歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei

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カテゴリ: 旧未来戦

今月のソロプレイ第三弾は、旧未来戦から「NATO」(VG)戦略的奇襲シナリオです。NATO側が全く開戦を予期できなかったという想定のため、動員と増援が遅れに遅れ、非常に苦戦します。WP軍も十分な兵力展開ができてはいないものの、やはり奇襲は有効で、かなりの確率で北ドイツ平原に突入できます。あとは、どこまで押し込めるかが焦点です。
 
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第1ターン、侵攻直前のターンですが、奇襲の意図を隠すため、WP軍は(夜間の)通常道路移動しかできません。よって、序盤の展開はやや制限されたものになります。
 
もっとひどいのがNATO軍でして、警備態勢の遅れから、なんと第1ターンは一切、移動できず。第2ターンに、西ドイツ国内の戦闘ユニットのみが移動できます(司令部は次ターンに)。よって、西ドイツ以外のNATO軍諸国は、一度、投入方向を間違うと、転進はかなり困難です。
 
いよいよ、開戦の第2ターン。まず、WP軍の空挺部隊が勢力圏内を飛び立ち、NATO軍後方に侵攻します。第1ターンの移動制限のため、戦線には穴が開いており、ここから浸透した空挺部隊は、確実に目標地点に降下します。そこは、当然、事前装備備蓄地点!これにより、実質、3個師団のアメリカ軍機械化師団の増援が失われます。
 
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次いで、地上部隊が足止め部隊を振り切りながら、西ドイツ領内に侵攻します。一部の戦車師団は、ウェーゼル川を渡河します。
 
同時に、基地を飛び立ったバックファイヤーなどの爆撃機が、前線のNATO軍地上部隊を直撃し、4ヒットを与えます。さらに、中央の西ドイツ軍の足を止めるべく、交通妨害を行い、1個装甲師団に+2追加移動力を加えます。
 
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NATO軍は、なけなしの部隊を前線に投入し、なんとか前線を維持しようとしますが、動きが遅く、十分な厚さを形成できず。
 
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第3ターン、同盟国の早期脱落を狙うWP軍は、空挺・空中機動・両用部隊を持って、デンマークに侵攻します。デンマークフェリーを封鎖し、3つの都市の占領を目論みますが、両用部隊が司令部を含む2ステップの損害を受けます。やむなく、地上部隊をこちらにスライドさせます。
 
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主軸の中央部では、攻勢支援を受けた3個軍団による集中攻撃を行います。事前の空爆も炸裂し(7攻撃で5ステップロス!)、全て、8:1以上の高比率攻撃になり、大きな損害を与え、イギリス軍の2個機甲師団を包囲します。
 
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わずかしか後退のできないNATO軍は、ステップロスで耐え、後方からの薄い増援で戦線を取り繕うのがやっとです。悪いことに、後方に浸透した空挺部隊の掃討に時間を取られ、増援のスケジュールが遅れます。
 
第4ターン、北ドイツ平原への最後の防衛線に対し、WP軍が猛攻をかけます。攻勢支援に加え、ここで化学兵器を使用!スタック防御でさえ、全て7:1以上となり、この圧力に耐えきれず、NATO軍の前線が一時的に崩壊!ミンデンが陥落し、平原への突入を許します。
 
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さらに、地上部隊と特殊部隊の両面攻撃を受けたデンマークが降伏し、流れは一気にWP軍に。
 
ここで、NATO軍は、取り残されたイギリス軍の救出のため、反撃を実行します。包囲攻撃により、機械化1個師団を撃破し、救出には成功しましたが、これは早すぎたか?!
 
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第5ターン、反撃のため、足並みの乱れたNATO戦線の先端に、WP軍が殺到!理想的な集中により、化学兵器も使わずに最高比率を出し、ドイツ軍の2個装甲師団をほぼ壊滅に追い込みます。また、余剰となった化学兵器は、戦線南部で使用し、こちらでも敵に相応の損害を与えます。
 
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このままでは、前線兵力が消滅すると判断したNATO軍は、やむなく、包囲下のイギリス軍2個師団を見捨て、戦線を後退させます。
 
第6ターン、WP軍はポケットの掃討を行いつつ、後退したNATO軍戦線に攻撃をかけます。が、さすがの化学兵器も効果が薄れ、最大でも8:1で総花的攻撃になります。ここに来てdrも鈍り、損害を出しながらも、NATO軍は戦線を維持することに成功します。WP軍の攻勢限界点も近いか?!
 
