今月のちはら会の目玉は、奇跡的に5人のプレイヤーを集めることができた「ファクトリー」(ツクダ)です。
ヤフオクで投げ売りされていたので、所有率はそこそこだけれど、身近では誰もやったことがない、という都市伝説ゲーム?!地雷の香りがプンプンするこのアイテムを、ちはら会でプレイして「しまいました」。たぶん、本邦初で最後の対戦AARかも・・・(オーガロイドから、こればっかりですね、笑い)。


もっとも、自分一人ならともかくマルチですので、本当の地雷かどうか、ソロで確かめてから。さらに、人数分のチャートも作って(パウチして!)、満を持してのリアルプレイです。

とりあえず、作戦研究をすると・・・このゲームは、「超時空世紀オーガス」の世界設定を使った戦略級ですが、ルールは極めてシンプルです。生産と移動が中心で、普通は戦闘はめったに起こりません。
理由は、戦闘が基本的にEXであること。そして、勝利条件で複数の陣営が同時に勝利できるため、基本的に争うよりは協力した方が効率的だからです(例外は、同時勝利できないチラムとエマーンですが、母国間の距離が最も離れているので、常識的には軽い接触戦や最終決戦くらいのはずなんですが・・・)。
全部で5陣営が登場しますが、各陣営の特徴としては、
・工業力(生産力)は高いが、維持費も高く、資源が少ないチラム(北米)とエマーン(東南アジア)。
・それに比べると、生産力は1/2だが、中央に位置して、資源は十分なファンシィー(ヨーロッパ)。
・資源はあるが生産力は極めて低い、アトランタ(大西洋)とモズク(東欧・西アジア)。
・工業力(生産力)は高いが、維持費も高く、資源が少ないチラム(北米)とエマーン(東南アジア)。
・それに比べると、生産力は1/2だが、中央に位置して、資源は十分なファンシィー(ヨーロッパ)。
・資源はあるが生産力は極めて低い、アトランタ(大西洋)とモズク(東欧・西アジア)。

よって、ゲームだと、工業陣営チラム・エマーンと資源陣営アトランタ・モズクが組み合わせで取引(同盟)になり、ファンシィが独自に勢力を蓄える形が多いと思います。
勝利条件は、桂とオルソンの二人の特異点を南米の軌道エレベーターまで連れて行くことで、成功すると空間転移を修復して、地球温暖化から脱出できます。この時、勝者が救済国を任意で決められるので、最大4カ国が勝利することがありえます。

特徴的なのは、桂とオルソンは、各国の投票によって友好になるかどうかが決まること。得票数はdrによりますが、平均でエマーンが3.5票、チラムが2.5票、ファンシィが4.5票、アトランタが2.5票、モズクが5票。よって、零細モズクが、勝利の鍵を握ることが十分にありえます(救済してくれないなら投票しない、などのネゴシエートが可能)。
さらに、このゲームには、非常に凶悪なランダムルールがあります。
その1が、空間転移。2d6して指定地域の全勢力が消滅します!もっとも発生する場所は辺境が多いので、本国が滅びることはないでしょうが、発生確率のあるエリアには行かない方が無難です。でも、だいたい、高資源エリアなんですね~。
イメージは、空間転移多発地帯のアフリカとアメリカ大陸。


その2が、NPCの機械帝国ムウ。技術レベルがAG(反重力または慣性移動レベル、イシュキックやオーガスなど)になると、1/3の確率で発生。そのエリアを、無条件で全滅させ(!)、以後、1/6の確率で隣接エリアに進攻してきます。撃退には25戦力以上が必要で、それでも勝率はわずかに1/2です。

