この日のお約束アイテムが、銀河英雄伝説の作戦級の「ラグナロック作戦」(ツクダ)です。B級アイテムについては、昨年末から年始にかけて「IDEON」のプレイで盛り上がり、「Ships & Tactics」で勢いが付いたのですが、あまりの業務多忙に立ち止まっていました。数ヶ月前からkawaさんと対戦を練っていた「ラグナロック作戦」(ツクダ)を、ついにプレイにこぎ着けました。

ツクダホビーから、かつて、銀河英雄伝説アイテムが出版されましたが、そのほとんどは、会戦級アイテムでした。この「ラグナロック作戦」は唯一の作戦級です。
が、実は、システムはオリジナルではなく、戦国群雄伝シリーズの発展版である「謙信上洛」をベースにしています。確かに、銀英伝の世界はナポレオニックが一番はまると言われており、その意味では中世の作戦級である戦国群雄伝シリーズもありかなと。
このシステムの基本は、通常の移動以外にある強行軍とリアクションです。実施には行動力チェックが必要で、帝国軍の司令官が軒並み、7または8に対し、同盟軍のヤンはなんと10!失敗する確率は、わずかに1/12しかありません。
ただし、同盟軍の艦隊数は、条件付きのビュコック艦隊と併せても、わずかに4つです。対する帝国軍は、イゼルローン攻略隊だけでも3艦隊を擁し、主力のラインハルト隊に至っては7艦隊と、合わせて同盟軍の2.5倍の偉容を誇ります。
戦闘は、同一へクス内で、ファイヤーパワーで解決します。ここでも、ヤンの戦術能力は際立っており、最強の攻撃力5・防御力6です。さらに、「奇跡の魔術師」にふさわしく、開始前に1d6した数だけ、敵の陣形を看破するという離れ業!ヤン艦に対しては、帝国軍の2艦隊でやや不利、3艦隊で互角です。
しかもヤン艦隊のみは、14個(!)までのダミーを使えるので、まさに神出鬼没のゲリラ戦が展開できます。
今回は、銀河帝国軍(kawa)対自由惑星同盟軍で対戦となりました。
序盤、帝国軍はイゼルローン要塞のヤン艦隊を牽制すべく、ロイエンタール率いる3個艦隊を派遣します。これに対し、ヤン艦隊も出撃し、イゼルローン要塞付近で、最初の戦闘となります。
帝国軍50戦力:同盟軍26戦力の大兵力の激突は、しかし、一方的な展開になります。第1ラウンドこそ、損害比2:3ステップと互角でしたが、第2ラウンド以降はミラクル・ヤンの戦術が炸裂し、帝国軍のヒットはなし。これに対し、「トゥールのハンマー」を加えた同盟軍の反撃は激烈を極め、4ラウンドの戦闘の果てに、なんと20ステップロス(!)を与えて、敵を敗走させます。

帝国軍が半数以上の兵力を失ったイゼルローン方面では、小康状態となりますが、第3ターン、ラインハルト本隊がフェザーン回廊に進入し、これを占領。そのまま、同盟領内に雪崩れ込みます。
これに対し、ヤン艦隊は、ムライ少将をイゼルローンの守備に残し、ダミーをばらまきながら、転進を行います。
ラインハルト本隊は、疾風ヴォルフを先頭に、同盟の有人惑星を攻略していきます。第5ターン、前衛のアッテンボローを捕捉し、これを撃破。と、同時にヤン艦隊を発見します。

ヤンの威力を恐れる帝国軍は、慎重に兵力を進めます。と、同時に半分ほど回復なったロイエンタール艦隊が出撃し、再び、イゼルローンに向かいます。
が、これは、同盟軍の罠でした。実は、ヤン艦隊をあえて発見させた後、ダミーに紛れて主力は最大戦速でイゼルローンにとって返していました。帝国軍主力がヤンの影を恐れて、ダミーと格闘している第7ターン、強行軍の連続で、イゼルローンに辿り着いたヤン艦隊は、背後から敵を攻撃!少なからぬ損害を受けたロイエンタール艦隊は、再び、アムリッツアに撤退します。