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この時、WP軍首脳部が決定したのは、空挺・空中機動部隊による戦線後方直近の攪乱でした。第7ターン、ヘリコプター輸送と空挺降下によって、北部戦線のすぐ背後に、6個連隊規模の特殊部隊が浸透!動揺したところに、化学兵器が降り注ぎ、のべで7ステップロスを喰らい、NATO軍の前衛部隊が大きく消耗します。
 
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NATO軍は間に合わせの増援でかろうじて穴を防ぎますが、2個師団が敵の後方に取り残され、戦線密度は危険水域を越えます。
 
地形効果の薄い北部戦線では、密度の低い防衛線で防げるはずもなく、第8ターン、再び、WP軍のスチームローラーをまともに受け、戦線は一時的に溶解!ドルトムントが陥落し、ルールとオランダ国内の戦いへと、雪崩れ込む直前に、タイムアップ(シナリオ終了)で幕がおりました。
 
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注目のVPは、
WP軍:52点
NATO軍:13点
相殺によって、確定VPは39点となり、ギリギリの引き分けとなりました。あと、2点、WP軍が上回っていたら、辛勝でした。
 
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その消耗具合から、これが15ターンゲームだったら、間違いなく、NATO軍の勝利はないと思います。そういった意味では、8ターンシナリオ用の戦いをしていたわけで、実際は、包囲された部隊の救出などにこだわらずに、部隊の温存を心掛ける必要がありましたね。
 
ともあれ、WP軍が納得のいく程度の有利さで進むシナリオですので、こちらも対戦者を募集しますよ~。

この日、事前に予約をしていたのが、「NATO」(VG)の戦術的奇襲シナリオです。前回と陣営を入れ替え、mitsuがWP軍を、kawaさんがNATO軍を担当します。
 
第1ターンの戦争直前では、多くのWP軍部隊が国境線に集結します。これに対し、NATO軍も増援を投入してますが、まだ、kawaさんが慣れていないこともあって、攻撃を受けやすい地点も・・・。
 
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第2ターン、宣戦布告をしたWP軍は続々と国境を越えます。2つの空中機動旅団は、デンマークにヘリ侵攻し、フェン島のダッチフェリーを封鎖します。また、海兵師団が本土の中央付近に上陸します。
 
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同時に、3個の空挺部隊が長駆、フランス国境付近の事前装備地点などを強襲し、のべで2個師団+2個旅団規模の増援を阻止します。主力は、カッセルを強襲し、中央部へ突進します。
 
第3ターン、敵の戦線を拡大し、密度を下げたWP軍は、もっとも薄い中央部からマンハイムにかけて、集中攻撃を行います。戦線を張りきれなかったマンハイム付近では、アメリカ軍司令部が捕捉され、壊滅。一時的に、全てのアメリカ軍部隊が補給切れに陥ります。一部の機械化部隊は、早くもライン川(!)に到達します。
 
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デンマークでは、WP軍が2箇所の小都市を占領し、降伏の条件を整えます。
 
第4ターン、伸びきった戦線に対し、WP軍は伝家の宝刀-化学兵器を使用し、消耗戦を仕掛けます。主目標は、ミンデン!4コラムシフトという、猛烈な攻撃により、一撃でミンデンが陥落。機械化部隊が、ついに北ドイツ平原に雪崩れ込みます。
 
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また、1個軍団を差し向けたデンマークでは、空中機動と陸上攻撃の挟撃により、国境の2個部隊が壊滅。これにより、空域内となった二都市で要件を満たし、デンマークが降伏します。
 
第5ターン、膨大な損害で戦線の密度が薄まる一方のNATO軍北部戦線に対し、配置換えを終えた攻勢マーカーと化学兵器のコンボで、ハイオッズの攻勢を続けます。これにより、北部戦線はまともに維持できなくなり、敗退を続けます。
 
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一方、南部では、東ドイツ軍がライン川を渡河し、マインツを占領します。
 