よって、平和的に勢力を伸ばしたいならば、技術レベルをムウの発生しないMA(飛行)に止め、安パイなエリア支配(ただし、資源は多くない)で、地道に稼ぐのがいいようですが・・・。
どうせ、1回しかできないかもしれないマイナーアイテムなんだから(笑い)、どっかと同盟を結んだら、ガツンガツン、戦争しまくって、地球が滅亡するとか、ムウに滅ぼされるとか、が正しいプレイなのかも(本当か?)。う~ん、ニュークリア・ウォーみたい。
また、外交がほとんど無制限なので(取引できないのは母船と領土マーカーくらい)、単純にネゴシエート合戦になることも。ルールブックでは、これが推奨されています。平和的なプレイヤーばかりだと、談合して数ターンで終わることもあるでしょうね(チラムかエマーンが特異点を二つ手に入れ、それ以外が同じ陣営につき、連合軍で軌道エレベーターへGO!とか)。
まかり間違って再戦する機会があるなら、勝利宣言ターンを後半にするとか、ムウに制限を付けるとか、検討するといいかもしれませんが・・・そんなチャンスはないだろうな(苦笑い)。
と、たぶん、世界で最初で最後の作戦研究が終わったところで、リプレイに行きます!チット引きでランダムに選んだ陣営は、以下の通りです。
エマーン…Tommy
チラム…kawa
ファンシィ…エンジョウ
アトランティス…mitsu
モズク…BIBI
エマーン…Tommy
チラム…kawa
ファンシィ…エンジョウ
アトランティス…mitsu
モズク…BIBI
ここで、インストがてら、プレイヤーに原作を解説することに。知らなくてもプレイはできますが、背景がわかるとやる気が違うはず(と思いたい)。オーガスの放送を見たことがあるか尋ねると、きちんと最終話まで見たのはエンジョウさんだけ。そこで、3分間解説を頼んだところ・・・
・ある馬鹿者の主人公(桂)が、軍の意向を無視して勝手に時空振動弾を発動。


・結果、アトランティスとかムウ機械帝国とかと、異次元が繋がってしまい、かつ、厚い雲(相克界)に覆われて、地球は温暖化で1年以内に滅亡の危機に。

・そんな中なのに、ある馬鹿者(桂)はかわいい女の子を追いかけて右往左往し、挙げ句の果ては、我が娘(知らないうちに生まれ、時間のゆがみで成人に)と危うく殺し合う羽目に。

・最後はちょっとまじめなところを見せ、相棒(オルソン)と一緒に軌道エレベーターに乗って、地球を救いにいくというストーリー。

・ちなみに、出てくる女の子キャラがみんなかわいい。特に、ロボットキャラのモームは、ヒロインのミムジィを抜いて、人気ナンバーワンに。

う~ん、確かに正しいんですが、これだけ聞くと、どんだけハチャメチャなアニメなんだ(笑い)。
その後、質問タイムに入ったところ、全く原作を知らないTommyさんから、いの一番で質問が・・・
「ところで、モームってかわいいの?」って、そこかい!
さらに
「モームって、ユニットになってるの?」断じて、なってません!!(笑い)
「モームって、ユニットになってるの?」断じて、なってません!!(笑い)

ともあれ、ルール確認で15分程度のはずが、脱線ばかりで30分が過ぎたところで、プレイを開始します。
序盤、各国は母船の生産と領土の拡大に走ります。北アフリカ大陸はチラム、太平洋地域はエマーン、大西洋はアトランタ、ヨーロッパをファンシィ、内陸アジアをモズクと、ほぼ地政学に沿って分割が進みます。
序盤、各国は母船の生産と領土の拡大に走ります。北アフリカ大陸はチラム、太平洋地域はエマーン、大西洋はアトランタ、ヨーロッパをファンシィ、内陸アジアをモズクと、ほぼ地政学に沿って分割が進みます。

ここで怖かったのは、全てのユニットが消し飛ぶ空間転移でしたが、最も確率の高い中部アメリカはやむを得ないとして、他はほぼ辺境でのみ発生します。いずれかの領土もあったのですが、事前のインストで、運べる資源が貯まるまでは母船は隣接エリアに避難と伝えてあったので、被害は最小限に止まります。
ただ、例外は大西洋で、ある島ばかり、ゲーム中、4回も空間転移が発生。アトランティスの原材料確保に若干、支障になりましたが、幸いにもNPCのジャビー(空間転移を予測)を乗船させていたため、母船は保護できました。

ちなみに、ジャビーが活躍する度、唯一、原作に精通しているエンジョウさんがVC銀河万丈さんの声真似をします。「う~ん、グレープの香りがします」が、誰も反応せず(できず)。やっぱり、マイナーアニメです(笑い)。

ある程度、母船が揃ってきた第6ターンあたりから、各国は貿易に入ります。想定通り、アトランティス(mitsu)とチラム(kawa)が原材料と工業製品(MA)をやりとりします。

