歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

Yahoo!ブログ終了に伴い、引っ越しました。

カテゴリ: 日本史 幕末・維新

最近、京都に行く機会があり、街中に溢れる幕末維新の記念碑に触発されまして。はじめに来場したTommyさんと「江戸幕府の黄昏」(GJ)を対戦しました。陣営はTommyさんの希望で倒幕側を、mitsuが佐幕側を担当します。

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第1ターン、まずは影響ポイント合戦で、西の雄藩の奪い合いになります。倒幕側に比較的高いAPのカードが来ていたことにより、薩摩・長州藩が倒幕支配に、土佐藩が佐幕支配になります。

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第2ターン、佐幕側に「井伊大老の就任」が来たので早速、プレイした直後、なんと「桜田門外の変」!流れは、倒幕派に傾きます。それでも気を取り直して、長州藩の支配を逆転し、熊本藩と宇和島藩を佐幕支配にします。

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第3ターンは、両陣営が激しい攻防を繰り広げ、西日本の政治攻勢は混沌とします。倒幕派が「土佐勤王党」を活性化し土佐藩の支配を奪い、長州藩には松下村塾が立ち上がります。佐幕派も負けじと、薩摩藩に「寺田屋騒動」を仕掛け、一時的にここを政治的な空白地帯にします。

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第4ターン、倒幕派が九州北部を固める一方で、佐幕派は家茂の登場で紀伊藩を奪い、同時に水戸藩・福井藩の支配を確立します。

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第5-6ターンも、九州と中国、南海道の主導権争いが続きます。両陣営ともイベントも駆使して、一歩も引かない展開に。ただ、佐幕側が得点カードをうまく切ったことで、VPは佐幕に流れます。また、第6ターンに開国となり、カードが増えたことで、イベントが強力化します。

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第7ターン、お互いに敵のイベントが多く来て、四苦八苦しながら政治的攻勢を続けます。倒幕派が中国と北九州の多くの藩を影響下におき、長州藩を包囲します。一方、佐幕側はこれまで取られっぱなしだった京都の主導権を、連続したイベントで奪還します。このターンも佐幕側の得点カード遣いがうまくいき、VPは14点に達します。

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最終第8ターン、後がなくなった倒幕側は決死の反撃をかけます。まずは影響下の藩で包囲した長州藩に内紛をかけまくり、ついにこの支配を奪い返します。同様に小倉藩を高杉晋作が攻め、無力化します。

これに対し、VPでリードしている佐幕派は無理な再奪還はせず、周辺藩の切り崩しによる得点の妨害を行います。その結果、中国こそ、6VPを渡したものの、その他はほぼ同数となり、最後に京都の5VPを獲得したことで、そのまま、ゲームエンドになりました。

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最終VPは17点と圧勝に見えますが、九州の得点カードが入っていて、かつ、横浜を取られていたら、10点以上が違っていたわけで、かなりの接戦となった可能性がありました。どちらかというと、苦しい展開をVP獲得のテクニックで凌いだ感じです。

続いて同梱されている「御陵衛士始末記」(WGJ)を4人でプレイします。このゲームは、その名の通り、御陵衛士に入り込んだ内偵-斎藤一を見つけ出し、かつ、新撰組に対する攻撃情報を守るというものです。プレイヤーは、先の斎藤一と御陵衛士代表の伊藤甲子太郎、その他ランダムに選ばれた2名です。

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全員が目を閉じた状態でスタートし、伊藤甲子太郎が司会役となって、御陵衛士の隊士名を読んでいきます。該当するプレイヤーだけは目を開け、3アクションを行い、他のプレイヤーの正体を見たり、漏れていない情報を確かめたりすることができます。これを後の討議に生かします。そして、最後に斎藤一が、1名の隊士のカードを使われていない人物カードと入れ替えることができます。

全員がプレイを終えると、伊藤甲子太郎が進行して、誰が斎藤一と思うか、討議します。容疑が固まったら、剣豪の能力を持つプレイヤーが身分を明かし、斎藤を斬ります(剣豪がないキャラでも、チット1枚を消費すれば、斎藤を斬ることができます)。この時、斎藤一によって人物カードが入れ替えられていた場合は、「裏切り者」としてこのプレイヤー自身が粛正されてしまいます。

その後、斎藤一の生死にかかわらず、伊藤甲子太郎が進行して、持ち出そうとしていた機密を討議します。この時、本物の斎藤一が生き残っていれば、「〇〇を見た」と偽の情報を流すことができます。情報が特定できたら、伊藤甲子太郎が機密を表にして、あたっていたかどうかを確かめます。

「斎藤を粛正する」と「機密を守る」の両方が達成できれば御陵衛士の勝利で、両方が達成できなければ新撰組の勝利、それ以外は引き分けです。

全プレイヤーがルールを理解していないとプレイにならないので、とりあえず、ソロ演習(?)をしてみたmitsuが伊藤甲子太郎役で指示を出しながら、プレイをしました。この時、山田さんが斎藤一で、こまいふさんは篠原泰之進、str会長が藤堂兵助でした。

全員のプレイが終わったところで、山田さんを斎藤一に指定しますが、誰も「濡れ衣」を恐れて斬りに行かず、取り逃します。ならば、機密保持でと再び討議し、局長暗殺と隊士暗殺、離反工作までは絞り込みますが、決定打がなく。とりあえず、離反工作を指定しますが、実際は局長暗殺で特定に失敗。新撰組の勝利となりました。

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この後、3戦をしましたが、慣れてきた4戦目に、やっと斎藤一が捕捉され、引き分けに。

う~ん、人狼系のゲームに慣れている人なら当たり前かもしれませんが、時系列で整理されたルールに馴染んだウォーゲーマーだと、例示もなく、けっこう、苦労しました。本物の斎藤一が絞られたら、誰が斬りに行けるの?とか、複数の隊士で斬りに行っていい?のとか。

勘違いもあったので、時系列で確認してみると・・・

Q1:斎藤一が入れ替えができるのは、本体ルールにある「その他の隊士と予備の隊士」なのか?あるいは、粛正のルールにある「斎藤一と他の隊士」なのか?

粛正のルールでは、斎藤一と他の隊士を交換できるかのように書かれていますが、こうすると誰が斎藤か証明できなくなります。よって、本体ルールにある「その他の隊士と予備の隊士」の交換がよいかと。

Q2:暗殺のためには、身分を明かすことが必要か?

これは明記されていませんが、システム上、必要でしょう。

Q2:伊東甲子太郎自身も、チットを消費すれば、粛正能力を持つのか?その場合、チットの消費は1枚でいいのか?(並みの隊士が粛正能力を発揮するには、身分を明かすためと能力獲得のために、2枚が必要)

これにすると、ほぼ斎藤を取り逃すことはなくなります。おそらく、二人以上が斎藤を指定し、それを正体が確定している伊東が斬ればよいので(チットはルール通りなら、能力獲得のための1枚でいいと思います)。それを防ぐために、斎藤が斬りかかってきたら、後は剣豪を持つ人物がいて、かつ、隊士の入れ替えがなされていないことを祈るだけです。

Q3:伊東甲子太郎が斎藤に斬られても、罰則はないのか?

罰則はなく、死亡した伊東が機密の討議に加われなくなるだけかと。

このあたりの確認ができれば正しい「御陵衛士始末記」になりそうです。

ただ、本当に困ったことが一つ・・・このゲームでは展開が見えないので(写真が撮れないので!)まともなAARが書けないんです!どうりで、他のAARがないはずだぁ~やっぱり、世界で唯一のブログ記事かしら?!(笑い)

今回も仕事の合間を縫って、圏央道の高速走行で茨城会に行ってきました。気がつけば、この一年間で6度目の参加となり、準会員も近い?!

