歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

Yahoo!ブログ終了に伴い、引っ越しました。

カテゴリ: WWⅠ

続いて、「ROYAL NAVY」(CMJ)のWWⅠシナリオの最後を飾るS6「ジュトランド夜戦」です。史上最大の水上砲撃戦ながら、ドイツ軍の撤退で尻切れトンボに終わったジュトランド海戦のエピローグとして、巡洋戦隊同士の戦いを描きます。

参加兵力は、イギリス軍4隻に対し、ドイツ軍は6隻。ただし、砲撃力ではイギリス軍が軽巡相手なら十分の6inch砲に対し、ドイツ軍は4.1inch砲であり、かつ、貫通のできないHE弾を使用することになります。数で勝るドイツ軍対質で勝るイギリス軍の戦いです。

第1ターン、思わぬ至近距離で敵を発見した両軍は、戦列を整え、5へクスの同航戦に入ります。ここで、ドイツ軍のステッテンがサウザンプトンに探照灯照射!闇夜に鮮やかに浮かび上がった敵の旗艦に対し、ミュンヘン、フラウエンローブを加えた3隻で、集中砲撃を行います。貫通力はないものの、HE弾6発を命中させ、主砲3基を破壊し、事実上の砲撃力を奪います(それ以外に、船体1、速度低下-1の損害)。また、後続のシュツットガルトがダブリンに命中弾を出し、副砲一基を破壊します。

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対するイギリス軍は、セオリー通り、先頭艦から順に1隻ずつ砲撃を行います。探照灯を浴びせるステッテンに対し、サウザンプトンが6inch砲弾1発を命中させ、副砲を破壊。軽巡ダブリンも、ミュンヘンに2発の命中弾を与え、舷側装甲を貫通して、船体2、速度-5の損害を与えます。

第2ターン、ドイツ軍は速力の落ちたミュンヘンを離脱させますが、他はそのまま、同航戦を継続します。ステッテン、ミュンヘン、フラウエンローブの3隻が探照灯の下に集中射撃を実施し、サウザンプトンに船体1、速度低下-1、副砲破壊と、損害を積み重ねます。

また、先に命中弾を出しているシュツットガルトが、正確な射撃で3発の命中弾を出し、ダブリンの副砲とMFCを破壊し、2箇所に火災を発生させます。

イギリス軍も砲撃のできなくなったサウザンプトンを探照灯照射(おとりの損害担当艦!)に使用し、残りの3艦でステッテンに負けじと集中砲撃を行います。結果、3発の6inch砲弾をステッテンに命中させ、船体3ヒットを与えます。

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そして、このターン、イギリス軍が、密かに発射していた魚雷が、ドイツ艦隊の後方に到達します。うち、必殺の一発が軽巡エルビングに命中し、一気に船体3損害と速度低下-7の大損害を与えます。

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第3ターン、中破したエルビングも退避行動に移ったため、数で劣っていたイギリス軍は、火力でほぼ互角の戦いに持ち込めることに。

ドイツ軍は砲身も焼けよと連続射撃を行いますが、drに恵まれず、かつ、命中させた5発もHE弾のため、敵の舷側装甲を打ち抜けず。サウザンプトンに船体1、速度低下-1を、ダブリンに火災発生と、わずかな損害に止まります。

対して、先頭艦に集中砲撃を続けるイギリス軍は、確実に旗艦ステッテンに命中弾を与えます。4発の6inch砲弾が装甲を貫通し、ついにこれを撃沈します。

ドイツ軍は、このターンにおかえしとばかりに、密かに3発の魚雷を放っていましたが、はずれ。徐々に、ロイヤルネイビーに押され始めます。

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そして、最終の第4ターン、頃合いよしと見たイギリス軍は、敵の司令官不在の混乱に乗じて、果敢な接近戦に出ます。至近距離から放たれた砲撃は命中率抜群で、旗艦を引き継いだフラウエンローブに6発の徹甲弾を命中させます。無慈悲な徹甲弾が「エンローブ夫人」を引き裂き、全主砲塔を破壊した上に、船体2損害を与え、一気に中破に追い込みます。

一方のドイツ軍も、奇跡を信じてまたも探照灯射撃でサウザンプトンを砲撃しますが、drに恵まれず、命中弾なし。代わりに、ステッテンとエルビングがにっくきダブリンに3発のHE弾を命中させ、こちらも全主砲塔を破壊し、船体も後2ダメージまで追い込みます。最後に、ずっと命中弾のなかったハンブルクも、バーミンガムに意地の砲撃を命中させ、主砲1基を破壊しましたが・・・。

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と、ここでゲームは終了。沈没艦はドイツ軍のステッテン(5VP)のみということで、イギリス軍の勝利となりました。

[撃沈]軽巡ステッテン(ドイツ軍)
[大破]軽巡エルビング(ドイツ軍)、軽巡ダブリン、サウザンプトン(イギリス軍)
[中破]軽巡フラウエンローブ(ドイツ軍)
[小破]軽巡ミュンヘン(ドイツ軍)

ドイツ軍は数で勝ることもあり、命中弾数は多かったんですが、やはりHE弾ではヴァイタルパートを打ち抜けず。逆にイギリス軍は確実な射撃で損害を与え続け、ドイツ軍を圧倒しました。

今月のソロプレイ第4弾は、同じく「ROYAL NAVY」(CMJ)からWWⅠシナリオのS5「コロネル沖海戦」です。太平洋を横断したドイツ東洋艦隊が、イギリス軍の迎撃を受けたもので、主力は両軍ともに2隻の装甲巡洋艦です。なお、このシナリオからは、選択ルールの砲撃修整を適用しています。

イギリス軍は、強力な主砲ながら砲門数で劣る装甲巡洋艦グッド・ホープと、逆に砲門数は高いものの貫通力は副砲並み(6inch砲)のモンマウス。乗員は予備役だったため、国籍修整は通常の+5ではなく、+8となります。これに軽巡グラスゴウと仮装巡洋艦オトラントが加わります。

対するドイツ軍は、その4年後に完成した装甲巡洋艦シャルンホルストとグナイゼナウで、貫通力に優れた安定した火力と適度な装甲を誇ります。さらに、優秀な乗組員を反映して国籍修整は通常の+2ではなく、なんと-8です。加えて、軽巡ライプチッヒとドレスデン、ニュルンベルクが配備されています。

第1ターンのみは、移動が終了した時点から開始となります。ともに7へクスの距離に敵を捕らえた両軍は、果敢に砲撃を開始します。が、ただでさえ、練度の劣るイギリス軍の砲撃は効果なし。対するドイツ軍は、装甲巡洋艦2隻が命中弾を出し、グッド・ホープの後部主砲を吹き飛ばし、火災を発生させます。さらに、奇跡的に艦橋の間隙に命中した3.5inch砲により、指揮官クラドック少将が戦死してしまいます(次ターンに砲撃不可能)。

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第2ターン、火力で劣るイギリス軍はなんとか副砲を使用するために、2へクスの接近をします。距離が縮まったために、命中率は30%上昇します。これにより、イギリス軍は、装甲巡洋艦モンマウスがグナイゼナウに命中弾を与え、副砲1門と魚雷発射管を破壊します。

