この日の茨城会での対戦は、若手ゲーマーの喜多川さんと、和製CDSの古典「信長包囲戦」(GJ)になります。GJ誌14号と随分前のアイテムですが、わずか4ページのルールと、一陣営12枚のカードで、信長包囲網を描ききった傑作です。喜多川さんがこの趣味に興じた時には、もう、販売していなかったそうで、希望をいただいてのインストプレイになります。陣営は、初心者にわかりやすい織田軍を喜多川さんが、反織田軍をmitsuが担当します。

第1ターン、織田軍はまず北近江の浅井を攻めますが、突撃カードがなく、drに祟られ、なんと討ち漏らし。その隙に反織田軍は朝倉の遷都に成功し、参戦要請で早くも毛利が参戦します。

第2ターン、カード枚数は織田軍5枚:反織田軍6枚と逆転します。織田軍は浅井を攻め滅ぼし、同盟の徳川軍が長島の一向宗を殲滅します。が、反織田側も毛利を播磨に進出させるともに、カードで武田を参戦させると、徳川遠征で空になった遠江を占領します。

第3ターン、カード枚数は一気に織田軍5枚:反織田軍9枚に。イニシアチブを握った反織田軍は、丹波を宇喜多に占領させると、この回廊から毛利勢が畿内に突入し、北近江を占領します。
織田軍は、明智の突撃を使って、吉川隊を全滅させますが、手番で勝る反織田側は上杉を参戦させると、圧倒的な戦闘力で越前を占領します。

第4ターン、カード枚数はさらに広がって、織田軍5枚:反織田軍10枚に。織田軍はひたすら兵力を補充しますが、ここに至って武田と上杉が美濃に乱入し、守備隊を撃破。織田に残されたのは、畿内のみのなります。

そして、第5ターン、織田軍は意地の猛攻で、美濃にいる上杉を全滅させますが、ここまで。本願寺顕如が北近江を奪還し、そのまま、一向宗が南近江を陥落させて、サドンデスとなりました。


研究好きの喜多川さんは、「もう一戦、同じ陣営で」と第二戦に突入します。バランス調整で、カード枚数差を3枚までとする選択ルールを導入します。
第1ターン、織田軍は「分進合撃」でいきなり甲斐に進入!これを奪取します。が、武田信玄と山縣昌景が生き残り、逆にかなり手薄になった畿内に浅井勢が突入し、南近江を奪取してしまいます。


第2ターン、カード織田軍5枚:反織田軍6枚と逆転します。織田軍は主力を引き返し、美濃に進入した朝倉を撃滅しますが、その隙に武田軍が甲斐を奪還し、別働隊が遠江を占領します。さらに、長島一向宗が尾張を占拠します。

第3ターン、織田軍のカードはわずか2枚に。なんとか、南近江を取り返したいところですが、兵力とカードが足りず、補充に専念します。この間に、反織田軍は毛利と上杉を参戦させ、盤石の態勢をとります。

第4ターン、織田軍が畿内で逼塞している間に、毛利が播磨を落とし、武田が美濃に進入します。

第5ターン、織田軍は主力を持って南近江をやっと奪還しますが、反織田軍は本願寺と武田軍で美濃を奪取します。さらに毛利勢が要衝山城へ侵攻し、佐久間信盛の守備隊を消耗させます。

第6ターン、動きの取れない織田軍を横目に、上杉が北近江経由で山城へ突入し、これを制圧。重要拠点2カ所を押さえられた織田軍にこれを取り返す手はなく、サドンデスとなりました。

二戦目と思えないほど、喜多川さんの織田電撃戦は見事でしたが、まずは畿内を固めないと、厳しいかったですね~。
第3戦も、同じ陣営でプレイ。第1ターン、織田軍は第1手番で「他の勢力の調略」を使って、朝倉を動けなくします。ならばと、浅井主力で南近江を奪取します。織田軍は「分進合撃」で主力を南近江に突入させますが、おしくも奪還ならず。ならばと、滝川一益で北近江を攻めますが、こちらも討ち漏らし、不運なスタートになります。さらに、反織田軍のカードプレイで、毛利が早くも参戦します。

第2ターン、カード枚数は織田軍4枚:反織田軍6枚と、逆転で2枚差に。織田軍は「他の勢力の調略」で北近江を陥落させ、主力の攻撃で浅井を全滅として、南近江を取り戻します。さらに、滝川一益が越前に突入します。が、カードが切れたところで、反織田軍が反撃開始。毛利が播磨を落とし、傘下の宇喜多が制圧した丹波を足がかりに、本願寺顕如が北近江を占拠します。同時に長島本願寺勢が手薄になった美濃を「進めば極楽」で奪取します。