となると、エマーン(Tommy)とモズク(BIBI)、またはファンシィ(エンジョウ)とモズク(BIBI)の組み合わせが普通ですが・・・ここで際だったのが、エンジョウさん率いるファンシィの全方位外交でした。
まず、エマーン(Tommy)に資源を無料で進呈し、代わりに技術力の供給を受けます。さらに、そこそこ高い生産力を生かして、大量の工業製品(MA)を作り、モズク(BIBI)の原材料とトレードします。アトランティス(mitsu)とは当初、北アフリカの領有を巡り、緊張状態になりかけましたが、ここを無償でアトランティスに譲渡。ならばと、アトランティスは半分の収入をファンシィに渡すことにして、工業製品(MA)の貿易を開始します。
本来はイケイケGO!GO!が身上のエンジョウさんにしては、珍しいなと思っていたところ、
「マップの中央にいる以上、いずれとも友好外交をしないと、危ないから」
地政を読んだ正しい交渉術で、初プレイでこれを見抜いたのはさすがベテランです。
「マップの中央にいる以上、いずれとも友好外交をしないと、危ないから」
地政を読んだ正しい交渉術で、初プレイでこれを見抜いたのはさすがベテランです。
結果的に、エンジョウさんの交渉のおかげで、資源と生産のサイクルが北極海を中心に全世界規模で廻り、各国とも順調な成長を見せます。おお、まるで環北極海パートナーシップ!(TNP?)
ちなみに、ここまで勝利条件の特異点はどうしていたかというと・・・
史実通り(?)、登場率の高いアジアと北アフリカに二人の特異点が現れます。早速、エマーンが桂を、チラムがオルソンを押さえますが、本国に連れて行ったとたん、洗脳を恐れて、各国は一斉に保護反対に。
初期配置で出遅れ気味のモズク(BIBI)・アトランティス(mitsu)・ファンシィ(エンジョウ)は、ここぞとばかりに存在意義を示し、嬉々として反対票を投じます。
「特異点の一国保護に反対の人?」
「はーい!!はい、はい!」見よ、このうれしそうな表情(笑い)。
「特異点の一国保護に反対の人?」
「はーい!!はい、はい!」見よ、このうれしそうな表情(笑い)。

その結果、特異点はやたらと当てのない旅に出ます(ランダムに移動)。
しばらくすると、またも桂は中東に登場し、エマーンが再び確保します。本国にいなければ、反対も起こらないはずと、一応、保護の上、周辺地域をうろうろさせていましたが、突然、最大の平均得票数を持つファンシィ(エンジョウ)が、反対を唱えます。その理由は・・・「桂は、この時期はアメリカ大陸にいなくちゃだめなんだ!」そんなの誰も知らんゾ!(笑い)これじゃ、まるで原作原理主義です。
せっかく確保しても、弱小国の数の暴力(?)で反対され、漂流を繰り返す特異点。「どうせ、居着かないんだから」と、エマーンとチラムはゲーム終了間際まで、放置(!)することに。これは原作と違いますが、国連の1国1票の世界民主主義は、弱小国にはうれしい制度です(本当か?)
第8ターンを越えるあたりになると、各国とも5~7隻の母船を有し、かつ、MAとRMの所有が上限に近づいてきます。ここで、技術先進国のエマーンがハイレベル兵器のAG(イシュキック)の生産を開始します。そして、豊富な母船団を使って、AG1(戦力4倍)をアメリカ大陸に送り込みます。すわ、チラムと戦争かと思いきや、なぜか中部とアラスカに進駐させたまま。皆が疑問に思っていたところ、答えは後のフェイズにわかりました。「そろそろ、ムウが出ないかな・・・」
!!なんと、AGを囮にして敵本土に機械帝国ムウを呼び込む計画だったのです。作戦研究でも触れましたが、このゲームのムウは極めて凶悪で、登場したエリアを全滅させ、かつ、隣接エリアへにも進攻します。
AG誘導型の遅発性ムウ爆弾?まるで他国に原子炉を持っていて、暴走させるようなものじゃないですか!(たぶん、もっと酷い、笑い)