会場入りすると、Sinyamagさんとにしさんが、積み木の戦術級アイテム「COMBAT INFANTRY」(Colombia Games)を開始しており。こちらは、Dデイとその後の2シナリオまで進んでいたようです。

かみさんと水戸爺さんは、ファーストガンダムの戦略級「一年戦争」(TDF)をプレイしていて。みなさん、ガンダム世代とあって、「グラブロが」とか、「ついにビグザムだ」とか、「クランプって誰?」とか、プレイそのものよりガンダムトークの方が盛り上がっていました(笑い)。

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自分は、str会長とこまいふさんと予定していた「壬生狼顛末記」(WGJ)を対戦しました。インスト開始後に、山田さんが来場したので、推奨の4人プレイとなります。

このゲームは、いわゆるユーロ系の組織マネージメントゲームです。各人は幕末京都の新撰組や見回り組などの武装警察チームとなり、配下の隊士を使って、警邏や改め、各種調達等の任務をこなし、兵糧・資金・人材・情報を手に入れます。これにターンごとに、相撲興行や武器調達など新規任務が加わり、組織力の強化を図ります。

ある程度、運営に目途が立つと、隊士を内偵や不定浪士捕縛などに向け、VPを手に入れます。また、イベントで池田屋事件や禁門の変が起こるので、武器を購入したり、隊士を訓練したりして、戦闘力を高めて解決を目指します。最後は、2/3の確率で戊辰戦争が起こり、高戦闘力が必要だけれども飛び抜けてVPの高い戦績を獲得するチャンスとなります。

各任務は1チームだけでは達成に手間がかかるので、お互いの動きを見ながら、協力して任務達成を図ることが効率的です。隊士の数が多い順に、それが同じならば先に隊士を投入した2チームまでが、任務のボーナスを受け取れるので、丁々発止の駆け引きが起こります。手堅い任務で資源を増やし不定浪士捕縛でVPを積み重ねる手や、一発逆転を狙って武器調達に走り戦役にかけるなど、複数の勝ち手があります。各人の個性と戦略、流れを読む洞察力、そして最後は運が物を言う手頃なアイテムです。

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第一戦は、基本ルールのみでプレイします。陣営は、青(mitsu)・紫(山田)・橙(こまいふ)・赤(str会長)です。

序盤、各陣営は警邏や資金調達、物資調達などで、資源の確保を進めます。青(mitsu)と赤(str会長)は警邏で地道に評判を上げ、少しずつ資源を蓄えていきます。紫(山田)は名声の低下などどこ吹く風で、改めや物資の略奪で資源を稼ぐと、不逞浪士捕縛にかけてVPを狙います。橙(こまいふ)は、隊士の訓練にいそしみ、来たるべく戦闘に備えます。

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それぞれが戦略に基づき、組織を拡大していった中盤を過ぎ、第5ターンに大きく事態が動きます。いきなり、戊辰戦争が勃発!こうなると、なりふり構わず、各陣営はVPを取り行きます。紫(山田)は戦争が起こっても規定通り、不逞浪士捕縛に血道を上げ、橙(こまいふ)は、捕縛と箱館攻防戦に隊士を投入します。赤(str会長)は、この期に及んでなぜか相撲興行!(笑い)

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青(mitsu)はここまでに貯めた資金を使って大砲を購入すると、箱館攻防戦にかけます。結果、見事に5VPの戦績を得て、橙(こまいふ)と赤(str会長)を鼻の差で抑えて、12点で勝利しました。

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第二戦は、選択ルールの支援者カードを取り入れます。伊藤甲子太郎や近藤勇、佐々木只三郎など、史実の佐幕側キャラを2枚ずつ受け取り、各種資源を増やしたり、VP計算の特典を得たりします。

ここでも各陣営は、ほぼ同じ戦略で望みます。紫(山田)は隊士を投入して物資を強奪し、橙(こまいふ)は金が全てとばかりに資金集めに走ります。青(mitsu)はちゃっかり二番手効果で、警邏・物資調達に絡み、主力は内偵で情報集めに。赤(str会長)は警邏と資金調達で運営資産を増やします。

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第2ターン、池田屋事件で紫(山田)が動きます。たれ込みの情報を持って、御用改めをかけ、浪士一人の捕縛に成功します。情報の大きさに気がついた青(mitsu)は任務改めで大量の情報をゲット。赤(str会長)は相変わらずの警邏に、訓練で練度を上げます。橙(こまいふ)は米がなければ隊士を雇えぬと、物資調達へ。

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中盤になると、橙(こまいふ)と青(mitsu)が捕縛に走り、その他は相変わらずの警邏と物資・資金調達に奔走します。

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迎えた第5ターン、再び、戊辰戦争!橙(こまいふ)はここが最後と、副長土方が隊士を粛正して(局中法度!)名声を上げ、武器調達でVPを稼ぎます。

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他は一発逆転を狙って、会津攻防戦と箱館戦争にはせ参じます。紫(山田)は鍛え上げた剣士を投入するも、箱館で勝てず。二兎を追う青(mitsu)は、新式銃を投入した会津攻防戦では名をあげたものの、箱館では敗北。結果、3部隊を投入した赤(str会長)が5VPを獲得し、僅差で橙(こまいふ)と青(mitsu)を押さえて勝利しました。青(mitsu)は、21点を獲得したものの、名声の失墜(-10VP!)が祟って、連勝を逃しました。

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第三戦は、各人がかなり練られてきて、高得点の争いになります。序盤、相変わらず、警邏に走る赤(str会長)と青(mitsu)に対し、紫(山田)は珍しく地道な内偵に。代わりに橙(こまいふ)が、がつんがつん、テロリストを検挙するという、ちょっとキャラ変のプレイに。こりゃ、支援者の能力が絡んでいるに違いない?!

で、またも事態が動いたのは、第3ターンの池田屋事件でした。紫(山田)が本領発揮で3隊士を投入し、見事に2人を捕縛し、トップに立ちます。青(mitsu)は資金集めに、橙(こまいふ)と赤(str会長)は後々のための資源調達を進めます。

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第4ターン、きっと大きな戦があるはずと、橙(こまいふ)と青(mitsu)は武器の購入を行います。と、ここで赤(str会長)が乾坤一擲の禁門の変!わずか2戦力ながら、プチ戦績をあげることに成功します。

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いつもなら戊辰戦争が起こる終盤ですが・・・なんと、護衛と幕臣取り立てで、明治維新は起こらず!こりゃ、地道なVP勝負になると睨んだ各陣営は、護衛と取り立てで名声を上げ、秘密裏の支援者能力での積み重ねを狙います。最後にVP計算をした結果、3人が20点越えのハイスコア争いに。結果、3人の浪士を捕縛した紫(山田)が抜けだし、初勝利となりました。

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先にも書いたとおり、このゲームは複数の戦略が有り、流れを読みながら取り組む楽しさがあります。二戦目から取り入れた支援者が、各陣営のキャラ立ちを高めるので、これも良しです。プレイも1時間程度と非常にお手頃。今度は、ちはら会に持ち込みます。

最後のイメージは、3人が持ち込んだ「壬生狼ジェット・ストリーム・アタック」?!どんなアイテムでも複数買いのこまいふさんは「言ってくれれば、あと二つ、持ってきたのに」だって!(笑い)

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この日、予約していた対戦がこまいふさんとの「戊辰戦争」(同人GJ)です。以前、ソロプレイ記事でも書いたとおり、ありとあらゆる要素を詰め込んだ、このジャンルのラスボスアイテムで、先月に引き続き、対戦ができまして。今回は、こまいふさんの希望で幕奥軍を、mitsuが薩長軍を担当します。

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まず、お楽しみ(?)の生き残りチェックですが、薩長軍は西郷吉之助と坂本竜馬が死亡したものの人斬り系の前線指揮官が多く生き残ります。が、これが仇になり、政府の組織は優秀な官僚が少なく、行動ポイントの獲得と軍の移動に苦労をすることに。逆に、幕奥軍は、近藤・土方・沖田の新撰組系が全滅するなど、官僚が多く、前線指揮官が不足気味になります。

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次にセットアップですが、dr配置の幕府緒隊は、ノスタルジックに引かれたか、多くが日光に集結します。その他の会津兵は、周辺の峠におきます。

関東諸藩の動向としては、河越藩と高崎藩が幕奥軍になり、それ以外は薩長軍と順当なバランスになります。こまいふさんとしては、地元の土浦藩には味方になってもらいたかったようで、祈りながらdrしていましたが(笑い)、時流を読んだ藩の重鎮の結論は、薩長軍支持でした。

