使い勝手がよく、ここ数年、会場にしてきた菊間コミュニティセンター。記念すべき100回例会や10周年記念を迎えたのも、ここでした。が、10月から料金の改定が有り、残念ながら、ちはら会の規模だと継続使用が難しくなりました。常連さんたちの協力を得て、隣接する千葉市で登録を行い、9月から緑区の公民館を使用することになりました。


思えば、ちはら台CCから市津公民館、菊間CCを経て、4代目の会場となります。掲載誌が変わっても延々と続く「超人ロック」を目指し(?)、新たな会場でスタートを切りたいと思います。

なお、会場の所管が変わるので、表示の名称は「歴史・戦史研究会」になります。ご了承ください。もちろん、このブログは「ちはら会」のまま、行きますよ~。
で、今日のお題は、会場の変更かどうかで、知恵を寄せ合った、前回のちはら会から。
いままで「実質ゼロ」と夢のような条件だったんですが、施設の老朽化対策等で有料に。その額は、一気に3000円!この趣味の特性上、時間が必要でこの額に。それでも、都市部に比べれば遙かにリーズナブルなんですが、なにせ、平均参加数が6人に満たない弱小例会(ああ、悲しや)。安定した低空飛行だけが取り柄ですが、それでも波はあり、月によっては「赤字」もあるかも・・・。
なにか、打開策はないかと、いつもの珍来で、ああでもない、こうでもないと協議し、その過程で出てきた名案(?迷案)がありまして。
料理待ちの間に、誰からか・・・。
「いっそ、賭けバルジでもして、運営資金を稼ぐか」(笑い)

すかさず、別の常連さんが「う~ん、さすがに、賭けバルジというのは、まずいよ」
おお、さすが、Factoryさえ楽しめる、良識ある大人の集まりと思いきや・・・。
「賭けという表現がまずいから、プロ将棋のように、プロバルジっていえば?」
って、やることは同じじゃん!(笑い)
ここから、会場問題そっちのけで、妄想が膨らむ、膨らむ・・・。ハードボイルド調でお楽しみください。
お天道様の下での「商売」は気が引けるので、場末の地下倉庫を借り切って、再開なったちはら組。

太陽の明かりを拒むような会場の入り口は、たったの一つ。分厚い鉄製の扉の向こうでは、寡黙なBIBIが、千葉組一門以外の出入りをチェックする。

シャッと、スライドが空き、探るような鋭いBIBIの眼光。「つけられて(尾行)いないな・・・入れ」
最小限の照明で薄暗い室内に目が慣れてくると、中央にそこだけ明るく照られた「バルジ大作戦」のマップ。地形へのいかさまな書き込み、そして、場合によっては流血(?)がシミにならないよう、反射防止の防弾ガラス板が張られている。


テーブルの脇では、オールバックで高価なスーツを着た、用心棒兼drディーラー(?)のエンジョウ。ダイスを弄びながら、早口で「店のしきたり」を説明。
「プロバルジの指南代は、一局につき、1000円。もし、mitsuプロに勝てれば、好きな景品を持ち帰れます。」
「プロバルジの指南代は、一局につき、1000円。もし、mitsuプロに勝てれば、好きな景品を持ち帰れます。」

店の奥には、堆く積み上げられた、見せ金ならぬ、見せゲームの数々。「The Longest Day」と「Next War」の紅白ビッグゲームに始まり。コレクターTommyが提供する「War in the Pacific」や「NATO DIVISION COMMANDER」などSPIの大箱、GDWの「IMPERIUM」初判BOX、チャールズ・ロバート氏直筆サイン入りのAH「TACTICS」やダニガン氏の手形の入った「PGG」、中黒氏のキスマーク付きの「Panzer Witch」・・・。


脇の薄暗い小部屋には、会計係のプログラマーkawa。めっきり進んだ老眼のせいで、眼鏡をおでこに待ちあげて、売り上げ計算に余念がない。

と、そこにけたたましいベルの音が・・・「ブー」。
仕事帰りのギャンブラーが立ち寄るにはやや早い時間帯だが、ブザーは正確に3秒ジャストで止まった。のぞき窓から見ると、見間違うことのない、癖のある天然パーマ、黒一色の上下に身を包んだ作戦級の鬼Das Reich氏の姿。
「mitsuさんは、いるかい」