第6ターン、留まることを知らないWP軍の縦深突破が北ドイツ平原を席巻し、NATO軍はついにルール工場地帯を放棄!ライン川越しに、かろうじて戦線を張るのがやっと。
 
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第7ターン、ルールが占拠されると同時に、オランダ国境が侵犯され、もはや、流れは止められず。このターンの終了時点で、VPは64点となり、回復不能と言うことで、WP軍の勝利が確定しました。
 
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う~ん、やっぱり、NATO軍は難しいです。とにかく、先を読んで増援を投入しないと、あっという間に戦線が総崩れになります。また、ソロ演習で、練度を上げるか・・・。
 
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この日、kawaさんと対戦を決めていたのが、懐かしの旧未来戦「NATO」(VG)でした。冷戦まっただ中の83年に発表された、いわゆる第三次世界大戦アイテムで、基本は移動-戦闘とシンプルながら、移動形態は、鐵道輸送から空中機動、強襲上陸など、8種類があります。これに現代戦特有の強烈な航空攻撃あり、すさまじい打撃力の化学戦あり、挙げ句は禁断の核攻撃ありと、なっています。
 
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シナリオは、両軍が攻勢をとれる(はず)の「戦術的奇襲」。計画性が重要なNATO軍をmitsuが、勢いのWP軍をkawaさんが担当しました。
 
第1ターンは、戦争直前と言うことで、WP軍は国境に近づきます。が、なぜか、鐵道輸送を使わなかったので、国境沿いの展開は遅れ気味。NATO軍は、この配置を精査し、第2ターンの国境警備隊の遅滞を計算して、攻撃を受けにくいように、ユニットを機動させます(可能な限り、1ヘクスからしか攻撃を受けないよう)。また、事前配備地点には、空挺部隊を航空フェリーで送り込み、敵の空挺降下に備えます。
 
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第2ターン、WP軍が圧倒的な戦力で国境線を越えます。が、中央部では、遅滞戦術の騎兵中隊などによって、多くの部隊が接敵できず。唯一、組織的な攻撃が可能な北部でしたが、Hamburgに迫る平地のWP軍に対し、NATO軍が猛爆を行い、3ステップの損害と支援制圧に成功します。Hamburgの第6装甲擲弾兵師団は1ステップを受けながらも、後退に成功します。
 
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NATO軍は、BremenからKasselまではウェーゼル川を強化しながら、中央部から南部では、作戦的後退と予備部隊の投入で前線を固め、攻撃に備えます。
 
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第3ターン、エルベ川を渡河して、Bremen防衛線に迫るソ連軍に対し、NATO軍がまたも猛爆を行って、戦車兵力に打撃を与えます。幸いにも支援制圧に成功し、損害を出しながらも、戦線を維持することに成功します。
 
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また、ソ連軍の海兵及び空中機動によるデンマーク侵攻に対しては、空輸・空挺・海輸で対抗し、数少ない都市を死守します。
 
第4ターン、中央で激しい戦闘が続く中、攻勢支援マーカーを受け取ったNATO軍は、中央部で反撃に出ます。アメリカ軍4個師団相当による攻撃で、WP軍の1個師団半の機械化部隊を全滅させ、Kasselの安全を確保します。
 
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第5ターン、ここに至り、WP軍はついに化学兵器の使用を宣言!最後の突破を目論み、北部で猛攻を加え、ついにウェーゼル川の渡河に成功します。
 
が、これを想定し背後に増援を集結していたNATO軍は、反撃を拡大し、中央部で東ドイツ国内に逆侵攻します。
 
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第6-7ターン、WP軍はせっかく渡河したウェーゼル川から撤退し、必死の抵抗を行います。が、勢力を盛り返したNATO軍の航空攻撃と攻勢支援の組み合わせは強烈で、中央部に7ヘクスに及ぶ突破口が開きます。もはや、Leipzigまで遮るものは、なし・・・。
 
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と、ここで、軍事的崩壊の危機に直面した、クレムリンは重大決断をします。戦術核の先制攻撃!
 
実質的なゲームはここまででした。エスカレーションこそ、免れましたが、自国領内にも関わらず、核を使用するという狂気のWP軍によって、事態は最悪に・・・。これ以上は、記載しませんが、やっぱり人が手にしてはいけない技術だと、強く実感しました。
 
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核がなくても、西側に侵攻した時点で、東側の経済的な破綻は免れないでしょうから、(WWⅢが起こらないという)史実は正しかったと、思います。そういった意味では、「教育的な」アイテムでした。
 
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