これにより、日本海の海上活動が可能になったので、薩長軍は4隻の艦船と長州の主力部隊を高田藩に配置します。

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第1ターン、まず、行動ポイントの獲得で、幕奥軍は優秀な9ポイントを獲得し、薩長軍は7ポイントを獲得します。当然、この値では全く足りないので、大量の薩長札を刷ったところ、これが諸外国の反感をかって、外交でぼろ負けになります。

続いて、上旬の進軍ですが、まず、薩長軍が江戸ゲリラの討伐を試みます。最高の野戦指揮官の大村益次郎をこのために江戸に配置していましたが、なんと、6で失敗!さらに彰義隊の跋扈を許し、弾薬ポイントを削られるなど、苦しい展開になります。

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それでも、薩長軍は貴重な行動ポイントを駆使して、出雲崎に海上輸送を行い、戦闘行軍で新潟へ。ここにはわずかに米沢藩兵1ユニットしかおらず、河川越しの不利上等で急襲し、新潟港を押さえます。これにより幕奥軍の弾薬購入ポイントが3に上昇します。

下旬となり、薩長軍は再度、江戸ゲリラの討伐を試み、今度は完全に排除に成功します。また、江戸を火の海にした仇(?)とばかりに、岩槻に陣取る新撰組別働隊と彰義隊に包囲攻撃を加え、これを殲滅します。

一方の幕奥軍は、仙台にいた海軍を出撃させます。ちょうど、日本海から回航した薩長海軍と遭遇戦が発生します。砲の口径では幕奥海軍の方が圧倒的に有利でしたが、なぜか砲撃はあたらず。逆に薩長海軍が砲弾を浴びせまくり、幕奥海軍旗艦の開陽を大破させます。これに焦った幕奥海軍が撤退したことで、はじめての海戦は薩長海軍の勝利となります。

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第2ターン、いよいよ、大村益次郎を討伐軍司令官に配置換えしようとした矢先、イベント「派閥争い」で左遷されてしまいます。代わりに来たのは、人斬り岡田以蔵(!)。行政能力は皆無ですが、太刀一つで江戸を巡回すると、誰も不穏な動きをしなくなったとか。

進撃では、薩長軍は関西から兵力を前線に移動させる一方、薩摩隊主力を持って、要衝宇都宮を奪還します。
幕奥軍も前線に部隊を廻して、これに対抗する一方、海軍をもって再び、制海権奪取を目論みます。ここに第二次海戦が発生しましたが、あいかわらず、幕奥海軍の命中率が低く、薩長軍有利に進みます。そのまま、薩長軍が押し切り、2番艦の沈没と引き替えに(修理中の開陽を除く)敵艦隊の撃破に成功します。

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第3ターン、こうなると薩長海軍による輸送が確実になり、別働隊が平潟に上陸します。同時に、迂回部隊が棚倉藩を落とし、じりじりと東北諸藩を攻略していきます。また、イベント「密使」で久保田藩も寝返り、会津城の士気値が低下します。

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第4ターン、勢いに乗る薩長軍は、電撃的に郡山に進軍すると、そのまま、勢至堂峠を急襲し、奪取します。同時に世良修蔵率いる別働隊が三春藩を下し、幕奥軍の峠の修整を無効にします。

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下旬になっても勢いは止まらず、薩長軍は孤立した棚倉・黒羽両部隊を殲滅し、二本松藩を攻略します。一方で新潟に増援が到着したため、田中新兵衛率いる北陸討伐隊は、新発田を経由して、北から会津に迫ります。

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第5ターン、会津に危機迫ると慌てた幕奥軍は、前線から部隊を引き抜くと、会津盆地へ集結を始めます。薩長軍は、その間に日光を強襲して敵の反撃拠点をつぶし、会津を取り巻く峠に兵力を集中します。

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下旬、残った行動ポイントを全てつぎ込んで、久保田・仙台・会津に攻撃をかけます。久保田は兵力が物を言って陥落し、久保田藩が薩長軍に寝返ります。が、仙台は頑強な抵抗を見せ、一時的に薩長軍が退却となります。

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そして、愁眉の会津決戦は、両軍の激しい砲銃撃戦となります。幕奥軍にしては珍しく射撃能力のある部隊が多く、西洋化された薩長軍と互角に撃ち合います。が、残念ながら幕奥軍の指揮官が少なかったことから回復が遅れ、ついに会津城に敗走します。

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鶴ヶ城に包囲された会津軍でしたが、まだ、外部に友軍がいることから降伏とはならず(確率は66%ながら、drが1)。次ターンに続きます。

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第6ターンの上旬、鶴ヶ城の危機に、長岡にいた河井継之助らが会津盆地に突入してきます。同時に城からも主力が飛び出し、薩長軍と第二次会津決戦に雪崩れ込みます。指揮官も部隊数も薩長軍の方が多かったのですが、明暗を分けたのがガトリング砲でした。ここまで貯めに貯めた弾薬を惜しげもなく使い、河井継之助の指揮の下、次々に敵部隊を敗走させていきます。薩長軍も砲撃を繰り返して抵抗しますが、あまりの損害の多さに、やむなく撤退を選択します。

下旬、再び、陣営を整えた薩長軍が会津に侵攻し、第三次会津決戦が起こります。城側は再び、ガトリング砲を持ち出そうとしますが・・・ここで「豪雨」!会津盆地を巡る戦いは、酸鼻な白兵戦に突入します。両軍とも雨中での切り込みをかけ、損害が急増します。指揮官が少ない幕奥軍は、回復で不利でしたが、奇跡のdrを連発し、一歩も譲らず。が、最後は薩長軍の物量が物を言い、ついに会津隊が潰走します。

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同時に、薩長軍は豊富な補給物資を使って、一度は撃退された仙台藩と北の要衝盛岡藩に強襲をかけ、これを占領します。

この時点で、会津藩は完全に孤立し、城内の士気はついに1まで低下。drは鶴ヶ城の士気値を越え、松平容保が領民の命の保証と引き替えに、降伏しました。時は10月末、降雪の直前のギリギリの勝利でした。

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二月にわたり、濃密な戊申戦争を対戦でき、感無量です。せっかくなので、この波に乗って、幕末維新アイテムを続けてみたいものです。次は全国キャンペーンの「幕末維新始末」(GJ)あたりでしょうか。

とりあえず、時間待ちの間に軽く一戦を、ということで、BIBIさんと「江戸幕府の黄昏」(GJ) をプレイしました。BIBさんが佐幕側で、mitsuが倒幕側です。

第1ターン、定石通り、影響合戦になります。倒幕側が薩摩をはじめとする九州にてこ入れをしますが、佐幕側はやたらと得点カードが来て、やや出遅れます。

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第2ターン、九州、四国、中国を固める倒幕側に対し、佐幕側は「薩会同盟」で揺さぶりますが、「参与会議」で切り替えされ、じりじりと倒幕側のVPが上昇します。

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第3ターン、まずいと踏んだ佐幕側は、必死のてこ入れで長州の支配を一時的に奪取します。が、その隙を縫うように「生麦事件」や「生野義挙」が起こって、倒幕側のVPの上昇が止まらず。

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第4ターン、佐幕派に再び回ってきた得点カードが、九州に(終了時に判明)。このままではまずいと、佐幕派は福岡藩を押さえ、熊本藩に圧力をかけますが、倒幕側も対抗して政変や内紛を仕掛け、九州の部分支配を堅持します。結局、最終カードで得点計算をせざるを得ず、ちょうど20VPに届いた倒幕側がサドンデス勝利になりました。

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続いて第二戦は、ヒストリー待ちのエンジョウさんを誘って、プレイします。陣営は、エンジョウさんが佐幕側で、mitsuが倒幕側です。

第1ターン、いつものように影響力合戦で、土佐と長州を倒幕側が押さえますが、薩摩はマッチレースになりイーブンのまま。そのとなりの熊本藩を佐幕派が押さえ、ほぼイーブンの滑り出しです。

