この日の緒戦は、たかさわさんのお誘いで同人の「躍進!無敵皇軍」を3人プレイしました。いわゆるウォーゲームではありませんが、かなりハードなミリタリー要素を詰め込んだマルチカードゲームです。
各プレイヤーは、日本軍の参謀本部の1将校となって、立身出世を目指します。イベントカードで軍部内や軍需産業にコネを作り、部隊配備や戦闘で有利な修整を獲得します。
それを元に、対ソ連軍・対中国・対イギリス・対アメリカの各戦線で作戦を行います。兵力が足りないときは、作戦を理由に強制的に国内から陸軍(兵役人口)を動員したり、他の艦船を借用したりできます。一旦、獲得した陸軍は、そのまま、現地で使い続けることができます。

カードの指定兵力を投入できれば作戦成功で、投入した兵力に応じたVPを獲得できます。この時、敵の反攻を受けて兵力を失うこともありますが、これでさえ、「健闘した」とVPの対象に!作戦が成功すると軍政費用がかかり、毎ターン、VPが減少しますが、これも「国家方針」に必要だと中央政府に肩代わりさせることができます。
兵役人口が零になったらゲーム終了で、最も多くのVPを獲得したプレイヤーが勝利します。
序盤、「五一五事件」で政府を脅して資源を手に入れたmitsu少尉は、それを元手に航空隊を充実させます。ピポ少尉は国家財政を無視して海軍拡充に突っ走り、多くの艦艇を指揮下におきます。と、たかさわ少尉は陸軍を充実させ、いきなり大陸に出兵。強引に巻き込まれたmitsu少尉とピポ少尉もすわ遅れじと、作戦に協力し、VPを稼ぎます。

その後、「ただ、成功しやすいから」とノモンハンに出兵したり、「点数が高いから」と南方を攻略したりして、出世(階級上昇)と指揮兵力の増強を繰り返します。多少、無理な作戦でも権限を生かして、内地から兵力を引っ張り出し、強引に成功させてしまいます。
そのうち、敵軍カードが増え、いずれの戦線も行き詰まりになったところで、「まだ、ましな」対アメリカ戦に突入!う~ん、そんな理由で、あの対米戦を?!この行き当たりばったり感があまりにリアルで・・・。
国家財政など、どこ吹く風と、強引に兵力を増強した結果、ミッドウェイとパールハーバーまで占領!ただし、駐留費用がひどく高いので、すぐさま、「国家方針に従っただけ」と費用を国に押しつける始末。おお、統帥権を盾にした、この暴走ぶり!

その後も、あっちこっちの戦線に、見境なくVPを求めて首を突っ込みます。青年人口(兵役人口)をアジア各地に散らばせまくり、時折、敵の反撃も受けて、多くの犠牲を出します。最後は、東京大空襲を受けて、兵役人口が枯渇し、ゲームエンド。

結果、陸海空をバランスよく揃え、最も多くの作戦を成功させたmitsu中将が勝利となりました。途中から予科練を動員し、空軍(航空隊)であちこちの作戦に介入したことが、VPを押し上げました。たかさわ中将は陸軍と空軍中心で、ピポ大将は逆に海軍と陸軍に偏ったため、VP的に届かず。

ゲームには勝ちましたが・・・お気づきでしょうが、ペナルティが少ないことから、積極策ほどVPが取りやすくなります。兵力的に多少、無理でも、強引に作戦を決行し(戦線拡大)、それを理由に内地から兵力を投入させます(まるで関東軍)。勝手に占領しておいて手間がかかるようになると、「国の方針」だからと政府に肩代わりさせ、さらに戦線を拡大。失敗して恐ろしいほどの兵員を失っても、責任を取らされるどころか、「お国のためによく頑張った」とVPが上がる始末(インパール作戦か)。己の栄達のため、最後は青年人口(兵役人口)が枯渇するまで、軍拡に突っ走る・・・プレイヤーは、まるで牟田口廉也か、辻政信か。
あまりの無責任と暴走ぶりに、そりゃ、日本が滅ぶはずだと納得。「躍進!無敵皇軍」ではなくて「暴虐!無責任皇軍」かしら?!(苦笑い)。そう、このアイテムは、「ニュークリアウォー」と同じ系列のブラックジョークアイテムですね~。
「聞くところによれば、デザイナーは「国防軍の夜」(同人)を購入して、そのコンセプトに引かれ、デザインしたそうで。ある意味、プレイヤーを選ぶ同人アイテムですが、「非常によく」できているので、アイロニー好きには堪らないかも?!