコ海軍を狙い撃ちます。3隻から放たれた砲弾が大落下角で甲板を撃ち抜き、Sultanを撃沈!さらに、MonarchとYavuzを損傷させます。
第4ターン、なおも激しい反航戦は続き、オーストリア・ハンガリー海軍のRadetzkyが至近距離での砲撃で撃沈!オーストリア・ハンガリー海軍も猛烈に撃ち返し、命中すれどもイタリア艦隊の厚い舷側装甲に阻まれて、戦果にならず。

第5ターン、優勢に立ったイタリア海軍は、容赦なく同盟国海軍を叩き、Ferdinandと損傷していたYavuzを撃沈!この時点で、沈没艦は協商国軍が1隻に対し、同盟国軍は4隻になります。と、やっと登場したドイツ地中海艦隊が最大射程で発砲し、イタリア海軍第2艦隊の2隻に損傷を与えます。

第6ターン、全軍が登場したドイツ地中海艦隊は、正確無比な砲撃をイタリア海軍第2艦隊に浴びせ、2隻を撃沈し、1隻を損傷させます。一方、イタリア海軍第1艦隊も逃げていくオーストリア・ハンガリー海軍に痛打を浴びせ、殿のZrinyiを撃沈します。

第7ターン、フランス海軍が登場しますが、距離がありすぎて、しばらくは局外におかれます。ならばと、イタリア海軍第1艦隊は、矛先をドイツ地中海艦隊に向けます。相対的に低い命中率とドイツ艦の堅牢さから、損害は難しいと思われましたが・・・Caraccilo級の3隻の砲弾が、最強戦艦Badenと巡洋戦艦Mackensenのヴァイタルパートを撃ち抜き、これを一撃で轟沈してしまいます(そんなばかな!)。ドイツ軍の反撃も低調で、Alighietiを損傷するのがやっと。

第8ターン、連合軍の砲撃は絶好調で、3発の命中弾により、今度はWurttenbergを損傷させます。目標をにっくきイタリア海軍第1艦隊に切り替えたドイツ軍は、恨みの砲撃でConte D Cavour を撃沈!一息ついたオーストリア・ハンガリー海軍も第2艦隊を攻撃し、Cario Duilioを轟沈します。やや、流れを取り戻したものの、沈没艦は協商国軍が5隻に対し、同盟国軍は7隻になります。

第9ターン、最高の命中率を誇るドイツ海軍の砲撃は強力で、砲弾の嵐がイタリア海軍第1艦隊を襲います。結果、Conte D Cavour が撃沈され、Colonnaが損傷します。一方のイタリア軍も決死の反撃で、ギリシア海軍Salamisを撃沈し、沈没数差は変わらず。
第10ターン、損害と戦場に漂う硝煙により、両軍の命中率が若干、低下します。連合軍の砲撃は命中弾1発で、戦果なし。同盟軍はそれでも優れた砲戦技術を駆使し、やっと砲撃距離に入ったフランス軍の2隻を損傷させ、中破していたAndrea Doriaを撃沈します。両軍の沈没数は合計で15隻に達し、いつ、海戦が終了してもおかしくない状況に。

第11ターン、傾いた流れは、一気に同盟国海軍に。ドイツ軍の正確な砲撃がColmboを損傷させ、フランス海軍の最新鋭艦Lyonを撃沈してしまいます。フランス海軍も数を恃みに必死に反撃を行いますが、命中率の低さと前方射界の制限により、ほとんど戦果は挙がらず。ついに、沈没数は8隻:8隻のイーブンになります。

小康状態の第12ターンを経て、ゲームは第13ターンに突入します。フランス艦隊を挟み込むように機動した同盟国軍は、容赦ない砲撃を装甲の薄いフランス艦隊に浴びせます。猛烈な砲撃により、損傷していたDantonとCondorcetが沈没し、LilleとNormandieも損傷状態になります。フランス軍も意地の反撃で、Istavanを撃沈するも、そこまで。

と、ここで海戦終了値により、ジ・エンド。沈没艦は、
協商国軍…10隻
同盟国軍…9隻
で、かろうじて同盟国軍の勝利となりました。
協商国軍…10隻
同盟国軍…9隻
で、かろうじて同盟国軍の勝利となりました。