第3ターン、カード枚数は織田軍3枚:反織田軍6枚と差が広がります。この差を生かして、反織田軍は武田を参戦させ、さらに増強なった本願寺が尾張を攻略します。織田軍の占領地が2カ所になったため、逆転は不可能と判断し、終了となりました。

drの不調もあるものの、織田軍は、どうにも初期の攻勢がうまくいかず。ならば、織田軍の戦い方を検証すべく、第4戦は陣営を入れ替えて、織田軍をmitsuが、反織田軍を喜多川さんが担当します。
第1ターン、織田軍は、定番の浅井攻めでこれを殲滅します。反織田軍は、朝倉を能登に遷都させると、増援で増加した本願寺を「進めば極楽」で南近江に突入させ、これを占拠します。まさに、今まで受けていた手をしっかり返したわけで、喜多川さんの獲得能力の高さを実感します。

第2ターン、カード枚数は織田軍5枚:反織田軍5枚のイーブンに。織田軍は「他の勢力の調略」で越前を労なくして陥落させると、南近江に突撃を敢行し、本願寺を蹴散らします。反織田軍も、カードを駆使して上杉を参戦させ、徳川を一時的に中立化させるなど、必死に追いすがります。

第3ターン、カード枚数は織田軍6枚:反織田軍4枚に。織田軍は内線の利を生かして、北摂津の三好三人衆を襲い、これを撃破し、このターンに参戦した毛利侵入に備えます。同時に、徳川を自陣営に引き戻します。
これに対し、反織田軍は、朝倉勢で能登を制圧してルートを開くと、戦国最強の武将上杉謙信が、逆落としに越前に侵攻します。

第4ターン、カード枚数は織田軍6枚:反織田軍7枚と、一時的に逆転に成功します。ここが正念場と踏んだ織田軍は、主力を大返し、越前の上杉に決戦を挑みます。織田軍の突撃と上杉軍の用兵が激突した結果、10損害ずつ(!)という激しい消耗戦の末、敵を全滅させることに成功します。が、惜しくも謙信を討ち漏らします。
一方の反織田側は、カードで武田を参戦させ、毛利を北摂津に侵攻させます。

第5ターンのカード枚数は、織田8枚:反織田7枚と再び、織田軍有利に。織田軍が補充にいそしむ間に、反織田軍は、いきなり再建途中の上杉勢を、美濃に電撃侵攻させます。これに対し、織田軍は2回目の主力決戦を行い、上杉勢を撃滅しますが、謙信は生き残り。

反織田軍は毛利を動かし、畿内への突入を狙いますが、たびたび兵の増強を受けた佐久間信盛がこれを死守します。反織田軍の攻勢が膠着している間に、今度は電撃的に徳川が甲斐へ侵攻し、敵の本拠を奪取します。
第6ターン、カード枚数は織田軍9枚:反織田軍6枚に。反織田軍は、武田主力を引き戻し、徳川を討って本拠地甲斐を奪い返します。織田軍も主力を持って、甲斐に突入し、突撃で武田信玄と山縣昌景を討ち取ります。

第7ターン、織田軍は慌ただしく主力を反転させると、再び、越前に侵攻した上杉勢を突撃で打ち破ります。西方では味方に付いた宇喜多を使って、播磨に侵攻させ、反織田軍の補給地点を奪うとともに、畿内への毛利の増援を阻止します。

第8ターン、主導権を握り続ける織田軍は、電光石火の再反転で北信濃に侵攻し、ついに武田家を滅ぼします。

第9ターン、前ターンに越前に侵入してきた一向宗を主力で打ち破り、甲斐から畿内を完全制覇します。反織田軍は何とか次ターンに敵の拠点を奪おうと、上杉勢を四度(!)出撃させますが、drに祟られ、ここを守る丹羽長秀を撃破できず。こうなると、最終ターンに織田軍の勝利条件を阻むことは不可能となり、投了となりました。

「信長包囲戦」は発売以来、かなりの年数が経ち、研究し尽くされた感があります。今回、緒戦にもかかわらず、一日で相当の伸びが見られ、喜多川さんの進歩は目を見張るものがありました。おかげさまで、こちらも、一日四戦ですっかり「おなかいっぱい」になりました(笑い)。