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が、ドイツ艦隊の砲撃も鮮烈を極めます。巡洋戦艦シャルンホルストがグッド・ホープに、8.2inch主砲3発、HE弾3発、3.5inch砲5発を命中させ、残った前部主砲を吹き飛ばし、船体に1損害を与えます。同時にグナイゼナウがお返しとばかりに、モンマウスに計6発の命中弾を出し、副砲2基と魚雷発射管を破壊。さらに、特殊損害で舵に損傷を与え、3ターンの間、転舵ができなくなります。グラスゴウとオトラントも損害を受け、一時的に3隻に火災が発生します。

第3ターン、このままでは押し切られると判断したイギリス海軍は、さらに距離を詰めて一か八かの接近戦に移ります。近距離となったため、基本命中修整は-70と驚異的な数値に。

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この距離から放たれる砲弾は、ほとんどが敵艦に吸い込まれていきます。巡洋戦艦シャルンホルストがグッドホープを直撃し、延べ12発の命中弾でMFCと副砲2基を破壊し、船体に4損害と速度低下1を与えます。攻撃能力を失ったグッドホープは、サンドバッグ状態に。グナイゼナウも12発の命中弾を出しますが、幸運にも距離があったため、装甲を貫通せず、損害はなし。一方で、軽巡隊もグラスゴウとオトラントに、軽~中程度の損害を与えます。

対するイギリス軍装甲巡洋艦も必死の反撃で計7発の命中弾を出しますが、6inch砲ではシャルンホルスト級の装甲を貫通できず。

ここで、一隻で気を吐いたのが、軽巡グラスゴウで、ライプチッヒに4発の命中弾を出し、主砲1基、副砲2基、船体3損害を与えます。これにより、発生した火災が延焼し、なんと軽巡ライプチッヒが沈没!両軍を通じて初の喪失艦になります。

第4ターン、激化する戦闘は、自力で勝るドイツ軍に有利に展開します。まず、8.2inch主砲弾6発を浴びた装甲巡洋艦グッド・ホープが、ついに沈没!もう一隻のモンマウスも延べ16発の命中弾を受け、主砲塔2基、船体2の損害を受け、さらに速度も-2に。モンマウスの反撃は、グナイゼナウに船体1、速度-1を与えるのにとどまります。

ここで、またも気を吐いたのが、軽巡グラスゴウで、新たに照準をしたドレスデンに4発の6inch砲弾を命中させ、船体4損害と全推進力喪失の重大なダメージを与えます。ほぼ停止状態のドレスデンは、次ターンにもグラスゴウの猛射を受け、火災が発生!ああ、またも延焼で、軽巡ドレスデンが太平洋の藻屑と消えます。

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が、軽巡グラスゴウの幸運も、ここまででした。神がかりなまでの活躍で同級の軽巡2隻を平らげたイギリス軍軽巡に対し、第5ターン、装甲巡洋艦シャルンホルストが咆吼します。強力無比な主砲弾が、軽巡グラスゴウのヴァイタルパートを打ち抜き、瞬時にして撃沈!さらに満身創痍だったモンマウスも、主砲塔を貫通したグナイゼナウの8.2inch砲弾によって、誘爆!栄光のイギリス海軍は、仮装巡洋艦オトラント1隻を残すのみ。

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最終の第6ターン、絶望的な状況のオトラントは最後の抵抗を示し、軽巡ニュルンベルクに2発の命中弾を与え、MFCと主砲塔1基を破壊します。が、直後に生き残った3隻から猛烈な砲撃を受け、撃沈!コロネル沖海戦は、史実通り、ドイツ軍の勝利で幕を下ろしました。

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今回は、ドイツ軍の圧勝となりましたが、生き延びたドイツ艦隊も、わずか1ヶ月後には、フォークランド沖で火力・速度に勝るイギリス軍巡洋戦艦の前に完敗します。この時の主役が、4年後に建造された巡洋戦艦インヴィンシブルとインフレキシブルでした。ドレッドノートの登場以来、日進月歩で進化する建艦技術の差が、大きく勝敗を分けることになりました。

続いて、ゲーベン関連シナリオの最後を飾るS10「ゲーベン脱出・パートⅢ」です。このシナリオは、ダーダネルス海峡を目前にしたドイツ艦隊に、旧式ながら強力な装甲巡洋艦4隻が接触するというものです。ゲーベンの11inch砲に対し、装甲巡洋艦は9.2inchと射程と貫通力で劣ります。ゲーベンとしては速度を維持しながら遠距離を保ち、砲撃戦を有利に進めるとともに、マップ端からの突破を目指します。

第1ターン、敵の接触を受け、東に進路を変更したドイツ艦隊に対し、イギリス海軍が追いすがり、7-8へクスの中距離で砲撃戦を開始します。この距離だとゲーベンの砲撃は有効ですが、逆に装甲巡洋艦の9.2inch砲では、ゲーベンのヴァイタルパートは打ち抜けない状態です。

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イギリス海軍の3隻の集中射撃はそこそこで、9.2inch砲弾5発と6inch砲弾2発が命中し、軽微ながらも船体1、速度低下1の損害を与えます。ドイツ軍としては、ここで一方的に打撃を与えて、敵戦力の低下を計りたいところでしたが、ゲーベンの砲撃はdrに恵まれず、命中弾なし。どころか、運が悪いことに故障から火災が発生!これが鎮火できずに、特殊損害でなんと艦橋が延焼!司令官が死亡し、ゲーベンは一時的に操舵不能に。

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第2ターン、艦橋破壊の影響で望まぬ旋回を行うゲーベンに対し、イギリス艦隊が距離を詰め、集中砲撃を続行します。9.2inch砲弾5発と副砲弾9発などの命中により、後部主砲1基と副砲・補助砲4基が損害を受け、さらに追加の火災が発生します。

が、船体と速度に変化はなく、怒りに燃えるゲー-ベンは、ディフェンスに対し反撃を実施。drもよく、11inch砲4発と副砲・補助砲8発を命中させ、前部主砲と副砲2基を破壊し、船体3ダメージ、速度低下1を与えます。ディフェンスは一撃で戦闘力が半減する中破相当です。

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この時、もう一隻の装甲巡洋艦ウォーリアは、優速で逃げ切りを計る軽巡ブレスラウを襲い、補助砲の攻撃でMFCを破壊します。

第3ターンも、この状況は変わらず、イギリス艦隊は一定の命中弾は出すものの、ゲーベンの厚い装甲に阻まれ、効果なし。ドイツ軍の砲撃も、ディフェンスのMFCを破壊するくらいで低調に終わります。

唯一、気を吐いたのがウォーリアで、軽巡ブレスラウをとらえ、前部主砲2基を吹き飛ばし、船体に1損害を与えます。

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第4ターン、未だ中距離ながらドイツ軍が優速を生かして、徐々に距離を開け始めます。このターンの砲撃もゲーベンのMFCを破壊した以外は、損害なし。このまま、逃げ切れるか?!

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第5ターン、なおも同航戦は続き、イギリス艦隊が意地の命中弾を出し、ゲーベンの船体に2ヒットと速度低下1を与えます。対するゲーベンの反撃も鮮烈を極め、ディフェンスに対し、特殊損害1発で船体4/速度低下4の大ダメージを加えます。

また、軽巡ブレスラウを狙うウォーリアが、主砲・副砲各1発を命中させ、薄い装甲を引き裂いて、前部主砲1基・船体2損害を与えます(これで前部主砲は全壊)。

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そして迎えた運命の第6ターン、ドイツ軍の度重なる速度低下と突破に向けた転進により、両艦隊の距離が縮まります。ここで、イギリス軍の砲撃が抜群の冴えを見せます。ゲーベンに対し、9.2inch砲弾4発と副砲弾8発、補助砲弾7発を命中させ、装甲の薄い箇所を貫通するなどして、主砲2基を沈黙させ、船体・速度にも影響を与えます。

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ゲーベンも健全なブラックプリンスに目標を変え、主砲2発の命中を出しますが、当たり所が悪く、わずかに副砲2基を破壊したのみに。

一方、ウォーリアは沈没寸前だった軽巡ブレスラウに容赦なく砲撃を浴びせ、船体損害を0にして、ついに撃沈します。

第7ターン、動きの鈍くなった巡洋戦艦ゲーベンに対し、イギリスの装甲巡洋艦4隻が近距離で猛射を浴びせます。このdrも冴えにさえ、なんと9.2inch砲弾だけで22発(!)という空前の命中率に!

