しばらく、なかった、今月のソロプレイを再開します。このところ、アップの記憶がないので、遡って調べたところ、なんと昨年の8月が最後の更新。終戦70年記念の樺太戦じゃないですか!
猛烈なソ連軍の砲撃!塹壕で頑強に抵抗する日本軍!~樺太1945(SA)
http://blogs.yahoo.co.jp/mitsu005jp/13266757.html

このところ、趣味に充てられる時間が減り続けていて、自宅でのプレイ時間が減ったのが原因です。それでも、憂さ晴らしがしたいので、隙があれば、遠征を仕掛けるようになり・・・。ちはら会名物の「妙なソロプレイ」が減るのは残念ですが、その分、対戦が増えていると、考えることにしましょうか。

ともあれ、今回のソロプレイも「妙な」オーバーロードもので、「ノルマンディ上陸作戦」(アドテクノス)です。このゲームは単なるノルマンディキャンペーンではなく、両軍はブラインドで上陸または迎撃準備を進め、D-DAYに明らかにするというプロットものです。システム上はソロには向かないのですが、そのあたりを配慮して、ソロ可能なシナリオが用意されています。上陸とその後の7日間だけの戦闘を扱っており、非常にシンプルな師団級のノルマンディ戦となります。

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上陸は、空挺降下-コマンド攻撃-艦砲射撃-上陸戦闘-後続上陸と、若干手間はかかりますが、全て事前の計画に沿って行うので、慣れれば30分を切ります。

その後の陸上戦闘の手順は、補給・補充-移動-戦闘を繰り返すシンプルなものです。特徴としては、機械部隊以外は強ZOCで、ドイツ軍のみヤーボ(+1移動力)の影響を受けます。

戦闘はマストアタックの戦力差で、もっとも不利な-3差でもB1(双方損害)があり、逆に有利な+6でも(包囲して)最大3ステップしか与えられません。損害は(3ヒット時を除き)後退で充当できるので、全滅させるためにはかなりの時間がかかります。戦闘に参加した全ユニットが同損害を受けるルールのため、複数のユニットで攻撃をすることの多い連合軍が、消耗しやすくなっています。

VPはバイユー、カランタン、サン・ロー・カーンに設定されていて、基本はここを巡る戦闘になります。オプションとして、連合軍は西への突破で、ドイツ軍は海岸堡(マルベリー)の破壊で、VPが追加されます。

まず、上陸侵攻ですが、夜間の空挺降下からスタートします。第82及び101空挺師団は、サン・メール・エグリーズの対空挺障碍により、戦力が半減する大損害を受けます。一方、イギリス軍の第6空挺師団は、1戦力の減少はあったものの、想定内の戦力で降下に成功します。

続いて、コマンド部隊が夜間上陸し、内陸の砲台破壊に向かいます。上陸自体は大成功で海岸防御陣地の反撃も躱しましたが、破壊に手間取り、#2209の2戦力砲台に1ヒットを与えたに止まります。

ならば、艦砲射撃でと、沖合の海軍が猛烈な砲撃を浴びせます。さすがにこちらは強力で、平均値以下だったにもかかわらず、ジュノー海岸の海岸防御陣地を吹き飛ばし、オマハ海岸の陣地をステップロスさせます。また、1カ所の砲台を撃破します。

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ここで、満を持して上陸が開始されます。アメリカ軍の海岸では最低1個のDD戦車が上陸し、先陣を切ります。また、イギリス軍では、ほとんどのDD戦車が上陸に成功し、歩兵師団が続きます。これに対する海岸防御陣地と砲台の反撃は無効となり、全海岸が1ラウンドの上陸戦闘で海岸堡を築きます。

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最後に、4つの後続師団がこれに追随し、上陸侵攻は成功裏に終了となります。

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ここから、7日間の陸上戦闘に移ります。第1ターン、連合軍は上陸に成功した部隊を前進させ、各地でドイツ軍を捕捉します。コタンタン半島の要衝サン・メール・エグリーズを空挺2個師団と第4歩兵師団で攻撃し、これをD2で撃退します(1ステップロスと1へクスの後退)。

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次にオマハ方面では、海岸近くにいた高射砲連隊を、2個師団で包囲して、2損害を与えます。また、中央の要衝バイユーをイギリス軍で包囲し、1損害を与えます。

そして、もっとも強力な敵がいるカーン前面では、第716歩兵師団を捕捉し、戦力差+6として、一撃でこれを壊滅させます。

ドイツ軍ターンは、まず、包囲された高射砲連隊が補給切れで除去されます。続いて、増援ですが、アルジャタンの2個装甲師団の投入に成功したものの、ヒトラーの干渉で移動力はわずかに1のみ。さらにアヴランシェの歩兵師団がことごとくdrに失敗し、参戦したのは(5個師団のうち)わずかに1個師団だけとなります。

