今月のソロプレイ第三弾は、B級の真打ち(?)と言ってもいい、「4th Reich」(TASK FORCE GAMES)です。一見、ネオナチを思わせるタイトルながら、その中身は、核戦争後の旧ヨーロッパ大陸で、純粋人類のゲルド国とミュータント軍団のコントローラー国家が、覇権を賭けて戦うという、トンでも設定です。イントロダクションによれば・・・

「一方は、圧倒的に科学力で優る、ゲルドの純粋人類である。一方は、心理的操作によって下等人類を支配する、準人類のコントローラーに率いられた、数百万人のミュータントである。
科学技術で優位に立つ純血人類は、多数のミュータントを率いるコントローラーと、死闘を繰り返している。人類かミュータントか、いずれかの軍の勝利が我らが未来を決定するであろう。」
科学技術で優位に立つ純血人類は、多数のミュータントを率いるコントローラーと、死闘を繰り返している。人類かミュータントか、いずれかの軍の勝利が我らが未来を決定するであろう。」
こちらが、マックス・ヘトラー(!)率いる、ゲルド軍。機械化部隊は、第二次攻撃が可能です。

こちらが、マスター・コントローラー率いる、コントローラー軍。数値は低く、かつミュータント軍は、洗脳支配されているので、下級コントローラーがいないと攻撃もできないのですが、とにかく、数が多いです。

こちらが地形効果表です。特徴的なものは、進入すると自動的に攻撃を受ける「放射能密林」で、事実上の移動制限地形になっています。

「ゲームマップは、核による大量殺戮から2000年後の地球の一部を表している。いくつかの地域は、未だに危険な汚染状態にある。全ての大陸は、『業火』によって作り出された放射能密林と荒野によって、他と分断されている。北極圏の部分的な氷の溶解と海面水位の上昇が、多くの地域を海没させる一方、連続した火山活動と地震が、惑星とその地形を壊滅的なまでに変容させた。
マップには、純粋人類の母国であるゲルドとコントローラーの東方地域を含む、7つの国が描かれている。ゲルド周辺の5つの小国は、コントローラによって支配されている。ゲルドだけがわずかに、ミュータントから解放されている。」
マップには、純粋人類の母国であるゲルドとコントローラーの東方地域を含む、7つの国が描かれている。ゲルド周辺の5つの小国は、コントローラによって支配されている。ゲルドだけがわずかに、ミュータントから解放されている。」



と、設定は単なる馬鹿ゲーなんですが、システムが異様にまともでして。基本は、生産のあるダブルインパルスで、ゲルド軍の機械化軍団とコントローラー軍のスーパーミュータント軍のみが第二次攻撃ができます。CRTはファイヤーパワーで完全な打撃型。そう、攻撃側には一切の損害が出ないんです(!)。

ゲルド軍の装甲軍は移動力が高く、ZOC to ZOCの直接移動の緩さも相まって、簡単に浸透できます。さらに戦闘ではdr効果±1が付くすばらしさ!ヘトラーのdr効果±3(!)を加えると、これに耐えられる防御スタックはありません。
コントローラー軍にとって、通常の戦線によるスタック防御は最悪で、簡単に浸透され、包囲殲滅されます。よって、薄い前線でスクリーンを張って後方に主力を待機させ、敵が前面に現れたところで反撃により撃滅する[後手からの一撃]が、基本戦術になります。
はじめはこの感覚がつかめず、コントローラー軍が守り切れずに、ゲルド軍の圧勝。つい、悔しくて3回のソロ演習と作戦研究をしたわけですが(こんなゲームに!笑い)、やっと戦い方が見えて来ました。
まず、セットアップですが、規定通り、ゲルド軍は国内に配置。コントローラー軍は、ダミーと1能力コントローラーを衛星国に配置し、マスター及び2能力コントローラーは全て東方国家(EL)に配置します。


第1ターン、迅速に衛星国家を制圧したいゲルド軍は、東西で同時攻撃に出ます。主力を投入した西方国家(WL)は第1フェイズで陥落。第2次フェイズに、装甲軍は早くも、Sun Land(イタリア)に突入します。一方、中央地域(ポーランド)は歩兵のみで攻撃し、1都市を陥落させます。


戦力のほとんどないコントローラー軍は、Varza(ワルシャワ)にいた歩兵と1能力コントローラーを退避させ、生産したばかりの歩兵をMins(ミンスク)とKev(キエフ)周辺で防衛線を引きます。


