「この時期なら、バルジでしょう」とDas Reichさんのお誘いで、ここ数年のヘビロテとなっている「バルジ大作戦」(CMJ)を対戦しました。Das Reichさんとは、「北の防人」作戦の開発をきっかけに、1年半越しの継続的なプレイとなっています。ある作戦を披露すると、それを打ち破る手を開発する、といったルーチンの繰り返しで、最近は勝ち負けを越えて、この手があったか、あの手だったら、とお互い、最善手の模索の時間になっています。もし、「バルジ解説者」という仕事があったら、いい副業になるのになぁ~(笑い)。

陣営は、Das Reichさんが「守りを極める」連合軍を、mitsuがドイツ軍です。まあ、逆で苦しむよりは、なんぼか、気が楽です(笑い)。

まず、セットアップですが、Das Reichさんは史実ではもっとも薄かった中央に、第106歩兵師団に加え、機甲騎兵と第28師団の2個連隊(境界線域)を投入する、中央集中防御策です。前回、前々回を上回る徹底ぶりで、装甲の早期中央突破は事実上、無理です。が、南部は変わらず、フリーパスに近く、北と中央でも消耗戦略が可能なため、おそらく第3ターン以降に連合軍はかなり厳しくなるはずです。いざ、Panzer Vor!

第1ターン、ドイツ軍の攻撃は完全なる奇襲となります。まず、北部では、両翼の7:1攻撃はD2Rとなり、2ユニットを除去します。かつ、中央の歩兵師団のみによる2:1攻撃も、ピンゾロ!(D1R)と絶好調です。

中央部でも、2カ所の攻撃でD2RとD2(オプションリトリートでD1)になります。クレルヴォへの道を抑える南のみ、D1となり、突破を防ぐため、連合軍はこれをステップロスで耐えます。

南部の第7軍のみは、drの女神に気に入られず、A1R。結果、歩兵1個連隊が戦略移動で撤退できることになりましたが、主軸の攻撃が好調であり、十二分な戦果になります。

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第二次攻撃でも、drが廻り、北部と中央部でD1Rとなります。ただ、順調すぎる攻撃により後退となった部隊が多く、サンビットの籠城数が増えたことは、誤算でした。

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連合軍は、後退可能な部隊をサンビットとバストーニュに入城させ、これを固めるとともに、シェーネアイフェル高地に防衛線を引きます。

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第2ターン、ドイツ軍は逃げ遅れた2ユニットを包囲殲滅しながら、突破を狙った総攻撃を中央から北部に実施します。が、drに後一歩、恵まれず、サンビット街道沿いの6:1攻撃の撃破以外は、D1がせいぜいで、戦線を維持されます。ならば、サンビット強襲で流れを引き寄せようと、第二次攻撃で3:1をかけますが、何ら戦果なく、A1Rに。どうも、drの振れが大きいです。

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消耗を避けられた連合軍は、第2ターンの大量増援を得て、北部から中央部に分厚い戦線を引きます。

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第3ターン、なんとか突破口を開きたいドイツ軍は、総花的な攻撃を行いましたが、北の堅陣を抜けず。このままだと、完全に連合軍ペースになりかねないところでしたが、ドイツ軍は起死回生のスコルツィーニ・コマンドを投入します。第1次移動で敵の翼端に辿り着いたコマンド部隊を追って、装甲部隊が第2次移動で一気にウェルボンに到達します。

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戦線の迂回を恐れる連合軍は、やむなくアムドレーブ川まで戦線をのばさざるを得なくなります。それでも、サンビットでは反撃に出て、一時的に包囲を打ち破ることは忘れません。

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第4ターン、ドイツ軍は、第5装甲軍の2個装甲師団と増援の2個旅団を戦略移動で西進させると、連合軍北部戦線の西端を強襲し、完全にここを突破します。もはや、アムドレーブ川の防御は不可能になります。同時に、東からは第6SS装甲軍が敵の主戦線を強襲し、スパに迫ります。

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この危機に、Das Reichさんは、かつてないほどの長考に沈みます。下した決断は、一線防御による北端からの突破阻止でした。

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第5ターン、限りなく薄くなった連合軍北部戦線に、第5及び第6SS装甲軍、増援の装甲旅団が容赦なく襲いかかり、これを分断させます。第二次移動で作戦的撤退か戦線の完全崩壊か、迷いましたが、このまま押し切れると決め、残った敵を可能な限り包囲殲滅し、ヴィルヴィエを占領し、スパを包囲下におきます。

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これにより、制限が解除されたイギリス軍は即座に前線に殺到し、リエージュを中心に防御線を引きながら、西端で1個装甲連隊に逆襲をかけます。が、これはEx2でかえって機甲旅団を平地に残すことに。

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第6ターン、ドイツ軍は未だ強力な打撃力を遺憾なく発揮して、イギリス軍機甲旅団を捕捉し、一気にAoptを含む5ステップを与え、これを撃破します。また、一時で歩兵連隊を殲滅した間隙から、装甲師団を突入させ、さらに歩兵2個連隊も撃滅します。

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同時に、南部でも揺さぶりをかけます。ヌシャトードームを形成する第101空挺師団に対し、1個装甲+1個装甲擲弾兵師団が襲いかかり、その一角を撃退します。突進した装甲師団が一時包囲されるも、さらに外側から第7軍を投入して、これを解放し、敵の空挺連隊を逆包囲し、あわや全滅寸前まで押し込みます。

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それでも、連合軍は消耗戦上等で、北部の増援を巧みに機動させ、ドイツ軍唯一の弱点である擲弾兵連隊を撃破すると、増援の2個装甲旅団を包囲。第2次攻撃の3:1で見事にRを出し、これを撃滅します。さらに、次ターンの包囲も恐れずに、救出部隊を突入させ、一時的にスパの解放に成功します。

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第7ターン、もはや大混戦の北部では、ドイツ軍も相打ち覚悟で反撃の反撃を実施し、救出部隊ごと、スパを再包囲。中部では、敵歩兵を撃破して、ユイ前面に突破口を開きます。そして、南部では、装甲師団が暴れ回り、消耗した1個歩兵連隊を残し、全部隊を撃破し、最西端のSマップ端から突破を行いました。

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が、ここで、残念ながら、時間切れ。盤上ではドイツ軍が押しまくっているものの、北端からの完全突破はできず。また、巧みな遅滞戦術と要塞都市攻略の未実施のため、重要都市の占領が遅れ、もぎ取った都市はわずかにヴィルヴィエのみに。

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結果、ドイツ軍のVPは45点のみに止まりました。今後、ドイツ軍はバストーニュ、サンビット、ユイ、マルシェを奪取できる可能性があるものの、次ターンから連合軍空軍の投入と南から4個師団、北から最強の機甲2個連隊+1個師団の増援があることを考えると、決して余談を許さない展開であり、初の第11機甲師団の投入も十分にありえる状況でした。よって、知力を尽くした9時間の死闘は、ドローと判定しました。いやー、面白かった!

気がつけば、バルジ探求の旅も、9戦目となりました。CMJさんから原稿のお誘いもいただいているので、一度、記事にでもまとめてみましょうか。