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船体のバイタルパートを打ち抜いたのはわずかに4発でしたが、装甲の薄い箇所に命中弾が集中し、ゲーベンの船体が悲鳴を上げます。それでもタフぶりを発揮して、10を越える船体ダメージに耐えていましたが、最後の一発がこれを打ち砕き、これを撃沈しました。

ロイヤルネイビー、ついに勝つ!これによりトルコの参戦は見合わされ、連合軍の戦略的勝利となりました。

う~ん、どうもドイツ軍の砲撃が低調で、当たったしても副砲破壊など、敵に対し十分な損害を与えられず。近距離戦に移行して、格段に命中率が上がったことで、破滅的な量の砲弾を浴び撃沈という、非常に苦しい戦いでした。

戦い方自体は間違っていなかったと思いますが、戦闘級でdrが偏るとやむなしか・・・この借りは対人戦で返したいなぁ~。海軍提督kawaさん、地中海あたりでいかが?

続いて、S10「ゲーベン脱出・パートⅡ」です。このシナリオは、夜陰に紛れてエーゲ海に向かうゲーベンを、軽巡と駆逐艦2隻のイギリス海軍が迎撃するというものです。戦力的には、イギリス海軍が圧倒的に不利。よって、敵が戦術的勝利を目指して転進したときに、距離を詰めて雷撃ができるかどうか、に懸かっています。

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第1ターン、北に転進して逃げ切りを計るドイツ艦隊に対し、3隻のイギリス軍が追撃をかけます。6へクスの距離で同航戦に入った両軍は、射撃を開始します。イギリス艦艇3隻は、ゲーベンに集中射撃をしますが、drが悪く、効果なし。

対して、ドイツ軍は巡洋戦艦ゲーベンが圧倒的な砲力で、駆逐艦ブルドッグをとらえ、主砲2基を破壊し、船体にこれを中破させます。同時に、軽巡ブレスラウの射撃が敵軽巡のでダブリンを捉え、前部主砲とMFCを破壊し、2カ所で火災を発生させます。

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ダブリンは1カ所の火災は鎮火したものの、もう1カ所が運悪く延焼し、船体1、主砲1基、速度低下1を招きます。
第2ターン、砲力を失った駆逐艦ブルドッグを待避させると、イギリス軍は残りの2隻で追撃を続行しましたが・・・目標を変更したゲーベンが、今度は軽巡ダブリンを捉え、主砲2基と艦橋を破壊し(ケリー司令官戦死)、さらに火災を発生させます。この火災は、船体1の損害を与えます。

第3ターン、なおも雷撃に賭けるイギリス海軍は追いすがりますが、9発の命中という一方的な砲撃を浴びて、軽巡ダブリンが沈没します。一方、軽巡ブレスラウは駆逐艦ブルドッグを砲撃し、主砲1基を破壊します。ここまで、イギリス軍の砲撃は一発も当たらず。

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第4ターン、戦術的勝利のためにマップ端に向けて転進したドイツ軍に、最後の希望-駆逐艦ビーグルが肉薄します。その距離はわずか3へクス。かなり厳しい状況ですが、生き延びられれば、ゲーベンに雷撃を撃ち込める可能性は十分にありましたが・・・近距離から放たれた巡洋戦艦の攻撃は凄まじいものでした。装甲などなきに等しい駆逐艦に対し、戦艦のヴァイタルパートも打ち抜ける11inch砲弾5発、HE弾6発が命中し、水柱が消えた後にブルドッグの艦影は姿を消していました。

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翌最終の第5ターンに、ドイツ艦隊は突破に成功し、戦術的勝利となりました。

今回は、とにかく肉薄したいロイヤルネイビーが、不用意にゲーベンの視認距離に入ったのが、失敗でした。drによっては切り抜けることもできたのですが、振り返ると視認距離ギリギリで追尾し、転舵した瞬間に接近戦(雷撃)を挑む手もあったかも・・・。

ともあれ、次はゲーベン脱出の最終シナリオです。

今月のソロプレイは、勝手にブログで盛り上がっている水上砲撃戦から「ROYAL NAVY」(CMJ)です。海戦の鬼ジャック・グリーンが製作した、精密水上砲撃戦アイテムで、  その名の通り、イギリス海軍の活躍を描きます。

元のシステムは、80年代のシミュレーションブームで有名だった「アイアンボトム・サウンド」(HJ)を改良したもの。原版は、命中判定・損害判定の精密な砲雷撃戦闘システムはよしとして、プロットの同時移動や理論的には正しいけどほとんど当たらない雷撃など、好みが分かれていました。

この「ROYAL NAVY」では、批評を生かして移動はイニシアチブによる交互移動に、雷撃も発射へクスと目標をプロットするだけのシンプルなものに変更され、大いにプレイアビリティとソロ特性が上昇しました。

5本のWWⅠと8本のWWⅡシナリオで、仮装巡洋艦から戦艦までの砲撃戦をシミュレートしています。CMJ誌でWWⅡが3本と日露戦争の2本のシナリオが追加されています。

今回は、その中からWWⅠシナリオのS8「ゲーベン脱出・パートⅠ」です。史実では、ゲーベンがドイツ海軍からトルコに譲渡され、同盟国として参戦をしています。「ゲーベン脱出」シナリオは、それを阻止すべく、ROYAL NAVYがゲーベンに戦闘を挑むもので、仮想2本と史実1本の3本で構成されています。

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このシナリオでは、イギリス海軍の巡洋戦艦2隻が、トルコに向かう巡洋戦艦ゲーベンと軽巡ブレスラウを迎え撃ちまず。砲力ではイギリス海軍が有利で、速度と装甲でゲーベンが上回ります。

第1ターン、敵に気づいた両軍が戦闘態勢に入ります。イギリス海軍は、ネルソン以来の伝統よろしく、見敵必戦で、ドイツ艦隊に突進します。一方のドイツ軍は、舵を東に切ると、高速で突破に向かいます。

同航戦となった戦闘は、イギリス海軍の砲撃で口火を切ります。勝利条件のゲーベンに向けて、全砲門を開き、幸先よく、12インチ砲11発(!)の命中弾を与えます。猛烈な砲撃により、後部主砲2基と副砲2基、魚雷発射管を破壊し、船体にも4ダメージを与えます。

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が、まだ、HPの3/4は残っており、速度は1低下したのみ。十分、逃げ切れると、思ったその時、最後の1発が、特殊損害判定となります。ちょっとヒットが大きいかなと心配して振ったdrは「91」。

ん?「91」って、舷側を貫通。結果は「爆発轟沈」!そんなばかな!!