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第2ターン、激しい影響力合戦は続き、薩摩の主導権はかろうじて倒幕派が握ったものの、土佐の支配を切り崩され、奥州は佐幕派の牙城になります。このマッチレースは、京都や長崎にも及び、つかず離れずの戦いに。佐幕派は絶妙なタイミングで得点カードを切って凌ごうとしますが、倒幕派がイベントでVPを稼いで、10VPを獲得します。

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第3ターン、このターンから開国になり、時代は一気に動きます。高い効果のカードが相次ぎ、九州は倒幕派が優勢、四国、中国も雄藩は倒幕派が押さえます。反面、京都や中部、奥羽は佐幕派が固め、VPは全く動かず。

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第4ターン、佐幕派は藩論が転びやすい長州に政変を仕掛け、この支配を奪います。九州と四国はさらに倒幕派が優勢になり、京都も倒幕派が盛り返します。

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第5ターン、争いは開港した横浜にも及び、ジョン万次郎の活躍などもあって、貿易は佐幕派が有利に。が、得点の高い九州と四国は倒幕派のものに。

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第6ターン、長州の支配は佐幕派のままですが、それを囲む中国や九州の諸藩が軒並み、倒幕派になり、厳重な包囲陣を引かれます。さらに長崎でも倒幕派が追いつき、横浜では初めて逆転します。VPも若干ながら、倒幕派に上昇します。

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と、ここで、時間切れ。あと、2ターンほど残っていましたが、西国の状況がかなり佐幕派には厳しく、倒幕派のビッグイベントがこれから続きそうということで、倒幕派の判定勝ちとなりました。

このところ、幕末維新のマイブームなので、もし、ご希望の方がいたら、お声かけください。

超変則台風の直撃する中、7月の茨城会に行ってきました。幸い、暴風雨は例会中だったので、助かりましたが、こんな日でも7人が集まるあたりは、さすがまもなく100回を迎える地元例会です。

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会場では、回復なったsinyamagさんやいつものにしさんたちが、宇宙植民をテーマにしたSFマルチの「ガイア・プロジェクト」(Feuerland Spiele)を広げており。

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午後からは、str会長と水戸爺さんが、戦国時代アイテムの最新CDS「秀吉怒濤の天下統一」(GJ)や「歴史群像」の付録となった話題の「モスクワ攻防戦」(学研)を対戦していました。

中でも「バルジ大作戦」第二版(CMJ)-デラックス盤は、ユニットもマップも1.2倍の大きさで、アラフィフゲーマーにはうれしいコンポで。sinyamagさんとにしさんがなんと初プレイとのことで、要請に応じて、作戦指南をさせていただきました。

自分は、この日にオファーのあった「戊辰戦争」(同人GJ)を、かみさんと対戦しました。速攻で片の付いた練習プレイの後で、この維新アイテムのラスボスをがっつりプレイしました。陣営は、かみさんの希望で幕奥軍を、mitsuが薩長軍を担当します。

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まず、生き残りチェックですが、幕奥軍、薩長軍とも確率以上に人材が生き残ります。が、薩長軍にとって痛かったのは、西郷吉之助と高杉晋作があっけなく死亡しまして。さらに、生き残りが多すぎると、優秀な人材を引く確率が減少して、逆に政権及び軍の運営に支障を来す場合があります。

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今回、薩長軍は、大久保・井上・桂が政権を支えたのはよかったのですが、かわりに軍事面が手薄に。進行軍総帥に中岡慎太郎、海軍参謀になんと伊藤俊介(博文)、江戸守護職に至っては有馬新七(!)と、戦略値が全て3以下という、「超平凡」軍に。

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一方の幕奥軍も似たり寄ったりで、軍事面こそ、戦略値4の大鳥圭介が総裁ですが、会津防衛軍に沖田総司(!)や外国奉行にジョン万次郎、公議府長に川路を当てざるを得ないなど、まるでクーデターの後のような「前線指揮官」政権になります。

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次に初期配置ですが、ランダムセットアップの幕府緒隊が、やたらと日光と白河に集結します。対する薩長軍は、高田藩が幕奥軍のため、北陸への電撃侵攻は困難と判断し、松本に薩摩兵スタックを配置します。残りの高火力の薩摩兵等は、宇都宮と江戸におきます。なお、オプションの河井継之助の長岡配置を取り入れています。

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第1ターン、北陸の強襲上陸がなくなった薩長軍は、後手を選びます。と、幕奥軍は榎本艦隊を出撃させ、太平洋上に陣取ります。これが健全な限り、上陸は無理と判断した薩長軍も、艦隊を出撃させ、いきなり、宮古海戦が勃発します。

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当初は、主砲口径に勝る幕奥軍がリードしますが、中盤以降は、なぜか、砲撃があたらない!逆に、薩長軍は数を生かして砲弾を撃ちまくり、開陽を沈没寸前まで追い込みます。これ以上は危険と判断した榎本艦隊が退却したことで、宮古海戦は薩長軍の戦術的勝利となります。

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これで慎重になったか、幕奥軍は陸上でも兵力の前線集結に専念します。ならばと、薩長軍は関東の佐幕藩を包囲攻撃して、次々に陥落させます。

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下旬に突如、河井継之助が長岡を離れて、会津に。これは幕奥政権の内務局長に就任するためでしたが、この隙にと、北陸東征軍の谷隊が長岡を強襲し、これを陥落させます。

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第2ターン、イベントで密使が来たので、時山直八を久保田藩に送ったところ、見事、説得に成功し、久保田藩が薩長に寝返ります。

前線では、両軍のにらみ合いが続いているため、薩長軍は海軍輸送と陸上の戦略移動で、続々と後方から兵力を前線に送ります。

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第3ターン、前線部隊が強化された薩長軍は、後方上陸と連動して、包囲攻撃を企画しますが、こんな時に限って、イベント「波浪」。海上に残っていると1/2の確率で、船舶が1d6ヒット(!)の打撃を受けるという、恐ろしいもので、史実の榎本艦隊の受難を彷彿とさせます。せっかく日本海で上陸の機会を狙っていた薩長海軍は、やむなく高田港に入港して、嵐が過ぎるのを待ちます。

優秀な前線指揮官が来ないため、やむを得ず、放置していた江戸ゲリラの討伐に一か八か、乗り出します。ここまで官軍の補給や弾薬を奪って、気勢を上げ続けているゲリラの跋扈は許しがたいということで、有馬新七に兵を預けると、上野寛永寺を強襲します。撃破が1/2、殲滅は1/3という低確率でしたが、見事、にっくき彰義隊の殲滅に成功します。

これに勢いを得た薩長軍は、通常攻勢に乗り出します。北陸で近藤勇率いる幕府軍を、数の威力で敗走させると、そのまま、新潟を包囲して、これを奪取します。

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幕奥軍は、河井が内務局に入って、多少は財政状況は改善したものの、決して潤沢ではない補給ポイントを消費して、弾薬を買い込んで、後の戦闘に備えます。

第4ターン、なおも薩長軍は攻勢を緩めず、新潟を占領した谷隊を東進させ、会津-米沢街道の遮断を目指します。幕奥軍は峠で粘りますが、薩長軍の数と火力の前に敗走します。

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四方からじりじりと迫る薩長軍に対し、幕奥軍は少数精鋭による反撃を実施します。日光街道を攻め上る久坂隊に、抜刀した近藤隊が襲いかかりましたが・・・薩長軍の鉄砲隊の前に、次々に射すくめられ、後退を余儀なくされます。

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「雪が降る前に、会津盆地へ」第5ターン、勢いに乗る薩長軍は、薩長札の発行で潤沢な補給ポイントを得ると、豊富な兵力と機動力を生かして、会津に迫ります。

前線に復帰し、平潟に上陸をしていた中岡慎太郎が一気に街道を抜けて、郡山に。これに呼応して、宇都宮の薩長軍が攻め上がり、白河を奪取し、黒羽にいた幕府緒隊を殲滅します。

一方、会津-米沢街道では、伊藤俊輔率いる別働隊が米沢藩を強襲し、これを陥落させます。

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第6ターン、秋の気配がすっかり濃くなった10月、薩長軍は会津包囲網を締め上げます。長岡からの隘路を除く全ての峠を強襲し、4カ所からの突入を可能にします。幕奥軍も無駄な反撃をせず、ほとんどの部隊を会津盆地に集結させたため、補給上から薩長軍は十分な部隊を行動させられず、このターンの突入を諦めます。