第2ターン、怒濤のゲルド軍は、太陽地域の攻略を続けると同時に、高地地域(HL)に侵攻します。が、Bukres(ブカレスト)ではじめて攻撃に失敗します。

うまくいけば、装甲軍を撃滅できると、コントローラー軍がはじめて反撃を行いますが、装甲効果に阻まれ、惜しくも失敗。

歩兵を足止めに残し、貴重な1能力コントローラーは、東方地域国内に撤退します。

第3ターンに、Bukresと南方地域(South Land)も制圧し、早くも東方地域以外の全てを占領します。

第4ターン、季節は秋。西方と南方を攻略した主力が揃いきっていませんでしたが、敵の増強を待ちたくないゲルド軍は、半年早い「バルバロッサ作戦」を発動します。電撃的にKarglat(カルーガ)、Bres(ブレスト)、Kev(キエフ)、Odes(オデッサ)を攻略し、敵に損害を与えた後、歩兵を前線に残し、主力を引き下げます。


これに対し、(赤軍じゃなくて)コントローラー軍は無尽蔵と言える部隊を集中し、全ての都市を奪還。歩兵2個軍を撃破します。第二次移動でふたたび、「赤い絨毯」を引き直し、縦深防御に。


第5ターン、予想以上に機能的なコントローラー軍に対し、ゲルド軍は総花的な消耗攻撃を行い、スーパーミュータント軍を含む6ユニットを除去します。が、コントローラー軍の補充能力は、これを1ターンで補充してしまいます。


運命の第6ターン、打撃戦の後、ゲルド軍は中央地域(ポーランド)でハリネズミの陣を引きます。ヘトラー率いる3ユニットがVarza(ワルシャワ)に籠城します。ここで、敵の下級コントローラーとスーパーミュータント軍を引きつけ、攻略に手間取る隙に、次ターンに機械化部隊で反撃をかける作戦です。

罠とわかっていましたが、ヘトラーを捕らえることができるかもしれないと、コントローラー軍は賭けに載ります。スーパーミュータント軍を集中し、2能力コントローラーを投入。その結果は・・・わずか1/6の賭に勝ち、敵を全滅させ、Varzaを占領!そして、ヘトラー戦死!

さらにコントローラー軍は、怒濤のごとき進軍により、中央地域と旧ルーマニアを席巻!装甲軍2個、機械化歩兵3個軍、歩兵1個軍の致命的な損害を、ゲルド軍に与えます。


第7ターン、ゲルド軍は反撃のための予備兵力を戦線維持に投入せざるをえなくなり、もはや打撃戦もできず。

第8ターンに、早くもゲルド国内に進入したコントローラー軍は、数の暴力で前線を粉砕すると、再建されたばかりの敵に装甲軍を撃破。

第9ターンに、わずか3ユニットまでに撃ち減らされたゲルド軍は、最後の抵抗のため、太陽地域(イタリア)に逃げ込みましたが・・・脚力のあるスーパーミュータント軍に捕捉され、全滅。

最後の生産で、敵をFlorenに包囲する意地を見せたものの、衆寡敵せず、ゲルド軍は崩壊。第11ターンに、Rom(ローマ)が陥落。ここに純粋人類の国家は滅亡し、ミュータントによる洗脳国家によって、統一されました。


う~ん、まさかのゲルド軍の惨敗でした。第6ターンのヘトラー戦死がなければ、もう少し戦えたのでしょうが、根本の敗因は早すぎたバルバロッサだったかも。十分な兵力の集結を待って、第一撃でかなりの損害を与えないと、厳しいかも知れません。当然、ゲルド軍も反撃で半壊するでしょうが、機動に適した時期と生産ターンをうまく見定めて、侵攻すれば、手はあるかも。

また、コントローラー軍も、数の暴力による攻撃(第1フェイズ)と縦深防御(第2フェイズ)が機能することがわかったので、よかったです。
いやー、こんなB級アイテムにどっぷり、のめり込んでしまいました(笑い)。そもそも、このアイテムは自分が購入したわけではなく・・・3年前の千葉会のオークションで、全く入札がなかった時に、yagi会長が一言。
「これは、B級だから、ちはら会にあげる!」
誰も期待していなかったオークション崩れのB級アイテムですが、全くテストをしていないツ○ダの粗製濫造より、はるかにまともでした。独ソ戦のオマージュといえる「4th Reich」で、誰の挑戦でも受けるぞ!!(絶対、いないとおもうけど、笑い)
なお、このソロプレイでB級アイテムのプレイ率が6割を越えました。更新記事をご覧ください。