そう、トルコ参戦の期待のゲーベンは、わずか1.6%しかない確率をもろに喰らって、第1ターンに撃沈されました。

ちなみに、怒り心頭のゲーベンの砲撃も強烈で、インディファティガブルに5発の命中弾を出し、二つの火災と主砲2基、副砲1基、船体5ヒットを与えます。軽巡ブレスラウもインドミタブルに、4発を命中させますが、HE弾のため、実質の損害はなし。

この時点で、イギリス軍の戦略的勝利が決まったのですが、いくらなんでも酷いので、軽巡ブレスラウだけでも逃げられないか、ゲームを続行。

第2ターン、高速で逃げ切りを計る軽巡ブレスラウに対し、イギリス軍が追走し、再び、砲撃を浴びせます。

第1ターンのような幸運なdrは続かないだろうと思いきや、なんと前回を上回る、12インチ砲12発(!)の命中弾を与えます。一体、ROYAL NAVYには女神が付いているのか?!

ゲーベンの1/5程度しかない装甲のブレスラウがこれをまともに受け、最後の一弾まで粘った末に撃沈。わずか数分後に、軽巡ブレスラウもゲーベンの後を追いました。

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ああ、酷かった!事前に3回行ったソロ演習では、3回ともゲーベンが逃げ延び、戦略的勝利だったのですが、リプレイになった途端にこれとは!さすが、ちはら会だなぁ~(笑い)。

ともあれ、こんなことは少ないはずと、気を取り直して、シナリオ9へ。

今月のソロプレイ第5弾は、「幻の八八艦隊」(アドテクノス)から、「史実」シナリオのシナリオ7「ジュットランド海戦Ⅱ」です。史実と言っても、前回のシナリオ6「第2次リッサ沖海戦」と同様に、実際に発生はしていませんが、十分に「起こりえた戦い」であります。
 
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史実では、巡洋戦艦隊同士の遭遇戦で終了したジュットランド海戦で、そのまま、主力が激突していたら、という設定になります。イギリス海軍のグランドフリート34隻とドイツ海軍の高海艦隊26隻の合わせて60隻(!)が、北海の制海権を賭けて、凌ぎを削ります。
 
イギリス海軍は1.3倍という艦数で優り、かつ砲撃力に優れた新鋭戦艦を多数、揃えています。対するドイツ海軍は、兵力で劣りながらも、命中率の高さ(平均で+16%)と強靱な甲板装甲が武器です。よって、イギリス軍の戦術としては、命中率の向上と舷側装甲の厚さを生かすべく、見敵必戦で接近戦を仕掛けます。逆にドイツ海軍は、高い命中率と敵の薄い甲板装甲を狙うべく、なるべく距離を取って戦いたいところです。
 
第1ターン、先の作戦に沿ってイギリス軍は一斉回頭をすると、ドイツ軍に向かって突進をかけます。ドイツ軍も敵を射程に捕らえるため、本隊が一斉回頭をします。この時、アウトレンジが可能な38センチ砲搭載艦は、最大射程でドイツ海軍本隊を狙いますが、命中弾はなし。
 
唯一、有効射程内にいた両軍の巡洋艦隊同士が戦火を交え、ともに3発ずつの命中弾を出します。これにより、先頭艦のIndomitableが損傷しますが、後は装甲に弾かれて損害はなし。
 
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第2ターン、急激に距離が縮まったところで、ドイツ軍は当初の計画通り、2回目の一斉回頭をして、長距離砲撃戦に移ります。射的距離ギリギリながら、ドイツ製の照準器による砲撃は精密を極め、なんと11発の命中弾を出します。これにより、先に損傷していたIndmitableはじめ、3隻の旧式艦が沈没し、2隻が中破します。イギリス軍も必死に撃ち返しますが、命中率の差と突進による射界の制限で、1隻を撃沈するのがやっとです(加えて、2隻が中破)。
 
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第3ターン、なおも前進を続けるイギリス軍に対し、ドイツ軍は長大な単縦陣による一斉砲撃を浴びせます。通常射程に入ったことで、さらに命中率が上昇し、延べ14発の命中弾を出し、実に4隻を屠ります。イギリス軍も数を生かして火力で圧倒し、9発の命中弾で、先頭艦Lutzowを含む2隻を撃沈します。この時点での損害は、イギリス軍7隻:ドイツ軍3隻とダブルスコアに。ここで終了してもおかしくなかったのですが(58%の確率)、戦いは次ターンに。
 
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第4ターン、ほぼ全ての艦艇が有効射程に入ったことで、命中率は同様だったものの、drが優れず、ドイツ軍10発、イギリス軍7発と命中数は低調に。巡洋戦艦同士の至近距離での砲撃戦でDerfflingerが沈没。逆にVon Der Tannの長距離精密砲撃がRevengeの煙突を直撃し、船体奥深くで爆発した砲弾により最強戦艦が轟沈します。両軍の損害は、イギリス軍8隻:ドイツ軍4隻に。と、8割強の確率で終了予定が、またも次ターンに。
 
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運命の第5ターン、突進を終えたイギリス海軍主力隊が一斉回頭し、わずか1-2ヘクスの肉薄距離で、敵と猛烈な戦火を交えます。命中率・砲撃力とも上昇したことで、イギリス軍の数と砲撃力の高さが真価を発揮し、至近距離で10発の命中弾を与えます。すさまじい破壊力によって、ドイツ軍の厚い装甲も破られ、なんと5隻もの戦艦が轟沈されます(加えて、中破は2隻)。
 
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対するドイツ軍も、イギリス軍を上回る14発の命中弾を出しますが、貫通力の低さから舷側装甲を満足に打ち抜けず、2隻の撃沈と2隻の中破に留まります。
 
と、ここで夜の帳が降りたことで(海戦終了値)、ゲームは終了。結果は・・・
[撃沈]
 イギリス軍…10隻
 ドイツ軍…9隻
[中破]
 イギリス軍…3隻
 ドイツ軍…2隻
と、かろうじてドイツ軍の僅差による勝利となりました。
 
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史実をもとに作っただけ合って、早期で終了すればドイツ軍有利に、長引いて接近されるとイギリス軍有利と、それらしい展開でした。
 
このソロプレイで、第一次世界大戦アイテムのプレイ率が、5割を越えました。そちらも更新したので、ご覧ください。
「戦争を終わらせるための戦争」は、地獄の総力戦!~第一次世界大戦アイテム
http://blogs.yahoo.co.jp/mitsu005jp/4861127.html

今月のソロプレイ第4弾は、「幻の八八艦隊」(アドテクノス)です。その名の通り、未完成に終わった弩級及び超弩級戦艦同士の戦いを描いた仮想戦アイテムです。史実の黄海海戦をデザインしたら、やたらとブラッディになってしまい、ならば時代(背景)を変えてしまえ(!)と、リデザインになったとか?!「システムが時代に合わなければ、時代をシステムに合わせる」(ルールブックより)なんて、違った意味で「すごい時代」だったんですね~。
 
システムは非常にシンプルで、移動-砲撃-雷撃を繰り返すだけ。当時は「Iron Bottm Sound」(HJ)や「IJN」(HJ)、「戦艦大和」(ツクダ)、などプロットが主流だったのですが、全くプロットをしない戦術級ということで、話題になりました。ルールが軽快な分、多くの艦艇を操れるため、最大80隻(!)近くの巨獣たちがガチンコでぶつかり合い、接触後の数ターンで恐ろしいまでの被害が出る、なんとも豪勢なアイテムです。
 