かわりに、米沢藩を下した伊藤隊を持って仙台を強襲し、陥落させます。これにより、もはや幕奥軍の友藩は、会津藩と盛岡藩だけになります。

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第7ターン、このターンから降雪チェックが入りますが、かろうじて降雪を免れます。決めるのはこのターンしかないと判断した薩長軍は、満を持して、四街道から会津盆地に突入します。迎え撃つは、会津兵・幕府緒隊・新撰組等の幕奥軍の総力です。

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第1ラウンドの戦闘は、神風が吹いたため、幕奥軍有利に展開します。が、第2ラウンドは風が止まり、通常の戦闘に。両軍とも激しい砲撃と銃撃を繰り返し、一進一退の激闘になります。

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中盤に薩長軍が、佐賀藩のアームストロング砲を含む全砲兵を投入すると、風向きが変わり始めます。確率的には命中値1/3ですが、先制できる強みを生かして、敵の射撃部隊を叩き続け、幕奥軍の敗走が増加します。

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ここで、幕奥軍が指揮官の敗走チェックに失敗することが多くなり、沖田総司、山岡鉄舟、星旬太郎、佐川官兵衛など名だたる指揮官が次々に戦死します。こうなると、混乱部隊の回復が遅れ、さらに敗走を増やすという悪循環に。

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10ラウンドを超えるあたりから、幕奥軍の健全な部隊が不足となり、最後は砲兵まで矢面に立つことに。結局、13ラウンドの激闘の末、幕奥軍は鶴ヶ城に敗走します。

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城を十重二十重に包囲した薩長軍は、なおも砲撃を加え続けます。もはや、盛岡藩以外の友軍はなく、負傷者で溢れる城兵の士気は低下。最後は、藩主松平容保が場外に出て恭順の意を示し、降伏となりました。

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薩長軍・幕奥軍ともに、練度を求められるアイテムのため、慣れた方が有利ですが、幕末に関するギミックが満載なので、勝敗を越えて楽しめます。次回のちはら会にも持ち込みますので、ご希望の方がいたら、ぜひ。

それでは、「戊辰戦争」(同人GJ)のソロリプレイをお届けします。

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ただし、そのままではコンポーネント上、不便な部分があったので、ちはら会謹製の追加マーカーに、イベント一覧、戦術戦闘シートを作成しました。さらに、次号に掲載されたエラッタも全て反映しています。

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まず、有名キャラの生き残りチェックですが、以下のようになりました。

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安政の大獄…井伊大老の弾圧で、吉田松陰が刑死、川路聖譚が切腹。
桜田門外の変…井伊大老が死亡し、彦根藩が薩長軍に。
寺田屋事件…篠原国幹が上意討ちも、西郷吉之助、有馬新七、大山巌が生き残り。
天誅事件…桂小五郎と安政の大獄を生き延びた梅田雲浜が挙兵失敗で死亡、岡田以蔵は国元で処刑。
開明派への天誅…佐久間象山がテロに、横井小楠と橋本左内は天誅2へ。
池田屋事件…天誅事件で京に潜伏していた武市半平太が、池田屋で新撰組に斬殺される。
禁門の変…長州に舞い戻っていた久坂玄瑞が京に進軍し、戦死。
天狗党の乱…武田耕雲斎が加賀で斬首。
長州クーデター…高杉晋作のみ、抗争により憤死 宮部、井上、真木、吉村、吉田稔麿が生き残り。
薩長同盟の時局…人斬り半次郎、田中新兵衛が京で斬殺される。
新撰組の内紛…伊東甲子太郎が油小路に倒れる。
大政奉還の時局…横井小楠と中岡慎太郎斬殺(陸援隊解散)、橋本左内と坂本竜馬が生き残り。
鳥羽伏見の戦い…沖田総司のみ戦死、土方、近藤、佐々木、佐川が生き残り。
にせ官軍…相良総三処刑、赤報隊解散。
蟄居閉門…永井尚志が憤死、岩瀬忠震は蟄居を解かれる。
佐賀藩の動静…時勢を鑑みて、2ユニットを派遣。
関東及び北陸の中立藩…佐倉、高崎、黒羽藩が幕奥軍に、それ以外の6藩は薩長軍に。

全般的に史実に沿った生き残り(または憤死)ですが、幕奥軍は近藤勇等の現場指揮官が多く生き残り、薩長軍は橋本左内等の実務派がやや多めです。

続いて、各陣営の人材編成ですが、以下のようになります。( )内は使用できる数値です(最大が5、会津防衛軍と江戸守護職は8)。

[幕奥軍]
 総参事…小栗上野介忠順(5)
 外国奉行…福地桜痴(5)
 公議府長…勝海舟(5)
 同盟軍総裁…大鳥圭介(4)
 海軍奉行…松平太郎(3)
 会津防衛軍…佐川官兵衛(6)
 長岡藩指揮官…河井継之助(オプションルール)
 現場指揮官…土方歳三、近藤勇、星旬太郎

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[薩長軍]
 京都総裁…大久保利通(5)
 外務局…吉田稔麿(3)
 内務局…橋本左内(4)
 進行軍総裁…西郷隆盛(5)
 海軍参謀…世良修蔵(3)
 江戸守護職…大村益次郎(8)
 現場指揮官…大山巌、谷千城、真木和泉

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幕奥軍は、海軍奉行を除けば、ほぼ満点に近い登用です。薩長軍は、大久保、西郷、大村がいるものの、幕奥軍に比べると、若干、見劣りがします。今後の人材登用で誰が来るかがポイントになりそうです。なお、長岡藩指揮官には、オプションルールで河井継之助(幕奥軍最強!)を配置しています。

続いて、セットアップですが、幕奥軍が規定の配置をした後、幕府緒隊がランダム配置となります。今回は、白河と新潟に2ユニット、日光・水戸・仙台に各1ユニットとなります。会津軍は、北陸方面に2ユニットを配置し、残り3ユニットは勢至堂峠に配置します。

対する薩長軍は、高田藩が官軍に付いたため、ここに強襲上陸部隊4ユニットと海軍を配置します。海援隊を土浦に増援として配置します。これ以外は全て江戸にスタックさせ、彰義隊討伐と敵軍の侵攻に備えます。いよいよ、ゲーム開始です。

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第1ターンのイベントで、いきなり、薩長軍に「密使」が来ます。その使者として選ばれたのが、伊藤俊介(後の博文)です。最北の久保田藩に向かった伊藤は、藩主を説き伏せ、官軍への寝返りを成功させます(会津城の包囲値-1)。

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補給ポイントの段では、官軍は薩長札を増刷し、最高の15ポイントを獲得します。が、これにより、インフレが発生し、薩長札と維新政府への外国の信頼が低下します。当然、外交の段にも影響し、幕奥政府が1ポイントを上昇させます。

進軍の段に移り、5月上旬に先に動いたのは、薩長軍です。まず、大村益次郎を持って、上野の彰義隊討伐を実行し、史実通り、一日でこれを壊滅させます。敗軍の天野八郎は、親幕奥軍の佐倉藩に逃げます。

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続いて、京都から随時、兵力を関東及び北陸に移送を行います。同時に、高田に集結した長州鉄砲隊スタックは船舶に乗り込むと、出雲崎に上陸し、戦闘移動で新潟へ攻撃をかけます。戦闘は河越え-1と不利でしたが、谷千城に率いられた精度の高い射撃と長州千城隊の突撃により、これを電撃占領します。

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幕奥軍フェイズでは、黒羽の土方隊が関東で主導権を取るべく攻勢に出て、宇都宮を占領します。同時に水戸の幕奥軍が速攻で土浦を占領します。さらに、下旬には逃げる敵を追って、古河まで前進します。

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最後の作戦行動となった下旬の薩長軍フェイズに、江戸を立った大山隊が土浦に逆襲をかけ、天野隊を一蹴し、ここを奪還します。