こうして、イゼルローン方面の安全を確保したヤン艦隊は、いよいよ、敵主力へ。第8ターン、折り悪く、ラインハルトが発病!動きが鈍くなった帝国軍指揮官に対し、速攻でヤンが殴り込みをかけます。標的は、「史実通り」のシュタインメッツ艦隊!第9ターン、ルシアーナ星系で同艦隊を捕捉すると、一方的な攻撃で6ステップを与え、敗走させます。

一度は、惑星攻略戦をしかけたヤン艦隊ですが、敵が集結を始めたので、すぐに封鎖を解除し、突進を再開します。目標は・・・フェザーン!ここには守備隊がおらず、先にたどり着ければ、降伏も十分にありえます。そうなれば、補給路を失った帝国軍は、損耗により自滅するしかありません。
帝国軍も必死に全部隊を引き戻し、マッチレースを展開しますが、ヤン艦隊が一歩先に到着。ここで占領できれば、勝負あり。確率は2/3でしたが・・・ああ、惜しくも失敗。それでも、帝国軍が軒並み、損耗を起こし、のべで7ステップを失う損失に。

第12ターン、フェザーンを封鎖中のヤン艦隊に、帝国軍の主力が乾坤一擲の反撃を行うはずでしたが・・・なんと、ミッターマイヤー以下の3艦隊が強行軍に失敗!「そんなばかな!これじゃ、疾風ヴォルフの名が廃るゾ!」銀河をかけた興亡は、損耗激しいローエングラムとビッテンフェルト艦隊に委ねることに。
もっとも肝心のヤン艦隊も、度重なる損耗で通常状態のユニットは、わずかに3つのみ。ここで、切り札「ユリアン」を投入します。そう、ミラクル・ヤンで「6」が出たことにできる必殺技です。ラインハルトはやむなく縦深陣を引き、被害を最小限度で抑えようとします。ここで、ハイロールが出れば、同盟の勝利でしたが・・・ああ、ヤンの奇跡は起きず。「もっと兵力があればなあ。あと1万隻、いや、5千隻、いやいや、3千隻でいい。そうすれば・・・」

敵の猛攻を凌ぎきったラインハルトは、本来の勇猛果敢を取り戻し、反撃に転じます。運命の第2ラウンドの結果は・・・帝国軍のハイロール!これにより、敗退を余儀なくされたヤン艦隊は、危険宙域でさらに2ユニットを失い、ハイネセン方面に後退します。
ここで一斉侵攻と行きたかった帝国軍ですが、第14ターン、ラインハルトがまたも発病!(この後、回復後に、三度目の発病も・・・)ええい、ローエングラムは、どんだけ病弱なんだ!(笑い)

ならば、イゼルローン方面で取り戻そうと、三度、回復なったロイエンタールが侵攻しますが、ああ、ここでも「トゥールのハンマー」に焼かれ、ヒットなし。三回攻めて、三回とも損害を与えられないとは、やる気がないゾ、ロイエンタール!
帝国軍がもたもたするうちに、時間だけが流れ、終盤、回復なったヤン艦隊が、再び、帝国軍に襲いかかります。惑星シュバーラを奪還すると、そのまま、フェザーンを目指す動きに。

これはまずいと、損耗したビッテンフェルト艦隊が迎え撃ちますが、これは無謀でした。ここにきて、四度、ミラクルヤン(戦術看破で6!)が炸裂し、ビッテンフェルト艦隊は全滅!

なおも、鉄壁ミュラーとヤン艦隊が死闘を演じているうちに、タイムアップ。結果、提督の戦死数が多すぎて、わずか5点で、同盟軍の圧勝となりました。


ターン数は20と長目ですが、実質に動かすユニット数は、両軍併せても、12スタック程度であり、プレイアビリティは高いです。また、陣形選択のおかげで、戦術色もほどよく出ており、ツクダ製にしてはよく練られています。せっかく、ルールも覚えたので、ぜひ、再戦したいものです。