今回は、第一次世界大戦を背景にした、シナリオ6「第2次リッサ沖海戦」です。これまた、アドテクノスお得意の「起こりえた戦い」ですが、兵力的には史実を踏襲しています。
 
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海戦の主役はオーストリア・ハンガリー海軍とイタリア軍(!)という、非常に珍しい状況設定です。イタリア海軍は地中海を主戦場としているので、高速性と砲撃力に優れる一方、甲板防御力は低めです。
 
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対するオーストリア・ハンガリー海軍は、8隻と同数ながら、旧式艦が多く、苦戦は免れません。これを補足するのが、本邦初登場(かつ、おそらく最後の)トルコ海軍(!)でして。隻数は3隻で、基本命中率が4(16%)と低めですが、唯一、ドイツ軍同等の命中率を誇るYavuzが参戦します。そう、トルコの宣戦布告を促すために、乗員ごとトルコ海軍に編入になった元ドイツ海軍Gebenです。
 
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中盤にはイタリア海軍の第2艦隊と精強ドイツ艦隊が増援として登場し、最終盤には砲撃力だけは抜群のフランス海軍地中海艦隊(!)が参戦します。
 
第1ターン、イタリア軍を挟み込む形で、オーストリア・ハンガリー海軍とトルコ海軍が前進をします。舷側防御力に優れたイタリア軍も、甲板への命中を減らすために突進し、距離を詰めます。最大射程で両軍とも一斉に砲門を開きますが、元の命中率の低さ(28%)が祟り、命中弾は1発ずつに。トルコ海軍Yavuzが放った一撃が命中するものの、戦果なし。一方で、38cm砲搭載のCaraccilo級の砲弾がTegetthofを捉え、これを損傷させます。
 
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第2ターン、オーストリア・ハンガリー海軍の丁字戦法に真っ向から突っ込んだイタリア海軍が、2発の命中弾を出しますが、今度は戦果なし。対して、オーストリア・ハンガリー海軍唯一の36cm砲搭載艦のMonarchが、先頭のCaracciloを補足し、至近距離での猛砲撃でこれを撃沈してしまいます。
 
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第3ターン、怒り心頭のイタリア海軍は転進中の後続戦艦でもって、トルコ海軍を狙い撃ちます。3隻から放たれた砲弾が大落下角で甲板を撃ち抜き、Sultanを撃沈!さらに、MonarchとYavuzを損傷させます。
 
第4ターン、なおも激しい反航戦は続き、オーストリア・ハンガリー海軍のRadetzkyが至近距離での砲撃で撃沈!オーストリア・ハンガリー海軍も猛烈に撃ち返し、命中すれどもイタリア艦隊の厚い舷側装甲に阻まれて、戦果にならず。
 
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第5ターン、優勢に立ったイタリア海軍は、容赦なく同盟国海軍を叩き、Ferdinandと損傷していたYavuzを撃沈!この時点で、沈没艦は協商国軍が1隻に対し、同盟国軍は4隻になります。と、やっと登場したドイツ地中海艦隊が最大射程で発砲し、イタリア海軍第2艦隊の2隻に損傷を与えます。
 
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第6ターン、全軍が登場したドイツ地中海艦隊は、正確無比な砲撃をイタリア海軍第2艦隊に浴びせ、2隻を撃沈し、1隻を損傷させます。一方、イタリア海軍第1艦隊も逃げていくオーストリア・ハンガリー海軍に痛打を浴びせ、殿のZrinyiを撃沈します。
 
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第7ターン、フランス海軍が登場しますが、距離がありすぎて、しばらくは局外におかれます。ならばと、イタリア海軍第1艦隊は、矛先をドイツ地中海艦隊に向けます。相対的に低い命中率とドイツ艦の堅牢さから、損害は難しいと思われましたが・・・Caraccilo級の3隻の砲弾が、最強戦艦Badenと巡洋戦艦Mackensenのヴァイタルパートを撃ち抜き、これを一撃で轟沈してしまいます(そんなばかな!)。ドイツ軍の反撃も低調で、Alighietiを損傷するのがやっと。
 
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第8ターン、連合軍の砲撃は絶好調で、3発の命中弾により、今度はWurttenbergを損傷させます。目標をにっくきイタリア海軍第1艦隊に切り替えたドイツ軍は、恨みの砲撃でConte D Cavour を撃沈!一息ついたオーストリア・ハンガリー海軍も第2艦隊を攻撃し、Cario Duilioを轟沈します。やや、流れを取り戻したものの、沈没艦は協商国軍が5隻に対し、同盟国軍は7隻になります。
 
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第9ターン、最高の命中率を誇るドイツ海軍の砲撃は強力で、砲弾の嵐がイタリア海軍第1艦隊を襲います。結果、Conte D Cavour が撃沈され、Colonnaが損傷します。一方のイタリア軍も決死の反撃で、ギリシア海軍Salamisを撃沈し、沈没数差は変わらず。
 
第10ターン、損害と戦場に漂う硝煙により、両軍の命中率が若干、低下します。連合軍の砲撃は命中弾1発で、戦果なし。同盟軍はそれでも優れた砲戦技術を駆使し、やっと砲撃距離に入ったフランス軍の2隻を損傷させ、中破していたAndrea Doriaを撃沈します。両軍の沈没数は合計で15隻に達し、いつ、海戦が終了してもおかしくない状況に。
 
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第11ターン、傾いた流れは、一気に同盟国海軍に。ドイツ軍の正確な砲撃がColmboを損傷させ、フランス海軍の最新鋭艦Lyonを撃沈してしまいます。フランス海軍も数を恃みに必死に反撃を行いますが、命中率の低さと前方射界の制限により、ほとんど戦果は挙がらず。ついに、沈没数は8隻:8隻のイーブンになります。
 
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小康状態の第12ターンを経て、ゲームは第13ターンに突入します。フランス艦隊を挟み込むように機動した同盟国軍は、容赦ない砲撃を装甲の薄いフランス艦隊に浴びせます。猛烈な砲撃により、損傷していたDantonとCondorcetが沈没し、LilleとNormandieも損傷状態になります。フランス軍も意地の反撃で、Istavanを撃沈するも、そこまで。
 
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と、ここで海戦終了値により、ジ・エンド。沈没艦は、
協商国軍…10隻
同盟国軍…9隻
で、かろうじて同盟国軍の勝利となりました。
 
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今月のソロプレイ第二弾は、続いて第一次世界大戦ジャンルから「モンスの戦い」(CMJ)です。開戦直後の西部戦線で、シュリーフェン計画に従ってベルギーを西進するドイツ軍と、フランス軍と共同すべくモンス周辺に陣取ったイギリス軍との遭遇戦です。2日間の局地戦を描いたもので、このジャンルでは珍しい作戦戦術級です。
 
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といっても、機械化部隊や戦術空軍などはないため、ルールは至って簡単。ドイツ軍は、移動-戦闘を繰り返し、戦闘では砲撃戦と白兵戦があるくらい。イギリス軍は、そのエリート性を表現するため、任意で2行動(移動または戦闘)を選ぶことができます。よって、展開としては、正攻法でにじり寄り、砲撃戦の結果を見て、白兵戦を仕掛けるドイツ軍と、先に戦闘を選んで砲撃で痛打を与えた後、戦線の補強なり、撤退行動をとるイギリス軍と、両軍の違いが、実にスマートに表現されています。
 