この極悪非道の作戦を阻止すべく、チラムはMA戦力を集結し、反撃に出ます。幸いにしてムウ発生前に、敵AGの除去に成功しましたが、エマーンは次ターンに性懲りもなくAGを送り込んできます。そして、ついに北アメリカ大陸にムウが発生し、目論見は成功したかと思われましたが・・・。

ゲームの神様は、こんなエマーンを許すはずもなく、「鉄槌」を下します。そう、AGの量産地であるエマーン領土に、ムウが発生したのです(自業自得)!さらに、ムウを排除するため、やむなく戦力の高いAGの生産に踏み切ったチラム本国にも、再びムウが発生(泣きっ面に蜂)!
余りに理不尽なムウの進攻で、両国は生産施設を失い、トップレベルの先進国から一気に没落します。アメリカ大陸など、幻の「ムウ大陸」(?)となり果てます。もはや、戦争どころではなく、仕掛けたはずのエマーン(Tommyさん)から和平の申し出が。「もう、やらないから、仲良くしよう」・・・だって(笑い)。

と、気がつけば、世界滅亡まであと5ターン。史実では世界修復をリードしたエマーンとチラムが完膚なきまでに没落し、もはや当てにならず。となれば、我ら弱小3国で世界を救うしかない!ここまで無事に戦力を温存し貿易で連携してきたファンシィ・モズク・アトランティスのTNPが、同盟を結びます。目標は、特異点の確保と軌道エレベーターへの移送。
ファンシィが桂を、アトランティスがオルソンを確保すると、モズクはエマーンとチラムが妨害しないよう、牽制に当たります。戦力的にも、投票数でも、もはや対抗できない元大国は、全く邪魔をする気力もなく、特異点の保護投票では逆にTNPに賛成する状態に。

第16ターン、両特異点が無事に軌道エレベーターに到着し、あとは空間転移チェックさえ凌げればというところまで来ます。奇しくも、このターンのマスターは、モズク。振ったdrは・・・9!東欧に発生!モズクは自国を犠牲にして(?)TNPの勝利条件達成に貢献しました。

ここで、ゲームは終了。TNP三国の生き残りは当然として、後はエマーンとチラムいずれかが生き残るかですが・・・遺恨の残らないように、両国でdrしてもらった結果、エマーンの勝ち。よって、今回はファンシィ・アトランティス・モズク・エマーンが勝者となりました。
果たして、満足できるプレイになるのか、心配していたわけで、無事に終わってほっとしました。思わず、安堵から
「いやー、ゲームになってよかった」と発言したところ、冷静沈着なBIBIさんがぽつり。
「みんなで(きちんとした)ゲームにしたからですね・・・」
まさに、齢を重ねた熟練プレイヤーだからこそ、成り立っているんだなぁ、と実感しました。
学生時代の未熟なコミュニケーション技能だったら、悲惨なプレイになって「二度とやらない!」となっていたかも。多様性こそ、年を重ねた証し。B級を愛する熟練プレイヤーたちに、心から感謝します。
<戦い終えて、珍来での感想戦>
いつものように、珍来ラーメン店で、ムウのごとき大盛りメニューに舌鼓を打っていると、一期一会アイテム「ファクトリー」の話題に。
「二度とプレイできないから」と参戦したはずのkawaさんは、「ああ、これで次のゲムマで売りに出せる」(笑い)
1000個を越えるコレクター&トレーダーのTommyさんは、なぜかこれは持っていないそうで「アップされたら、オークションで上がるチャンスなのに・・・」。う~ん、上がってもたぶん、300円ぐらいだと思うゾ。
挙げ句の果てに、複数人から「まあ、もう一回くらい、やってもいいか・・・」ええっ!本当か?
悪のりしたTommyさんからは、悪魔のささやきが・・・
「大航海時代とFACTORYと、ちはら会でしかできない2アイテムができたんだから、三ツ目も欲しいなぁ」
「大航海時代とFACTORYと、ちはら会でしかできない2アイテムができたんだから、三ツ目も欲しいなぁ」
だって!
所有するツクダアイテムには、「司政官」とか、「うる星やつら」とか、「ナウシカ」のバトルロイヤルとか(!)、一期一会アイテムが山のように眠っているので、発言者には責任を取ってもらおうと思います(笑い)。
というわけで、一期一会のB級アイテムをご希望の方は、ぜひ、一報ください。