この日にもっとも楽しみにしていたのが、「日本機動部隊」(CMJ)シナリオ9「ソロモン・キャンペーン」です。両軍とも工夫しながら投入ポイントで艦隊を編成し、最多で3海戦を闘う、最大のシナリオ(キャンペーン)です。これまで何度か、対戦をしてきたエンジョウさんと、フィナーレに相応しい決戦となります。担当は、エンジョウさんが希望で日本軍を、mitsuが連合軍を担当します。

第1回戦の投入した航空艦隊は、以下のとおり(対戦後に確認)。
帝国海軍:空母翔鶴、瑞鶴、龍驤
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ワスプ、サラトガ
帝国海軍:空母翔鶴、瑞鶴、龍驤
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ワスプ、サラトガ
序盤、両軍は積極的に敵を求めて、接近をします。後からわかったことですが、夜が明けた時点で、すでに両空母艦隊はお互いを攻撃できる位置にいました。夜明けとともに、索敵機が飛び立ち、「敵機動部隊発見」を伝えます。
第4ターン、航続距離の関係で先手を取ったのは、日本軍でした。翔鶴、瑞鶴のレンジに入っていたワスプが、両空母からの攻撃を受けます。戦闘機と攻撃機が半数ずつの計8ユニットの戦爆連合です。これに対し、アメリカ軍が投入した迎撃機は、ワイルドキャットの9ユニット(全戦闘機隊)!零戦が分離をして、極力、攻撃機を守りますが、のべで6ステップを失います(アメリカ軍の損害は5ステップ)。

続く、対空砲火でも、戦艦ワシントンを初めとする猛烈な射撃により、一気に5ステップの損害を受けます。あわせて11ステップ(!)という「七面鳥撃ち」を喰らった日本軍は、攻撃drも優れず、全く損害を与えられません。
翌第5ターン、今度はお返しとばかりに、アメリカ軍の2空母から攻撃隊が飛び立ちます。目標は敵空母のスタック!そう、日本軍はCAPの効率を高めるために、空母を集中運用していました。ただし、迎撃機は、龍驤から上空直掩に派遣された4ステップのみ。これを見た連合軍は、攻撃隊を二手に分けて、空襲を実施します。その結果は・・・2空母とも、中破!


対する日本軍も、一矢報いんと、ワスプに対し、第二次攻撃隊を繰り出します。今度は、直衛機が出払っていたため、対空砲火をかいくぐった攻撃隊が、雷爆同時攻撃で見事にワスプを撃沈します。

第6ターン、アメリカ軍は残った二空母の攻撃隊を差し向け、中破していた瑞鶴を撃沈します。この時点で、日本軍は事実上の航空攻撃力を失います。
あとは、残敵掃討になるはずで、事実、空母を失った直衛艦隊を空襲し、金剛級2隻を中破します。
が、夜間に入ると、戦意を失っていない日本軍は少しでも損害差を埋めようと、戦艦隊による水上特攻を敢行します。これを想定していなかったアメリカ軍は、思わぬ水上戦闘に巻き込まれます。個艦性能では敵より優秀な戦艦ワシントンがいましたが、金剛級の集中砲火を浴びて撃沈。反撃で霧島を大破にし、残りを1隻を中破にするものの、かわりに軽巡及び駆逐艦を7.5隻、失います。

しかし、ここまでが敵の限界でした。夜明けとともに、追撃に移ったアメリカ空母が攻撃をしかけ、一方的に金剛級2隻を中破にします。これにより、次回の海戦には、同級4隻は使用不能になります。
二日目半ばには、日本軍が北端から離脱し、戦闘は終息しました。
第1回戦の損害は、以下のようになりました。
[日本軍]
撃沈…瑞鶴
大破…霧島
中破…翔鶴、金剛、比叡、榛名
[アメリカ軍]
撃沈…ワスプ、ホーネット、軽巡×3、駆逐艦×4.5
[日本軍]
撃沈…瑞鶴
大破…霧島
中破…翔鶴、金剛、比叡、榛名
[アメリカ軍]
撃沈…ワスプ、ホーネット、軽巡×3、駆逐艦×4.5