勝利条件も絶妙で、一日目はドイツ軍が北部にある運河の全ての橋を確保すれば、勝利。二日目は、イギリス軍の損耗か、バヴェの確保、あるいは撤退の阻止により、2VPを獲得すれば、ドイツ軍が勝利します。初日の橋の確保自体はかなり困難ですが、いくぞと見せかけて、牽制をすることで、イギリス軍に消耗戦を仕掛け、かつ、北に誘引することで、二日目の撤退に圧力をかけます。ただ、イギリス軍には運河という地形効果があり、大量の砲兵がいるために、むやみに攻撃をし続けると、ドイツ軍が大量出血で攻勢を維持できなくなります。
 
事前のお試しプレイでは、緒戦は、ドイツ軍が出血多量で夜を待たずに投了。2回目は、効率的なドイツ軍の攻撃に消耗戦に巻き込まれ、イギリス軍が崩壊して投了。砲撃を待つべきか、それとも、突撃すべきか?粘るべきか、あるいは、撤退すべきか?両軍とも、的確な状況判断と絶妙な用兵バランスを要求されます。
 
第1ターン、敵に接敵ができないドイツ軍は、敵砲兵の射程外を行軍移動で展開します。第9軍団はモンス近郊へ、第3軍団は運河沿いに西へ。唯一の例外は、第18師団の砲兵で、優先的に登場させて、モンス外郭陣地の敵歩兵を砲撃。1ヒットを与えます。
 
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イギリス軍は敵の動きに合わせて、運河沿いの防衛線を引くとともに、モンスに兵力を集結。7射程(!)を持つ長距離砲と市内に陣取った砲兵の共同砲撃で、敵の前衛に1ヒットを与えます。
 
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第2ターン、ドイツ軍は、モンス外郭と運河北方の足止め部隊に対し攻撃を加え、これをともに撃破します。が、モンス市内のスタックへの8火力砲撃は、損害なし。
 
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ほぼ計画通りに防衛線を引いたイギリス軍は、後方に陣取った砲兵で広域にわたる砲撃を実施しますが、(期待値は2.6にも関わらず)わずかに1ヒットのみ。
 
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第3-4ターン、両軍は運河を挟んだ砲撃戦に。それぞれ、最も効率的な砲撃を計算し、撃ち合います。激しい砲弾の応酬で、各ターンに2-3ステップずつの損害が出ますが、致命的な消耗には至らず。
 
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第5ターンには、増援で登場した第4軍団も加わり、コンデ周辺で砲撃戦を仕掛けますが、こちらはほぼ効果なし。
 
唯一、ドイツ軍が積極的に白兵戦を仕掛けたのがモンス近郊で、前半から巧みな浸透移動で戦線を押し広げます。薄く広がった敵に対し、準備砲撃の後、河川越しながら白兵戦を実施。6ターンまでに、#42XX列までイギリス軍を押し込めます。が、ドイツ軍自体も、反対砲撃と防御射撃により、第9軍団のほとんどの歩兵連隊がステップロスしており、そのまま、夜の帳を迎えます。
 
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事態が動いたのは、夜明け前の第8ターンでした。前ターンまで友軍が展開していた最西部の地区を、フランス軍が放棄してしまいます(選択ルール)。結果、無人の野となった西部を第4軍団の一部が浸透し、#1610の騎兵スタックを攻撃。防御射撃を物ともせず、白兵戦に持ち込んだ第8師団の2個連隊がこれを撃滅し、ついに渡河に成功します。
 
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敵の後方浸透の危機に、イギリス軍は西から随時、斜傾陣のごとく、撤退を開始します。
 
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第9ターン、運河を渡河した第4軍団は、歩兵と砲兵を先頭に押し立てて、追撃を開始します。砲撃の後、果敢に白兵戦を仕掛け、騎兵2個大隊と歩兵2個大隊を撃破してしまいます。
 
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敵に接近されたイギリス軍は、予定通り、砲兵による阻止砲撃の後に、南部への後退を行います。が、drに恵まれず、戦果はなし。
 
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第10ターン、時間がなくなってきたドイツ軍は、部隊を遮二無二、前進させると、的確な砲撃を実施します。これがのべで4ヒットの大当たりに。さらに白兵戦に持ち込み、2ユニットを撃破します。
 
中途半端な後退は傷を広げるだけと判断したイギリス軍は、敵の行軍移動を阻止するため、一部の足止め部隊を展開。移動-移動の手番を選び、敵に接敵されないギリギリの後方へ部隊を退却させます。
 
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第11-12ターン、足止め部隊により、効果的な前進が阻止されたドイツ軍は、これを除去。さらに、砲兵を先頭に立てる積極的な行軍で、一部の敵を砲撃で除去しますが、両軍の主力はほぼそのままで、バヴェ-レス・クエノイの最終防衛線に辿り着きます。
 
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第13ターン、接敵ができないドイツ軍は、それでも砲撃により、3ヒットを与え、最終ターンの攻撃に備えます。
 
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一方のイギリス軍も激しい反撃砲撃で、敵の前衛と突出した砲兵に4ヒットを与え、士気を上げます。
 
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 この時点で、イギリス軍の撤退成功はほぼ確実になり、また、バヴェの防衛も手堅い状況です。しかしながら、イギリス軍の損害は34ユニットで、後6ユニットを撃破できれば、ドイツ軍が2VPを手に入れます。まさに、最終決戦に・・・。
 
運命の第14ターン、ドイツ軍は最後の攻勢に出ます。第9軍団で唯一、完全戦力を維持する歩兵連隊を、最大限の砲兵支援(8火力)のもとで、バヴェに突進させます。また、レス・クエノイには、長駆、北端から南端まで駆け抜けた第4軍団主力が、同じく最大限の砲兵支援(8火力)のもとで、攻撃をかけます。同時に戦線中央部にも、消耗しきった第3軍団が最後の気力を振り絞り、攻撃を実施します。
 
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 まず、砲撃により、4ユニットを撃破されたイギリス軍。あと2ユニットで敗北に。が、白兵戦の防御射撃で敵に大きな損害を与えられれば、まだ、可能性はある、はずだったんですが・・・。
 
ここで、ドイツ軍は「Kinder!」を宣言(選択ルール)。急に現れた学童に驚いたイギリス軍は、つい、射撃を控えてしまいます(-1drm)。結果、ほとんどのドイツ軍が無傷で白兵戦に突入し、2ユニットを撃破。さらに戦闘後前進で退路を遮断した上で、歩兵大隊を撃破し、敵の42ユニット相当を壊滅することに成功します。この時点で、ドイツ軍の勝利が確定しました。
 
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いやー、面白かった。簡単至極なルールながら、展開の流動性が高く、幾戦かの演習が必要ですが、しっかりしたデベロップが成されていて、バランスは極めて良好です。結果的に大量損害でイギリス軍が敗北となりましたが、うち、4ユニットは包囲下での損害であり、これを見越して足止めをしていたら、可能性はありました。バヴェの防衛と撤退とも成功しており、どうなっていたか?
 