やむなく、ドイツ軍は連続した戦線をあきらめ、サン・メール・エグリーズからカランタンへ薄い戦線を引きます。また、カーン方面では、増援の歩兵師団と第21装甲師団でカーン市街地南に防衛線を引きます。

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第2ターン、連合軍は後続師団を投入し、カーンの北を占領し、一部は南に渡って、カーン市街地を半包囲します。が、ドイツ軍は頑強に抵抗し、3個師団にA2の損害を与えます。

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また、西ではカランタンに急行した第1歩兵師団がこれを占領し、コタンタン半島を西へ向かって攻撃をかけ、これを後退させます。

ドイツ軍は、やっと到着した4個歩兵師団をもって、コタンタン半島からサン・ローを経由して南まで続く戦線を構築します。

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また、カーン方面では、3個装甲師団を投入して、突出した第51歩兵師団を攻撃し、包囲下におきます。

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第3ターン、イギリス軍は全力を持って、カーン方面で攻勢に出ます。ドイツ軍の巧みな地形利用に苦しみ、2つの戦闘でA2となる大損害を受けるものの、翼端にいる第12SS装甲師団を最大戦力差(+6)で攻撃し、3ヒットを与えます。

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ドイツ軍も反撃に出て、前ターンに包囲した第51歩兵師団を殲滅し、正面からの殴り合いに。

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一方、アメリカ軍担当地域では、両軍とも戦線の延長によって、兵力密度が低下しており、2カ所程度の小競り合いに終始します。

第4ターン、連合軍はかなりの戦力を消耗していましたが、イギリス軍で9戦力、アメリカ軍で6戦力という、強烈な補充能力を生かして、前線の部隊を回復させます。

カーン方面の戦闘では、相変わらず、敵より損害が多いもの、敵を拘束して、徐々に消耗させます。そして、包囲したヒトラーユーゲントを残り1戦力まで減少させます。

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一方、西方では、アメリカ軍が、増援の後続師団を投入して、再び、本格的な攻勢に出ます。VP地点のサン・ロー攻略に乗り出すとともに、A・B端からの突破に向けて、圧力をかけます。

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続く、ドイツ軍ターン、包囲から脱出できなかった第12SS装甲師団が、補給切れで降伏します。が、オドソン河南岸のカーン市街地は、第21装甲師団ががっちり守ります。

西方では、(マストアタックのため)フル戦力で接敵するアメリカ軍に苦戦し、サン・ローは危険な状態になり、また、戦線もじりじりと後退します。

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第5ターン、連合軍は西方での総花的な攻撃に移ります。延べ10個師団を投入し、7カ所での攻撃を実施。全般的にはA1が多かったものの、消耗戦上等で敵に張り付きます。そして、焦点となっていたサン・ローで最高のdrを出し、これを奪取します。

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東方では、カーンを中心とする敵の半円形陣地に全力攻撃をかけますが、A1×5ユニットという損害を受け、攻撃は頓挫します。それでも、敵に不利な戦闘を強要するため、前線に張り付きます。

ドイツ軍も一歩も引かずに補充を入れ、マイナス戦力差の戦闘に耐え、-2の戦闘で勝利する場面も。が、さすがに西方では敵に押されまくり、戦線に乱れが生じます。

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第6ターン、連合軍は混乱に乗じて、西方で包囲攻撃を仕掛け、1個師団を撃破し、もう一つを補給切れに追い込みます。これにより、敵は連続戦線を維持できなくなります。

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カーン付近では、相変わらずの激闘が続き、B1×3カ所と物量を生かした連合軍の攻撃が奏功し始めます。

ドイツ軍の装甲師団の戦力は2/3まで落ち、Aの損害が続出しますが、残り1ターンと言うことを考え、全滅上等で遅滞戦術に徹します。

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最終の第7ターン、連合軍は崩壊した西方から3ユニットが突破し、3VPを獲得します。

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さらに、5度目となるカーン攻撃を行い、市街地側面を守っていた第711歩兵師団を退却させ、第21装甲師団にB1の損害を与えましたが、カーンは墜ちず。と、ここでゲーム終了に。

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連合軍のVPを計算したところ、
都市の占領…8点
A/B端からの突破…3点
計11点により、連合軍の作戦的勝利となりました。

正直、このシナリオだけだと、腕のふるい所が少なく、面白いとは言いかねますが、システム理解の学習シナリオと考えれば、妥当なところかと。シナリオの展開も史実とは異なった形になりますが、大枠としてノルマンディ戦らしさを表現していると考えられます(師団級規模で、これだけシンプルなシステムでは、ヒストリカルの再現は無理でしょう)。

おそらく、フルオプションで、ありえたかもしれないノルマンディ戦を体験するのが、このゲームの「正しい在り方」かと。次回のちはら会で、kawaさんとフルオプションを予定しているので、そのAARをお待ちください。