「だんな、困りますぜ。お互いのシマは荒らさないと、前回の対戦で決着がついたはずでしょう。」
「まだだ!もう一度、対戦すれば、そうすれば・・・」
「いてもいなくても、お会いになりませんよ。帰ってください。」シャッと音と立てて、閉まるのぞき窓。
奥でやりとりを聞いていたmitsuが、メタボ解消の健康飲料をあおりながら、つぶやく。
「そっちのシマ(ミドルアース)で、ああだ、こうだ、言われて、勝ちたい気持ちはわかるが・・・こっちは、組の存続が懸かっているんでね。金にならないバルジなぞ・・・。」
「そっちのシマ(ミドルアース)で、ああだ、こうだ、言われて、勝ちたい気持ちはわかるが・・・こっちは、組の存続が懸かっているんでね。金にならないバルジなぞ・・・。」
しばらくして、今度は激しく扉を叩く音と甲高い聞き覚えのある声。ドンドン!「おい、開けろ!」
小さなのぞき窓から見ると、覚えのない発信履歴を振りまきながら、へべれけになった千葉組yagi組長と、その奥にほろ酔い気味で目のあたりを上気させ、殺気を漂わせる鹿内軍神の姿が・・・。

「ちっ、鹿内ギャンビットを生み出した軍神殿じゃ、しかたねぇか・・・お通ししろ。」
暗闇に慣れるように、しばし、立ち尽くす軍神。やがて、ゆっくりと歩を進めると、立ち上る無言の殺気に気圧され、廻りが道を空ける。まるで臨機射撃の間合いを図るように、マップに手が届くかという距離で、ぴたりと歩みが止まる。
「ここが新しいヤサか。また、ずいぶん、遠くに作ったじゃねーか・・・」
「兄貴だからお通ししましたが、ここは辺境戦線ちはら組と、わかっていたはずですぜ。ここなら、サツカンの抱き込みも、楽ですし。バルジのためなら、国境(県境)を二つ越えて来る輩(ライバル)もいます。」
「さっき、すれ違った作戦級の鬼だな。奴もシマ(ミドルアース)じゃ、負けなしなんだが、外でコケると、いろいろと言われるらしいな。ちょっとは、相手くらい・・・」
「冗談じゃありませんぜ!」
みなまで言わせず、mitsuの眼光が、軍神を射貫く。息を呑む軍神に、続けざまに憤懣をぶつける。
「20年も経ってから、鹿内ギャンビットなんてヤクザな手を生み出したのは、どなたですか?こいつがあまりに阿漕だから、あの鬼も自分も身を削って、もう何年も凌ぎにもならない模擬戦ばかり。行き着いた先が、とうとう、一日で終わらない対戦なんて・・・」
数秒の滾りきった沈黙。眉間にしわを寄せていた軍神が、肩から力を抜く。
「たしかにな・・・コマンドにカチ込んだときには、そんなことまでは考えなかったが。あんたも、鬼も、バルジなしでは生きられない身体になった、っていうことだな。」

再び、今度は、どこか哀愁が漂う沈黙が、場を支配する。飲むと陽気になるか、泣き出すはずのyagi組長まで、カウンターに腰掛けて、静かにグラスを傾けている。
「邪魔したな、いい凌ぎになることを祈ってるぜ」
プロバルジを生み出してしまった責任を感じとってか、軍神の声色には、哀れみとも悔悟とも着かぬ響きが混じっていた。
プロバルジを生み出してしまった責任を感じとってか、軍神の声色には、哀れみとも悔悟とも着かぬ響きが混じっていた。
5分後、やっと、まともなバルジ客が訪れた。
「mitsuプロ、倍あがりです(2000円で勝ったら賞品も倍)。セットアップ、願います」
「おう」
「mitsuプロ、倍あがりです(2000円で勝ったら賞品も倍)。セットアップ、願います」
「おう」
その手には、摩耗して角がすり切れている、スコルツィーニ・コマンドが握られていた。(了)
登場する人物は、全て、mitsuの妄想です。あまりによく似た方がいたとしても、それは他人のそら似ということで・・・。
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