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進軍の段が終了し、人事・弾・修理の段に入ります。彰義隊討伐を終えた大村は江戸守護職を世良修蔵に譲り、前線に向かいます。

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第2ターン、まず、イベントですが、今度は幕奥軍に有利となります。drの結果は「天誅」。選ばれたのは、まだ、未登場だった坂本竜馬でした。

外交フェイズでは、福地の交渉が五代友厚の訴えを上回り、幕奥軍の外交ポイントは4に上昇します。

進軍の段に移り、6月上旬で薩長軍が先手を取ります。まず、関東で後顧の憂いを断つべく、佐倉藩を包囲攻撃し、これを殲滅します。同時に、大村率いる江戸逗留軍が艦船に乗って北上し、浪江に上陸後、中村藩に攻撃をかけます。一撃でこれを奪取したものの、横柄な官軍への不信感から、中村藩は投了せずに幕奥軍で抵抗を続けます。また、北陸では京都方面から増援を繰り出し、新潟を固めます。

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幕奥軍は、天野率いる幕府・会津連合部隊を河越えに突入させ、江戸の街を指呼の間に望みます。同時に、敵中に孤立した忍藩と館林藩を、近藤・土方の新撰組コンビで攻め、ともに全滅させます。

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6月下旬、この危機に薩長軍は、大山隊で河越に逆襲をかけます。薩摩・長州の砲兵・鉄砲隊を動員した諸兵科連合攻撃により、刀剣を得意とする天野勢を圧倒し、これを潰走させます。また、北関東に上陸した大村隊は、三春藩を攻めて下し、官軍への恭順を誓わせます。

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背後の補給路遮断に脅威を感じた幕奥軍は、このターンの江戸突入は不可能とみて、部隊を後退させ、古河-水戸の防衛線を引きます。余剰となった戦力を北部に転用し、大村隊を巧みな機動で包囲します。

このターンの人事では、幕奥軍に榎本武揚が、薩長軍にそれより劣りますが井上聞多が、登場します。

第3ターン、連続してイベントが起こりますが、今度はなんと幕奥海軍旗艦の開陽が座礁!しかも引き続く暴風雨のせいで、離脱もままならず、仙台沖で沈没していまいます。これにより、幕奥軍の海軍力は、薩長軍の半分となり、相当のハンディとなります。

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その反動か、外交では相変わらず、幕奥政権の方が諸外国の信頼も厚く、外交ポイントは5となります。また、新政府軍は懲りずに薩長札を刷ったのはいいのですが、やはり、「にせ札」の疑惑は大きく、ついにボーナスは±0になってしまいます。

7月上旬、その分は、軍事行動で取り替えさんとばかりに、薩長軍が「にせ札」で手に入れた潤沢な補給を使って、各所で攻撃に出ます。関東の要衝-宇都宮に陣取る優秀な幕府軍(土方直率)に大山隊が正面攻撃を実施します。

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砲撃と銃撃、白兵戦が入り乱れた戦闘は一進一退が続きましたが、後半、土方の指揮が乱れ(回復で1-3が出せず)、ついにここを明け渡します。

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北関東の大村隊は再度、補給線をつなげるべく、海岸線への後退を行います。

また、北陸では十分な戦力の集積ができた谷隊が、万全の態勢で新発田藩を強襲します。河川越しの攻撃でしたが、銃撃が冴え渡り、これを下します。形勢不利とみた新発田藩は途中で官軍への恭順を申し出て、寝返ります。

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7月下旬、勢いに乗る官軍は、関東で逃げ遅れた高崎藩や会津藩砲兵を包囲攻撃し、これを殲滅します。さらに、北陸では村松に別働隊を派遣して側面を固めると、津川に追撃をかけ、星隊を後退させます。

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怒り心頭の幕奥軍ですが、戦線の拡大による配置換えに補給ポイントを消費して、大規模反撃までは至らず。代わりに、大村隊が後退した後の三春藩(寝返り)を攻め、これを全滅させて溜飲を下げます。

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このターンに長引く戦闘で弾薬を消費した幕奥軍は、人事・弾・修理の段で残ったポイントを消費して、弾薬の購入を行います(新潟を押さえられているので、弾薬1に付き、補給2ポイント)。

人事では、幕奥軍に古屋作左衛門が、薩長軍に伊地知正治の前線指揮官が登場します。

第4ターン、災難続きの幕奥軍に吉報が届きます。これまで内戦の結果を見守ってきた諸外国は幕奥政権に理があるとみて、新式銃と装甲艦ストーンウォールの売却を行います。これにより、ラム攻撃ができる新型艦を手に入れた幕奥海軍に、反撃の余地が生まれます。

8月上旬、関東方面に敵が多くの部隊を転用したことにより、膠着気味となった薩長軍は、北陸での攻勢に比重を移します。戦えば連勝の谷隊が会津-米沢街道に向かって突進をかけ、峠で守る星隊を圧迫します。同時に沼田を発した伊藤小隊がするすると北上し、長岡-会津街道を一時的に遮断してしまいます。

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これに対し、幕奥軍は河井継之助を派遣し、街道を奪還します。当時に白兵戦主体となると踏んだ北部街道には、近藤勇を派遣し、封鎖を目論みます。

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そして、狙うならここしかないと、新編成なったばかりの幕奥海軍を使って、仙台に集結していた額兵隊・新撰組らを輸送すると、川崎に上陸。古屋及びジョン万次郎による乾坤一擲の江戸攻撃を仕掛けます。白兵戦に巻き込めれば勝機はあったのですが・・・江戸守護職の井上聞多の指揮の下、河越えの敵に対し、薩長軍の正確な砲撃と射撃が降り注ぎ、幕奥軍は大混乱を起こします。さらに「錦の御旗」が立てられ、逆襲に転じた薩長軍の前にあえなく敗退します。

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8月下旬、江戸攻撃の脅威が去ったと見た薩長軍は、周辺を緒部隊で封鎖すると、戦略的反撃に出ます。水戸に集結していた世良隊を海軍で輸送すると、石巻に逆上陸をかけます。そのまま、手薄になった仙台藩に攻撃をかけ、これを陥落させてしまいます。

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北関東では転戦なった大村隊が、土方率いる幕府軍に強襲をかけます。大村益二郎対土方歳三という両雄の直接対決は、射撃力に勝る大村隊の勝利に。

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また、北陸では河井の転戦で手薄になった長岡城に、谷・真木の連合軍が急襲をかけ、一撃でこれを奪取します。

幕奥軍は、急ぎ、戦線を縮小すると、峠を中心に防衛線を引き直します。また、残りの支配下の港が宮古だけとなったため、盛岡藩から泣く泣く1部隊をここに派遣します(全ての港を失うと、弾薬の補充ができなくなる)。

そして、最後の段で、節約した補給ポイントを使って、弾薬2の購入を行います。

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第5ターン、イベントで薩長軍に新式銃が来たので、3火力の部隊に装備させます。

続く、外交フェイズでは、6まで来ていた幕奥政権の外交レベルを押しとどめるべく、切り札の西郷吉之助を投入しましたが、drが優れず、ついに振りきりの7まで行きます。この時点で、諸外国は幕奥政権を正式に認めます。

ならば、武力で崩壊させるのみと決意した薩長軍は、各地で猛攻を加えます。9月下旬、釜石に上陸した伊地知隊が宮古の盛岡藩兵を強襲し、ここを奪取します。これにより、全ての港湾を失った幕奥軍は、弾薬補充の道を一時的に絶たれます。

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関東では、両雄決戦に勝利した大村隊が、要衝白河に強襲をかけ、これを奪取します。

幕奥軍は海軍による陸上砲撃と盛岡藩兵の反撃で、宮古奪還を狙います。と、ここで、太平洋上で捕捉を試みていた薩長海軍と、初の海戦が起こります。後に宮古沖海戦と名付けられたこの戦いでは、幕奥海軍の底力が発揮されます。

第1ラウンドに、ラムを持つ軍艦甲鉄が、薩長軍の旗艦春日にアボルダージュを仕掛け、これを乗っ取ってしまいます!