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 これまで抽象的すぎて評価できなかったロン・ベルですが、このアイテムはしっかりとした佳作です。ちはら会では、いつでも挑戦を受けますよ~。

今年は、ご存じの通り、第一次世界大戦勃発から100周年にあたります。せっかくだからと、ソロプレイをしてみたのが、「第一次世界大戦」(CMJ)です。
 
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CMJ誌72号に掲載された戦略級キャンペーンです。本当は、この号では、バンダイの「第二次世界大戦」のリメイク版がつく予定でしたが、直前になって版権の関係で再版できなかったとか。こりゃ、間に合わせだろうなと思って、実はプレイ意欲が湧かなかったのですが、せっかく100周年だからとやってみたところ・・・こりゃ、面白い!非常にシンプルなルールで、かつ、この戦争らしさを醸し出しつつ、戦略的な自由度が極めて高い秀作です。
 
元のゲームが高梨氏デザインだけあって、戦争資源の概念がシンプルかつスマートに表現されています。敢えて言えば「ドイッチェランド・ウンター・ゲルト」を洗練したシステムですかね。各国は基本的に生産都市の数だけ、動員ポイントをもらえるのですが、これを2つ使えば1個軍を消耗状態で動員でき、もう1ポイントで作戦状態に昇格できます。戦闘実施と補給切れによってユニットは消耗するので、動員が先か補充が先か、決して潤沢とは言えない動員ポイントの使い道に悩むことになります。
 
かつ、戦線は、西部/東部戦線はもちろん、バルカン半島やイタリア戦線などもあり、どの方面にどのくらいの兵力を送るのか、敵の侵攻にどう対応するか、まさに戦略眼が問われるアイテムです。事前に何度か試行をした後で、今回のソロAARとなりました。
 
第1ターン、「八月の砲声」よろしくドイツ軍は西部戦線で主攻勢に出ます。シュリーフェン計画の特別ルールもないので、史実と違い、中央部及び南部を中心に奇襲を行います(このターンは、戦闘で-2drm)。南部と中央部の4:1攻撃が見事に決まり、2個軍を撃破。また、ヴェルダン要塞も一撃で陥落させます。これにより、補給を立たれたフランス軍3個師団が降伏し、このターンだけでなんと6軍が崩壊します。
 
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対照的に粘りを見せたのが、ベルギー軍。2:1攻撃でDDとなるも、見事に死守を成功させ(1/6の確率)、北部への進行を押しとどめます。
 
一方、東部では遅滞戦術を行いながら、しばらくは防御態勢をとります。西部戦線での進行が止まった時点で、こちらに転換する予定です(が、結果は、思わぬ方向に)。
 
あまりの消耗に驚いた連合軍は、西部戦線北部で早くも塹壕を掘りながら、部隊の増員に努めます。東部戦線では、徹底持久を目標に、無駄な攻撃を避け、部隊の補充に専念します。
 
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第2ターン、同盟国軍は、塹壕構築が間に合わない西部戦線南部に兵力を集中し、最南端のユニットを撃破し、隣接する通常状態の軍を包囲します(翌協商国軍ターンに消耗)。さらに目障りなベルギー軍を今度は圧倒し、ブリュセルを攻略します。
 
東部戦線では、ワルシャワ近郊に限って包囲を狙った限定反撃を行いましたが、ロシア軍がDで撤退したため、成果なく、攻勢を中止します。
 
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まだ、反撃の余力を持てない連合軍は、BEFの増援を得てなんとか戦線を構築することに成功します。東部戦線は、全く挑発に乗らず、補充で戦線を厚くすることに取り組みます。
 
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第3ターン、西部戦線で主導権を握り続けている同盟国軍は、ここで禁断の兵器を投入。ガス!同時に南部では巧みな機動(ZOC to ZOCの直接移動)で敵を包囲し、見事にこれを討ち取ります。この結果、戦線に修復不可能な大穴が・・・。
 
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まともな連続戦線が引けない協商国軍は、パリに塹壕を掘り、BEFをフランス南部に展開して(!)かろうじて防御態勢を取ります。
 
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第4ターン、同盟軍はなおも攻撃の手をゆるめず、西方の1ユニットを撃破し、ついにパリに隣接するヘクスに辿り着きます。
 
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協商国軍は、フランス軍でパリ近郊にスタックを作って守りを固めるとともに、もはや、BEFが主力となって戦線を構築します。
 
第5ターン、さすがにパリ強襲は難しいため、同盟国軍は突撃兵の登場を待つことに。代わりに、秘かに南下させていたドイツ軍とオーストラリア=ハンガリー軍を持って、今大戦の発火点となったバルカン半島に侵攻します。ブルガリア軍も参戦し、四方を囲まれたセルビア軍は決死の防衛戦を展開しますが、多勢に無勢でベオグラードが陥落します。
 
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一息ついた協商国軍は、ユニットの動員と補充を行い、前線の戦力を強化します。
 
第6ターン、英仏が主戦線に拘束されているうちにと、同盟国軍はバルカン作戦を継続し、中立国のモンテネグロを制圧します。同時に、西部戦線でも少しでも優位な状況を作るべく、南仏で4:1攻撃をかけますが、BEFが死守に成功し、こちらは失敗。
 
敵が消耗したところを叩けと、今度はBEFが航空機を投入した逆襲を行い、ドイツ軍の2個軍団を撃破します。押されっぱなしだった協商国軍に、凱歌が上がります。
 
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第7ターン、このターンからドイツ軍は突撃兵の投入が可能になります。西部戦線かと思いきや、狙っていたのは、参戦直前のルーマニア!セルビアを席巻したドイツ軍は、前ターンにブルガリアに移動し、このチャンスを狙っていました。敵が動けないことをいいことに、首都ブカレスト攻略に突撃兵を投入。始めて遭遇する浸透戦術に、ルーマニア軍はパニックを起こし、まともな抵抗もできずに降伏。これにより、バルカン半島方面の協商国軍はわずかにギリシアを残すのみに。
 
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一方の協商国軍もこのターンから秘密兵器タンクの生産が可能になります。次ターン以降の反撃に備え、英仏とも戦車を動員するとともに、イギリス軍は航空機も整備します。
 
第8ターン、アメリカ軍が来る前に決定的な戦果を上げたい同盟国軍は、東部戦線では突撃兵を使って、ロシア軍を圧倒します。そして、西部戦線では、突撃兵3個軍を持って、本命のパリ強襲を実施します。なけなしの航空支援まで注ぎ込んだ3:1攻撃は、見事にDD!が、後がないフランス軍も死に物狂いの抵抗を見せ、1個軍が陣地を死守し、パリを救います。
 
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攻勢限界点を迎えたドイツ軍に対し、戦車と航空機を押し立てた英仏軍が南方から反攻を開始します。熟練のイギリス軍の攻撃はドイツ軍を圧倒し、歩兵軍を殲滅。戦闘後前進により風前の灯火となった消耗した2個突撃兵を戦車が蹂躙しましたが、ここでは1個軍が脅威の防御戦闘を展開し、全滅の危機を救います。
 
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第9ターン、兵力的には押され始めたドイツ軍ですが、乾坤一擲の反撃を計画します。南部2箇所で突撃兵を先頭に押し立てて、鋭い攻撃を見舞います。これが成功していれば、2個軍を撃破し、さらに3個軍が包囲されるはずでしたが・・・友軍の危機にフランス軍と消耗しきったはずのイギリス軍が、根性で死守に成功!一歩も引かず。ああ、なんて壮絶な死闘!
 
