主催のたかさわさんはじめ、各例会のみなさんに挨拶をして、さて、何をしようかと考えていたところ、千葉会の山崎さんが人集め(人さらい?)をしていまして。由緒正しきAHの傑作マルチ「CIVILIZATION」です。HJから「文明の曙」という邦題で売りに出されていましたが、自分は未プレイでしたので、物は試しと誘われることに。後から思えば、これが「大厄災」時代の始まりでした(笑い)。
基本のシークエンス自体は、非常にシンプルです。各プレイヤーは、毎ターン、自然に人口が+1または+2で増えていきます。倍とは言いませんが、初期は前ターン比75%以上の猛烈な速度で増加するため、あっという間に分割が終わります。となると、今度はある程度(6人口)を集めて都市を建設し、貿易の開始と税収をはじめます。
貿易は所有する都市数だけ、カードを引き、それを他のプレイヤーと取引して、できるだけ同じ種類にカードを集めます(独占)。集めれば集めるほど、交易点が二乗で増えていくため、なるべく多くの人と交渉を進めることが有効です。このあたりは穀物取引ゲーム「Pit」の要素も入っています。
ただし、貿易カードの中には、疾病や内戦をもたらす厄災カードも入っているので、どこで誰との貿易を打ち切るのかも、重要な駆け引きとなります。
最後に、この交易点と税収を足した分だけ、任意の文明化カードを「購入」できます。文明化カードはいわゆるお助けカードで、疫病を軽減したり、火山爆発を軽度に済ませたり、あるいは生産力を上げたり、航海能力を飛躍させたりと、なくてはならない物です。ただし、値段は、最も安い「陶芸」でも45ポイント、「哲学」に至っては240ポイント(!)と方外れです。
今回は、カードが増えるAdvancedを使用した上に、5人で全マップを使用したため、全員が比較的「豊かな」展開でした。メンバーと組み合わせは、以下の通りです。
ピポ…イタリア
mitsu…イベリア
にし…アッシリア
山崎…バビロニア
にゅろ…エジプト
mitsu…イベリア
にし…アッシリア
山崎…バビロニア
にゅろ…エジプト
このうち、山崎さんとピポさんがベテランで、にしさんが普通、にゅろさんとmitsuがノービスです。
序盤、各国は予定通り、猛烈な勢いで領地拡大を行い、第4ターンあたりから、ちらほらと都市ができはじめます。となると、自然と交易が始まり、続々と文明が起こります。当然、災害も起こり始め、第5ターンに一気に爆発します。謀反と火山噴火で幕を開け、ダニューブ川が氾濫、弱ったところに内乱と疾病が押し寄せて、一気に10以上の都市がなくなります(!)。ああ、人類は一体、どんな悪行を積んだのやら・・・。

その後も各国は、都市を壊されては造り、また、壊されては造るという、スクラッチ・アンド・ビルド(スクラッチの方が多いくらい!)の中、なんとか文明化を進めていきます、mitsuも不慣れながら、航海術と布加工を手に入れて古代の大航海時代を進め、一方で神秘主義と音楽で民衆の不安を和らげます。

こうなると、他に戦争を仕掛けるどころか、かまっている余裕もなく、貿易を除けば、ひたすら多人数ソロプレイとなります。普通、初期が多人数ソロプレイながら、ある程度進むとディプロマシーとなるマルチがほとんどですが、このゲームでは厄災が強力すぎて、中盤以降にソロ(!)になるという珍しいゲームです。
自分も第11ターン以降は、貿易の初期カードに5ターン連続で複数(時には3枚!)の厄災が混じり、現状維持がやっと。第12ターンには、疾病に、蛮族襲来がかさなり、あまりに疲弊過ぎて、内戦も起こせないという衰退ぶりです。

また、にしさんも、別の蛮族の襲撃を受けた上に、伝染病が流行り、なまじっか国力があったばかりに内乱に突入し、わずか1ターンで9都市が1つまで減少する(!)という、大崩壊!

こうなると、もはや、笑うしかなく、あまりの弱体化に、各国から貿易カードがさしのべられる(!)という平和共存に。う~む、大災害の後は、人の結束が深まるというのは、古今東西同じなんですね~。
というわけで、およそ、6時間半に及ぶ天変地異合戦の末、後2ターンを残して、ゲームエンド。一日の長を生かして、山崎バビロニアが1位、ピポイタリアが2位になりました。

これだけひどいと、もうご免かというと、そんなことはなく、嵐のように降りかかる厄災に、懸命に立ち向かう古代人の意気込みが楽しく(苦楽しい?)、また、やりたくなります。理不尽極まる天変地異を楽しみたい、あるいは人類のちっぽけさを味わいたい(?)方には、ぴったり。齢を重ねた今だからわかる、諸行無常。少し時間はかかりますが、日本語カードを用意して、ちはら会でもTRYしてみましょうか?