「mitsuさん、そろそろ、バルジの季節でしょう」
今回、いの一番の参加表明は、作戦級の鬼-Das Reichさんでした。実は、JWC版のバルジ再版に向けた記事の作成以来、Das Reichさんとは、継続的にプレイが続いていまして。「そろそろ」というより、感覚的にはこの2年は「いつでも」バルジの季節です(笑い)。

続いている最大の理由は、Das Reichさんが「理想とする勝利」にたどり着けないから。例え、勝っても「これでは勝利といえません」とか、明らかにdrで負けた時でも「まだまだ、精進が足りません」と、その姿勢は、まるで9日間の不眠不臥の行「堂入り」!!作戦級の鬼との対戦は、ある意味、「SLG修行」です(笑い)。
今回も陣営は、ドイツ軍(mitsu)対連合軍(Das Reich)です。連合軍でDas Reichさんを相手に苦しむよりは、なんぼか、気が楽です。
まず、セットアップですが、Das Reichさんは史実ではもっとも薄かったはずの第106歩兵師団戦区に、機甲騎兵と第28師団の1個連隊(境界線域)を投入する徹底ぶりです。前回の中央集中防御をさらに進めて、第1ターンで絶対に中央突破ができない布陣(!)にします。その分、南が薄くなりますが、「北部さえ崩壊しなければ、何とでもできる」と揺るぎない方針を打ち出します。
第1ターン、さすがにこれだけの守備状況で、中央に第5装甲軍の全力をつぎ込むのは、愚の骨頂なので、ドイツ軍はクレルボー方面に2個装甲師団を配置し、南部からの揺さぶりを狙います。一方、中央から北では、消耗上等の総花的攻撃を実施します。が、さすがに第2歩兵師団のスタックは、手を出さず(1:1にしかならない)。が、十分に吟味した戦闘だったにも関わらず、かなり最低なdrに。中央の6:1のD2Rだけがまともで、あとはContやら、Ex(Aopt)やら。南部の3:1攻撃に至っては、なんとA1R。

第二次攻撃で、中央でD2A1が出たのが救いですが、ただでさえ厚い中央部は若干、消耗したに過ぎません。
これで中央防御に自信を持った連合軍は、サンビットを軸に、第一線にピケットを捲き、第二線にスタックを置く、Das Reich版縦深陣地を実施します。
第2ターン、まず、ハイトの空挺部隊が、シェーネアイフェル高地後方の戦術的降下をします。が、2へクスのスカッターで、敵の2ユニットに若干の影響を与えるのに止まります。
ならば、主力は敵戦線に圧力をかけんと、第5装甲軍と第6SS装甲軍が北部から中央で、まず、ピケットを強襲します。中央部では2:1攻撃が成功したので、続く第二次攻撃で、敵の2枚スタックを包囲して撃滅します。同時に1個連隊が迂回して、敵の2個連隊の退路を遮断します。

中央の濃度が薄くなったことを確認したドイツ軍は、第6SS装甲軍と第5装甲軍を集中使用できるようにするため、サンビットの早期奪取を狙って、強襲をします。戦闘比は4:1でしたが、ちょうどEx2が出て、次ターンの陥落が確実になります。

主攻勢とは別に、南部での道路遮断を狙って、1個装甲連隊を死んでこい上等で、バストーニュ方面に投入します(これが次ターンに、非常に重要な意味を持つことになります)。
連合軍は若干の消耗をしたものの、中央突破を断固阻止するために、なんと全ての機甲師団(!)と空挺の1個師団半を北部に向かわせます。

第3ターン、ドイツ軍は戦力消耗したサンビットを強襲し、これを陥落させます。第二次攻撃で、第6SS装甲軍でエルゼンボルン尾根に取り付くとともに、第5装甲軍は側面をがら空きにしてもアムドレーブ川付近に進撃し、北部全体に圧力をかけます。

同時に、次ターンに道路遮断に向かった1個装甲連隊が、バストーニュ脇をすり抜け、ヌシャトーを目指していた敵の空挺2個連隊をストップしてしまいます。これにより、次ターンのヌシャトー陥落が確実になります。

第4ターン、ドイツ軍主力は、アムドレーブ川での攻勢を強めるとともに、スパへの直接アプローチを実行します。3:1攻撃に成功したことで、さらに敵の2個連隊を包囲。第二次攻撃でこれに5:1包囲攻撃を行いましたが、これは惜しくもEx1に止まります。

ここで主導権を奪還せんと、連合軍は増援を投入して、反撃に出ます。2個連隊を包囲している装甲師団を逆包囲し、3:1で猛攻。見事にD1Rを出し、これを撃破します。またも、損害が増えたドイツ軍は、一瞬、前回の出血多量の悪夢がよみがえります。また、スパに張り付いた装甲師団を、一部の機甲を投入して、包囲してしまいます。この包囲を解かなければ、イギリス軍の早期介入が実施されることに。

第5ターン、なんとか介入を防ぐ手がないか考えたドイツ軍でしたが、被包囲部隊の解囲は難しいと判断。ならば、介入前に、スパを落として、敵を撃破すればいいと、第5装甲軍と第6SS装甲軍の全力を挙げて、敵戦線を強襲します。結果、二派に渉る攻撃でスパが陥落し、北部だけで5ユニットが除去されます。

連合軍は、イギリス軍を投入して、とりあえず、戦線を安定させ、マルシェ近郊で限定反撃を行います。

北部での激闘が続いている間に、真の戦果は、南部で挙がりました。第5ターン、ヌシャトーを陥落させた装甲擲弾兵師団と2個機械化連隊が、足の遅い歩兵部隊を包囲し、敵の1個連隊を撃滅。開いた間隙から、装甲が二次移動して、1個連隊を包囲しつつ、最後の増援S地点に迫ります。

そして、第6ターン、深い森に籠もる最後の1個連隊を撃破したことで、全てのS地点からの突破が確定し、連合軍は南からの増援が使用できなくなってしまいました。

ドイツ軍のVPは5都市の占領に加え、突破と敵撃破による加算で、70点を超えます。このまま、維持さえすれば勝てると計算したドイツ軍は、前線に部隊を送り込んで、ひたすら戦線を強化します。同時に、時間稼ぎのための1個装甲擲弾兵連隊を、ディナンに突入させ、連合軍の貴重な反撃戦力を吸引します。

連合軍は、ディナン突入部隊を排除するとともに、北部で2個機甲師団を投入した反撃を実施しましたが、ドイツ軍の装甲増援の前に進撃を阻まれ、前進を止められます。
そして、第8ターン、念には念を入れて、ドイツ軍は複数突破可能地点から装甲連隊を含む追加部隊が突破を果たし、VPは77点に。最後の最後まで逆転を試みた連合軍でしたが、確率を無視した幸運がないと無理と判断し、ドイツ軍の勝利で終了しました。

今回、Das Reichさんが断固として北部の強化を行ったために、ついに北からの突破はならず。が、その分、南が手薄になってしまい、わずか4ユニットのドイツ軍機械化部隊が縦横無尽の機動で、戦線を崩壊させ、勝利を呼び込むことができました。こうみると、やっぱり、このゲームは兵力バランスがきわめて大きいと感じました。
いずれにしろ、二人が辿り着いた結論は、「ベストセットアップは、もはやベストではない」です。まさに鹿内ギャンビットに対応するため、それぞれ、アプローチは違いますが、新たな防御プランが生まれた、といえるでしょう。もし、記事ができたら、CMJ誌にも投稿してみましょうかしら・・・。