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こうなると艦船数は4:3と逆転し、薩長軍にとってかなり不利に。数ラウンドの殴り合いの結果、薩長軍の2番艦朝陽が撃沈されます。

さらに三番艦も損傷を受け、このまま、全滅かと思われましたが、ここで薩長海軍の奇跡のdrが炸裂し、なんと軍艦甲鉄を撃沈してしまいます。

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このままでは陸上砲撃の目的を達成できないと判断した幕奥海軍は、いったん、戦列を離れ、宮古にいる伊地知隊を砲撃します。結果は見事に命中となり、伊地知隊は敗走し、宮古は再び幕奥軍に。

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下旬に再び、イニシアチブを取った薩長軍は、攻勢を再開します。北陸で谷隊が、峠に陣取る近藤隊に攻撃を仕掛けます。これを待ち伏せした近藤隊が先手を取りましたが・・・ああ、攻撃drがほとんどスカ。これで混戦になった戦闘は、10ラウンド以上に及ぶ大乱戦となり、結果は谷隊の勝利となります。

また、土方隊が陣取る勢至堂峠が堅いと判断した大村隊は、郡山にいた天野隊を急襲し、これを敗走させます。

さらにやっと回復した宮古に対し、伊地知隊が再攻撃をかけ、再奪還に成功します。

第5ターンが終わった時点で、幕奥軍はほぼ会津盆地を囲む峠に押し込まれ、かつ、自港がないために弾薬の補充ができない状況です。

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いよいよ、降雪の可能性が見え始めた10月(第6ターン)、ここでイベント「派閥争い」が発生します。倒幕路線の対立から、進行軍総帥の西郷が下野します。ここで後継者に剣豪などを引いてきたら目も当てられなかったのですが、やってきたのは板垣退助で、事なきを得ます(戦略値が5から一つだけ落ちて4に)。

もはや、最終局面に入り始めた会津攻防戦では、回復ができない天野隊を薩長軍先鋒隊が追撃し、二本松を抜きます。また、領地に立て籠もる棚倉藩兵を包囲攻撃し、これを殲滅します。北陸ではついに米沢-会津街道に到達した谷隊が近藤・星隊を押しまくり、ついに会津盆地直前に迫ります。

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そして、関東では川崎に籠もっていた幕奥軍上陸部隊に対し、三方から包囲攻撃をかけ、これを全滅させます。

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幕奥軍はこれに対し、反撃を試みます。まず、宮古への転戦で兵力が減少した仙台の敵陣地に、庄内藩兵と新撰組を核とした4ユニットが攻撃をかけ、これを奪還します。

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同時に米沢-会津街道の峠を取り戻すべく、星・河井隊が反撃をかけますが、猛将谷千城指揮下の長州兵の抵抗に遭い、これは失敗します。あろうことか、この撤退戦の中、最優秀指揮官の河井継之助が戦死してしまいます。

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やむを得ず、持久戦に入るべく、各峠に足止め部隊と指揮官を残すと、主力は会津盆地に撤収します。

磐梯山にうっすらと雪雲がかかり始めた10月下旬、薩長軍は米沢街道から会津盆地への攻撃を開始します。先頭に立つのは、これまで7戦で6勝を挙げている勇将谷千城。

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さすがに最終決戦であり、幕奥軍にしては珍しく、ガトリング砲装備の長岡藩兵や砲兵、幕府衝鉾隊など豊富な火力部隊で、これを迎え撃ちます(薩長軍を上回る火力)。

しかし、薩長軍がタイミングを見て投入したのは・・・戦術イベント「豪雨」でした!

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これにより、両軍の火力は無効となり、雨中の白兵戦に突入します。数で勝る薩長軍を、銃を投げ捨てた桑名雷神隊、幕府御料兵などが迎撃し、一時は薩長軍を敗走寸前まで追い詰めます。が、谷及び吉田稔麿の必死の督戦により、士気を盛り返した諸藩兵が、土壇場で踏みとどまります。この乱戦の中、幕奥軍の指揮官-星旬太郎が戦死し、会津城に撤退します。

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十重二十重に城を包囲した薩長軍は、昼夜を問わず、砲撃を実施し、ついに会津城が陥落します。藩主松平容保は城を出て謹慎し、ここに会津藩が降伏。鳥羽伏見から続いた奥羽北陸戦争は、薩長軍の勝利で幕を下ろしました。

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はじめに書いたとおり、かなり、複雑な(トリッキーな)アイテムですが、それだからこそ、味わえる非常に楽しいリプレイでした。当然、時間もかかりますが、適度にランダム要素が入るため、リプレイアビリティも高く、久々にハードなウォーゲームを堪能した感があります。特別ルールが多く、サマリーを作る手間はありましたが、十分に報われたかと思います。

絶版の同人アイテム故、厳しいでしょうが、このテーマの決定版と言ってもよい「戊辰戦争」が、一人でも多くのゲーマーによってプレイされ、再評価されることを期待しています。

久々の今月のソロプレイは、「戊辰戦争」(同人GJ)です。まだ、ゲームジャーナルが同人誌の時代(平成10年)に発表された、会津・北陸戦争の戦略級アイテムになります。コンポーネントは、雑誌掲載の制限から、ハーフマップに、ユニット数180のミニゲーム風です。が、その中味は、デザイナー自ら「盛り込める物はどんどん盛り込むべし」と語っているとおり、新旧の幕末維新アイテムでも屈指のハードゲームになっています。

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1ターンは1ヶ月を表し、彰義隊討伐の起こった1868年5月からスタートし、最長は翌年2月までの10ターンです。勝利条件は、薩長軍は会津城を占領すれば勝利で、幕奥軍は江戸または京都を攻略すれば勝利です。ゲームの流れは、戦略級らしく、以下の通りです。

1.イベント(天命)
2.活動ポイント(資金)の生産
3.外交
4.再編成(再登場)
5.進軍(上旬・下旬)
6.会津城攻撃
7.人事・弾薬購入・艦船修理

このうち、移動-戦闘にあたる進軍は、上旬-下旬の2回が有り、行動が細分化されています。

①先攻・後攻の決定
②非正規隊の配置(新撰組別働隊・彰義隊・からす組・江戸ゲリラ)
③人材の前線配置
④江戸ゲリラの討伐または跋扈
⑤先攻側進軍(移動・戦闘)
⑥後攻側進軍(移動・戦闘)

⑤と⑥の進軍(移動・戦闘)は、さらに6つのセグメントからなります。

❶戦略移動・海軍移動
❷敵海軍の迎撃
❸自軍海軍の任務実行
❹戦闘移動
❺戦闘
❻戦後処理

この時点で、どれだけ複雑なシステムか、わかるでしょう。これに詳細極まる各種修整や特別ルールが加わるため、1ターンあたり、前半は1時間程度がかかります。かつ、まともにプレイできるようになるには、数回の演習(習熟)が必要です。慣れないうちは、新政府軍があっという間にサドンデス負けを喰らいます。ある意味、「ツクダ以上にツクダ」ゲームかも?!

ここまでだと、ただの面倒なアイテム(地雷アイテム)かと思われがちですが、このアイテムの凄いところは、きちんとゲームとして成り立っているところです。ゲーム開始前のキャラの生き残りチェックからはじまり、19種類に及ぶイベント、非正規隊や幕奥軍の藩ごとの特別ルール、戦術戦闘ルールなど、多数の要素を入れながら、習熟すれば、ほぼ史実で起こりえた会津決戦になりえます(!)。古い同人ゲームですが、デザイナーとテストプレイヤーが十分にテストした(遊び尽くした)様が、窺えます。

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特に、安政の大獄から禁門の変、薩長同盟の時局や鳥羽伏見戦争、関東への進軍などを「体験」できる(?)生き残りチェックは、幕末ファンには堪らないでしょう。西郷や小栗の戦略能力、竜馬や榎本の交渉力、大久保や勝の内政力、大村や土方の作戦能力、人斬り達の刀傷の戦術能力など、各キャラ立ちもGood!