撃沈された数自体は、圧倒的にアメリカ軍が多かったのですが、日本軍は正規空母2隻と金剛級4隻の撃沈破で、次回以降に使用できなくなります。
続いて、第2戦の準備に入ります。アメリカ軍には、増援でホーネットが登場。これで、空母3隻+ヘンダーソン基地で、優位に立てるはずでしたが・・・。
「じゃ、イベントチェックね」とエンジョウさんが振ったdrは「6」。敵大型艦2隻撃沈!主力の空母サラトガはもちろん、唯一残った戦艦ノースカロライナが、イ号潜水艦の餌食に!そんな馬鹿な!!
第2回戦の投入した航空艦隊は、以下のとおりです。
帝国海軍:空母隼鷹、飛鷹、龍驤、瑞鳳
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ホーネット
帝国海軍:空母隼鷹、飛鷹、龍驤、瑞鳳
アメリカ軍:空母エンタープライズ、ホーネット
アメリカ軍の航空優勢が(索敵数を除き)一転して劣勢になったため、連合軍はある賭に出ます。重巡10隻の水上打撃部隊!これを一日目の夜間に解き放ち、ピケットの駆逐艦隊とともに、接近して来るであろう輸送船団を狙います。
もし、日本軍が戦艦隊を投入したら、効果は少ないばかりか、大損害を受ける可能性があります。が、敵はこちらに戦艦がいないことを知っており、かつ、空母をフルに投入するとすれば、投入ポイントが足りないはず、と計算した上での勝負です。
航空戦力の温存と打撃部隊による急襲を狙う連合軍は、初日はダミーを放って敵の動きを牽制しつつ、距離を取りながら、ガ島近辺まで接近します。
結果、陽動の駆逐艦隊が日本軍の空襲を受け全滅しますが(1.5ユニット)、ほぼ想定通りの展開で夜を迎えます。いよいよ、連合軍による夜襲の実施です。
後方から押っ取り刀で向かってくる艦隊が、輸送艦隊に違いないと、ガ島付近から水上戦力の3艦隊が北上します。
と、途中で、接触したのが、なんと隼鷹艦隊でした。が、重巡2隻に守られていた敵を駆逐艦では撃破できず、一方的に殲滅されます。しかし、まだ、近くに重巡10隻の主力艦隊がいます。しかも敵には、戦艦らしき艦影は無し!
油断していた隼鷹艦隊を、アメリカ軍重巡艦隊が捕捉したのは、第12ターンでした。10隻による猛烈なレーダー射撃を受けた日本軍は、隼鷹の中破を始め、大損害を出します。続く、第13ターンには退路を遮断した上で、これを包囲攻撃し、重巡4隻を含む同艦隊は、全滅します。

怒り心頭の日本軍は、夜明けとともに空母4隻からの攻撃を繰り出し、にっくきアメリカ軍重巡を3隻を血祭りに上げます。

が、損害上等で突出した重巡と圧倒的に有利になった航空索敵(5:3)により、敵空母の位置が判明!第16ターン、すかさず、飛び立ったエンタープライズとホーネット隊の全力攻撃で、主力となっていた飛鷹を撃沈することに成功します。

またも、この時点で、日本軍は事実上の航空攻撃力を失います。空母戦力で圧倒され、かつ、重巡による輸送船団の捕捉が確実になったことで、勝機は失われたと判断し、日本軍はガダルカナル戦役の終了を宣言しました。

第2回戦の損害は、以下のとおり。
[日本軍]
撃沈…飛鷹、隼鷹、重巡×3、輸送船×1
大破…重巡×1
[アメリカ軍]
撃沈…重巡×4、駆逐艦×5
大破…重巡×1
[日本軍]
撃沈…飛鷹、隼鷹、重巡×3、輸送船×1
大破…重巡×1
[アメリカ軍]
撃沈…重巡×4、駆逐艦×5
大破…重巡×1

結果、1、2回戦の勝利得点は、以下のようになりました。
[第1回戦]
日本軍…26.5点
アメリカ軍…37点
[第2回戦]
日本軍…18.5点
アメリカ軍…33点
[合計]
日本軍…45点
アメリカ軍…70点
よって、アメリカ軍の勝利。
[第1回戦]
日本軍…26.5点
アメリカ軍…37点
[第2回戦]
日本軍…18.5点
アメリカ軍…33点
[合計]
日本軍…45点
アメリカ軍…70点
よって、アメリカ軍の勝利。
いやー、非常に苦しかったけど、面白かった!投入ポイントによる制限と次回以降の海戦を見通した編成は、考えることが多く、それ自体が楽しいものでした。さらに、敵の兵力と意図を予測した作戦立案も、いい意味で悩ましく、お互いに「まさか!」「そんな!」と驚きの展開となりました。アメリカ軍にしてみれば、集中した航空機運用と日本軍のお株を奪う夜襲がうまく填り、ガ島をめぐる戦いを制することができました。
あまりプレイされた話を聞きませんが、最多で3海戦の可能性があり、「明日の戦いのために、今、どうするか?」と言う意味では、本来の醍醐味が味わえるシナリオでした。
残念ながら、JWC版ではこのシナリオは掲載されていませんでしたが、「激突南太平洋」(TCS)で復活したようです。ご興味のある人は、そちらをどうぞ。
なお、今回の対戦で、「日本機動部隊」(CMJ)の12個の全シナリオ・ヴァリアント制覇となりました。去年の6月に第1シナリオからスタートし、ダミーシステムにかかわらず、1年ちょっとで対戦し切ったことは、「戦友」のみなさんのおかげですね~。