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なお、一向に革命の起こる気配のない東部戦線では、ドイツ軍とオーストラリア=ハンガリー軍が生産都市のオデッサを強襲しますが、まさかのAで攻撃失敗となります。
 
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ここに来て、アメリカ軍主力も到着した協商国軍は、西部戦線で大反攻に出ます。攻勢に失敗した敵を、ZOC to ZOCの直接移動で包囲した上で、さらに西方から戦車を先頭に4:1攻撃を実施。凄まじい衝撃力をまともに受け、1個軍が壊滅。もう1個軍はかろうじて耐えたものの、戦闘後前進により、突撃兵3個を含む、4個軍が被包囲に!(次ターンに3個軍が補給切れにより消滅)
 
第10ターン、西部戦線南部に大穴が空いた同盟国軍は、各戦線から兵力をかき集め、突撃兵に昇格した軍でかろうじて戦線を引きます。
 
これに対し、英仏米の三カ国軍は、戦車と航空機を合わせた諸兵科連合で正面から圧倒。突撃兵はかろうじて耐えたものの、2個軍を撃破し、遂にベルギー解放を成し遂げます。
 
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が、遅まきながら、東方で一大事が発生します。ロシア革命!東部戦線方面軍が第二次オデッサ攻撃に成功したため、革命値が上昇。都市の民生転用を図り、可能な限りの修整をしていましたが、1/3の確率で革命が勃発。押されたとはいえ、なお、4つの生産都市を持つロシアが脱落してしまいます。これにより、ついに同盟国軍が、VPで協商国軍を上回る事態に。
 
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後がない協商国軍は、第11ターン、西部戦線・イタリア戦線・バルカン方面で反攻に出ます。オーストラリア=ハンガリー軍が守るトレントは、イタリア軍の大量投入で陥落。が、主戦線の西部戦線では、3箇所の高比率攻撃を、突撃兵が耐え続け、戦線を維持します。戦車まで投入したモンテネグロ奪回戦も、オーストラリア=ハンガリー軍が奇跡的に死守に成功します。
 
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迎えた最終第12ターン、もはや逆転は困難ですが、一縷の望みをかけて、協商国軍は最後の攻撃に移ります。一か八か、ミュンヘンへの1:2攻撃は、当然のごとく、失敗し、2個イタリア軍が昇天。かわりに、モンテネグロ戦では、戦車の投入が効き、ついにこれを奪還。
 
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が、西部戦線の主攻では、戦車・航空機の投入にもかかわらず、悪鬼のごとく立ちはだかる突撃兵を粉砕できず、戦果なし。4年3ヶ月の及んだ人類初の世界大戦は、かろうじて同盟国の勝利で幕を下ろしました。
 
同盟国:20VP 
ドイツ、オーストラリア=ハンガリー、ルクセンブルク、ロシア(オデッサ)、セルビア、ブルガリア、ギリシア、ルーマニア、トルコ
協商国:18点
イギリス、フランス、アメリカ、イタリア、ベルギー、モンテネグロ
 
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いやー、両軍の強襲と死守の連発という凄まじい戦役でした。めまぐるしく変わる展開でしたが、西部戦線でドイツ軍の攻勢が成功したため、英仏軍がバルカンやイタリア方面に兵力展開できなかったのが響きました。とはいえ、同盟軍も西部戦線に資源を回したため、ロシア軍に終盤までまともな圧力をかけられず、あやうくロマノフ王朝が存続するところでした。冷静になって考えれば、最終ターンにルクセンブルクを攻略していれば、同点だったわけで、バランスも全くの互角といっていいでしょう。
 
最近はプレイの話を聞きませんが、「Guns of August 」(AH))ほどハードでもないし、「WWⅠ」(SPI)よりはるかに具現的と、もっと評価されてもいい名作です。もし、対戦希望がありましたら、ちはら会へどうぞ。ああ、できれば、100周年のうちに・・・(笑い)。

この日、対戦予約があったのが「1914:栄光の終焉」(GJ)です。こんなマイナーアイテムに対戦希望があるとは!!(失礼!)ちはら会初参加の提督さんに感謝です。イメージは作戦を練る提督さんと観戦武官のエンジョウさん。
 
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陣営は、提督さんが希望で連合軍を、mitsuがドイツ軍を担当します。まず、セットアップですが、連合軍は中部に2枚スタックの分厚い戦線を引いています。ひょっとしたら、中央部へのプラン17か?と、警戒して、こちらも6-7-4を含む、それなりの戦力を配置します。で、主力は当然、北でベルギーに3個軍団+砲兵を配置します。
 
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第1ターン、フランス軍はほとんど動かず。北部では、守備隊がリエージュを放棄し、ブリュッセル後方に集まる撤退を行います。随分、思い切って下がったものです。ドイツ軍ターンに、重砲を投入して、リエージュを陥落させます。
 
第2-3ターン、ベルギー軍はブリュッセルも放棄し、ひたすら西へ。ほとんど損害なく、兵力を維持しています。ドイツ軍も強行軍を連発し、逃げる敵を追います。快速の騎兵がベルギー軍の側面に回り込み、追いつきます。一方、戦力のまばらな中央部では、歩兵が浸透し、ミューズ河を越えます。
 
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第4ターン、北部ではベルギー軍とBEFの間隙を縫って、騎兵と歩兵が突進し、効果的な戦線を張らせません。中央部では浸透が効果を発揮し、するりと抜けた1個軍団が一時的にRethelを占領します。
 
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第5ターン、中央を突破した1個軍団は、敵の包囲攻撃を喰らって、壊滅しますが、これにより多くの敵を引きつけることに成功します。結果、薄くなった北部で、ドイツ軍がアラスを占領。さらにベルギー軍をオストランド周辺に圧迫します。
 
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第6ターン、BEFを迂回したドイツ軍は、パリ防衛線に近づきます。また、湿地に逃げたベルギー軍は全面包囲を受け、退路を断たれます。
 
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第7ターン、2個軍団がパリ防衛線突入を果たし、限定的VP獲得の条件を整えます。戦線後方では、モジューブ要塞が陥落し、5VPを献上。包囲下にあったベルギー軍も損耗の果てに、猛攻を喰らい、壊滅します。
 
第8ターン、ここでBEFが果敢に反撃に出ます。ドイツ軍の先頭部隊を騎兵で包囲すると、満を持して8-10-4師団が行軍攻撃を実施。2:1ながら、見事にRを出して、精鋭の1個軍団を壊滅させます。ドイツ軍は、パリに2個スタックが隣接するものの、後方の予備隊が駆けつけるまでは、一時的に兵力不足に泣かされます。
 
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第9ターン、突出したドイツ軍を補給切れにすべく、連合軍は中央部へ戦線を伸ばします。壊滅の危機に陥った前衛に対し、ドイツ軍は撤退命令を発令。同時にモジューブを墜とした1個軍が急ぎ、後方から駆けつけ、連合軍と激しい機動戦を繰り広げます。
 
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第10ターン、先の成功に意を強くした連合軍は、再び、BEF精鋭による反撃を実施しましたが・・・さすがにdrに恵まれず、敵を包囲するのに留まります。と、逆にドイツ軍の増援が合流し、BEFが今度は逆包囲の危機に・・・。
 
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第11ターン、一刻も早く脱出しなければと、焦る前線に届いた命令は、なんと停止!(ここでOOC!) 狂ったか、フレンチ!?これにより、BEFの重包囲が決定的となり、戦意を失った連合軍の投了となりました。
 
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マイナーさ故に、ほとんど注目されなかった「1914」ですが、十分に面白い!激しい機動戦と塹壕戦への移行がうまく表現されていて、隠れた名作と言ってもいいかも。ルールに一部、不備があるのが、玉に瑕ですが、事前に確認できれば、ほぼ問題はありません。なにより、シュリーフェンプランをまともに描いている点が評価できます。
 
今のところ、ドイツ軍の強烈な右フックに翻弄されていますが、連合軍もしっかり作戦研究をすれば、十分に戦えるはずです。また、再戦したいものです。

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