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また、最も盛り上がる戦闘では、砲撃に始まり、射撃、白兵戦(切り込み)までの流れで、戦術的要素を十分に楽しむことができます。地形により参加できるユニット数を制限したり、マイナス修整を付けたりと、闇雲に攻めるだけでは作戦的な効果は上がらないようになっています。一方で夜襲や待ち伏せ、神風などの各種イベントの効果も大きく、適度なランダム性もあります。

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さらに、海軍ルール(輸送・迎撃・陸上砲撃)も手を抜かず(抜けず?)、詳細でして。強襲上陸や海上補給を使いこなすことが求められます。

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「よい子のみんなは真似しないでね~」という開き直りぶりに、かえって、爽快ささえ感じます(微笑み)。同テーマでは、究極のアイテムであり、まさに幕末維新ジャンルのラスボスと言えるでしょう。

ゲームの展開としては、以下のようになります。

<新政府軍の戦略>

新政府軍の勝利条件は、会津城の攻略です。よって、当然ながら、会津盆地への進入が必要になります。主力は史実通り、北関東と北越からの突入を狙います。

関東方面では、第1ターンは敵兵力も分散しているので、北関東の諸藩の動静によっては、思い切って宇都宮の攻略を視野に入れます。ただし、江戸を占領されるとサドンデス負けとなるので、江戸には十分な兵力を残す必要があります。その後は、京都からの増援を待って、史実通り、関東の佐幕藩を制圧してから、白河-会津突入を目指します。この時、彰義隊や新撰組別働隊の動きを牽制するため、一定の占領兵力をおく必要があります。

北陸方面では、幕奥軍の弾薬及び補給基地である新潟の攻略を行います。幕奥軍は長岡藩兵を使って新潟の奪還を狙うでしょうから、やはり史実通り、ここでの激戦となります。最終的に新潟と長岡を攻略できれば、西側からの会津盆地への進入を狙います。

会津盆地に進入できたら、続いて、会津城攻防戦になります。会津城は、それなりの部隊が籠もっていると、戦闘修整と相まって、まず、強襲では落ちません(薩長軍は白兵戦しかできず、かつ、幕奥軍は全て剣戦闘力+1)。よって、包囲による陥落を目指します。そのためには、薩長軍の砲兵を集める一方で、士気修正に影響する東北諸藩の攻略が必要になります。

東北諸藩は全域に広がっているため、効率よく攻略していくためには、海軍の輸送(あるいは強襲上陸)が欠かせません。大阪または江戸から海路を使って、一気にまとまった兵力を上陸させ、会津城包囲修整のある諸藩を狙います。当然、これを防ぐべく、幕奥軍海軍も出動するでしょうから、激しい海上戦闘が起こりえます。
 
以上をまとめると・・・
*主力は関東と北越に侵攻し、周囲の敵藩を攻略した後、あわよくば、会津盆地への早期突入を図る。
*会津城包囲を見越して、海路を使用した別働隊を東北諸藩に派遣し、随時、攻略をしていく。
*可能ならば、降雪前に、数を生かして会津盆地へ突入し、包囲態勢を作り上げる。

<幕奥軍の戦略>

幕奥軍は、この反対に会津盆地への進入をいかに遅らせられるか(あるいは、防げるか)にかかっています。11月以降は降雪の可能性があるので(全ての峠が薩長軍の補給線を遮断する)、遅滞戦術を駆使して、時間を稼ぐことが重要です。

そのため、北関東では宇都宮-白河が、北越では長岡が防御拠点(及び反撃の出撃拠点)になります。このゲームでは通常の攻撃では壊滅することはありませんが、退路がないと全滅するので、攻防ともに迂回と間接アプローチをうまく使うことが求められます。万一、防御拠点が落ちた場合は、会津を取り囲む峠での防御に切り替えます(おお、幻の関ヶ原の会津決戦か!)。

それでも、普通にプレイすれば、いずれは薩長軍に会津盆地に突入されます。が、ここで諦めるなかれ。周囲の部隊をかき集め、城の籠城部隊と共同すれば、薩長軍を叩き出すことも可能です。

一方でサドンデスを狙った突進により、江戸または京都を乾坤一擲で攻略する試みも有効です。失敗した場合、突入した部隊はほぼ壊滅しますが、時間稼ぎと以後の牽制になります。

この時、電撃侵攻の鍵になるのが、海軍です。3隻の艦船に兵員を乗せ、一気に江戸または京都近郊に迫れます。 特に江戸は幕奥軍の策源地(東北)に近く、陸上からの突進と連携すれば、攻略も夢ではありません(河越えから陸上部隊が、海からの上陸部隊が同時攻撃すると、地形修整はなし!)。
 
以上をまとめると・・・
*北関東と北越の防御拠点を中心に、迂回と間接アプローチで遅滞戦術を実施する。これが突破されたら、会津周辺防御に切り替える。
*チャンスがあれば、海軍と連動した京または江戸の攻略を仕掛ける。

長くなったので、リプレイは「その2」で・・・・。

例会も終盤になったところで、「勝手にデザイナーに挑戦!」第二弾として「江戸幕府の黄昏」(GJ) をプレイしました。陣営は、佐幕派(近藤)対倒幕派(mitsu)です。

序盤、京都、九州での支配を進める倒幕派(mitsu)に対し、佐幕派(近藤)は南海道と中部、開港場の支配で対抗します。

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中盤、井伊直弼の就任等で、佐幕派が薩摩藩を切り崩し、九州の支配も奪います。この反動の波に、一時、長州も呑み込まれ、西国の雄藩全てが佐幕派の支配に。

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ここから、倒幕派が巻き返します。まず、政変で長州を取り戻すと、じわじわと北九州の支配を広げます。

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さらに、亀山社中と坂本竜馬の活躍で、最重要拠点の薩摩藩を奪還します。

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が、巧みな倒幕派は、雄藩の支配が厳しいと判断すると、南海道の堅めと中国地方の影響力を高め、VP差を最小限に抑える策に。

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さらに、VP獲得のタイミングを絶妙に操作し、佐幕派の蓄積を増加させます。

結局の最後まで、この均衡が物を言い、最終ターン終了時の追加VPによって、佐幕派の圧勝となりました。

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自分も久しぶりのプレイで、勘所がつかめず、ここ一番で寄り切られ続けました。さすが、百戦錬磨のデザイナー。まあ、最終ターンまで行ったのをよしとしましょうか。

SF3Dがあっさり終わったので、オフ会で盛り上がった「江戸幕府の黄昏」(GJ)を再戦します。陣営は、前回と逆に佐幕派(mitsu)対倒幕派(Tommy)です。

第1ターン、両陣営とも政変を多用し、長州でクーデター合戦が起こります。一時は佐幕派が藩論を統一しますが、直後に寺田屋事件を起こし、倒幕派が支配を取り返します。このターンに、倒幕派は薩摩、長州、土佐を押さえ、優位に立ちます。攘夷実行の加点も合わせ、倒幕派6VPとなります。

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第2ターン、佐幕派は井伊大老が就任し、反撃で薩摩の支配を取り返します。また、敵の強制イベントで徳川家茂が登場し、若干ながら押し戻し、倒幕派4VPとなります。

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第3ターンは、長州藩での政変に始まり、イベントのラッシュとなります。生麦事件で攘夷が起こると、続けて生野義挙に。佐幕側も和親条約を結び、カード枚数が増えます。

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第4~5ターンもこの傾向が続き、松下村塾で松蔭が登場し、咸臨丸が海を渡ります。トドメは、安政の大獄でこれにより、薩摩、長州、土佐の全てが佐幕派支配となります。

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第6ターン、土佐勤王党の活躍でこの地の佐幕支配が崩れますが、京には新撰組と佐幕派の薩摩藩兵が駐留し、瀬戸内海まで押さえたことで、倒幕派は一気に苦しくなります。得点もついに佐幕派が逆転し、5VPとなります。

第7ターン、倒幕派に亀山社中が登場しますが、間髪入れず、佐幕派が近江屋事件を起こし、海援隊・陸援隊の登場を阻止します。ならばと長州で奇兵隊が決起しますが、逆に土佐勤王党が壊滅するなど、状況は変わらず。得点カードが続いたことで、VPで佐幕派が16点まで到達します。

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開けて、第8ターン、佐幕派の一手目が南海道の得点に。これにより、6VPを得た佐幕派が振り切り、最終ターン途中のサドンデス勝利となりました。

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