今月のソロプレイ第4弾は、日露戦争アイテムから、追加シナリオの「蔚山沖海戦」です。戦争初期に時には太平洋まで進出して海上交通路の攪乱を計ったウラジオストック艦隊を、苦心惨憺の末、上村艦隊がついに捕捉した戦いです。

主砲の砲撃力と舷側装甲では日本軍が圧倒し、逆に副砲火力と耐久力ではロシア軍に分があります。史実では、中距離戦に終始したため、日本軍が有利に戦いを進め、装甲巡洋艦リューリックを撃沈します。が、距離があったため、残り2艦のヴァイタルパートは打ち抜けず、大破状態ながらも、ウラジオストックへの逃走に成功しています。

このシナリオでは、日本軍がウラジオストック艦隊の進行方向を押さえる形で、スタートします。よって、ロシア軍の選択肢としては、
a)史実通り、距離を開けて砲撃戦を行い、(敵艦の速度が落ちるなど)状況を見て、北方への突破を計る。
b)主砲の砲撃力の差(5:2以上)を埋めるべく、近距離に接近して砲撃戦を行い、強引に北方への突破を計る。
の二つが考えられます。

a案だと、両軍の損害は少なめのため、砲撃結果によっては、突破の機会が来るかも知れません。が、ただでさえ不利な主砲の砲撃力差がまともに反映されるため、時間の経過は日本軍に有利になる可能性が高いです。

逆に、b案だと、副砲の砲撃力は同じため、当たり所によっては互角の損害を期待できます。ただし、命中率が増大するため、ヴァイタルパートを打ち抜ける主砲弾数では、やっぱり日本軍が有利でしょう。

また、ロシア軍がいずれかを望んでも、主導権を握っている日本軍がそれを覆すことは可能です。

第1ターン、主砲の命中率で劣るなら、副砲も含めた砲撃で、少しでも差を埋めようと、今回、ウラジオストック艦隊は、接近戦を選びます。日本軍も敵を撃沈するチャンスとこれを歓迎し、近距離での砲撃に移ります。4-5へクスでの砲撃戦は、いきなり、両軍に多くの命中弾を出します。

まず、旗艦ロッシアから順にウラジオストック艦隊が、出雲・吾妻・常磐を砲撃。のべで7.5inch主砲を6発、6inch副砲を11発、小口径の補助砲5発を、3隻に命中させます。結果、出雲は全主砲塔を破壊され、実質的な攻撃力を失い、2カ所で火災が発生します。吾妻はまだましで、副砲3基を破壊され、火災が発生。常磐は実質的な損害はなかったものの、間隙から飛び込んだ不運な一発により、艦長が戦死!次ターンの砲撃ができなくなります。

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対する日本軍の砲撃は、さらに壮絶でした。吾妻と出雲が敵旗艦ロッシアを、常磐がグロモボイを、磐手がリューリックを狙います。命中数は、7.5inch主砲を16発、6inch副砲を16発、小口径の補助砲11発の計43発!なんと、ロシア軍の倍で、なかでも、主砲は3倍近い命中数です。

これをまともに受けたロシア軍の損害は甚大でした。最も装甲が厚いロッシアこそ、副砲や魚雷発射管、MFCの損害はあるものの、船体自体は2損害と、軽微な損傷で済みましたが、2番艦グロモボイは船体に8損害と速力低下-7と沈没寸前に。最も装甲の薄いリューリックは、主砲塔4基が全滅し、副砲2基、船体2の損害を受けます。

第2ターン、甚大な損害を受けながらも、ロシア海軍を前進を続け、至近距離となったところで、転進。敵戦隊の後方をかすめる進路を取ります。ここ1-2ターンの砲撃は強烈でしょうが、うまく切り抜けられれば、そのまま、北端への突破が狙える進路です。

まず、旗艦ロッシアが至近距離で出雲に主砲4発の命中弾を与え、船体6損害を与えます。と、ここで発生した火災が、よりによって、延焼!結果、ギリギリだった船体損害が限界に達し、なんと装甲巡洋艦出雲が沈没してしまいます。グロモボイも3へクスの距離で旗艦吾妻を捉え、主砲塔1基を破壊します。

が、接近により攻撃力が増したのは日本軍も同様で、(指揮艦不在による)砲撃不可の常磐を除き、3隻が猛烈な砲撃を浴びせます。吾妻と出雲の集中砲撃を受けたロッシアが主砲4発、補助砲4発の命中弾を受け、船体に追加の4ヒットを受け、中破状態になります。と、このターンに密かに4へクスの距離で発射された日本軍の雷撃が、半死状態のロッシアに命中!轟音とともに水柱が上がり、旗艦ロッシアの船体が崩壊します(撃沈)。

さらに、実質的に攻撃力を失っていたリューリックにも、磐手の砲弾12発が命中し、艦橋を破壊します(操舵手・指揮官の死亡により、次ターンに強制的に60度回頭)。船体にも2損害と、火災により追加で2損害を受けます。

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第3ターン、予想以上の大損害にもはや這々の体のロシア軍は、僥倖を信じて、なおも前進をしますが・・・。

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ロッシアを撃沈した吾妻と代理指揮官を立てた常磐が、唯一攻撃力を維持するグロモボイに集中砲撃を浴びせます。グロモボイも吾妻に意地の2発を命中させ、主砲塔を全滅させましたが、速度1の低速が祟り、のべ18発(!)を一身に受け、撃沈。同様に、浮かぶ標的艦と化したリューリックも、磐手の正確無比な射撃(命中修整-95!)により、ついに限界点を超え、沈没。一か八かの接近戦は、やはり砲撃力で勝る日本軍に有利に働きました。

それでも、勝利条件上は、ロシア軍が出雲を撃沈しているため、両軍とも条件を満たせず、「引き分け」でした。日本軍も史実以上の戦果を上げたとはいえ、次にバルチック艦隊との決戦を控えていることを考えると、やむ無しでしょう。

 なお、このリプレイにより、日清・日露戦争アイテムのプレイ率が8割を超えました。そちらもご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/mitsu005jp/11320675.html